「TARZAN OF THE APES」 [映画(洋画)]
表題の作品は1918年に制作された最初のターザン映画であり、邦題も「ターザン」という作品である。当然のことながら、白黒作品であり、サイレント作品である。原作に忠実であり、当時、アメリカで大ヒットを記録した作品である。後に続々と「ターザン」映画が製作されて、その数は40本以上に達している。(最後にその一覧を記しておく。)また、ターザンを演じた俳優も20人に達しているが、やはり最初となるエルモ・リンカーンの名前か有名になります。(当然と言えば当然でしょう。)本作は製作から90年ということになるだけに、現在視聴しようというのは難しいところもあるが、一度は見ておきたい作品の一つである。
作品データを記しておくと、時間は80分、原作はエドガー・ライス・バローズ、監督はスコット・シドニー、脚本はロイス・ウェバーである。そして出演は、エルモ・リンカーン、エニッド・マーキー、トゥルー・ボードマン、キャサリン・カークハム、コリン・ケニー、たちである。
イギリス貴族のグレイストーク卿の遺児であり、アフリカの密林に取り残されて孤児となり、類人猿に育てられて星人し、彼を探しに来た一行の中野ジェーンと恋に落ちる...
物語は、原作に忠実であるため、原作小説を読むことでも良いが、90年前という時代(日本では大正時代です)の作品というだけに、貴重なものということで見ておくことをお薦めしたい。
実写版として映画となった「ターザン」作品を、邦題と製作年を列挙しておく。但し、これらは一つのシリーズとして扱われていることはない。また、1960年代までは頻繁に映画化されていたが、'70's以降急激に映画化される機会が減っていることも分かります。やっぱり、時代が変わってきたということもありますね。
「ターザン」(1918年)、「続編ターザン」(1918年)、「ターザンの復讐」(1920年)、「ターザン第二世」(1920年)、「大ターザン」(1921年)、「獅子王ターザン」(1927年)、「巨人ターザン」(1928年)、「猛虎ターザン」(1929年)、「類猿人ターザン」(1932年)、「蛮勇タルザン」(1933年)、「ターザンの復讐」(1934年)、「ターザンの新冒険」(1935年)、「ターザンの逆襲」(1936年)、「大ターザン」(1938年)、「鉄腕ターザン」(1938年)、「ターザンの猛襲」(1939年)、「ターザンの黄金」(1941年)、「ターザン紐育へ行く」(1942年)、「ターザンの凱歌」(1943年)、「ターザン砂漠へ行く」(1943年)、「魔境のターザン」(1945年)、「ターザンと豹女」(1946年)、「ターザンの怒り」(1947年)、「絶海のターザン」(1948年)、「ターザンと魔法の泉」(1949年)、「ターザンと密林の王女」(1951年)、「ターザンの憤激」(1952年)、「ターザンと巨象の襲撃」(1955年)、「ターザンと消えた探検家」(1957年)、「ターザンの激闘」(1958年)、「ターザンの決闘」(1959年)、「類猿人ターザン」(1959年)、「ターザン大いに怒る」(1960年)、「ターザンと猛獣の怒り」(1962年)、「ターザン三つの挑戦」(1963年)、「ターザンと黄金の谷」(1966年)、「ターザンと断崖の怒り」(1967年)、「ターザンの大逆襲」(1968年)、「類猿人ターザン」(1981年)、「グレイストーク ターザンの伝説」(1983年)、「ターザン ニューヨークへ行く」(1989年)、「ターザン・リターンズ」(1996年)、「ターザン 失われた都市」(1999年)。
また、1966年から1969年にはロン・エリーの主演で、1991年から1994年にはウルフ・ラーソンの主演で、それぞれTVシリーズも生まれている。
また、アニメ版の映画とTVシリーズも存在していて、映像作品の数は多い人気キャラクターでもあるのはご存知の通りである。
↓本作はソフト化されていません。(LDではリリースされていましたけど...)ということで原作小説を
↓代わりに、有名な「ターザン」作品を
ジョニー・ワイズミュラー ターザン・フィルムズ コレクターズ・ボックス 〈4枚組〉
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2004/07/09
- メディア: DVD
「TENTACOLI」 [映画(洋画)]
表題の作品は1977年のイタリア映画「テンタクルズ」である。1975年の映画「JAWS」のヒットを受けて、同じような海を舞台にしたパニック作品がいくつか生まれたが、本作はそんな中の1本である。西部劇がヒットしたら、やはり西部劇を製作し、「マカロニウエスタン」と言われる傑作をいくつか生み出してイタリア映画界であるが、それと同じように、同じジャンルの作品を生み出すのがイタリア映画界です。で、本作では巨大な蛸が襲ってくるというものである。(が、ヘドラの様にも見えます...)また、劇場公開時には「トレンブル・サウンド」と呼ばれる立体音響が用いられて上映された。(ドルビー・ステレオは生まれていたが、まだまだモノラル音声の映画が多い時代でした。)
作品データを記しておくと、時間は102分、監督はオリヴァー・ヘルマン、脚本はティト・カルピ、ジェローム・マックス、スティーヴン・カラバトソス、ソニア・モルテーニの4人、撮影はロベルト・デットーレ・ピアッツォーリ、音楽はステルヴィオ・チプリアーニである。そして出演は、ジョン・ヒューストン、シェリー・ウィンタース、ヘンリー・フォンダ、クロード・エイキンス、ボー・ホプキンス、デリア・ボッカルド、チェザーレ・ダノーヴァ、シェリー・ブキャナン、たちである。
カリフォルニアのサロナビーチ。10ヶ月の赤ちゃんが姿を消し、船で作業中の男たちが行方不明になるという事件が連続して発生した。警察の調査は難航し、手掛かりが掴めない。また、ベテラン記者のターナーも真相解明に乗り出す。で、トロージャン・トンネル会社の海底作業に関連があることを掴む。また、トンネル会社の社長も海洋学者・ウィルに調査を依頼した。で、巨大な蛸が発生したことが分かる...
基本的に、「JAWS」の亜流作品である。が、出演陣は実に豪華な顔ぶれが揃っている。(この辺りは、イタリア映画らしい一面でもある。)巨大な蛸を退治するために、海の殺し屋と言われるシャチを使うというアイデアは、ちょっと面白い所であるのだが、今ひとつ、ストーリーの展開にテンポの良さが感じられないため、「亜流作品」の範疇に甘んじている。また、肝心な巨大な蛸であるが、どうしてもヘドラに見えてしまい、それが足を引っ張ってしまう。
'70'sのパニック映画(ハリウッド映画)といえば、オールスター・キャストというのも売りの一つであったが、そういう所を踏まえているのも、ある意味ではイタリア映画らしい作品である。豪華キャストということで、それを見るということでは良いんじゃないですか...
ケータイ刑事銭形海32話(3rd.6話) [ケータイ刑事]
二段構成として記している「銭形海」。こちらの方は物語の中身を追っている長文&ネタバレたっぷり編です。今回の物語は3rd.6話(通算では32話)となる「時を超えた指紋!? ~タイムスリップ殺人事件」という物語である。今回の物語では、「海・2nd.」で頻繁に出てきた「利き腕の違い」というのが事件のトリックを解く鍵になったが、ちょっと使いすぎじゃないですかねぇ...暫くぶりとはいうものの...
ギャグの方も控えめであったが、内輪ネタに繋がるものが出てきた所は「ケー刑事」らしいところでした。次回予告で出てきた「今夜時効」「タイムスリップ」というキーワードから泪ちゃんや雷ちゃんの物語が頭に浮かんだが、そういう物語とは違う方向で、締める所はしっかりと締めていた物語でした。
それでは、いつものように、長文&ネタバレありで記していきます。尚、放送直後に記した「感想+次回予告」版はここをクリックして下さい。
警視庁。海ちゃんと松山さんが人を待っている。時計を見ると11時になろうとしていた。「11時だよ」とマツ、「約束の時間ですね」と海ちゃん。所轄の刑事が用事があると言って二人と会う約束をしていたのだった。「重大な告発があるって聴いています」と海ちゃんが言うと「何だろうね?」と考えるマツ。そうしているとドアをノックする音がした。「きた」と言って立ち上がる二人。で、コートを着た中年の刑事が入って来た。
「渋谷南署の鳩山刑事ですね?」と海ちゃん。が、男は「鳩山の同僚の蟹江と申します」と答えて敬礼をする。で、海ちゃんも「警視正の銭形です」と言って敬礼を返し、マツも「松山です」と敬礼をする。蟹江は「鳩山は?」と尋ねる。「ご一緒じゃないんですか?」と海ちゃんが逆に尋ねると、今朝、お前も立ち会え、と急に連絡が入り、一人で来たということだった。マツが「重大な告発って何ですか?」と尋ねる。すると「未解決事件に関することです」と鳩山が答える。鳩山が言うには、その未解決事件の真犯人の目星が付いた、ということだった。で、海ちゃんがその未解決事件について尋ねた。
ホワイトボードに「時効前未解決事件」と書かれていて、その事件に関する写真や状況が書かれた。(それにしても「時効前未解決事件」って書きますかねぇ。どんな事件でも、時効が成立する前で、犯人が逮捕されていなければ、今夜時効を迎える事件も、発生したばかりの事件も全て「時効前未解決事件」になっちゃいますけど...)鳩山がその事件について説明する。昔、伊佐山という高利貸しが殺害され、蟹江と鳩山が捜査を担当した。凶器となったナイフの柄から犯人のものと思われる指紋が検出され、現場には犯行声明が残されていた。(手書きで「無能な警察諸君へ。悔しかったら僕を捕まえてごらん。絶対に無理だろうけど。」という文面であった。→いつものようにそれを声を出して読んでくれる海ちゃんでした。)捜査は困難を極め、目撃証言は一切なく、犯人の足跡も掴めなかった。また、指紋もあらゆる逮捕者リストと照合したが一致するものもなかった。鳩山が今でも調べていたということで、「凄い執念ですね」と海ちゃんも褒めていた。
鳩山はまだ来ないということで「それにしても遅いですね」と蟹江は口にすると「今、何時ですか?」と尋ねた。で、壁の時計に目を映す海ちゃんたち。(11:20をさしていた。)その時「警視庁から入電中」と海ちゃんの携帯に事件を知らせる入電が入った。で、携帯を開く海ちゃん。「港区赤坂のマンションで殺人事件発生。殺されたのは渋谷南署の刑事・鳩山祐介(はとやま・ゆうすけ)。直ちに現場に急行せよ」ということで、事件の起こったマンションに海ちゃんたち3人は向かった。
現場にやってきた3人。蟹江は死体が鳩山だと確認した。そこに「いゃあ!」という掛け声で逆立ちをして登場する柴田さん。直立姿勢に戻ると、敬礼をしてから報告を始める。「死因はナイフで首を刺されたことによる失血死、死亡推定時刻は午前11時、今から1時間ほど前になりますね」また、第一発見者は隣の住人で、鳩山の悲鳴が聞こえたので慌ててやってきたら玄関の鍵が開いていて、中に入ったら殺されていたということだった。また、犯人の姿も見ていないということだった。で、ナイフの柄から犯人のものと思われる指紋が検出されたということで、警視庁のデータベースと照合するように松山さんが言う。すると「ちょっと待ってください」と蟹江が口を出し、「この指紋と...」と言って未解決事件の指紋と一致するかを調べてくれ、と頼んだ。
警視庁に戻ってきた3人、時計の針は13:55頃をさしていた。柴田さんの報告を待っていたら「結果が出ました」と言って柴田さんがやってきた。で、鳩山を刺したナイフの指紋と未解決事件の指紋が完全に一致したということだった。で、犯人は鳩山に証拠を捕まれたことを知って口封じに殺した、と考えた。それを聞いた蟹江は鳩山を一人にしたことを悔やみ、「この事件、今夜時効を迎えるんです」と告げた。で「その前に、どんなことがあったも犯人を挙げてやる。そうでなきゃ、殺されたガイシャが浮かばれないと、鳩山は口癖のように言っていた」と言って、何としても犯人を捕まえるという強い決意を口にする。で、マツも「鳩山刑事の弔い合戦だ」と言って燃えるが「待ってください」と海ちゃん。時効成立まで時間がないから不可能だと言う。(泪ちゃんは「泪・2nd.20話」で時効成立まであと30分という所でも「まだ30分あります」と言って諦めずに推理を開始して犯人を割り出したんですけど、海ちゃんは結構現実的ですね。)ここで鳩山が「今何時ですか?」と改めて尋ねる。時計を見た柴田さんが「1:57です」というと「もう10時間しかないじゃないか」とマツ。これに「いや、10時間と3分あります」と鳩山。(結構細かい...)そして「諦めたら鳩山は無駄死にになるんだ!」と熱く語る。これに「犯人が自首してくれたらなぁ」と冗談を口にするマツだった。そんなところに部屋の電話が鳴った。マツが出ると「犯人が自首してきた???」
取調室にやってきた海ちゃんたち。海ちゃんたちが入って来たら、自首してきた男は「お宅らが担当の刑事さん?」と尋ねる。海ちゃんが「警視正の銭形です」と名乗ると男は「僕ちゃん、海老沢勝(えびさわ・まさる)って言うんだ、よろしくね」と挨拶をした。→この名前は、1997年から2005年にNHK会長だった海老沢勝二(えびさわ・かつじ)氏の名前を絶対に意識していますね。一連の不祥事の責任を取る形で3期目途中で辞任した。現在では先々代の会長(17代)ということになる。ちなみに、歴代のNHK会長って、約80年で現在19代目であるが、任期を全うしたのは3人だけで、15人は途中で辞めているんですよね...(2人は在職中に死去している。)
松山さんは「何が僕ちゃんだ。ふざけた髪の毛しやがって」と早速食ってかかる。すると海老沢は「これ、再来年大流行する髪型なんだ」と言う。(とても流行するとは思えないんですけど...)続けて海ちゃんを見た海老沢は「君、ブレイクするよ。マジで滅茶滅茶ブレイクする。もうすぐ」と口にする。海ちゃんは(カメラ目線で)「いつ頃ですかねぇ」と嬉しそう。すると「銭形!まんざらでもないような顔をしているんじゃない」とマツ。が、海ちゃんはカメラ目線で続け「ブレイク、ブレイクって、多聞さんも言うんですよ」→歴代銭形のことを考えたら、着実に成長している絢ちゃんですし、「時代は銭形ーズ」ですし...
海ちゃんは海老沢の前に座ると、身分証の提示を求めた。で、免許証(?)を渡す海老沢。それを見た海ちゃんは「彼は犯人じゃありません」と言う。「どうして?」とマツが尋ねると、海老沢は事件当時は5歳であり、成人男性を刺し殺すのは不可能だと言う。(ということは、現在は二十歳ということになりますね。)生年月日を確認したマツも「僕ちゃん、警察をからかうんじゃないぞ」と言って身分証を机に叩きつけた。が、海老沢は「からかってなんかないよ」と言う。そして5歳では殺せないことも認めるが「今の僕ちゃんだったら殺せるでしょう」と言い、「僕ちゃん、タイムスリップが出来るんだ」と告げた。で、昔の世界に行って殺し、また現代の世界に戻って来たと言う。これに海ちゃんたちは呆れ顔。すると「指紋採って調べてみてよ。そのためにわざわざ凶器に指紋残してきたんだからさぁ」と言い、指紋を調べさせることを要求した。で、指紋を押印し、それを蟹江が持って出ていった。
取り調べは続く。(未解決事件の)天気のことを語るが、資料と一致していた。マツは「銭形、こいつ本当にタイムスリップしたのか?」と尋ねるが「天気なんて、昔の資料を見れば誰だって分かります」と海ちゃん。海老沢は「本当に見てきたんだってば...」とタイムスリップしたことを言うだけだった。
そんな所に柴田さんが報告しにやってきた。「指紋が一致しました」と告げた。そして「信じがたいことですが。彼と未解決事件の犯人とは同一人物ということになります」と断言する。すると「本当に過去に言って殺したってことか?」とマツ。が直ぐに「あり得ません」と海ちゃん。「じゃあどう説明するんだよ?」とマツが海ちゃんに問うが海ちゃんは答えられない。それを見た海老沢は「だからタイムスリップだって」と言う。それらの一連の話をじっと聞いていた蟹江が「今、何時ですか?」と口を開いた。で、海ちゃんたちは壁の時計に目を移す。「5:13です」と柴田さんが答えると「時効成立まで6時間47分ですか」と蟹江。立ち上がると「警視正、とりあえず事件現場に同行させましょう。一つ一つ確認を取るより手はありません」と言い、コートを羽織る。で、「私、先に行って車の手配をしてきます」と言い、海老沢に手錠を掛けて連れて行った。海老沢は海ちゃんに「じゃあね、バ~イ」と言い残して連れて行かれた。
地下駐車場。車の前に海老沢を連れて来た蟹江は、ドアを開けると先に乗り込もうとする。それを見ていた海老沢の顔には笑みが浮かんだ。
海ちゃんと松山さんも急いで駐車場に向かっていた。(「松山さん、もう、早く!」と愚痴を言っている海ちゃんでした。)そんな所に柴田さんが「大変です」と言って飛んできた。「蟹江刑事が...」と言い、一緒に地下駐車場に駆けて行った。
地下駐車場。車の側に蟹江が頭を押さえて倒れていた。直ぐに駆け寄った海ちゃんたち。松山さんが蟹江の様子を見ている間に海ちゃんは車の中を見る。で「大変、いなくなっている」海老沢の姿はなかった。また、壁に「無能な警察諸君へ。この時代にも飽きたので僕は未来へ逃亡することにしたよ。ごきげんよう。」という手書きの文面があるのに気づく。で、マツがそれを読み上げると「あの野郎、またタイムスリップしたのかなぁ?」と口にする。が「嘘です。絶対に近くにいます」と海ちゃん。で、マツは警視庁から出さないように緊急配備と言い、柴田さんに後を任せて走っていった。
で、海ちゃんは蟹江に近寄る。すると蟹江は意識を取り戻してゆっくりと起き上がろうとする。海ちゃんが事情を聴くと、車に乗せようとした隙に後ろから襲われたということだった。で、海ちゃんは蟹江を医務室に連れて行くように柴田さんに言い、肩を貸す柴田さんと共に蟹江は医務室に向かった。海ちゃんは壁の声明文を手にして熟考を始め「寄せる、悪のさざ波」(ここでAパート終了。経過時間は15分に少し足りない所でした。よってBパートは10分強になります。)
地下駐車場に残されていた声明文の筆跡鑑定の報告をする柴田さん。2つの筆跡は完全に一致する、ということだった。それを聴いたマツは「海老沢が犯人だというのは間違いないなぁ」と漏らす。海ちゃんは何も言わない。そして「やっぱりタイムスリップをして未来に行っちゃったのかなぁ?」と口にするマツ。が、これには「そんなはずありません。これには何か裏があります。トリックがあります」と海ちゃん。が「トリックって言ったってさぁ...」とマツの頭は完全に謎に迷い込んでいた。
そんな所に、頭に包帯を巻いた蟹江がやってきた。で「今、何時ですか?」と尋ねる。海ちゃんたちは壁の時計に目を移し、「11:15です」と柴田さんが答える。マツは「1時間切っちゃったか...」と漏らすが、蟹江は何も言わずに何処かに以降とする。それに気づいた海ちゃんが「何処に行くんですか、その身体で」と言って呼び止める。マツは「犯人は消えちゃうし、時効成立まであと...」と口にするが「まだ45分あります」と蟹江は言う。再び時計に目を移す海ちゃんたち。蟹江は「捜査を続けます」と言うと、お辞儀をして、痛む頭に手を当てながら、ゆっくりと出ていった。それを見送った柴田さんは「凄い執念ですね」、マツは「あれぞ刑事の鑑だな」と言うが、海ちゃんはホワイトボードの方を見ていて「あれ?」と口にした。で、少し考えると笑顔になって「そうか、そういうことか」から「謎は解けたよ、ワトソンくん」
地下駐車場。蟹江が「いったい、何を始めようっておっしゃるんですか?」と海ちゃんに問う。これに「あなたを逮捕します」と海ちゃん。すると「えっ?お前、一体何言い出すんだ?」と驚くマツ。海ちゃんは「真犯人は蟹江さん。あなたですよね」と切り出す。これに蟹江は笑いだし「何を言い出すかと思ったら...じゃあ、私がタイムスリップしたとでもおっしゃるんですか」とバカにしたように言う。これに「タイムスリップなんて必要ありません」と海ちゃんは言うと「今回の時空を越えた指紋。これは簡単なトリックだったんです」と言って説明を始める。
昔、高利貸しの伊佐山を殺害した蟹江は、凶器に付いた指紋を拭き忘れたまま現場を立ち去ってしまった。未解決事件の現場に残った指紋は蟹江の指紋だった。
すると、マツが海老沢の指紋が一致した件は?と尋ねる。海ちゃんは説明を続ける。海老沢は間違いなく指紋を押した。が、用紙を持っていったのは蟹江である。蟹江は予め用意していたニセの用紙を柴田さんに渡し、そこに押されていた指紋と照合させた。押されていたのは言うまでもなく蟹江の指紋であり、一致するのは当然である。もう一つ大事なのは蟹江と海老沢がグルだった。時効直前の余りにもタイミングが良すぎる出頭、取り調べ後の駐車場からの失踪騒ぎは、どちらも二人が共犯であれば簡単に説明が付く。全ては最初から仕組まれた芝居だった。
これを聴いた蟹江は「なかなか面白い推理ですね」と言い、力強く「大きな疑問が一つ残ってますよ」と言う。が、「海老沢さんは何処に消えたか」と海ちゃんが口にする。マツは「アイツが消えたのは事実だろう」と言う。これに「いいえ、姿を消してなんかいません。彼はまだこの警視庁の中にいます」と海ちゃん。しかし、マツは「いる訳ないよ」と言い、この建物中を捜しまくったとアピールする。が「探していない場所が一ヶ所だけありますよ」と海ちゃん。そして蟹江の車のトランクを指差す。そして「鍵を渡してください」と蟹江に言う。すると天井を見上げた蟹江は、突然走って逃げ出した。
そこに三味線の音が届いてきた。足を止めた蟹江。岩に白波が砕け散ると、蟹江は夜の闇に包まれた。「大波小波かき分けて。…」海ちゃんの口上が始まり「私の碇で沈みなさい!」から「神奈川沖浪裏」の大浪がうねり、赤い碇のストラップが飛ぶ。碇が地面に突き刺さると、鎖が蟹江を捕らえていた。海ちゃんが鎖を引くと、大回転してその場に倒れる蟹江。また、車の鍵が蟹江の手から離れて飛び、地面に落ちた。這いつくばって鍵に近づこうとする蟹江だったが、海ちゃんが鍵を拾い上げた。「ダメだ、止めろ!」と叫ぶ蟹江。海ちゃんは鍵を松山さんに渡すと、車のトランクを開けるマツ。
中に海老沢はいた。「おっ、いたいた」と言うマツは起こそうとするが、海老沢は殺されていた。そして「これ死んでるぞ」と声を出した。これに「やっぱり」と海ちゃん。そして「用済みになって殺したんですね」と蟹江に言う。すると蟹江は力が抜けてその場に崩れた。
「どういうことなんだ?」とマツが言うと、海ちゃんが説明してくれる。海老沢は過去の未解決事件には関わっていないが、鳩山刑事殺害の実行犯だった。するとマツは「あのナイフからも同じ指紋が出たよな?」と言う。海ちゃんは、おそらく蟹江は自分の指紋が付いたナイフを海老沢に渡し、それを使って鳩山を殺害するように命じた。また、それは高額な報酬を約束されたか何かで、海老沢は引き受けざるを得なかった。
海ちゃんの説明を聞いていた蟹江は「絶対に上手く行くと思ったのに...」と漏らす。海ちゃんは「一つだけ分からなかったことがあります」と言い、高利貸しの伊佐山を殺害した理由を尋ねた。すると「借金があったんだよ。返せないぐらいのな。殺すしかなかった...」とその理由を口にした蟹江。そして「どうして分かった?」と海ちゃんに尋ねた。すると「犯行声明ですよ」と海ちゃん。2枚とも「一人称」は「僕」と書かれていたが、海老沢は自分のことをずっと「僕ちゃん」と呼んでいた。それで声明文は海老沢が書いたものではなく、代筆した人がいる。つまり犯人は二人ではないかと思った。次に、傷の場所だ、と言い、鳩山はナイフが左側に刺さっていたが、伊佐山は右側だった。また、蟹江が殴られた傷は左側だった。これは左利きまひとが殴ったものであり、蟹江は右利き、海老沢は左利きであり、二人が手を分けして事件を起こしていたら辻褄が合う。
それを聴いた蟹江は「何時だ?今、何時だ?」と言い、立ち上がると激しい剣幕で「今、何時なんだ?」と海ちゃんに向かって叫んだ。すると海ちゃんは携帯のサブディスプレイの時刻を見せて「午後11時59分。時効成立直前です」と言い、「あなたの言う通り、諦めなくて良かったですよ」といった。これに蟹江は観念して笑うだけだった。で、松山さんが蟹江に手錠を掛けて逮捕した。
事件解決後、翌日の朝。自転車に乗って走っている海ちゃんは変な髪型をした男とすれ違い、自転車を停めると振り返った。「松山さん?」その男は確かにマツだった。「どうしたんですか、その頭?」と尋ねる海ちゃんに、自慢げに「再来年ブレイクするって言うからさ、先取りだよ先取り」と言う。これに海ちゃんは苦笑いをしながら「どう見ても...」、マツは「似合っているだろう。ファッションに敏感な俺はさぁ」と笑っていた。が「あっ、やばい」と声を上げた。「どうしたんですか?」と海ちゃんが尋ねると、9時半までに日焼けギター教室の発表会に行かなければならない、と思い出した。「急いで行った方が良いですよ」と海ちゃんは言うが「もう間に合わないよ」とマツ。が、思い出したように手を叩くと「タイムスリップすればいいんだ」と言うと「時間の戻し方、教えてくれよ」と海ちゃんに頼む。が「そんなの知りませんよ」と海ちゃんは言うと「じゃあ、失礼しま~す」と行ってお辞儀をすると自転車に乗って走り去っていった。マツは「時間よ戻れ」とやっていたが、そんなことでタイムスリップが出来るなんて誰も思いませんが...
次回は3rd.7話(通算では33話)となる「BS初!ついにやるのかフィギュア劇!? ~銭形海、世界を駆ける!」という物語である。「海・3rd.」の製作発表の時に、「ケータイ刑事」ではお馴染みの「BS初」の試みはこれだ!という形で発表されていたが、遂にそれが登場と言うことになる。が、フィギュア劇って、本当にBS初かというと、ちょっと疑問があるのですけど...(そちらはBS放送のために製作された作品ではないし、一応はアニメの延長線上にあるものであり、実写ドラマの延長線上ではないから、いいとしましょうか...)尚、2/11は祝日のため、公式HPの更新は1日遅れるため、夜には「追記」と言う形で補足します。次回予告ではA.ヘプバーンの名作「ローマの休日」を再現していたとか、J.ヴェルヌの「80日間世界一周」を思わせる所がありましたが、なるほど、「世界を駆ける!」ですね。
鑑識メモ。再来年流行するという髪型をして、カウボーイ風の衣装を着ている派手な格好の柴田さんが現れる。(少し高い声で)「はじめまして。私、未来からやって参りました柴田束志三世で~す。柴田束志の孫です」と挨拶をする。そして「今日は皆様に世紀の大発見をお知らせにやって参りました~」と言うと「鰻」と書かれているフリップを手にして「こちら「うなぎ」って読みま~す」と言うと「以上」と行ってフリップを投げ捨て、ポーズを付けて「ターイムスリップ!!」すると一瞬姿が消えるが、直ぐに現れる。で「戻って来ちゃった?」
「私の碇で沈みなさい」という着ボイスDLのお知らせが続き、海ちゃんCM(インフォマーシャル)は今回もありませんでした。
今回の物語は、次回予告やサブタイトルからだとギャグ編になるのかと思いきや、笑わせてくれる所は控えめで、ポイントポイントに笑いの箇所を散りばめた絞った構成になっていました。また、マツの「日焼け」が出てこないかと思ったら、最後の最後に「日焼けギター教室」という言葉が出て来たということで、やっぱりこれは出てくるんですね。ただ、マツが再来年に流行るというあのの爆発頭風の髪型(次回予告でしっかりと出てきていました)は最後のエンディングのコントに登場ということだったが、これも編集の仕方次第で、コミカルなものにもシリアスなものにも変わるということを改めて感じた所でした。
でも、「右利き/左利き」ということが事件解決のヒントになっていたというのは「海・2nd.」で頻繁に出てきただけに、またもそれを使うというのはどうかとも思った所でした。(ただ、それだけがヒントではなく、複合要素の一つということになってましたけど...)
また、蟹江は刑事ということを考えたら、高利貸しを殺害しなくても、別の方法があったとも思える(例えば、出資法違反(=法定利息よりも高い金利で貸している等)で逮捕することをちらつかせて、取り引きをする等→明るみに出たら、それはそれでまた別の裁きを受けることになりますが...)だけに、もう少し練ったら、更に良い物語になったと思うと、少し残念な気もしました。(時間的な制約もあって難しいというのも分かりますけど...)
「今、何時ですか?」と何度も蟹江が尋ねていたが、彼が真犯人だったということで、何はあってもまずは時効のことが頭にあるということがしっかりと描かれていたことになり、なかなか面白い所でした。ただ、蟹江の年代だったら、腕時計を必ずしているとも思うんですけど...(海ちゃんの世代だったら、携帯があるので、逆に腕時計を填めないというのも分かるのですけど...)
(2/12 18:00追記)
次回の物語は、悪の天才科学者・ドクターアンドリウが開発した怪光線で海ちゃんたちが人形になってしまった、ということで展開する物語ということです。ということで、なるほど、そうきましたか、と思う所である。単に、「フィギュア劇でお送りします」としないところはやっぱり「ケー刑事」ですね。また、監督は「ケータイ刑事」では初めてとなるが、「スパイ道」の「スパイ★アリス」(麗菜と二朗さん出演。ジローさんのハンプティ・ダンプティ将軍というのが面白い作品で、筆者のお気に入りの1本です。)の熊谷祐紀監督ということで、期待も膨らみます。尚、公式HPにはゲストの名前が全く出ていませんが、ひょっとしたら「泪・2nd.20話」以来となる「ゲストなし」という物語になるのかも???
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