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「拳銃無頼帖」(その3) [映画(邦画)]

今回は、シリーズ第2作と第3作の2本についてです。特に第2作の方は、前年に(松竹映画の)「朝を呼ぶ口笛」でデビューした吉永小百合の日活でのデビュー作ということでもあり、別の意味でも注目の作品である。

シリーズ第2作拳銃無頼帖 電光石火の男
作品データを記しておくと、1960年の日活作品であって、時間は86分である。原作は城戸礼、監督は野口博志、脚本は松浦健郎、撮影は永塚一栄、美術は小池一美、音楽は山本直純である。そして出演は、赤木圭一郎、二谷英明、浅丘ルリ子、白木マリ、宍戸錠、杉山俊夫、菅井一郎、高品格、嵯峨善兵、藤村有弘、二木草之助、柳瀬志郎、二階堂郁夫、黒井昭一、武藤章生、吉永小百合、雪丘恵介、長弘、本目雅昭、山口吉弘、玉井謙介、荒木良平、古田祥、今川英司、速水脩二、志方稔、黒田剛、沢美鶴、荒木昭一、たちである。

親分の罪を被って服役したハイライト興業の元幹部・丈二が3年ぶりにシャバに戻って来た。足を洗うつもりだったが、この町に残した恋人・圭子が忘れられなかったのだった。が、圭子は丈二を愛していたものの、丈二の音沙汰がないということで警官の昇と婚約していた。その昇が刑事部長として赴任してきて、暴力追放宣言をしてハイライト興業に手を出す。これにボスの麻島は激怒する。警察は暴力団狩りに本腰を入れるようになる。また、ハイライト興業と対立する大津組との抗争も激しくなっていく。そんな中、丈二はボスのやり方に反発していき、ボスが放った殺し屋と対峙することになるが...

ヤクザの抗争、警察との攻防というアマションの要素と、昔の恋人・圭子との恋愛劇が絡んでいて、なかなか見所の多い作品である。

尚、吉永小百合は喫茶店のウエイトレス役である。(当時15歳、初々しさがある。)

シリーズ第3作拳銃無頼帖 不敵に笑う男
作品データを記しておくと、1960年の日活作品であって、時間は84分である。原作は城戸礼、監督は野口博志、脚本は山崎巌、撮影は横山実、美術は小池一美、音楽は山本直純である。そして出演は、赤木圭一郎、宍戸錠、笹森礼子、吉永小百合、南風夕子、青山恭二、深水吉衛、菅井一郎、二本柳寛、藤村有弘、鹿島貞夫、深江章喜、山根照雄、荒木良平、山田禅二、式田賢一、河野弘、瀬山孝司、玉井謙介、古田祥、緑川宏、志方稔、東郷秀実、柳田妙子、加代あけ美、椎名伸枝、星ナオミ、エミー・瀬尾、たちである。

人を殺して服役していた早射ちの竜が刑期を終えて金沢へ帰ってきた。堅気になって恋人・ユリと新しい生活を始めるつもりでいた。が、ユリは一年前に事故で死んでいた。ユリの妹・博子は、姉・ユリが死んだのは竜のせいと罵る。一方、町では浜田組と船場組という2つの組のヤクザの対立が激化していた。また、竜は浜田組の用心棒・コルトの謙と出会う。そんな中、ユリの死因を調べる竜に、浜田組と船場組との間でのダイヤの取り引きの話が持ち込まれるが...

前作では主人公か「丈二」ということになっていたが、本作では第1作の「抜き打ちの竜」・剣崎竜次とは別人であるものの、「早射ちの竜」・壇竜次という近いものであり、また、ライバルも前作は「五郞」だったが、第1作の「コルトの銀」に近い名前の「コルトの謙」ということで、日活らしい所が随所に出ていて、楽しくなってくる作品である。

展開は、このジャンルの作品のパターンと基本的に同じであるものの、前作とは違って安心して見ていることが出来る作品である。(やはりシリーズも3本目となると、落ち着いてきますからね。)ということで、この後のシリーズ作品に期待が膨らむのだが、本作製作時に、次作がシリーズ最終作になるとは誰も思わなかったでしょうね...

 

拳銃無頼帖 電光石火の男

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  • 出版社/メーカー: 日活
  • メディア: DVD

拳銃無頼帖 不敵に笑う男

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  • メディア: DVD

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CURTIS MAYFIELD『CURTIS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1970年に発表された彼の1st.ソロ・アルバムである。IMPRESSIONSボーカルを担当していた彼がソロになり、この後、ニュー・ソウルの代表的なシンガーとなっていく彼であるが、記念すべきアルバムということになる。これまでの(IMPRESSIONSでの)活躍もあって、本アルバムはBillboardのアルバム・チャートで最高位19位を記録し、1971年の年間アルバム・チャートでも57位にランクインする大ヒットとなった。

収録曲は、1970年に発表されたオリジナル盤では全8曲の収録だったが、2000年にリマスターされてリリースされた時に9曲のボーナス・トラックが追加されて全17曲収録となった。収録曲は以下の通りである。(後ろの9曲がボーナス・トラックである。)『(Don't Worry) If There's A Hell Below, We're All Going To Go』『Other Side Of Town』『Makings Of You』『We The People Who Are Darker Than Blue』『Move On Up』『Miss Black America』『Wild And Free』『Give It Up』『Power To The People [Demo Version]』『Underground [Demo Version]』『Ghetto Child [Demo Version]』『Readings In Astrology [Demo Version]』『Suffer [Demo Version]』『Miss Black America [Demo Version]』『Makings Of You [Backing Tracks, Take 32]』『(Don't Worry) If There's A Hell Below, We're All Going To Go [Backing Tracks, Takes 1 & 2]』『(Don't Worry) If There's A Hell Below, We're All Going To Go [Radio edit]』。

この中からシングル・カットされてヒットとを記録したのは『(Don't Worry) If There's A Hell Below, We're All Going To Go』である。が、この曲がヒットを記録したのはアルバム発表時ではなく、1976年のことであった。その時にBillboardのシングル・チャートで最高位29位を記録している。(年間シングル・チャートのTOP 100にはランクインしていない。)また、イギリスでは『Move On Up』が、やはり1976年にシングル・ヒットを記録していて、最高位12位を記録している。

本アルバムからの筆者のお薦め曲は、やはりシングル・ヒットを記録した『(Don't Worry) If There's A Hell Below, We're All Going To Go』と『Move On Up』は外せない。(彼の代表曲の一つでもありますし...)そして『Other Side Of Town』『We The People Who Are Darker Than Blue』というところをピックアップしておく。

本アルバムは彼の1st.ソロ・アルバムであり、この後、彼のスタイルとなる、アルバム全体が1つの作品として、しっかりとしたテーマの元に熱いメッセージを語りかけるということがしっかりと完成している。ミュージシャンとしてIMPRESSIONSでのキャリアが10年ちょっとあり、それからソロへの転身であることもあって、内容も充実したものに仕上がっている。また、彼のボーカルの方も、熱い魂と泥臭さを感じるファンキーであり、ポップなことで、とても聴きやすいものになっている。

彼のサウンドに影響を受けたアーティストは数多くいて、後の音楽シーンに多大な影響を与えたが、そういう音楽史を知る上でも、本アルバムは聴いておきたいところである。

 

Curtis

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  • 出版社/メーカー: Snapper
  • 発売日: 2000/08/15
  • メディア: CD


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ケータイ刑事銭形泪4話[裏ネタ編]PART 5 [ケータイ刑事]

今週は「名曲探偵アマデウス」が再放送(ファイルNo.006・ドビュッシー「前奏曲集」)だったので、「銭形泪[裏ネタ編]」にピンチヒッターを務めて貰います。また、前回で「1st.4話」の裏ネタ編は終了として、今回から「1st.5話」に入る予定だったのだが、前回がそれなりの文章量になったことで、「1st.4話」の事件のトリックに関係する事柄について残りがあるので、もう1回「銭形泪・1st.4話」:「舞台の上で死ねれば本望だ! ~劇団ちからわざ俳優殺人事件」の「裏ネタ編」を記します。(全39話の「銭形泪」であるが、最初の4話で[裏ネタ編]は13回に達してしまうことになったが、このペースでいると「銭形泪[裏ネタ編]」は100回突破も確実か...???←そこまで引っ張るのか...)

で、今回は「マイク」についてと、劇中に出てきたマイクがSHURE社のものだったということで「SHURE社」について、そして「拍手」についてです。

尚、約2年半前のBS-iでの再放送時に記した本編について記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。

マイク」:MICROPHONE(マイクロフォン)の略称であり、音響エネルギーを電気エネルギーに変換する電気的変換器である。仕組みは簡単で、音を拾う振動板に固定されたコイルが固定された時速の中を動くことで起電力が発生し、電気信号に変換する。スピーカーの動作原理の逆である。→ダイナミック型と呼ばれるマイクはスピーカーになり、ダイナミック型のスピーカーはマイクとして動作可能である。(但し、マイクをスピーカーにした場合は微弱な音しか出ず、スピーカーをマイクとした場合は微弱な電気信号にしかならない。これは振動板の大きさの為である。)

いくつかの方式があり、一般的な電磁誘導を利用するダイナミック型をはじめ、リボン型、コンデンサ型(静電型)、クリスタル型(圧電型)、カーボン型などがある。また、最近はレーザー光を利用する光マイクもある。それぞれ特徴があり、長所と短所がある。そのため、用途に応じて使い分けられている。

音響エネルギー(音)を拾うものであり、日常生活の身の回りにもたくさんのマイクがある。(電話の送話器も歴としたマイクである。)

尚、マイクテストの際、マイクを叩いたり、息を吹きかけることがあるが、これはマイクにとっては良くないことである。(通常使用では起こらない衝撃が振動板に加わることになり、マイクの寿命に影響を与えるだけである。また、スピーカーで再生される音も衝撃音になるため、スピーカーにとっても良いこととは言えない。)そういうことをやっている人がいたら、正しいマイクの使い方を知らない素人ということを自らアピールしているだけということになる。

SHURE社」:「しゅあ」と読む。アメリカの音響機器メーカーであり、創業は1925年ということで、歴史のある会社である。現在は、マイクとヘッドホンのメーカーとして知られている。(振動系に強いメーカーである。)元々、マイクのメーカーであって、プロ用マイクには高い評価がある。

SHUREの名前が有名になったのは、1970年代、アナログレコードの時代に、名器と言われるカートリッジを世に送り出したことで、世界的な音響機器メーカーとなった。

カートリッジには、発電方式によってMM型とMC型の2つに大別される。針に繋がった永久磁石が振動し、固定されたコイルが発電する前者と、針に繋がったコイルが振動し、その周囲に置かれた永久磁石の磁界によって発電する後者である。SHUREのカートリッジは前者のMM型である。(MM型の方がMC型よりも出力信号のレベルが大きいという特徴がある。)また、MM型の音はパワフルで、MC型の音は繊細である。

SHUREのカートリッジはMM型であり、「V15」というカートリッジによって名声を得ることになった。V15は初代から始まり、TYPEⅡ、TYPEⅢ、TYPEⅣが発売され、最終的にはTYPEⅤまで発売された。この中でもTYPEⅢとTYPEⅣは名器として世界中で高い人気を得たカートリッジである。

CDが普及してアナログレコードが衰退しても、創業時からのマイク(特にプロ用)の方でも確かな製品を作り続けていたことで、生き残り、名器と言われるものを作り続けている。

※カートリッジとマイクは、振動を拾うパーツと元になるものは異なるが、動作原理は基本的に同じである。また、スピーカー(ヘッドフォンを含む)は音響エネルギーと電気エネルギーの変換ということではマイクと逆動作をするものであり、基本的な原理は同じことで説明できる。よって、SHURE社の技術というのは1つの技術分野のものということになる。

拍手(はくしゅ)」:敬意を込めたり、激励のためだったり、謝意を伝えるために、手を打ち鳴らす行為のことである。単に手を打ち鳴らす行為も拍手であるが、何かの意味があるからこそ「拍手」と言う。また、神社などで行う「柏手(かしわで)」(開手(ひらて)とも言う)も「拍手(はくしゅ)」である。

現在、「拍手(はくしゅ)」と言うと、各種舞台興行において、観客が出演者に対して感動を伝えるために行う行為の事が一般的であり、祝いの席で祝福のために行うこともポピュラーである。尚、江戸時代までの日本では、各種舞台興行(雅楽、歌舞伎、狂言など)の際、拍手という習慣はなく、明治になってから行われるようになった。江戸時代までの日本で「拍手」といえば「かしわで」のことであり、神前での作法であり、続けて何度も何度も繰り返し手を打ち鳴らすことはなかったのである。

 

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX I

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  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

↓参考まで

基礎音響・オーディオ学

基礎音響・オーディオ学

  • 作者: 小泉 宣夫
  • 出版社/メーカー: コロナ社
  • 発売日: 2005/04
  • メディア: 単行本

マイクロホンハンドブック (1973年)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 1973
  • メディア: -

↓SHUREの現行製品をいくつか

SHURE E4CN-J ヘッドフォン(ブラック)

SHURE E4CN-J ヘッドフォン(ブラック)

  • 出版社/メーカー: Shure Incorporated
  • メディア: エレクトロニクス

SHURE 高遮音性イヤホン・ブラック SE110-K-J

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  • 出版社/メーカー: Shure Incorporated
  • メディア: エレクトロニクス

SHURE M44G カートリッジ

SHURE M44G カートリッジ

  • 出版社/メーカー: Shure Incorporated
  • メディア: エレクトロニクス

↓参考まで

′83カートリッジとレコードとプレイヤーの本 (1982年)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 共同通信社
  • 発売日: 1982/07
  • メディア: -

最新ピックアップ・カートリッジ・ハンドブック (1970年)

  • 作者: 誠文堂新光社電子展望編集部
  • 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
  • 発売日: 1970
  • メディア: -

拍手のルール―秘伝クラシック鑑賞術

拍手のルール―秘伝クラシック鑑賞術

  • 作者: 茂木 大輔
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 単行本


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