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「THE WESTERNER」 [映画(洋画)]

表題の作品は1940年のアメリカ映画「西部の男」である。西部劇の巨匠・ウィリアム・ワイラーの正統派西部劇である。ただ、舞台がテキサスということで、「西部」と言ってよいのかとちょっと疑問がある。しかし、開拓時代の物語で、一般的な「西部劇」の要素はしっかりと持っている。(地理的なことからは「南部」といった方が良いと思うのだが、「南部」と言ったら、奴隷制度下の物語のような印象が生まれてしまいますし...)

作品データを記しておくと、時間は100分の白黒作品である。原作はスチュアート・レイク、監督はウィリアム・ワイラー、脚本はジョー・スワーリングとナイヴン・ブッシュの2人、撮影はグレッグ・トーランド、音楽はディミトリ・ティオムキンである。そして出演は、ゲイリー・クーパー、ウォルター・ブレナン、フレッド・ストーン、ドリス・ダヴェンポート、フォレスト・タッカー、チル・ウィルス、ダナ・アンドリュース、たちである。尚、ウォルター・ブレナンが本作でアカデミー助演男優賞を獲得している。

時は1880年代のテキサス。この地にも次々と移民が入って来て、在来地主と移民たちの間の争いが絶えない状況になっていた。判事であり、牧場主でもあり、酒場の経営者でもあるロイ・ビーンは農民たちに迫害を加えていた。そんなある日、馬泥棒で捕えられたコール・ハードンは、判事が女優のリリー・ラングトリーに憧れを抱いていることを知ると、リリーの髪の毛を持っていると偽り、判決を保留させた。が、農民たちは牧童の横暴に憤激し、判事に私刑を加えようと立ち上がる。これにコールが調停に入り、リリーの髪の毛を判事に与えることを条件に両者は和解する。コールは知人であるジェーンの髪の毛を貰って、それをリリーの髪の毛として判事に渡す。その年は豊作となり、感謝祭で賑わう町だったが、判事は農場や作物に焼き討ちをかけた。これにコールは怒り、自ら副保安官となり、焼き討ちの責任を取らせ、逮捕状を取り、逮捕しようとする。判事は、買い占めをしたリリーの公演が行われる劇場に一人でいた。が、幕が上がるとリリーではなくてコールが現れた。そして2人は対決をする...

地元の悪徳判事がむさぼる町に流れ者がやってきて、それを倒すという、典型的な勧善懲悪という正統的な西部劇であり、安心して見ていることが出来る作品である。が、アカデミー助演男優賞を獲得したことが示しているように、悪徳判事を演じたウォルター・ブレナンの好演があるからこそ、物語が栄えることになった。こういう物語では、やはり悪役の存在感が命である、ということをしっかりと教えてくれている。一度は見ておきたい西部劇である。

 

西部の男

西部の男

  • 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
  • メディア: DVD

西部の男

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  • 出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー
  • メディア: DVD
西部の男

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  • 出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー
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岸田智史『GOLDEN J-POP / THE BEST』 [音楽(特撮/邦楽)]

表題のあるパムは2001年にリリースされたベスト盤である。現在は「岸田敏志」と改名しているが、彼と言えばやはり「岸田智史」であり、『きみの朝』である。元々はシンガーソングライターである彼は、フォーク調の楽曲と爽やかなボーカルで、当時のニューミュージック・ブームに乗って脚光を浴びた一人である。

収録曲は以下の全18曲である。『蒼い旅』『黄昏』『部屋』『愛を告げる』『21のキャンドルライト』『酔待草』『つづれおり』『きみの朝』『夕陽のなかで』『比叡おろし』『重いつばさ』『螺旋階段』『白夜』『なぐさめ』『潮風のセレナード』『愛した女(ひと)へ』『はーばー・れいん』『夢の淵に』。

お薦め曲は、やはり『きみの朝』は外せない。それ以外でも『蒼い旅』『黄昏』『つづれおり』『比叡おろし』『重いつばさ』『潮風のセレナード』など、彼の代表的な曲ばかりであって、全てをお薦め曲としたいところである。じっくりと聴かせてくれる曲ばかりであり、爽やかな所は現在でも色褪せていない。(エバーグリーン・ミュージックと言ったらいいでしょうね。)

彼の持ち味が十二分に出ている選曲であり、1枚ものという手軽さがあって収録曲数も多いということで、彼を知るには持ってこいのベスト盤である。(更に深く彼の世界に浸りたいのであれば、オリジナル・アルバムの方を順番に拾っていけばよい。)手元に置いておきたいベスト盤である。

岸田智史 ~GOLDEN J-POP / THE BEST

岸田智史 ~GOLDEN J-POP / THE BEST

  • アーティスト: 岸田智史,川崎洋,下田逸郎,鈴木隆子,喜多條忠,来生えつこ,谷村新司,有馬三恵子,竜真知子,岡本おさみ,石川鷹彦
  • 出版社/メーカー: ソニーレコード
  • 発売日: 1998/08/21
  • メディア: CD


ABC『BEAUTY STAB』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1983年に発表された彼らの2nd.アルバムである。前年の大ヒット・アルバム「THE LEXICON OF LOVE」の余韻が残っている時期に発表されたアルバムであるが、メンバーがごっそり抜けるなどがあって方向転換をすることになり、サウンドの方はニューロマンティック派の代名詞でもあるエレポップ路線からロック色を強く意識したものとなり、ロック・オペラを目指したものになっている。(とは言っても、実に'80'sらしいサウンドである。)が、このサウンドの変化は今ひとつ評判は良くなく、前作の様な大きなヒットにならなかった。

収録曲は以下の全13曲である。『That Was Then But This Is Now』『Love's A Dangerous Language』『If I Ever Thought You'd Be Lonely』『Power Of Persuasion』『Beauty Stab』『By Default By Design』『Hey Citizen!』『King Money』『Bite The Hand』『Unzip』『S.O.S.』『United Kingdom』『Vertigo』。

本アルバムからの筆者のお薦め曲は、前作の路線に近い所では『Unzip』『S.O.S.』『United Kingdom』という所ということになるが、本アルバムではこれらの曲は本命ではなく、あくまでも以前のスタイルを意識したものであり、本アルバムからは浮いている感じがしないでもない。本アルバムを象徴するのはアルバム・タイトル・ナンバーであり、インスト・ナンバーである『Beauty Stab』であり、アルバムの冒頭を飾る『That Was Then But This Is Now』である。

前作はシングル・ヒットした『The Look Of Love』をはじめ、どちらかというとシングルになることを意識したところがあったが、本作ではシングルを捨ててアルバム志向になり、それがロック・オペラを目指したものとして仕上げられているのが大きく違う所であり、本作の最大の特徴である。アルバム志向ということが広く受け入れられなかったため、セールスの方では苦戦したが、アルバムとしてのクオリティは前作とは比べものにならないほど充実している。(詰めが甘い所もありますが...)一度や二度聴いただけでは分からない味わいがあり、何度も聴いている内に次第に染みこんでいくような奥深さがある。腰を落ち着けてじっくりと聴くことをお勧めするアルバムである。

 

Beauty Stab

Beauty Stab

  • アーティスト: ABC
  • 出版社/メーカー: Polygram International
  • 発売日: 1998/06/30
  • メディア: CD


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