「JACK'S BACK」 [映画(洋画)]
表題の作品は1987年のアメリカ映画「ジャック・ザ・リッパー/殺しのナイフ」である。19世紀末にロンドンに現れて人々を恐怖に陥れた「切り裂きジャック」については映画になったりしているので、ご存知であろう。本作は、その切り裂きジャックの犯行の手口を真似た連続殺人事件が現代のロサンゼルスで起こったということで展開されていくサスペンス作品である。ホラー映画の世界では、「切り裂きジャック」が伝説となっている部分もあるが、「ホラー」という要素はないが、サスペンスとしたらなかなか面白く、それなりに怖さを感じる作品である。
作品データを記しておくと、時間は97分、監督と脚本はローディー・ヘリントン、撮影はシェリー・ジョンソン、音楽はダニー・ディ・パオラである。そして出演は、ジェームズ・スペイダー、シンシア・ギブ、ロッド・ルーミス、レックス・ライオン、ロバート・ピカード、クリス・マルケイ、ダニツァ・キングスレー、たちである。
ロサンゼルス。売春婦が次々と殺されるという事件が起こる。その殺人の手口は、19世紀のロンドンを恐怖のどん底に突き落とした「切り裂きジャック」の手口を再現したものだった。ということで、警察は医療関係者が犯人だと断定する。が、警察の裏をかくように、5人目の被害者が出る。また、被害者たちと旧知の関係だった医学生・ジョンの死体が発見されると、警察はジョンが犯人だと発表した。そんな中、ジョンとそっくりな双子の兄・リックが現れた...
「切り裂きジャック」の事件について予習をしてから本作を見ると、よりいっそう本作を楽しむことが出来るのは言うまでも無い。とはいっても、切り裂きジャックについては、架空の人物説まであり、事実は現在でも分かっていないのですけどね... でも、手口が同じと言うだけで、100年近く前の事件と同じように考える警察も警察だと思うのですけど... が、フィクションの世界だからこそ、勝手な解釈で繋げてしまうという発想は歓迎ですけど...
サスペンス作品としたら、「双子」というアイデアは珍しいものではないが、ミステリアスな雰囲気が出ていて、なかなか面白くまとめられている。出来は悪くないのだが、派手さが無く、地味な感じがするというのが大きく化けなかったところですかね...
尚、本作には、当時はアイドル的な人気のあったシンシア・ギブが出演しているのだが、今ひとつ出演作に恵まれなかったことを考えると、彼女の出演作品の貴重な1本ということになる。(シンシアと言えば、「栄光のエンブレム」と「ショート・サーキット2」ぐらいですからね...)
↓本作の輸入盤・ビデオです。(当然、日本語字幕はありません)
↓「シンシア・ギブ」といえば...
CHRIS REA『DELTICS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1979年に発表された彼の2nd.アルバムである。イギリス出身のシンガー・ソングライターである彼は、ハスキーなしゃがれ声で知られるシンガーでもあるが、ギターの腕もなかなかのものであり、演奏の方は味がある。本アルバムは「海」をテーマにしたものであって、たっぷりと聴かせてくれている隠れた名盤である。
収録曲は以下の全11曲である。『Twisted Will』『Things Lover Do』『Dance, Don't Think』『Raincoats And A Rose』『Synetap - Letter From Amsterdam』『Deltics』『Diamonds』『She Gave It Away』『Don't Want Your Best Friends』『Qualifications』『Seabird』。
この中からシングル・カットされたのは『Diamonds』と『Raincoats And A Rose』であって、前者はイギリスとアメリカで、共に最高位44位を記録するスマッシュ・ヒットとなっている。
本アルバムからの筆者のお薦め曲は、シングル・ヒットを記録している『Diamonds』と『Raincoats And A Rose』、そして『Twisted Will』『Don't Want Your Best Friends』、アルバムの締めくくりとなる『Seabird』をピックアップしておく。(特に『Seabird』は、名曲としてファンの間では語られている一曲である。)
アルバムの完成度と言うことでは、それなりにまとまりがあるものの、これぞというアピール・ポイントが無く、こぢんまりとまとまってしまい、派手な所も無いので地味な印象を受けてしまうが、じっくりと聴かせてくれる所ではしっかりと聴かせてくれており、ボーカル・アルバムとしたら、悪くはない出来となっている。また、全体的には聴きやすいテンポの曲が多ということで、とても聴きやすいアルバムでもある。腰を落ち着けてじっくりと聴いてみたいアルバムである。
名曲探偵アマデウス#13 ドボルザーク「新世界から」 [ドラマ]
今回はドボルザークの「新世界から」です。この曲もよく耳にすることある楽曲であるだけに、カノンさんの発言を楽しみにしていたら、やっぱりやってくれたカノンさんでした。(期待にしっかりと応えてくれるカノンさんです。)
所長は、前回と同様に無精ヒゲがあったが、今回はカノンさんも髪型を変えていたことで、今までとは全く違う雰囲気があったが、ノリはやっぱり同じでした。本当に楽しんでいるカノンさんですね。
所長にお茶を入れたカノンさん。が、「何度で入れたの?」と聴かれて「ちゃんと沸騰したお湯で...」と答えると、「煎茶は70度で入れるのが常識」と返す所長。これに「音楽以外も詳しいんですね」と言う反応をしたカノンさん。やっぱり所長の事が好きなようですね。
飲料メーカーに勤める依頼人がやってきて、曲のメロディを口ずさむと、カノンさんは「下校の音楽!」と反応したが、確かに学校では放課後になるとこの「新世界から」を誰もが耳にしているだけに、ここは良い味を出すカノンさんらしい所でもありました。当然、表情豊かで、色んな表情を見せてくれるのはいつもの通りだが、髪型が違うことで、今までよりも大人びた雰囲気で、魅せてくれました。
でも、緑茶コーヒーというものを開発するって、この発想が凄い所です。(→やっぱりこれはNHKの発想ではなくて「ケータイ刑事」の発想のように感じる所である。)しかし、カノンさんの最初の反応は「何か美味しそうですね」と言うのも面白い所です。(「コーヒーは苦いだけではなくて、香りも楽しむものですよ」と依頼者に言って欲しい所もありました。)
今回のカノンさんは、LPレコードに触れる所はなかったが、今回はワンフレーズだけとはいうものの、歌を歌う所があったのは嬉しい所でした。→黒川芽以さん、ボチボチ2nd.アルバムをお願いします。
今回、「ヨナ抜き音階」の説明があったが、これは「五音音階」(「五声」「ペンタトニック」とも言う。)のことですよね。→一週間前に「ケータイ刑事銭形泪3話[裏ネタ編]」で「音階」に着いて記したばかりでもあります。(その記事は「ここをクリック」したらご覧頂けます。)
曲の後のオチは、完成した緑茶コーヒーが届けられ、缶を開けたカノンさん。匂いを嗅いで「美味しそうな匂いですよ」と言いながら、所長に「どうぞ先に飲んで下さい」と言って所長に渡し、所長も匂いを嗅いでから「君が先に飲んでくれたまえ」と譲り合うのは、やっぱり、得体の知れない「緑茶コーヒー」ということで、お互い、どんな味なのか、毒味のつもりだったんですね。(毒が入っていないのはいうまでもないが、変な味がすると思ったのは間違いない。)で、ジャンケン勝負で勝ったカノンさんが「やった~」と言って、グーを握りしめて喜んでいたのが動かぬ証拠です。(所長はチョキでした。)
それにしても、所長とカノンさんの息も合っていて、楽しい楽しいコンビになったものです。
来週はファイルNo.006のドビュッシー「前奏曲集」の再放送で、その翌週はオリンピック放送でお休み、22日は今回のドボルザーク「新世界から」の再放送の予定で、次の新作(ファイルNo.014、ショパンの「24の前奏曲」作品28 雨だれ 他)の放送は8/29です。また、8/3のBS-2の放送は、BS-2では未放映のファイルNo.012・ラフマニノフの「ピアノ協奏曲・第2番」で、8/10&17はお休み、8/24が今回BS-hiで放送された ドボルザーク「新世界から」の予定となっています。(土曜の再放送の方は8/30までありません。)
- アーティスト: ドヴォルザーク,カラヤン(ヘルベルト・フォン),ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2007/09/05
- メディア: CD
- アーティスト: バーンスタイン(レナード),ドヴォルザーク,スメタナ,ニューヨーク・フィルハーモニック
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
- 発売日: 2006/11/22
- メディア: CD
ドヴォルザーク:交響曲第9番ホ短調Op.95「新世界より」 [xrcd]
- アーティスト: アントニーン・ドヴォジャーク
- 出版社/メーカー: 日本ビクター
- 発売日: 2001/09/25
- メディア: CD
音律と音階の科学―ドレミ…はどのようにして生まれたか (ブルーバックス 1567)
- 作者: 小方 厚
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本