合衆国壊滅M10.5 [ドラマ]
全4話のTVシリーズとして製作された本作がWOWOWに登場ということで、1話ずつ、何とか見終えました。(それぞれ90分弱であるが、それを2日で放送してしまったら、流石に見るのも辛い所がある...)前半の2話までは2004年、後半の3&4話は2006年に放送された作品である。
大まかなストーリーは、シアトルでM7.9という巨大地震が発生したのをきっかけに、アメリカ西海岸を連続巨大地震が襲う。更には、北米大陸の姿を変えてしまうような天変地異が起こる。それに対処する人々だったが、その天災は人間の想像をはるかに超えたものだった、というパニック・サスペンスである。
'70'sの時台に「パニック映画」がブームになり、そこから災害パニック作品というものが何本か製作されたが、それ以降、天災による災害パニック映画は暫く影を潜めていた。21世紀になってから再びちらほらと現れるようになったが、その影にはCGによる映像の進化がある。本作はCGの存在を抜きには得られない作品であった。確かに、迫力はあるのだが、不自然に感じる所も結構ありました。とは言っても、都市が地割れによって崩壊していく姿なんて、現物を見た人なんていないし、科学的な(机上の)理論と現実との違いもあるだろうし、筆者の想像と作品が違っていても当然だとは思いますが...
前半の1&2話の物語は、地震が発生し、それに対処する大統領、カリフォルニア州知事、地質学者を中心に描いたものであり、後半の3&4話は、地質学者と災害対策の専門家集団のFEMAの活躍を中心にしたものとなり、作風に変化が見られる。CGのクオリティも後半の方が技術的にも上である。(間に2年という時間があるので、当然と言えば当然でしょうが...)
ワシントン州シアトルを襲ったM7.9の巨大地震。ありふれた巨大地震だと判断し、被災者の救助が始まる。余震が続く中、奇妙なデータが得られる。それも余震だと考えるが、それを余震ではなく、別の地震だと感じ取った地質学者がいた。まもなく、サンフランシスコを巨大地震が襲う。更に断層は活発に動く。このままでは西海岸の地形が変わってしまうということで、断層の動きを封じるために6個の核弾頭を使って断層の動きをを止めようという作戦が実行に移されることになったが...
前半はアメリカ西海岸の連鎖地震を描いているが、CGの使用は使う所では使っているが、やや控えめな所がある。また、物語も断層を止めようとする作戦を描くことに移行して、パニック映画というよりもサスペンスの要素が強くなっていく。結局、6個の核弾頭の最後の1個が計算した位置に設置できず、これが原因となって断層を止められず、ロサンゼルス付近が大陸と分断された島になってしまう。しかし、人々に避難勧告を出していたことから、大勢の人間を助けることになった。
後半は、ロスの異変によって巨大津波がハワイを襲い、ワイキキ・ビーチが巨大津波に襲われる。人手が足りないことから、全米中からボランティアを含めた予備役までが動員される。そして救助活動が展開されていく。そんな中、休火山が噴火するというように地殻変動の方は止まっておらず、新たな断層がメキシコ湾に向けて動き出した。このままだと北米大陸が東西に分断されてしまう。引き続き、女性地質学者がそれを食い止めようと奮戦し、連邦緊急事態管理局(FEMA)と連携しての活動が続く。そんな中、ラスベガスが地割れに襲われて壊滅する。地割れはメキシコ湾に向かって走り出し、その行く手にはアメリカ最大の原子力発電所があった。原発の手前で地割れを食い止めようとして懸命な作戦が続き、何とか原発の手前で地割れを止めることに成功した。が、それは小休止に過ぎず、地割れは再びメキシコ湾に向かって走り出し、ヒューストンを壊滅させてメキシコ湾に到達する。そして北米大陸は東西に分断された...
後半は、CGを使った天変地異の描写が多くなる。が、災害の規模が大きくなっていくに従って、不自然さを感じるCG描写も増えてくる。FEMAの救助活動の方が内容のあるドラマを描いているのに、CGの方に持っていこうとするのは残念な所である。
結局、人間は自然の前では無力である、ということを改めて語っているのだが、こういうメッセージが正しく伝わるのか?と思うと、疑問もありました。
全4話の物語は、最初のシアトルの地震から始まった4日間の物語である。ここからは大きな疑問が浮かんでくる。そもそもこんな短期間で北米大陸が東西に分断されるような地殻変動が本当に起こるのだろうか?北米大陸だけでなく地球上の全ての場所に何らかの影響が出るというのならまだ分かるが、北米大陸だけという所に大きな疑問が生じる。まして、シアトルから始まったとなると、環太平洋火山帯に沿って、中南米方面、そしてカナダから荒らすかを経て千島列島を通って日本、そして東南アジアにも異変が起こって当然である。(ハワイの津波はこの一つであるが、津波がハワイだけというのは不自然で、日本や東アジアにも影響があって当然なだけに...)結局、アメリカが全てであるというアメリカ中心主義という思想が出ていることになる。
それに、アメリカでそんな大規模災害が発生したら、世界各国からの救援隊も乗り込んでくるだろうし、不自然な所が多すぎて、物語が進んで行くに従って、ドンドン冷めていき、ラストは「あっ、そう」という感じでした。(どうせなら、地球壊滅ぐらいまで突き進んでもらいたかった...)
しかし、被災者たちが生き延びようとして行動する様々な判断の中には、いざという時に役立つものや危険を招くだけにしかならないことがあり、この部分だけは学んでおきたい所であった。
尚、6/3~6/6にかけて、今度は192ch(アナログWOWOWでは見られません)で1話ずつリピート放送するようだが、時間的には4日に分けてと言うのは嬉しい所であるが、内容の方が尻すぼみのように低下していくだけに、4日間の最後までつきあうというのはかなり辛いと思いますが...
↓DVDもリリースされています。
合衆国壊滅セット(『合衆国壊滅/M10.5』『合衆国壊滅II/再襲来!M10.5』)
- 出版社/メーカー: 日活
- メディア: DVD
↓1&2話はこちら
↓3&4話はこちら
↓とりあえずこういうものを...
大避難―近づくマグネチュード7の大地震への対策 (1974年)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 日本シェル出版
- 発売日: 1974
- メディア: -
大地震に生き残る法―グラッときたときにどう避難するか (1977年)
- 作者: 太田 英昭
- 出版社/メーカー: 東京スポーツ新聞社
- 発売日: 1977/01
- メディア: -
大地震安心マニュアル―帰宅支援ガイド&安全避難マップ (2006首都圏版)
- 作者:
- 出版社/メーカー: JTBパブリッシング
- 発売日: 2005/12
- メディア: 単行本
ゴーオンジャー#11 [特撮]
今回のBGMは、くるりのアルバム「アンテナ」ということにしました。(単に、登場した怪人からという捻りも何もないチョイスです。)
今回も昭和ヒーロー作品の要素がてんこ盛り状態で、楽しい物語でした。あの一世を風靡した某アンテナメーカーのCM「見え過ぎちゃって困るの~」をパロっていたところはやってくれたとはいうものの、「ケータイ刑事THE MOVIE」(「M1」)で占いクイーン・中尾美香子のインパクトの大きさと比べると、「お前もか」という所もあったが、スケールが小さくて...
戦隊メンバーをバラバラにして、という作戦も昔からあるものであり、チーム・ヒーローの敵の作戦としたらこれも定番である。如何にしてバラバラにするのかがポイントだが、TVを使っての催眠という同じような物語が昔の戦隊にもありましたね。それにしても、催眠術とは言っても、黒以外の4人は華やいだ(偽りの)生活の方が良いと言って簡単に離脱してしまうのだから、現代っ子らしいといえばそれまでだが、正義のヒーローとしては少し意志が弱いように感じてしまう。→そういう連中が成長していくということを、1年かけて描いていくというのも見え見えですけど...(これを中盤から後半でやったら、それまでの戦いで何をしてきたのか、成長も見られない、と言って切り捨てられるのだが、終盤とは言え1クール目の間だったら、まあよろしいかと...)
しかし、元刑事という黒だけが疑問を持つというのは、キャラクタを上手く使っているということにはなる。まあ、バカレッドという戦隊であれば、他にこういう大人の判断が出来るキャラが必要となるが、役割分担を(今のところは)上手く描いていました。
しかし、4人がそれぞれの場所で、アンテナバンキのTV放送をあまりにも都合良く目にしているのはどうかと... 緑は全く問題なく、赤と黄のオーロラビジョンというのも問題ないが、クイズ番組収録中の青はちょっと都合が良すぎる。番組収録中のスタジオにいるのに、どうしてそこに他の放送をしているTVがあるのか?怪人が電波を出しているので強制的に受信して映し出すのだろうが、やはり不自然である。そんな所にTVがあるのは回答者への映像問題を見せるためだろうが、普通はそれぞれの回答席に(受信機能のない)小型モニターを用意しておくであろう。まあ、ご都合主義があるから物語が纏まるのだが、青だけは見ていなくて黒からのメッセージが伝わらず、戻ってこなかったという方が、更に物語の幅が広げられただけに...(これをやろうとしたら、尺的に1話では無理で、2話が必要になっちゃうでしょうけど...)
巨大化してから先の2対1の巨大戦は、相変わらず多人数によるいじめとしか見えないし、6体合体のエンジンオーG6が登場したのだから、早く追放して貰いたい所である。黒が倒すのが物語として栄えるが、G6でも黒が中心になって操縦できるのだろうから、それでことは済む。とにかく2対1の巨大戦が良い物語の汚点になったののが残念。とは言っても、エンジンオーとガンバルオーの玩具を売るためのプロモーションということも引き続き必要なんでしょうが...
ところで、アンテナバンキだが、やはり「地デジ」ということも頭の中にあるデザインでしたね。地上波放送を受信する八木アンテナだが、アナログ放送終了と共に不必要となるVHF帯用の(素子の長い)アンテナは備えておらず、地デジで使われるUHF帯用のアンテナとBS/CS用のパラボラアンテナを元にしたデザインでした。(地デジのメリットの一つとして、VHF帯ではなくUHF帯を使うため、VHF帯を使っている大都市部ではTVアンテナが小型化できます。(但し、アナログ放送も全てUHF帯を使って中継放送されている地域では変わりない。))
↓「M1」
ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 スタンダード・エディション
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- メディア: DVD
↓「見え過ぎちゃって困っちゃう~」
マスプロ UHFアンテナ【30素子 超高性能型】 LS30TMH
- 出版社/メーカー: マスプロ
- メディア:
マスプロ 高性能型UHFアンテナ(地上デジタル放送用)Sky Phantom SPH3
- 出版社/メーカー: マスプロ
- メディア:
マスプロ BSデジタル/110度CSデジタルアンテナ【口径50cm型】 BSC-50R(マスプロ)
- 出版社/メーカー: マスプロ
- メディア:
マスプロ 地上デジタル放送用 卓上アンテナ屋内・屋外両用Top Ten TT2B
- 出版社/メーカー: マスプロ
- メディア:
↓参考まで
2011年、メディア再編 地デジでテレビはどう変わるのか (アスキー新書 017) (アスキー新書 17)
- 作者: 西 正
- 出版社/メーカー: アスキー
- 発売日: 2007/07/10
- メディア: 新書
よくわかる「地上デジタル」図解―これ一冊で「地デジ」の全てがわかる (Gakken Mook)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
TB、コメントは http://meichiku-et.seesaa.net/article/94983851.html 参照されたし。
ANTENA『CAMINO DEL SOL』 [音楽(洋楽)]
表題のタイトルのアルバムは、1982年に5曲収録のミニ・アルバムとして発表されたANTENAのアルバムであるのだが、ここで取り上げるのは2006年にリリースされたリマスター盤である。1982年にリリースされた時は、全5曲、時間も20分に満たないミニ・アルバムであったのだが、シングルのB面の曲やリリースされなかったものが追加されるて曲数が増えた物がリリースされることになった。そしてリマスターされた時に、更にボーナス・トラックが追加されて、最新盤では全16曲を収録したアルバムとなっている。
本来ならば、オリジナル版を重んじる筆者であるが、フランスのアーティストで、日本でブレークする前のアルバム(しかもミニ・アルバム)となると、入手が困難ということもあるので、リマスターされて(こちらに関しては大歓迎です。)、ボーナス・トラックが追加された本盤の入手しか出来ないということもあって、こちらを取り上げることにしました。(2004年リリースの全14曲という欧州盤ならば入手出来るようだが、リマスターされたこちらの方がベターです。)
収録曲は以下の全16曲である。『Camino Del Sol』『To Climb The Cliff』『Silly Things』『Sissexa』『Achilles』『Bye Bye Papaye』『Noelle A Hawai』『Les Demoiselles De Rochefort』『Spiral Staircase』『Unable』『Boy From Ipanema』『Seaside Weekend』『Frantz』『Ingenuous』『Joppo And Eno』『On The Boat』。
一応、お薦め曲としては、アルバム・タイトル・ナンバーである『Camino Del Sol』、一躍彼女たちの名前を有名にした『Boy From Ipanema』をピックアップしておきます。(オリジナルのミニ・アルバムとは別のアルバムになったと言っても良いですけど...)
元々、ISABELLA ANTENAが中心のグループであったが、'90'sになるとISABELLAはソロ・アーティストとして活動することになるが、このユニットの時からもラテン系のリズムを取り入れたサウンドと、彼女独特のボーカル・スタイルは同じである。ということで、彼女のソロ名義のアルバムを聴いていたら、違和感なく入って行くことが出来るでしょう。
ラテンのリズムというのは独特のものがあって、米英のロックとはまた違った味わいを感じ取ることが出来るので、ワールド・ミュージックの広がりによって特に壁を感じることもないだけに、時にはこういうサウンドに耳を傾けるのもまた面白いものである。ISABELLAのソロ名義のアルバムを聴くのであれば、こちらも聴いてもらいたいところでもある。味わいながら聴きましょう!
↓こちらは2004年リリースの全14曲のものです。