SSブログ

「SABOTEUR」 [映画(洋画)]

表題の作品は1942年の映画「逃走迷路」である。ヒッチコック監督の得意とする巻き込まれサスペンスであり、ラストの自由の女神でのシーンはあまりにも有名な作品である。サスペンスの古典的名作として、サスペンス・ファンであれば見ておくべき作品である。無実の男が警察に追われながら真犯人を突き止めていくという物語である。(現在では、このような作品は腐るほどありますけど...)

作品データを記しておくと、時間は109分の白黒作品である。製作はフランク・ロイドとジャック・H・スカーボールの2人、監督はアルフレッド・ヒッチコック、脚本はピーター・ヴィアテル、ジョーン・ハリソン、ドロシー・パーカーの3人、撮影はジョセフ・ヴァレンタイン、音楽はチャールズ・プレヴィンとフランク・スキナーの2人である。そして出演は、ロバート・カミングス、プリシラ・レイン、ノーマン・ロイド、オットー・クルーガー、アラン・バクスター、ボウハン・グレイザー、マーレイ・アルパー、たちである。

航空会社で働くバリー・ケーンは、工場で起こった火事で同僚・メイソンが死んだ事件の容疑者に仕立てられて追われることになる。真犯人の手掛かりは、燃える工場から飛び出してきた男・フライと、彼が落とした封筒に記された住所「ディープ・スプリングス牧場」だけだった。バリーは警察の手を逃れてディープ・スプリングス牧場に向かった。牧場主・トビンはフライという男は知らない、と言うが、トビンの子供がバリーにじゃれつき、父の上着のポケットから取り出した紙切れをバリーに渡す。それはフライからの電報だった。が、トビンの通報によって駆けつけた警察によってバリーは逮捕される。護送中、渋滞で車が橋の上に止まっている時、隙を突いたバリーは川に飛び込んで逃走する。そこでバリーはミラーという紳士に助けられ、ミラーの姪・パットと共に真犯人捜しを行う。やがて愛し合うようになる2人はマウンテン・シティーでナチ破壊工作員たちの連絡場所を見つけ、メンバーの振りをして工作員に接触、ニューヨークに発つ。ニューヨークに着いたバリーはあるパーティーが行われているマンションに連れて行かれ、トビンがパットを捕えらている姿を見る。何だかんだでバリーは工作員たちの真の目的が戦艦の爆破だと知る...

ストーリーにおいては、ちょっと都合が良い所もあるが、後のヒッチコック監督作品の代名詞の一つとなる形がここにはある。「北北西に進路を取れ」など、後のヒッチコック監督の巻き込まれサスペンスを見たら、是非とも抑えておきたい作品である。それにしても、真犯人(=悪役)が良い味を出している作品というのは、やっぱり面白いですね。

 

逃走迷路

逃走迷路

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2007/06/14
  • メディア: DVD


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「ガメラ」(その6) [映画(邦画)]

今回は、WOWOWの全12作一挙放送の6日目の後半に放送されたシリーズ第8作の「宇宙怪獣ガメラ」についてです。前作から9年のブランクを経て登場した作品で、「昭和ガメラ」としては最後の作品である。

シリーズ第8作宇宙怪獣ガメラ」(1980年)
作品データを記しておくと、1980年の大映の作品で、時間は92分である。監督は湯浅憲明、脚本は高橋二三、撮影は喜多崎晃、美術は横島恒雄、音楽は菊池俊輔である。ナレーターを中村正が務めている。そして出演は、マッハ文朱、小島八重子、小松蓉子、前田晃一、高田敏江、桂小益、工藤啓子、林博二、池田真、飛田喜佐夫、斉藤安弘、豊隅哲朗、小林英樹、たちである。また、小林修が声の出演をしている。

宇宙海賊ザノン号、宇宙の星々を次々と滅ぼしてきた侵略者である。その宇宙海賊ザノン号が次の標的を地球として進撃を開始。平和星M88から派遣され、現在は地球人の中に身を隠していたスーパーウーマンのキララ、ミータン、マーシャはこれを察知する。ザノン号は侵略の邪魔となる平和星のエージェントたちを捜し出すために、女工作員ギルゲを地球に派遣する。ザノン号からはかつてガメラと戦った怪獣たちを送り込んで来る。武器を持たないキララたちは手の出しようがなかったが、キララは友人の圭一少年からガメラの事を知り、念力でガメラを呼び出す。で、ガメラが怪獣たちに立ち向かって行く...

過去の作品群のガメラと怪獣のバトル・シーンの映像を使ったことで、ガメラと怪獣に関する部分は新撮がなく、ドラマ部分のみの新撮で構成した物語である。更に、「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」「キン肉マン」(漫画)、「こち亀」(漫画)が劇中に登場するということで、お楽しみとなっている。また、ザノン号は「スターウォーズ」のスターデストロイヤーであるし、平和星の3人はスーパーマンを意識している。ということで、本作は「ガメラ」が登場するものの、過去の作品をつなぎ合わせたパッチワークのようなものとなっていて、これをシリーズに加えることには賛否両論がある。→ある意味、パロディ映画のような作風と言うことも出来る。(但し、内容はコメディに走っていない。)まあ、過去の映像資産をつなぎ合わせ、活弁で台詞を展開すれば、全く別物の作品となる、という映像作品の新たな活用方法を示した作品と言って良いでしょう。

ただ、今回のWOWOWの「一挙放映」ということで、他の作品を見て間もない間に見たら、誤魔化されたというような印象を受けてしまう。本作は、他の「昭和ガメラ」シリーズを見てから暫く間を開けて見るべきですね。

 

宇宙怪獣ガメラ

宇宙怪獣ガメラ

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2007/10/26
  • メディア: DVD

↓「昭和ガメラ」シリーズのBOX

ガメラ THE BOX 1965-1968

ガメラ THE BOX 1965-1968

  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 発売日: 2001/10/11
  • メディア: DVD

ガメラ THE BOX 1969-1980

ガメラ THE BOX 1969-1980

  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 発売日: 2001/11/28
  • メディア: DVD


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

STYX『THE GRAND ILLUSION』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1977年に発表された彼らの7th.アルバムである。(邦題は「大いなる幻影」)このアルバムは彼らのアルバムとして初めて全米TOP 10入りを記録したアルバムである。デヴュー時はプログレ系のサウンドだった彼らも、'80'sになると産業ロックの代表格のように言われるようにサウンドが大きく変わったが、本アルバムはコンセプト・アルバムであり、プログレ寄りの所があるアルバムである。ちなみに本アルバムは、Billboardのアルバム・チャートで最高位6位を記録し、1978年の年間アルバム・チャートでは7位にランクインしている。(結構長期にわたって売れたアルバムである。)で、彼らの人気も爆発することになり、「PIECE OF EIGHT」や「CORNERSTONE」「PARADISE THEATER」「KILROY WAS HERE」というビッグ・ヒットが続く黄金期に入っていくことになった。(それに伴って、サウンドが大きく変わることにもなった...)

収録曲は以下の全8曲である。『Grand Illusion』『Fooling Yourself (The Angry Young Man)』『Superstars』『Come Sail Away』『Miss America』『Man In The Wilderness』『Castle Walls』『Grand Finale』。

この中からシングル・カットされた『Come Sail Away』は1975年の『Lady』以来の全米TOP 10ヒットを記録(最高位8位)し、1978年のBillboard年間シングル・チャートでも56位にランクインしている。また、『Fooling Yourself (The Angry Young Man)』もシングル・カットされて、こちらは最高位29位を記録するヒットとなった。

本アルバムからの筆者のお薦め曲は、当たり前すぎるが『Come Sail Away』『Fooling Yourself (The Angry Young Man)』の2曲を挙げない訳にはいかない。(まあ、彼らの代表曲でもある訳ですからね。)が、筆者のお気に入りは『Miss America』であって、こちらもお薦めである。そして、本アルバムはコンセプト・アルバムとなっているが、最初と最後の『Grand Illusion』と『Grand Finale』の幕開けとエンディングが実に良いものとなっている。後の「PARADISE THEATER」でも同じことを行っているが、こういう所はやはりプログレの方に近いバンドならではでもあり、アルバムのクオリティを高いものにしている所でもある。

'80'sの音楽シーンを語ると、必ず「産業ロック」の話が出てきて、彼らの名前も必ず出てくるが、本アルバムは'70'sのアルバムでもあり、「産業ロック」の「さ」の字も出てこない。デヴュー時の雰囲気が残るアルバムであり、'80'sの彼らしか知らない方は逆に驚きがあるであろう。ロック・ファンであれば、聴いておくべき'70'sのアルバムである。

 

The Grand Illusion

The Grand Illusion

  • アーティスト: Styx
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。