「THE WHALES OF AUGUST」 [映画(洋画)]
表題の作品は1987年の映画「八月の鯨」である。何と言っても、リリアン・ギッシュとベティ・デイヴィスという往年の名女優を主役に据え、更にV.プライス、A.サザーン、H.ケリー・Jr.という大ベテランが脇を固めている友情ドラマである。
作品データを記しておくと、91分、監督はリンゼイ・アンダーソン、脚本はデヴィッド・ベリー、撮影はマイク・ファッシュ、音楽はアラン・ブライスである。そして出演は、リリアン・ギッシュ、ベティ・デイヴィス、ヴィンセント・プライス、アン・サザーン、ハリー・ケリー・Jr.、メアリー・スティーンバージェン、たちである。尚、L.ギッシュは本作でカンヌ映画祭特別賞を受賞している。
60年来の習慣で、今年もいつものように海辺の別荘にやってきたサラとリビーの姉妹。その別荘の近くの入江には、8月になると鯨がやってくる。少女の頃に姉妹はよく鯨を見に行ったものだった。それも今や遠い昔のことになっていた。現在のリビーは目が不自由になっていて、ヒステリックになっていた。そんなリビーをサラが世話をしていた。ある日、サラは、近くに住んでいるロシア移民のマラノフ氏を夕食に招待する。久しぶりに口紅を差しておめかしをしたサラは鯨の話を持ち出すが、リビーの棘のある言葉にマラノフ氏は腰を上げてしまい...
派手な所はなく、ささやかな日常生活を描いた人間ドラマである。しかしベテラン俳優たちの旨みのある演技が、ひたむきに明日へ生きようとする老姉妹の姿を味わい深く描いていて、派手なものはなくても良い作品はいくらでもある、ということを教えてくれている。じっくりと見たい一本である。
↓こういう名作がDVD化されていないなんて...(ビデオです)
↓本作のノベライズ
- 作者: デイヴィッド ベリー
- 出版社/メーカー: 南雲堂
- 発売日: 1991/02
- メディア: 単行本
↓参考まで
リリアン・ギッシュ自伝―映画とグリフィスと私 (リュミエール叢書)
- 作者: リリアン ギッシュ
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1990/08
- メディア: 単行本
キミ犯人じゃないよね?#4 [ドラマ]
今回の物語は、「主役と放送局が間違っている」と思わせる内容で、「ケータイ刑事」ネタのオンパレードでした。(同時に、改めて「ケータイ刑事」が如何に面白い作品かということを再認識させてくれました。)しかも、「銭形愛」から「舞」「泪」「零」「雷」、そして「銭形海」までの6作全てからネタを出してくるというやりたい放題の林先生でした。(「恋する日曜日・ニュータイプ」と「金田一少年の事件簿」からのネタもありましたけど...)しかも今回はゲストに柴田束志の大掘こういちさんが登場ということだったので、何気なく「恋する日曜日・3rd.10話 ~41歳の春」状態が頭をよぎり始めました。(残念ながら、柴田束志に繋がるネタは無かったですけど...)そしてトドメは丹羽Pの名前のネタ(「キングアンドリウ」)が出てきたという所でした。どうやら柴田太郎さんの富士見署への異動の裏に隠された極秘計画は着実に進んでいますね...
再登場となった「ささやき刑事」が口にした「匂う、悪の香」で「銭形愛」をしっかりとカバーしていて、凶器のナイフが見えないというのは「愛・1話」(これは記念すべき「ケータイ刑事」の第1話です。→もはや伝説の物語です。)今後、「うずく、悪の予感」「潤む、悪の雫」「増せり、悪の数字」「よどむ、悪の天気」「寄せる、悪のさざ波」も出てきたら楽しいのですけど...
柴田さんが「結婚」と「血痕」を掛けた駄洒落は「舞・9話」から。そしてさくらが劇団に入ってレッスンしている所は「舞・1話」を思い出させてくれました。
冒頭の劇団の舞台というのは「泪・1st.4話」からだし、劇団名が「かんじんかなめ」というのは二朗さんの劇団「ちからわざ」を何となく意識しているようです。(本作の主役、貫地谷さんと要さんの苗字を仕込んでいるが、これも完全に「ケータイ刑事」テイストです。)また、浜田山が警察で取り調べを受けているところは、真犯人ではない男が取り調べを受けていて、そこでネタを披露する「泪・1st.5話」のシチュエーションでもある。
死体移動ということで「零・1st.9話」が頭をかすめ、舞台がチラッと出てくるということでは「零・1st.11話」のエッセンスがありました。また、さくらが口にした「あなたしか考えられないんです」という台詞は零ちゃんが「M1」で言ったものが印象に残っている。
離れたビルの屋上から殺人の様子を目撃するというのは「雷・2nd.3話」であるし、「瞬間移動した死体」というのも同じ物語のネタである。しかし、「雷・2nd.3話」は夜に目撃したのだが、本作では真っ昼間に目撃したということで、トリックは違うものになっていました。
死体を海から捨てたというのは「海・1st.1話」で海から犯人が現れたシチュエーションであるし、超能力で殺しても起訴できないというのは「海・2nd.3話」で海ちゃんがたっぷりと説明してくれました。(丑の刻詣りの部分もそのまま引っ張ってきていました。)
浜田山が超能力で鉛筆を移動させるとして、息を吹きかけていたが、これは「恋日・ニュータイプ・2話」で下良さんがやっていました。(その時は鉛筆ではなくてタバコでしたけど。)
劇団かんじんかなめの次回作のタイトル「キングアンドリウの暗殺」って、こんな所に「キングアンドリウ」の名前が出てくるのだから、これは7代目「ケータイ刑事」で、またも丹羽Pが殺されるという物語があるかも...
番外的なネタとしては、劇団かんじんかなめのレッスンで、「パパイヤ」と「平山あや」の名前が出てきた所ですね。「パパイヤ」と言えば「パパイヤ鈴木」の名前に繋がり、「ケータイ刑事」ではお馴染みの一人である。しかも「舞・1話」のレッスンの先生はパパイヤさんでもありました。「平山あや」といえば、「ケータイ刑事」の原形となった「ルーズソックス刑事」の主演で、銭形紅子を演じていました。尚、「ルーズソックス刑事」出演当時は「平山綾」名義でした。(紅子はケータイ刑事の銭形姉妹の従姉妹でもある。)
一つ残念だったのは、柴田束志に繋がるネタが無かったことでした。死体が発見された海岸は「遠山海岸」と言っていたけど、ここを「山田浜」にすれば、「浜田山」という人物の名前を逆にした地名になり、少しは柴田束志に繋がることになったでしょうに...
今回は「UFOの仕業?」という程度に留めておいたが、これは「泪・1st.2話」を意識しているし、「舞・13話」でもちらっと出てきた所である。「ケータイ刑事」では「海王星」を出していた(これは元々、アニメ「探偵学園Q」の冥王星のパロディである。)が、本作では「火星」にしていると言う所もミソですね。で、次回が「宇宙人」ということで、次回のネタフリまで残しておくという楽しい楽しい物語でした。次回もまたまた「ケータイ刑事」テイストに満ちた物語になりそうですね。
↓一応本作もDVD化されるということで...
- 出版社/メーカー:
- メディア: DVD
↓もはや、このシリーズの番外作品ですね。
↓「M1」と「M2」
ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 スタンダード・エディション
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- メディア: DVD
ケータイ刑事 THE MOVIE2 石川五右衛門一族の陰謀〜決闘!ゴルゴダの森 スタンダード・エディション
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- メディア: DVD
名曲探偵アマデウス#5 シューベルト「弦楽四重奏曲・死とおとめ」 [ドラマ]
今回はシューベルトの「弦楽四重奏曲・死とおとめ」が取り上げられました。それにしても、「銭形泪」のミュージカル編のもろこし村を思い出させてくれるようなノリの展開となって、パロディ精神に満ちた楽しい物語になっていました。また、依頼者の設定も「八つ橋村」の村長ということになっていたが、これって「八つ墓村」のパロディというのは分かるが、和菓子の「八つ橋」も頭に浮かびます。(「銭形泪・2nd.14&15話」(ミュージカル編)でも「八つ墓村」のパロディをやっていましたし...)→スタッフもやっぱり「銭形泪」を意識しているのでしょうね。
いきなり「苦楽死箱(くらくしばこ)」というのが出てくるし、カノンさんも表情豊かで、たっぷりと魅せてくれたのをはじめ、駄洒落の方も口にするというように、実にノリノリのカノンさんでした。(駄洒落ということでは霧島ハルキ(「0093女王陛下の草刈正雄」)を意識しているのでしょうね。)
今回は、ピアノを弾く所も、LPレコードに針を降ろす所もあったカノンさんですが、期待に応えてくれるのは嬉しい所です。ピアノを弾く所では音階を口ずさんでいましたが、黒川芽以さんの次のオリジナル・アルバムも期待したい所です。でも、左利きではないのに、左手で針を降ろすって、なかなか出来ることではないと思うんですけど...(DJ仕様のレコード針なら丈夫だから問題ないですが、名器と言われるカートリッジだったら、怖くてとてもそんなことは出来ない筆者です。)
解決して依頼者が帰っていくところで、「後で請求書送りますね~」とカノンさん。やっぱりしっかりしています。(所長とカノンさんのコンビは泪ちゃんと高村さんのコンビとはタイプが違うけど、やはり良いコンビです。)
今回はドラマ部分がいつもより短めで、約29分でした。曲の方がたっぷりと最後まで流れるのかと思っていた、そうではなく、曲の演奏が終わった後に、「銭形泪」を意識したようなドラマのオチが用意されていました。大量に送られてきた「新名物 死とおとめ 饅頭」ですが、カノンさんも泪ちゃんと同様に大食いなんでしょうか?(芽以さんはそういうキャラではないですけど...)
次回は、ドビュッシーの「前奏曲集」です。
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番「死と少女」/第13番「ロザムンデ」
- アーティスト: カルミナ四重奏団,シューベルト
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2002/02/21
- メディア: CD
- アーティスト: 黒川芽以,BANANA ICE,斉藤英夫,古澤衛,遠藤浩二,佐藤朋生,平松愛理,丹羽多聞アンドリウ,矢野顕子
- 出版社/メーカー: ヤマハミュージックコミュニケーションズ
- 発売日: 2007/01/17
- メディア: CD