「SAN FRANCISCO」 [映画(洋画)]
表題の作品は1936年のアメリカ映画「桑港(サンフランシスコ)」である。今年の最初の放送となる1/5(再放送は1/6)にTwellVの映画枠である「神宮前名画座」で放送した所でもある。当時、「キング・オブ・ハリウッド」と言われた絶頂期のC.ゲーブルとS.トレイシーという豪華な顔ぶれによる一代エンタテイメント作品であり、歌に、ダンスに、そしてラストの特撮というように、バラエティに富んだ作品である。また、1906年のサンフランシスコ大地震が物語に活かされたストーリーになっている。
作品データを記しておくと、116分の白黒作品である。原作はロバート・ホプキンス、製作はジョン・エマーソンとバーナード・H・ハイマンの2人、監督はW・S・ヴァン・ダイク二世、脚本はアニタ・ルース、撮影はオリヴァー・マーシュ、音楽はブロニスラウ・ケイパーとハーバート・ストサートの2人である。そして出演は、クラーク・ゲーブル、スペンサー・トレイシー、ジャネット・マクドナルド、ジャック・ホルト、ジェシー・ラルフ、テッド・ヒーリー、シャーリー・ロス、たちである。尚、本作はアカデミー録音賞を受賞している。(6部門でのノミネートであったが、受賞したのは1つでした。)
1905年の大晦日。オペラ歌手になることを夢見るマリーはカフェ「パラダイス」の唄姫として仕事に就いた。やがて、店のオーナーであるノートンと恋に落ちたマリーだった、そんな所に上流社会の紳士であるジャック・バーレーが現れ、マリーがオペラ歌手になることを夢見ていると知ると、団員になる契約を申し出る。最初はそれを拒否するノートンだったが、マリーの才能を伸ばしてやることを説かれて、店の契約を解除してマリーのことをバーレーに託すことにした。やがてマリーはティヴォリ座でオペラのスターとなったが...
音楽的にもジャズやオペラがたっぷりと出てくる上に、ダンスまであって、華やかなハリウッド映画らしい作品である。が、サンフランシスコ大地震によって全てが崩壊して、本当の愛に気づいていくことになる終盤のドラマが、エンタテイメントだけに偏らない作品として本作の価値を高めている。
70年以上も昔の作品であるが、エンタメということでは古さを感じさせない一級の娯楽大作である。一度は見ておきましょう!
「多羅尾伴内」(その1) [映画(邦画)]
懐かしの邦画ヒーローシリーズの第16弾は「多羅尾伴内」シリーズです。このシリーズには2つのシリーズがあり、片岡千恵蔵主演のシリーズと、小林旭主演のシリーズとがある。前者は全11作、後者は全2作がある。ということで、この2つのシリーズを製作順に述べていくことにする。
初回の今回は、シリーズ全体のおさらいです。
片岡千恵蔵主演シリーズは1946年から1960年にかけて製作された作品であり、「金田一耕助」シリーズとともに千恵蔵の現代劇シリーズの代表的な作品である。「ある時は○○、またある時は○○。果たしてその実体は?正義と真実の人・藤村大造だ!」という決め台詞があまりにも有名であり、「決め台詞」というものの爽快感をたっぷりと味あわせてくれる作品である。主人公・藤村大造が得意の変装術を駆使して難事件を解決していくという物語であり、お約束があるということでは後の「ケータイ刑事」シリーズにも通じる所がある。
作品としては以下の11作である。シリーズ第1作「七つの顔」(1946年)、シリーズ第2作「十三の眼」(1947年)、シリーズ第3作「二十一の指紋」(1948年)、シリーズ第4作「三十三の足跡」(1948年)、シリーズ第5作「多羅尾伴内シリーズ 片目の魔王」(1953年)、シリーズ第6作「多羅尾伴内シリーズ 曲馬団の魔王」(1954年)、シリーズ第7作「多羅尾伴内シリーズ 隼の魔王」(1955年)、シリーズ第8作「多羅尾伴内シリーズ 復讐の七仮面」(1955年)、シリーズ第9作「多羅尾伴内シリーズ 戦慄の七仮面」(1956年)、シリーズ第10作「多羅尾伴内 十三の魔王」(1958年)、シリーズ第11作「多羅尾伴内 七つの顔の男だぜ」(1960年)。
尚、第1作から第4作まではタイトルに「多羅尾伴内」の文字は入っておらず、5年ぶりに復活したシリーズ第5作から「多羅尾伴内シリーズ」という文字がタイトルに入るようになった。
続いて、小林旭主演の2作品について。東映に移籍した小林旭が、片岡千恵蔵主演主演の人気シリーズを受け継いで、1978年に製作された作品であり、藤村大造が変装術を使って難事件を解決していく作品である。が、小林旭のキャラクタが合わず、2作で終了してしまった。マイト・ガイと言われた小林旭ならではのアクションがあるという所がポイントである。
作品は以下の2作である。シリーズ第1作「多羅尾伴内」(1978年)、シリーズ第2作「多羅尾伴内 鬼面村の惨劇」(1978年)。
まずは片岡千恵蔵主演シリーズからということで、次回からそれぞれの作品について記していきます。
↓シリーズからいくつか
↓参考まで
「キ・ニ・ナ・ル!」(1/10)+深夜「アニメ枠」 [ケータイ刑事]
新年最初の「キ・ニ・ナ・ル!」には、ようやく2/23&24に東京グローブ座で公演される「銭形海」の舞台が登場しました。(チケットの販売もかなり前から始まっているのに、ようやくということになった。)
映像は、舞台公演のポスターが上から下へパニングしていき、それに続いては1分版の「iしたい。 ~銭形海・3rd.」の映像(=3rd.1話から)が使われていました。時間は32秒ということでした。
で、ポスターの出演者の所に名前があったのは、海ちゃん(絢ちゃん)、マツ(松崎さん)、柴田さん(大掘さん)は当然ですが、それ以外に、金剛地さん、宝積さん、林和義さん、遠山俊也さんの名前がありました。(BS-iの公式HPには、これらの誰一人も名前が出ていなくて「他」となっていますけど...)また、HPには出ている「演出:丹羽多聞アンドリウ」と「作:林誠人」というのもポスターで確認できました。
ということで、今後はこの舞台公演の宣伝スポットが流れるようになるのを待つだけですね。(おそらく、2月になると「アニメ枠」で15秒版(30秒版かも知れませんが...)が流れるだろうと予想されます。)
続いて、深夜のアニメ枠の方へ行きます。まずは「逮捕FS」。主題歌の後の本作のDVDの宣伝はいつもの通りであるが、これはいつもの通り。で、「ガンダム00」のDVDの宣伝が入っていました。あとは番宣というのもいつもと同じであるが、「うさもち」の新シリーズの宣伝も当然のようにありました。で、目的の「銭形海」の次回予告(3rd.2話)は、30秒版(正確には27秒)の予告が早い時期(主題歌とAパートの間)にあり、A/Bパート間のCMの所には再放送の「銭形雷」の次回予告(2nd.13話)の30秒版がありました。(これも残す所2回ですね。)→「ケー刑事」のCMはしっかりと流してくれます。が、「海」の方も30秒版ということになると、15秒版の方のゲットが難しくなりますね...
「CLANNAD」の方も基本的には同じで、この作品のDVDの宣伝を中心に、いくつかのアニメと、「怪談新耳袋」の絶叫編の「黒い男たち」があり、それ以外はBS-i放送番組の宣伝といういつもの内容でした。(こちらの方には「ケータイ刑事」の予告はなしでした。)
↓このDVD宣伝もありました。
↓今回の新顔DVDの宣伝はこれ
「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その33) [ケータイ刑事]
今回の「ボンドガールとゲストキャラにおける類似点」というお題のテーマは「組織に忠誠を尽くすキャラ」です。ボンドガールで組織に忠誠を尽くすというと、MI-6のメンバーで忠実に任務を遂行する人物と、敵側の組織で忠誠を誓う人物とが存在するが、どちら側かということは特に限定しないことにする。
で、登場いただくのは、「007」からは「黄金銃を持つ男」のメアリー・グッドナイト、そして「ゴールデンアイ」からゼニア・オナトップ、「ケータイ刑事」からは「泪・2nd.22話」に登場した早島琴(はやしま・こと)です。メアリーはボンドと同じMI-6の人間であるが、ゼニアと早島琴は悪側の組織の人間であり、主人公であるボンド/泪ちゃんを手こずらせたキャラである。(が、これが不思議な類似点があります。)
「007」:メアリー・グッドナイト。シリーズ第9作(3代目ボンドの第2作)となる「黄金銃を持つ男」のボンドガールである。この当時は、ボンドガールと言えばブロンド・ヘアーというのが多かったが、彼女の後は暫くブロンドのボンドガールは登場しなくなり、14作の「美しき獲物たち」までブロンドのボンドガールは登場しなくなる。
彼女はロンドンの本部で2年間働いた後、香港支局で連絡員となった。ボンドに恋い焦がれていて、ボンドのサポートを務めることになったことを喜んでいた。本人は一生懸命に任務を遂行しているつもりだが、何故か失敗ばかり重ねてしまうという愛らしいキャラの持主である。で、スカラマンガの車に発信器を付けようとした所、その場を発見されてトランクに押し込められ、スカラマンガはその足で逃亡、空飛ぶ車(飛行ユニットを装着する)のトランクから脱出を試みたが、その時は空を飛んでいて、そのままスカラマンガの本拠に連れて行かれてしまった。
ボンドの力になろうと頑張っているということで、MI-6という組織には忠実である。が、それが全て裏目に出てしまうのが不思議であり、また魅力でもある。最終的に、スカラマンガを倒したボンドと、待望のベッドインかと思われたら、ニックナックが主人の仇を取ろうと襲ってきて、、またも不運な目に遭ってしまったのは...
「007」:ゼニア・オナトップ。シリーズ第17作であり、5代目ボンドのデヴュー作となる「ゴールデンアイ」の悪側のボンドガールである。元006であったアレックスの組織したヤヌス・シンジケートの一員である。彼女は、元はソ連の戦闘機の女性パイロットであったが、ソ連の崩壊もあって、殺し屋に転身した。元パイロットであるだけに、戦闘機やジェット・ヘリの操縦に長けているだけでなく、車のドライビング・テクニックも抜群である。また、殺し屋としての腕も高く、冷酷であり、同時に自分の太ももで男を絞め殺すという技を持っている。ボンドも彼女の太もも攻撃に相当苦労させられた。また、マゾという部分を持ち合わせている。
「ケータイ刑事」:早島琴。「銭形泪・2nd.22話」に登場したゲスト・キャラである。美人催眠術師としてショーを行っているが、それは表の顔であり、裏の顔を持っている。実は荒畑任五郎が国家転覆を企む秘密結社・海王星団の一員であり、荒畑任五郎が逮捕された後、組織の首領となった。催眠術ショーの舞台上で、元首領の荒畑任五郎を暗殺するように高村さんに催眠術を掛けた。更には、「相棒を射殺せよ」という催眠術を掛けていて、泪ちゃんは絶体絶命のピンチに陥ることになった。結局は、高村さんの(「ケータイ刑事」では珍しい)アクションの活躍、そして泪ちゃんの高村さんという黄金コンビの絆の前に、野望を果たすことは出来ず、逮捕された。荒畑任五郎が逮捕された後の組織を引き継ぎ、新たな首領として、警察に拘留中の前首領を消すことさえ厭わない非情な所は、組織のトップに君臨する者として、組織を守るための行動ということになり、組織のために忠誠を尽くしていると言うことになる。(それが良いことか悪いことかは別ですけど...)
今回取り上げた3人は、自分の属する組織のことを最優先に考えて行動する女性である。そのため、強い信念を持っていて、組織のために徹底した行動を取る。だからこそ、ちょっと狂気じみた行動にも繋がっている。(メアリーは「失敗」ということになっていましたけど...)だからこそ、自分の世界に陶酔するという所をゼニアと早島琴は見せていた。(ここが類似点ということになる。)まあ、並の行動をしていたら、組織内で上の方に上り詰めていくことは出来ないでしょうけど... で、ゼニアと早島琴は、自分の世界に陶酔したことで油断が生じ、そこから逆転の反撃を喰らって、ゼニアはボンドに倒され、早島琴は泪ちゃんに逮捕されることになった。→悪役としたら、貫禄があり、憎たらしい所があって申し分ないキャラクタである。だからこそボンドや泪ちゃんの活躍が栄えることになる。
また、メアリーは失敗することでボンドの足を引っ張ることをしていたが、そうして生まれたピンチをボンドが見事に脱していくということで、ボンドの活躍が栄えることになる。ということで、今回取り上げた3人は、その作品の主役が栄えるような活躍をした、ということにもなる。これはキャラクタとしたら存在感があったということで、作品において存在感のある役割をしっかりと果たしたということになる。(作品によっては、存在感が無くて、何のためにいるのか分からないようなキャラクタが出てくることがあるが、そういうキャラクタはキャラ設定を失敗したということになるだけです。)→1人は主人公側の正義、あとの2人は敵となる悪側のキャラクタであるが、それらが同じ分類で同じ役割を果たしたということになるが、これもその作品がしっかりしているからのことである。やっぱり「007」と「ケータイ刑事」は偉大な作品だということになります。
次回も「ボンドガールとゲストキャラにおける類似点」というお題で続けていきます。(ボンドガールの方で残っているキャラはかなり減ってきましたが、まだまだ色々と「類似点」があります。)誰が登場するかはお楽しみに。
↓海王星団登場の物語はこちらにもあります。