「CHRISTINE」 [映画(洋画)]
表題の作品は1983年の映画「クリスティーン」である。S.キングの同名小説の映画化作品であり、J.カーペンター監督の名前をこのジャンルで有名にした作品でもある。意思を持つ車・クリスティーンが復讐を始めるというサイコ的なホラー作品である。また、まだ無名だったケリー・プレストンが端役で出演している。それにしても、'50'sの車のデザインって、本当に個性豊かで、顔に見えます。本当に魂が宿ると、本作のような物語もあり得る、と思ってしまいます。
作品データを記しておくと、時間は110分、原作はスティーヴン・キング、監督はジョン・カーペンター、脚本はビル・フィリップス、撮影はドナルド・M・モーガン、音楽はジョン・カーペンターとアラン・ハワースの2人である。そして出演は、キース・ゴードン、アレクサンドラ・ポール、ジョン・ストックウェル、ロバート・プロスキー、ハリー・ディーン・スタントン、クリスティーン・ベルフォード、ロバーツ・ブロッサム、ケリー・プレストン、デヴィッド・スピルバーグ、ウィリアム・オストランダー、マルコム・ダネア、たちである。
1957年のデトロイト。プリマスの自動車工場で、真っ赤な新車が完成されようとしていた。その車の炎神・チェックをした工員は自然と降りたボンネットに腕を挟まれ、シートにタバコの灰を落とした工員は死体で発見された。時は流れ、1972年のカリフォルニア。高校生のアーニーは、帰宅途中に、放置されていたボロボロの'58年型のプリマスを目にして、それを気に入って250ドルで持主から買い取ると、「クリスティーン」の名付け、綺麗に修理をする。そして愛情を持ってクリスティーンに接するアーニー。が、それから彼の周囲で奇怪なことが起こる。アーニーと一緒にクリスティーンに乗って出掛けたリーが襲われる。また、アーニーに絡む不良たちも次々と殺されていく。それはクリスティーンが意思を持ち、アーニーに代わって復讐を始めたのだった...
圧巻なのは、ボロボロに壊されて潰れたクリスティーンが自己修復していく所である。CGがまだ存在しない時代に、見事なまでの特撮で描かれている。このシーンだけでも一見の価値がある。
物語は、高校生のアーニーを中心とした青春ストーリーをベースに、意志を持った車・クリスティーンのサイコ的な復讐劇を絡めたホラー作品であり、サイコ・ミステリーとホラーの要素が絡んだものに仕上がっている。かなり脚色されているものの、S・キングの原作小説らしい所もある。モンスターが登場するホラー作品やスプラッター作品とは違った意味のホラー作品であり、絶叫するようなホラーではなく、心理的に恐怖を与えてくれるホラー作品でもある。こういう作品であれば、「ホラー映画は苦手」という方でも十分耐えられるかと...
「嗚呼!!花の応援団」(その1) [映画(邦画)]
懐かしの邦画ヒーローシリーズの第26弾として取り上げるのは、どおくまん原作の漫画の映画化作品である「嗚呼!!花の応援団」シリーズです。(「ヒーロー」とは言い難い所がありますけど...)当時、漫画の方が異常なブームとなったことで、日活が急遽映画化して、更にシリーズとして全3作が製作されたヒットシリーズである。(当時、漫画の映画化ということがちょっとしたブームとなっていました。いずれもが「'70's」という魔法によって、原作漫画とは違った独特の雰囲気を持つ作品となって、「怪作」になった作品が多かったですね。本シリーズも「怪作」の一つである。)内容としては、ナンセンス・コメディである。(時には、本作のように、何も考えずに笑った楽しむことの出来る作品というのも良いものである。)
主役には、原作漫画の持っている「ヘタウマ」という所を貫くために、素人を起用して、その雰囲気を映画に出すという工夫がされた。このため、主役の演技についてはとやかく言うことはしないが、本作独特の世界を描ききることに繋がっている。(シリアスなストーリーならば素人が主役というのは耐えられないが、本作のようなコメディであれば、逆にそれがハマることがあるものです。)
本シリーズは日活の製作で、全3作が1976年と1977年に製作されている。また、1996年には再び製作されているが、これは番外扱いであって、シリーズ作品としては認められていない。(ここにも、「かつてのヒットシリーズの再映画化」という'90'sらしい安直な発想がある...)
今回は、その初回ということで、シリーズ作品のおさらいです。製作された3本は以下の通りである。シリーズ第1作「嗚呼!!花の応援団」(1976年)、シリーズ第2作「嗚呼!!花の応援団 役者やのォー」(1976年)、シリーズ第3作「嗚呼!!花の応援団 男涙の親衛隊」(1977年)。また、1996年の再映画化作品のタイトルは「嗚呼!!花の応援団」である。(これは日活ではなく、日本映画では今や当たり前の「製作委員会」の製作である。)
全体の作品数が少ないが、次回から製作順に従って、それぞれの作品について記していくことにします。
↓DVDではなくてビデオです。
上 嗚呼花の応援団 マンガCD-ROM倶楽部 7[CD-ROM]
- 作者: どおくまん
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 1996/06
- メディア: CD-ROM
下 嗚呼花の応援団 マンガCD-ROM倶楽部 8[CD-ROM]
- 作者: どおくまん
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 1996/06
- メディア: CD-ROM
ケータイ刑事銭形泪2話[裏ネタ編]PART 3 [ケータイ刑事]
もう1回、「銭形泪・2話」についての「裏ネタ編」です。(何も「1話を2回にする」とは言ってませんので...←こうやって、「銭形泪」全39話を何処まで増やして引っ張る気でいるんだ???)
今回は、事件のトリックに絡む所から、「アクリル繊維」についてと、「静電気」について記すことにする。尚、約2年半前のBS-iでの再放送時に記した本編について記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「アクリル繊維」:アクリロニトリルを主成分とする単量体から合成して作られた繊維であって、羊毛に似た性質を持っていて、手触りが良く、弾力や保温力がある。早い話、「合成繊維」の一つである。
アクリロニトリルは、分子式「CH2=CHCN」であり、無色揮発性で、弱刺激臭の有毒な液体である。沸点は77.6゜C~77.7゜C、融点は-83.55 ゜C、比重は0.806である。アセチレンとシアン化水素を反応させること、またはプロピレンとアンモニアと空気とを反応させることによって製造される。また、合成繊維の他には、合成樹脂、合成ゴムの原料として使われたり、接着剤、繊維加工材として使われている。「プロピレン」が石油由来原料であることから、石油関連製品であることが分かる。
アクリル繊維は、アクリロニトリルなどの原料を熱に掛け、口金などから押し出して繊維状にするという、比較的簡単な方法で製造することが出来る。このため、以前は日本などの生産量が多かったが、最近は中国などの人件費の安い国々で製造されることが多くなっている。
世界で初めて工業製品として製造されたのは、アメリカのデュポン社であり、1950年のことである。羊毛に似た性質があり、軽くて保温性が良く、虫やカビにも強いと言うことで、セーターや毛布、カーテンなどに加工されて使われている。また、日本の市場では「エクスラン」「カシミロン」「ボンネル」などの商品名で知られている。
「静電気」:物理学的に述べると、電荷が空間的に制止しているか、低速の電荷の移動の状態(発熱、磁気、電波放射が無視できる範囲)で、その電荷によって引き起こされる電気現象のことを言う。
日常生活にあける「静電気」と言われるものは、それらの中でも、摩擦帯電によって生じる電荷のことを指している。正確にいうと、「摩擦によって電荷が蓄積され、その電荷が放電された現象」である。→冬に静電気でビリッと来た時、「静電気だ」と言うが、これを正確に「静電気による放電現象だ」とは、例え物理学者でもあっても言いません。
静電気という現象は、日常生活の中でも色々と使われている。圧電素子による点火装置(例えば、ガスコンロ、(一部の)ライターなど)、レーザープリンターなどがその代表である。また、自然界で発生する雷というのも「雲に蓄えられた静電気の放電現象」である。
その一方で、静電気は色々と事故や災害にも繋がる。特に、蓄えられた電荷が放電されるとき、火花放電となると、それを火種にして火災や爆発事故が起こる場合がある。(今回の物語の火種もそうでした。)特に、気化したガスに引火するということで、(セルフ式の)ガソリンスタンドでは注意喚起されている。
また、ICなどの半導体も静電気の放電によって高電圧が素子に掛かって素子を破壊することがある。そのため、半導体工場では様々な静電気防止対策が行われている。
また、電荷にはクーロン力が働くため、静電気が蓄積した状態では、空気中の塵や埃を吸い寄せる。CRT方式のテレビやモニタの管面に埃が吸い寄せられるのは、クーロン力によるものである。
ということで、「静電気」は日常生活において、便利に役立つ場合と、場合によっては生命の危険に繋がる事故に繋がる場合とがある。事故を防ぐには、危険が何処にあるのかを知り、そういう作業を行う場合は、アースされた放電プレートに触れるなどして蓄えられた電荷を放電することを忘れずに行いましょう!
↓参考まで
↓役立てましょう
静電気のABC―帯電の謎解きから防ぎ方、応用まで (ブルーバックス)
- 作者: 堤井 信力
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/04
- メディア: 単行本