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「MARTIN」 [映画(洋画)]

表題の作品は1977年のアメリカ映画「マーティン/呪われた吸血少年」である。この作品はG.A.ロメロ監督が手掛けた異色の吸血鬼映画であり、カルト作品として一部のマニアの間で高い支持を受けている作品である。尚、日本では劇場未公開であった。また、彼の名前を一躍世界的なものにした「ゾンビ」(原題:DAWN OF THE DEAD)の1つ前の作品であり、本作が欧州で注目されたことから「ゾンビ」が生まれることになっていった。

作品データを記しておくと、時間は95分、監督と脚本はジョージ・A・ロメロ、撮影はマイケル・ゴーニック、特殊メイクはトム・サヴィーニ、音楽はドナルド・ルビンスタインである。そして出演は、ジョン・アンプラス、リンカーン・マーゼル、クリスティーン・フォレスト、エレイン・ナデュー、トム・サヴィーニ、サラ・ヴィネイブル、ジョージ・A・ロメロ、たちである。尚、本作のイタリア版は、音楽がゴブリンのものに差し替えられている。

叔父・クーダのいるピッツバーグにやってきたマーティン。彼は吸血鬼の少年であるが、太陽の光、十字架、ニンニクという吸血鬼の弱点に対して免疫があって、全く問題としなかった。が、彼は孤独で愛に飢えた少年でもあった。クーダは面倒を起こすな、と最初にマーティンに注意をしておいたが、心を病んでいるマーティンは欲望を出していく。

お馴染みの吸血鬼の弱点を否定した設定の主人公・マーティンであるが、それらを面白おかしく描くのではなく、心を病んでいる少年の悩める姿、そして悲惨な末路を描いた物語である。一応、ホラー映画の形があるが、吸血鬼の少年の視点から描いた心のドラマという側面が強く出ており、結末の重さ、暗さは下手な人間ドラマよりもはるかに思いメッセージが伝わってくる。よくある吸血鬼映画とは全く異なる異色の吸血鬼映画であり、ロメロ監督の本領発揮という傑作である。

 

マーティン

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD


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MIMIC(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]

表題の作品は1996年のアメリカ映画「ミミック」である。近未来のニューヨークで、遺伝子操作によって作られた新種の昆虫が発端となって展開するB級SFホラー作品である。まさにB級映画の楽しい所が次々と出てくる作品であり、B級作品ファンにとったら嬉しい作品である。また、ヒロインがミラ・ソルヴィノという所も良い所である。金を掛けるだけ使った大作にはない作が魅力である。また、本作がヒットしたことから、2001年には続編となる「ミミック2」が、2003年には更なる続編「ミミックⅢ」が製作されている。(が、これらはズタボロでしたので、相手にしないことにしましょう。)

作品データを記しておくと、時間は106分、原作はドナルド・A・ウォルハイム、原案はマシュー・ロビンス、ギレルモ・デル・トロ、ドナルド・A・ウォルハイムの3人、監督はギレルモ・デル・トロ、脚本はマシュー・ロビンス、ギレルモ・デル・トロ、ジョン・セイルズ、スティーヴン・ソダーバーグ、マシュー・グリーンバーグの5人、撮影はダン・ローストセン、音楽はマルコ・ベルトラミである。そして出演は、ミラ・ソルヴィノ、ジェレミー・ノーサム、アレクサンダー・グッドウィン、ジャンカルロ・ジャンニーニ、チャールズ・S・ダットン、ジョシュ・ブローリン、アリックス・コロムゼイ、F・マーレイ・エイブラハム、ジェームズ・コスタ、ノーマン・リーダス、たちである。

近未来のニューヨーク。ストリックラー病と呼ばれる死の伝染病が蔓延しており、その対策として昆虫学者のスーザンは病原菌の媒介源であるゴキブリを殺すために、アリとカマキリの遺伝子を合成した新種の生物を生み出し、「ユダの血統」と名付けて発表する。伝染病は収束したが、それから3年後、ニューヨークでは奇怪な殺人事件が連続して発生した。そして、スーザンの元に、地下鉄で発見されたユダの血統に似た昆虫の死骸が届けられる。それは自殺遺伝子で死んだはずのユダの血統の特徴を受け継ぐ突然変異体だった。スーザンは調査のために地下に潜入するが、そこには進化したユダの血統の大群が生息していて、スーザンたちに襲いかかる...

物語の方は、サスペンス仕立てで描かれていて、更に地下の迷宮という場所を舞台にしていることも、恐怖感をたっぷりと味わうことが出来る展開となっている。また、新種の昆虫が人に擬態するというアイデアも面白い。ただ、結末の展開がちょっとという所があるものの、十分に恐怖を味あわせてくれること、そしてミラ・ソルヴィノの美貌を拝めたら、一応許せてしまいます。

また、こういう作品ではより重要な音楽の方もなかなかの出来であり、恐怖を増幅させてくれるのに役立っている。映画と共に音楽の方もたっぷりと堪能したくなる作品である。やはり、ホラー作品は音楽が(普通の作品よりも)重要であり、音楽の出来不出来が作品の出来不出来に直結します。面白いホラー作品の音楽は良いものである。

ということで、最後にサントラ盤の収録曲を記しておきます。冒頭の『Main Title』からお薦めです。

収録曲は以下の全16曲である。『Main Title』『Race To The Subway』『Time To Separate』『Chuy Steps Out』『Manny Searches For His Son』『Slow Tango』『Chased By A Bug』『Susan Meets Chuy』『Faulty Scaffolding』『Manny's Tango』『Evil Among Us』『Confronting Terror』『Lucistic's Alive』『Reunited』『End Credits』『Cucaracha』。

 

Mimic: Music From The Dimension Motion Picture

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  • 出版社/メーカー: Varese Sarabande
  • 発売日: 1997/09/02
  • メディア: CD

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ミミック

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↓続編もあるけれど、これらは見なくても...

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ケータイ刑事銭形泪5話[裏ネタ編]PART 2 [ケータイ刑事]

1st.5話の「浦島太郎一族の悲劇 ~目撃者は亀!殺人事件」の「裏ネタ編」の2回目となる今回は、劇中に出てきた他の物語の「天才バカボン」「浦島太郎」「ウサギとカメ」について記すことにする。また、同時に「天才バカボンのパパ」というキャラクターについても記しておきます。

尚、約2年半前のBS-iでの再放送時に記した本編について記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。

天才バカボン」:先日(2008/8/2)亡くなった赤塚不二夫の代表作の1つであるギャグマンガである。初出は1967年で、週刊少年マガジンでの連載開始である。その後、週刊少年サンデー、週刊ぼくらマガジンへと連載雑誌が変わり、更に週刊少年マガジンに戻り、1976年まで連載された。また、TVアニメ化も行われ、アニメの方は4回(4作品)製作された。

アニメ作品は、「天才バカボン」(1971年9月~1972年6月)、全40回、「元祖天才バカボン」(1975年10月~1977年9月)、全103回、「平成天才バカボン」(1990年1月~12月)、全46回、「レレレの天才バカボン」(1999年10月~2000年3月)、全24回ということで、17クール(4年3ヶ月)、213回に渡って放送された。(「ケータイ刑事」は現時点では「海」まで6作品、14クール(3年半)、183回である。作品数は上だが、放送回数では「バカボン」の方が多いのですね。→7代目が3クールとなったら逆転することになりますね。)

浦島太郎」:この物語は、日本各地にある竜宮伝説の物語である。多少の違いはあるものの、基本的な物語は、おおむね以下の通りである。漁師の浦島太郎は、ある日子供たちが亀をいじめているのを目にして亀を助ける。亀は助けてくれたお礼にと、浦島太郎を竜宮城に連れて行く。竜宮城には乙姫という美女がいて、浦島太郎を歓迎する。宴の後、浦島太郎は帰りたいと言うが、乙姫は引き止めるも、浦島太郎の決意が固く、玉手箱を渡して「決して開けてはならない」と注意して帰すことにした。浜辺に帰ってきた浦島太郎だったが、知っている人は誰もいなかった。浦島太郎は玉手箱を開けると、煙が出てきて、浦島太郎は老人となってしまった。竜宮城では数日だったが、地上では数百年の時間が過ぎていた...

この物語は、室町時代ま御伽草子に成立したとされているが、これ以外でも数多く見られ、日本書紀、丹後国風土記、万葉集にも見られる。

また、この物語は、動物の報恩、竜宮城、禁忌のある宝物という3つが必須である。この3つが少しずつ形を変えた物語は日本だけでなく世界にも多く見られる。例えば、ギリシャ神話のオルペウスとエウリュディケの物語などが該当する。ということもあって、この物語から派生した物語は数多い。

更に、長い間離れていた場所に戻ってくると別世界になっていて面食らうということを「浦島太郎状態」(女性の場合は「浦島花子状態」という。)という言葉も生まれている。

ウサギとカメ」:イソップ童話の物語が有名であるが、同じような物語はやはり多数存在する。基本的な物語は次の通りである。ウサギに歩の速度が遅いことをバカにされたカメが、ウサギに山の麓までの駆けっこを挑む。勝負が始まるとウサギはドンドン先に行き、カメの姿が見えなくなってしまう。で、ウサギは余裕からカメを待とうとして居眠りを始める。カメは遅くても着実に歩を進め、いつしか寝ているウサギを追い越す。ウサギが目覚めた時、カメは山の麓のゴールに到着していて勝利を喜んでいた。

この物語は、自信過剰の思い上がりから油断をすると、しくじってしまうということ、また、能力が低くても、脇道に逸れずに着実に進んでいれば大きな成果があるという教訓でもあり、色々と学ぶべき所のある物語である。このことから、明治時代の小学校の国語の教科書に「油断大敵」という表題で掲載されていたことがある。

天才バカボンのパパ」:先に記した「天才バカボン」の主人公である。(漫画連載の最初こそ主人公はタイトルの通りバカボンだったが、まもなくパパが主人公になった。)名字は「バカボン」、名前は「パパ」である。ハチマキと服巻がトレードマークで、口元に少しだけヒゲ(鼻毛ではない)があるのが特徴である。

モデルは作者・赤塚不二夫の実父といわれている。1926年(昭和元年)12月25日生まれで、血液型はBAKA型という特殊型である。最初は天才児であり、生まれてすぐに「天上天下唯我独尊」を口にした、家庭教師を務める、自動車の修理を簡単に行ったというエピソードがあるが、アクシデントによってある日、バカになった。(原作漫画では、道を歩いている時にくしゃみをして、その時に頭の歯車を口から吐き出してしまい、「もう天才はやめるのだ」と言ってバカになった。アニメでは交通事故に遭い、口から脳みそが飛び出し、それを近くにいた馬が呑み込み、その馬の脳みそが飛び出し、バカボンのパパがそれを呑み込んだことによってバカになった。)

熊本県菊池市の七城中学校から東京のバカ田高校に進学、バカ田大学を首席で卒業した。好物はレバニラ炒め、竹輪が嫌いである。口癖は「これでいいのだ」「タリラリラ~ン」「コニャニャチハ」「反対の賛成」「賛成の反対」などがある。

それにしても、この物語に藤重する佐藤二朗さんが演じる怪しい男って、バカボンのパパそのままという感じで、楽しくなってきます。尚、バカボンのパパは亀が苦手ということはない。

 

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX I

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  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

天才バカボン DVD-BOX

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  • 出版社/メーカー: デジタルサイト
  • メディア: DVD
元祖天才バカボン DVD-BOX 1

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  • 出版社/メーカー: パイオニアLDC
  • メディア: DVD
レレレの天才バカボン DVD-BOX

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  • 出版社/メーカー: デジタルサイト
  • メディア: DVD
天才バカボン誕生40周年記念 天才バカボン THE BEST 講談社版 (KCデラックス)

天才バカボン誕生40周年記念 天才バカボン THE BEST 講談社版 (KCデラックス)

  • 作者: 赤塚 不二夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/10/17
  • メディア: コミック
天才バカボン誕生40周年記念 天才バカボン THE BEST 小学館版 (少年サンデーコミックススペシャル)

天才バカボン誕生40周年記念 天才バカボン THE BEST 小学館版 (少年サンデーコミックススペシャル)

  • 作者: 赤塚 不二夫
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2007/10/17
  • メディア: コミック
天才バカボン (1) (竹書房文庫)

天才バカボン (1) (竹書房文庫)

  • 作者: 赤塚 不二夫
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 1994/06
  • メディア: 文庫
天才バカボン (2) (竹書房文庫)

天才バカボン (2) (竹書房文庫)

  • 作者: 赤塚 不二夫
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 1994/06
  • メディア: 文庫
天才バカボン (3) (竹書房文庫)

天才バカボン (3) (竹書房文庫)

  • 作者: 赤塚 不二夫
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 1994/06
  • メディア: 文庫
天才バカボン

天才バカボン

  • アーティスト: TVサントラ
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1996/08/21
  • メディア: CD
浦島太郎 (新・講談社の絵本)

浦島太郎 (新・講談社の絵本)

  • 作者: 笠松 紫浪
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2001/07
  • メディア: 単行本
うらしまたろう (日本傑作絵本シリーズ)

うらしまたろう (日本傑作絵本シリーズ)

  • 作者: 時田 史郎
  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 1974/01
  • メディア: -
浦島太郎はどこへ行ったのか

浦島太郎はどこへ行ったのか

  • 作者: 高橋 大輔
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/08/24
  • メディア: 単行本
 

うさぎとかめ (ブライアン・ワイルドスミス作品選)

  • 作者: ラ・フォンテーヌ
  • 出版社/メーカー: らくだ出版
  • 発売日: 2000
  • メディア: 単行本
うさぎとかめのかけくらべ (成美堂サウンドストーリー)

うさぎとかめのかけくらべ (成美堂サウンドストーリー)

  • 作者: Jenny Lang
  • 出版社/メーカー: 成美堂出版
  • 発売日: 1993/11
  • メディア: 楽譜
イソップ寓話集 (岩波文庫)

イソップ寓話集 (岩波文庫)

  • 作者: イソップ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 文庫

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