「嗚呼!!花の応援団」(その4) [映画(邦画)]
今回は、日活が製作した三部作の最後の1本についてです。
シリーズ第3作「嗚呼!!花の応援団 男涙の親衛隊」(1977年)
作品データを記しておくと、1977年の日活作品で、時間は93分である。原作はどおくまん、監督は曾根中生、脚本は田中陽造、撮影は森勝、美術は菊川芳江、音楽はコスモス・ファクトリーである。そして出演は、本間進、川畑信三、深見博、竜虎、宮下順子、河原崎長一郎、なぎらけんいち、沢田情児、坂田金太郎、堀礼文、松田茂樹、野崎英則、高瀬将嗣、檀喧太、中尾繁、蔵内秀樹、陶隆司、折口亜矢、泉じゅん、谷本一、坂本長利、神戸誠、高木公男、磯敏也、中平哲仟、庄司三郎、木島一郎、白川いづみ、岡尚美、たちである。
主人公・青田赤道は前2作と同じであるが、演じる役者はまたも変わっている。(3代目ということになる。)が、内容の方は前2作の路線であって、特に変わるということはない。'70'sらしいドタバタとお色気満載のナンセンス・コメディである。
春。桜が満開ということで、毎年恒例の花見が行われる。南河内大応援団の北口、富山、小林は哲也で席取りをするが、その場所は浪華大学応援団が毎年花見をしている場所だったことから、一騒動。親衛隊長・青田がなんとか救ってくれた。
青田に、ミス日本との見合いの話が出てくる。そんな彼に黒メガネの男がつきまとってくる。青田は、それは自分の素行調査をする私立探偵と思って、節度ある行動をするようになる。更に、試験のシーズンがやってくる。で、青田が思いついたのは、科目ごとに代役を立てることだった...
青田の父・玄道が、剣道の試合のため上阪したきた。決勝まで残り、相手は浪華大師範の千藤七段だ。しかし玄道も年齢のためか、疲労困憊状態だった。勝負は1対1で勝負が決まる3本目。玄道は押されていたが、その時、青田赤道の一声によって勝負は玄道が逆転勝ちをとなった。が、腹の虫が治まらないのは浪華大の連中だった。が、応援団団長・角木の行動は...
前2作と基本的に変わらない作品であり、何も考えずに笑って楽しむのにもってこいの作品である。でも、前2作と比べると、主人公・青田赤道のハチャメチャぶりが小さくなっているのが残念なところである。とはいっても、'70'sテイストを堪能できるということで、よろしいかと...
↓DVDではなくてビデオです。
↓原作漫画(別物と思いましょう)はこちら
「GHOST SHIP」 [映画(洋画)]
表題の作品は2002年のアメリカ映画「ゴーストシップ」である。ジョエル・シルヴァーとロバート・ゼメキスが設立したホラー映画専門の製作会社・ダーク・キャッスル・エンタテインメントによる第3作であり、ホラー映画のツボは心得られている。が、出だしはこれぞ「ホラー」という展開でやってくれるが、勢いがあるのはそこだけであって、直ぐに「ホラー」ではなくてミステリーのようになってしまうのが残念...
作品データを記しておくと、時間は91分、原案はマーク・ハンロン、監督はスティーヴ・ベック、脚本はマーク・ハンロンとジョン・ポーグの2人、撮影はゲイル・タッターサル、音楽はジョン・フリッゼルである。そして出演は、ジュリアナ・マーグリーズ、ガブリエル・バーン、ロン・エルダード、イザイア・ワシントン、デズモンド・ハリントン、アレックス・ディミトリアデス、カール・アーバン、エミリー・ブラウニング、フランチェスカ・レットンディーニ、たちである。
1962年、ラブラドル半島の沖合で消息を絶ったアメリカに向かっていた豪華客船アントニア・グラーザ号。それから40年、ベーリング海を漂う謎の船が発見され、サルベージ会社・アークティック・ウォリアー社が調査に乗り出す。で、調査の結果、その船は40年間行方不明となっているアントニア・グラーザ号ということが分かる。クルーたちはアントニア・グラーザ号に足を踏み入れて調査を開始する。船内で大量の金海を発見したことから、喜ぶクルーたちだったが、船の中には恐ろしい何者かが潜んでいた...
最初の出だしは「ホラー」作品ということをアピールするように、(ホラーとしての)見せ場があるので、後半にかけて、どこまで見せてくれるのか期待してしまうが、その期待は裏切られて、「ホラー」ではなくなって「ミステリー」のようになってしまうということで、ホラー映画のファンには失望させられるが、ホラーには弱い人には、見やすい作品である。(と言っても、苦手という人は最初から敬遠するでしょうが...)
展開は、まあまあといった所であるのだが、特撮を駆使した映像は、この手のジャンルの作品にしては珍しく、かなり綺麗である。ファンタジックなものではないが、美しい映像を見たいというのであれば、見ておいた方がよろしいかと...
ケータイ刑事銭形泪4話[裏ネタ編]PART 1 [ケータイ刑事]
今回からは1st.4話の「舞台の上で死ねれば本望だ! ~劇団ちからわざ俳優殺人事件」の「裏ネタ編」です。この物語は、佐藤二朗さんが「ケータイ刑事」で初めて脚本を書き、やりたい放題の独壇場となった物語でもある。で、この物語はいつも以上にネタが多いということで、果たして何回になることやら...
初回の今回は、今回はやはりこの人ということで「佐藤二朗」について、そしてその二朗さんが主催する「劇団ちからわざ」について、そして、劇団名から「東京感電死」というギャグが飛び出したが、これに繋がる「東京乾電池」について記すことにする。
尚、約2年半前のBS-iでの再放送時に記した本編について記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「佐藤二朗」:1969年、愛知県生まれ。文学座の養成所を出ている。何処か妖しげな超個性的なキャラクターで独自の雰囲気を持っていて、ドラマでは脇役として独特の個性を発揮している。で、数多くの作品で脇役として出演している。そんな中、2008年、「拝啓トリュフォー様」で、念願の主役の座を獲得した。
1996年に「劇団ちからわざ」を旗揚げして、舞台の方で活動しており、自ら脚本を書き、演出を手掛けることもある。(これに関しては、別途記す。)
映画の方でも、これまでに多数出演していて、それぞれ味のある個性を発揮している。2008年、「memo」では監督も務めた。(脚本も)
「ケータイ刑事」へは「銭形舞」の2話が最初の出演であって、5つの物語に出演。内1回は、鑑識・柴田太郎の弟・柴田次郎を演じている。「銭形泪」からは準レギュラーとして、警部補・佐藤公安を演じた。(映画「M1」でもこの役を演じた。)また、今回の物語で脚本家としてもデビューを果たした。(「泪・2nd.18話」と「零・2nd.8話」でも脚本を書いていて、「ケータイ刑事」では3本の脚本書いている。)「銭形零」ではパイ屋の遠州理津として準レギュラーとして出演し、「雷」と「海」にも出演している。特に今では「悪夢シリーズ」欠かせない顔である。
「劇団ちからわざ」:1996年に旗揚げされた劇団であって、主催するのは佐藤二朗。1996年から、ほぼ年に1回のペースで公演を行っていて、これまでに9回の公演を行った。第3回公演までは、佐藤二朗の作と演出であったが、1999年の第4回公演からは、作:佐藤二朗、演出:堤泰之で行われている。(堤泰之:1960年生まれ、1991年にプラチナ・ペーパーズという演劇の製作会社を設立する。劇団ちからわざの公演だけでなく、数多くの劇団の公演で演出を手掛けてきている。また、映画「スリ」や何本かのTVドラマでも脚本を書いている。)
これまでの公演は以下の通りである。第1回公演(1996年11月)「ハーフドゥーンな男たち」、第2回公演(1997年8月)「ブリッジ」、第3回公演(1998年6月)「猫は暗闇でも目が見える」、第4回公演(1999年5月)「さきわうためにできること」、第5回公演(2001年1月)「火なら燃えなきゃ~コントはやはり芝居より軽いのか?~」、第6回公演(2002年9月)「アウチ!~死ヌマデ生キル~」、第7回公演(2004年3月)「ポウズ~さきわうためにできること・改訂版~」、第8回公演(2006年9月)「ランプ」、第9回公演(2008年1月)「ムコウカタ」。
「東京乾電池」:1976年に柄本明、ベンガル、綾田俊樹によって結成された劇団である。尚、座長は柄本明である。漫才ブームの中、コントを行っていたことから、お笑い劇団というイメージが生まれる。しかし、イメージの定着を嫌って、方針変更を行い、岩松了作品を「町内劇シリーズ」「お父さんシリーズ」として上演、この中の「蒲団と達磨」が第33回岸田国士戯曲賞を受賞している。これによって「お笑い」というイメージは完全に無くなった。
'90年代になると、チェーホフの作品を上演したり、名画「しとやかな獣」を上演したりと、意欲的な所を見せている。
主な所属俳優は、柄本明、ベンガル、綾田俊樹、角替和枝、江口のりこ、たちがいる。また、現在は所属していないが、かつて籍を置いていた俳優としては、高田純次、蛭子能収、六平直政、小形雄二、岩松了、田口浩正、広岡由里子、井田國彦、徳丸純子、田岡美也子、たちがいる。
↓二朗さん関係をいくつか(メジャーなところは省きます。)
↓「東京乾電池」関係
prints(プリンツ)21 2007年春号 特集・高田純次 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: プリンツ21
- 発売日: 2006/12/26
- メディア: 雑誌