「SWING TIME」(1936) [映画(洋画)]
表題の作品は1936年のアメリカ映画「有頂天時代」である。この作品はF.アステアとG.ロジャースのコンビによるミュージカル・コメディであり、ミュージカルがお好きな方であれば誰でも知っているであろう有名な作品である。全編を通して流れるスイングの中、円熟期に達したアステア&ロジャースのコンビの踊は見所満載である。
作品データを記しておくと、時間は104分の白黒作品である。原作はアーウィン・ゲルシー、監督はジョージ・スティーヴンス、脚本はアラン・スコットとハワード・リンゼイの2人、撮影はデヴィッド・エイベル、音楽はジェローム・カーンとナサニエル・シルクレットの2人である。そして出演は、フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース、ヴィクター・ムーア、ヘレン・ブロデリック、エリック・ブロア、ベティ・ファーネス、たちである。また、本作の主題歌である『The Way you Look Tonight』(邦題:今宵の君は)はアカデミー主題歌賞を受賞している。
ポップ一座の舞台で踊っているダンサーのラッキー・ガーネットは、マーガレットと結婚することになっていたが、ダイス遊びに夢中になっていて、結婚式の時間に遅れてしまう。これに怒ったマーガレットの父は、ラッキーが2万5000ドルの貯金が出来るまで結婚を認めないと言い渡した。で、ラッキーはニューヨークにやってきた。そこで舞踊学校の教師・ペニイと知り合いになり、素人のふりをして彼女に弟子入りをするラッキー。で、不器用なふりをするラッキー。ここから珍騒動が始まった...
物語はコメディ・タッチで描かれているということもあって、笑いに満ちあふれたもので進んで行く。ドタバタも楽しいが、ダンス・シーンになると、流石にアステアとロジャースは一段と輝いている。そして、バックに流れるスイングの名曲の数々にも引き込まれ、自然と身体が動いてくる。実に楽しい作品であり、映画の楽しさ、面白さを教えてくれる作品である。また、ストーリーの方も、こういう作品に相応しい主人公のハッピーエンドというのも楽しい所である。たっぷりと楽しめる作品である。
尚、表題に本作の製作年を入れているのは、原題は異なっているが、同じ邦題「有頂天時代」という1930年の作品(ニック・グラインド監督、メアリー・ローラー主演、原題は「GOOD NEWS」、ブロードウェイ・ミュージカルの映画化作品です。)があり、邦画にも1951年に同名タイトル作品(毛利正樹監督、小林桂樹主演)が存在するためであり、念のため、ということで付けることにした。当然、物語は全く関係ない別物である。
「てなもんや」(その4) [映画(邦画)]
懐かしの邦画ヒーローシリーズの第17弾として記している「てなもんや」シリーズも、今回が最終回となった。で、残っている1967年のシリーズ第4作と第5作です。お馴染みの時次郎と珍念の凸凹コンビにザ・ドリフターズの面々と、当時のアイドルが出演する楽しい作品である。
シリーズ第4作「幕末 てなもんや大騒動」(1967年)
作品データを記しておくと、1967年の東宝、宝塚映像、渡辺プロの作品で、時間は93分である。原作は香川登志緒、監督は古沢憲吾、脚本は笠原良三と沢田隆治の2人、撮影は永井仙吉、美術は松山崇、音楽は山本直純である。そして出演は、藤田まこと、白木みのる、野川由美子、伊東ゆかり、伴淳三郎、いかりや長介、仲本工事、高木ブー、加藤茶、荒井注、谷啓、磯村みどり、財津一郎、たちである。
時は幕末、今や人気絶頂の勤王の株を先買いした時次郎は、近江の国・園城寺にいる珍念の所に行き、二人は京都を目指す。その頃京都では、新撰組と勤王党の争いが絶えなかった。時次郎と珍念が訪ねた証城寺には、勤王の花形スター・坂本竜馬が間借りしていて、薩摩の西郷吉之助と会談するため尾張に向っていた。が、竜馬に桂小五郎の密書を届ける久坂とおゆきが急病になったために、彼らの代理人として、セ、パの暗号を伝授されて京都から珍道中を始めることになった時次郎と珍念。道中で、いきなり食物のことで喧嘩となり、二人は別行動をとることにした。しかし、二人とも散々な目に遭い、結局、コンビは別れるべきではない、ということで、再びコンビで尾張を目指すことになる。尾張に渡る舟の中で竜馬と会い、犬を連れた西郷らしい人物を見たという知らせが入る。が、それはニセモノの西鄕であり、会談が始まる寸前でニセモノと分かり、大騒動になる。そんな所に新たな竜馬と西鄕が現れた。で、暗号を使い無事に役割を果たした時次郎と珍念だった。
あまりにも有名な幕末の英雄たちの活躍の影に時次郎と珍念の活躍があった、という発想が面白い。こういう発想は後の「必殺」シリーズでも使われることがあり、楽しい所でもある。但し、正しい史実も学んでおきましょう。
シリーズ第5作「てなもんや幽霊道中」(1967年)。
作品データを記しておくと、1967年の東宝、宝塚映像、渡辺プロの作品で、時間は87分である。原作は香川登志緒、監督は松林宗恵、脚本は笠原良三と沢田隆治の2人、撮影は長谷川清、美術は松山崇、音楽は萩原哲昌である。そして出演は、藤田まこと、白木みのる、ハナ肇、谷啓、野川由美子、いかりや長介、仲本工事、高木ブー、加藤茶、荒井注、財津一郎、恵とも子、久保菜穂子、南利明、たちである。
百万石の大藩・加賀美藩にやってきた時次郎と珍念。加賀美藩では、藩主・正家が今際の際を迎えるという重大事を迎えていた。正家には行方不明となっているまゆみ姫がいたが、家老・大杉源蔵は自分の娘を松平家から迎える養子と一緒にさせて、加賀美藩百万石を手中に収める策略を進めていた。城下で時次郎と珍念は加賀美家の菩提寺である寿命寺に泊ったが、そこで正家の幽霊を見て驚き、城下を逃げていった。関所で鑑札を持っていないことで困っていた腰元雪枝を助けた二人は、雪枝から加賀美藩のお家騒動を知り、雪枝の味方になることにした。で、まゆみ姫の消息を知る半太夫を捜す。が、半太夫は源蔵の一味に襲われて倒されてしまう。しかし、姫を捜し続けることにした。で、ある旅芸人一座と知りあい、看板娘・小春と仲良くなる二人だった。そんな頃、偽金騒動が起こり、鼠小僧がニセ金ルートを追い始める。小春と別れた時次郎と珍念は雪枝と再会し、そこで小春がまゆみ姫その人だと知らされて、小春たちを追った。追いついたが、一座の男は皆殺しにされていて、女たちの姿はなく、残された張り紙を手掛かりに姫を追う。で、山伏の住む蛇谷に到着、そこで鼠小僧と会い、この蛇谷で大杉源蔵一味によって偽金が製造されていると知る。で、協力してまゆみ姫を救出する。姫が城に戻ったことで立場が無くなった源蔵は、正家の幽霊を見て、正家毒殺を自供して陰謀は失敗。更に、死んだはずの正家は医師・淳庵の機転で毒薬を栄養剤にすり替えられていて、無事に生きていて、御家は安泰だった。で、加賀美藩百万石の危機を救った時次郎と珍念だった。
何だかんだで大活躍となる時次郎と珍念のコンビは、やっぱり楽しいものである。笑いの中にも悪を追いやる活躍をするというのは、定番と言えばそれまでであるが、娯楽作品としての必要不可欠な要素が整っていて、安心して楽しむことが出来る。本作は派手な立ち回りなどは無いが、それでも散りばめられた懐かしのギャグが満載であり、大いに楽しませてくれる。また、古き良き時代のテイストも感じることが出来るのも本シリーズの魅力である。劇場版シリーズのDVD化を願う所である。
↓本作もソフト化されていないので、TVシリーズの傑作選をピックアップしておきます。
「キ・ニ・ナ・ル!」(1/31)+深夜「アニメ枠」 [ケータイ刑事]
今回は、「東京少年」の公開がいよいよ土曜日からということになったが、予めそういう宣伝は行っているので、「キ・ニ・ナ・ル!」でも特にこれというものはありませんでした。一応「東京少年」のことを考えていたのか(?)、途中のCMの中で「銭形舞」のDVD-BOXの30秒版の宣伝が流れていました。(その後、日付が変わる直前に、「銭形愛」のDVD-BOXの30秒版の宣伝が流れていました。)→本家・四姉妹のDVD-BOXの宣伝は、見慣れているのだが、時々ON AIRがあると、「ムフフ」となってしまいます。
また、今度の日曜日の2/3、そしてその翌週の2/10の14:00~15:00に「東京少年ナビ」と「東京少女ナビ」が再度放送されるので、未見という方はチェックしておきましょう。
続いて、深夜のアニメ枠のCMへ。まずは「逮捕FS」の始まる前に、今度の日曜日に放送される夏帆ポン主演の「恋する日曜日・僕の森」の27秒版の予告が流れました。先週の「電車」は流れたのを見ていないだけに、やってくれます。また、真希ちゃん関係でも「恋する日曜日 私。恋した」のDVDの宣伝が流れました。→やっぱり、銭形ーズはBS-iを支えている...
「逮捕FS」の本編の間のCMでは、この作品のDVDの宣伝をはじめ、いつもの顔ぶれのDVDの宣伝と、BS-iの番組の宣伝でした。また、ここでも「恋日・僕の森」の27秒版の予告がありました。また、「銭形海」の次回予告(3rd.5話、2代目・川渕浩探検隊)の27秒版の予告もこちらでしっかりと流れました。
また、「逮捕FS」の次回予告の後には、「東京少女・セピア編」の15秒版の番宣スポットがありました。(今回は15秒版でした。2/10から放送が始まります。)
「CLANNAD」になると、やはりこの作品のDVDの宣伝を核にして、この枠ではお馴染みのDVDの宣伝とBS-iの番組の番宣でした。こちらでは「ケータイ刑事THE MOVIE2」のDVDの宣伝が流れていました。
そして「CLANNAD」終了後に、またも「恋日・僕の森」の27秒版の予告が流れました。(1時間の間に3回も流れるというのは珍しい。)そして、次の番組が始まる直前の最後に、「銭形海」の次回予告の15秒版が流れました。(15秒版の次回予告を目にしたのは久しぶりでした。)
やはり「銭形海」の予告はしっかりとあったが、今回は夏帆ポン(「僕の森」)が中心でした。こうなると、先週はどうして「恋日・電車」の予告を流さなかったのでしょうかねぇ???
↓「恋日・僕の森」はこれに収録されています。
↓「私。恋」はこちら
↓「銭形海」関係(文化祭の方は、ジャケット写真が入りました。)
ケータイ刑事文化祭inゴルゴダの森~銭形海+THE MOVIE 2.1~
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ケータイ刑事 銭形海 夏舞台完全版 BS初!ついに舞台だ!~超豪華!演劇者殺人事件
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ケータイ刑事 THE MOVIE2 石川五右衛門一族の陰謀~決闘!ゴルゴダの森 プレミアム・エディション
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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その36) [ケータイ刑事]
今回のテーマは「世界レベルのスポーツ選手」である。物語の中ではどの程度のレベルなのかはあまり語られていないため、一部は推察が入るが、両作にもそういうキャラがしっかりといます。
登場いただくのは、「007」からはシリーズ第12作「ユア・アイズ・オンリー」のサブのボンドガールのビビ、「ケータイ刑事」からは「雷・2nd.6話」に登場した鮎川こずえと中林素子である。(物語では鮎川がメイン・ゲストで中林はサブでしたが、ここでは中林がメインになります。)
「007」:ビビ。シリーズ第12作(3代目ボンドの5作目)「ユア・アイズ・オンリー」に登場した第2のボンドガールである。(メインのボンドガールはキャロル・ブーケが演じたメリナである。)演じたのはリン・ホリー・ジョンソンである。彼女はアメリカのプロスケーターであり女優である。1970年代半ばにフィギュアスケート選手として活躍した後、女優としても活動を始め、1978年の映画「アイス・キャッスル」ではゴールデングローブ賞にもノミネートされている。ということで、元々はアマチュアのフィギュア・スケーターであり、プロのスケーターに転向したというキャリアを活かして、オリンピックでフィギュア・スケートの金メダルを獲ることを夢見るビビを演じた。また、1996年からは女優業を休止していたが、2007年秋に女優活動を再開した。
ビビは金メダル候補として強化選手に指定されていて、スポンサーであるクリスタトスの元にコーチと共に身を寄せていて、練習に励んでいた。ということで、実力は世界クラスである。で、バイアスロンの選手であるエリック・クリーグラー(元東ドイツのスキー選手で、実はKGBの局員で、クリスタトスの配下としてボンドを狙った。)に思いを寄せているという一面を見せていた。ボンドと出会ったが、その天真爛漫な所はボンドも付いていくことが出来なかった。
クリスタトスがイギリスのミサイル誘導装置ATACを略奪して、それをソ連に売ろうと画策し、ビジネス上のライバルであるコロンボに罪をなすり付けようとしていたが、クリスタトスがコロンボによって倒されると、コロンボを新しいスポンサーとして、乗り換えて、オリンピックで金メダルを目指すことにした。
「ケータイ刑事」:中林素子(+鮎川こずえ)。「雷・2nd.6話」に登場したゲスト・キャラである。港区赤坂の赤坂海水浴場の海の家は、毎年、店の場所取りのためにビーチバレー大会が行われていて、この大会の勝者が一等地で店を出せるということになっていた。(早い話、海の家の経営者たちの場所取り大会です。)で、5年連続優勝をしている鮎川こずえと竹村透が今年も本命であった。大会実行委員長の鈴本浩介(彼も海の家を出そうとしている一人である。)の所に脅迫状が届いたということで、雷ちゃんと高村さんが捜査に乗り出す。で、何だかんだで、雷ちゃんと高村さんが鈴本に代わってビーチバレー大会に出場することになる。そして決勝戦で鮎川&竹村ペアと対戦することになった。中林は医療係ということで、ビーチバレー大会のスタッフとして加わっている。彼女は実は、元全日本のエース・アタッカーである。鮎川と背格好が似ていると言うこと、更にビーチバレーの試合では、選手はサングラスをかけることから、よほど注意して見ないと見分けがつないということで、試合の途中で中林は鮎川と入れ替わり、それによって中林の活躍で鮎川ペアは優勝を続けていたのだった。
決勝戦の途中で柴田束志が溺れ、試合中の鮎川が人工呼吸をして助けたが、それを行ったのは実は中林であり、このことから鮎川が鈴本を殺した真犯人だと言うことが分かった。(中林は、鈴本殺害事件の方には関与していなかった。→入れ替わっている所を鈴本が目撃し、それをネタに鮎川を脅迫した。で、カッとなった鮎川が鈴本を殺害した。)
劇中では「元全日本のエース・アタッカー」ということしか語られていないので、全日本の選手としてどの程度活躍したのかは分からないが、日本の女子バレーのレベルを考えると、オリンピックに出場するぐらいのレベルであるので、中林も世界的なレベルの選手だということは容易に推測される。(少なくとも、オリンピックに出場することを目指して練習を重ねてきたということは疑う余地はない。)尚、鮎川こずえのバレーの実力については、劇中では何も語られていない。一応、アニメ「アタックNo.1」のヒロイン・鮎原こずえをモデルにしているので、それなりの実力の持主であろうが、名前が似ているだけでは実際に全日本の選手だったのかは分かりません。
今回取り上げた2人(ビビと中林素子)は、オリンピックに出場を果たしたかどうかは分からないが、共にオリンピックを目指すスポーツ少女である。種目も違い、その競技は夏季/冬季五輪の種目であるので、共にオリンピックに選手として出場したとしても、偶然にしても出会うことがないであろう(まあ、選手として出場する大会年もかけ離れているでしょうが...)が、「オリンピックを目指している」という共通点があるというのは面白い所である。(アマチュア・スポーツだったら、世界的なレベルに達していたら、誰でもオリンピックを目指すのは当然でしょうが...)ただ、オリンピックではなくて、国内大会出場を目指すとか、色んな段階もあり得るが、それが共に「オリンピック」ということになる所が「007」と「ケータイ刑事」の類似点の面白い所である。
次回も「ボンドガールとゲストキャラにおける類似点」というテーマで続きます。誰が登場するかは、次回のお楽しみということで。(でも、未登場のボンドガールも随分と減ったので、ひょっとしたら予想もできるのでは?)
007 ユア・アイズ・オンリー アルティメット・エディション
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オリンピック物語―古代ギリシャから現代まで (中公新書ラクレ)
- 作者: 結城 和香子
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- 発売日: 2004/06
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