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BARRY LYNDON(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]

表題の作品は1975年の映画「バリー・リンドン」である。ウィリアム・M・サッカレーの同名小説の映画化作品であり、成り上がり貴族の半生を描いた大河ドラマである。18世紀のヨーロッパの田舎や貴族社会を細部に至る所まで再現しており、蝋燭の光の下での当時の暮らしぶりを再現するために、特殊レンズと高感度フィルムを用いたことは余りにも有名であるが、キューブリック監督らしい拘りが随所に見られる作品でもある。3時間を越える大作であるが、長さを感じさせることは全くない。

作品データを記しておくと、時間は185分、原作はウィリアム・メイクピース・サッカレー、製作と監督、脚本はスタンリー・キューブリック、共同製作はバーナード・ウィリアムズ、製作総指揮はヤン・ハーラン、撮影はジョン・オルコット、衣装デザインはミレーナ・カノネロとウルラ・ブリット・ショダールンド、音楽はレナード・ローゼンマンである。そして出演はライアン・オニール、マリサ・ベレンソン、パトリック・マギー、スティーヴン・バーコフ、マーレイ・メルヴィン、ハーディ・クリューガー、レナード・ロシター、アンドレ・モレル、たちである。また、本作はアカデミー賞で撮影賞、美術監督賞、衣装デザイン賞、編曲賞を獲得している。

2部構成で描かれていて、第1部は主人公・バリー・リンドンが成り上がっていき、豪華な暮らしを手に入れていくかが描かれている。一方、第2部は、成り上がったバリー・リンドンの見に不幸が怒り、転落の人生を進んで行く様が描かれている。

幼い頃に父を失ったバリーは母に育てられ、青年となり、恋をするが、彼女との恋は成立せず、彼女の婚約者と決闘して殺してしまったと思い込み、逃亡していく。やがて軍隊に入るバリーは頭角を現すが、親友の死にショックを受けると、脱走をしてプロイセンに渡るが、正体を知られ、プロイセンでスパイとして活動するようになる。やがて、プロイセンを裏切り二重スパイとなり、更にはゃ公開でイカサマで荒稼ぎをするようになる。そんなバリーは、美しい貴婦人・レディ・リンドンを見初め、恋に落ちる。レディ・リンドンの夫は病弱で死亡し、晴れて彼女と結婚するバリー。こうして莫大な財産を手に入れ、バリー・リンドンと名乗るようになり、幸せを手に入れた。更に、息子が生まれ、幸せの絶頂となるバリーだったが、貴族の称号を手に入れるために浪費が始まり、彼の不幸が始まる。更に息子は、落馬事故で幼くして死亡。バリーは酒に溺れるようになり、レディ・リンドンもふさぎ込み、常軌を逸すように神に祈るばかりとなり、やがて自殺を図る。命は取り留めたものの、この球場から家を守るために決闘を挑まれたバリーは、足を失うことになり、イギリスから追放されてしまう。それから先の彼の生涯は、誰も知らなかった。

華やかな一面だけでなく、暗部のほうもしっかりと描かれているということで、見応えたっぷりという大作である。特に、ロウソクの光の下での撮影は、現在では高感度カメラが開発されていて、全く問題がなくなっているが、当時は高感度フィルムもまだ一般的では無かっただけに、創意工夫を行っているのだが、これもまた素晴らしい出来になっている。

更に、映画だけでなく、音楽も素晴らしく、「名画の影に音楽あり」ということを教えてくれるサウンドがたっぷりと詰まったサントラ盤の方も、アイルランド民謡や18世紀に作られたバロック音楽を中心にしていて、これがまたピッタリとはまっている。ということで、サントラ盤の方もたっぷりと味わいながら聴きたい所である。

そのサントラ盤の収録曲は以下の全19曲である。『Sarabande Main Title』『Women Of Ireland』『Piper's Maggot Jig』『Sea-Maiden』『Tin Whistles』『British Grenadiers』『Hohenfriedberger March』『Lilliburlero』『Women Of Ireland』『March From "Idomeneo"』『Sarabande-Duel』『Lilliburlero』『German Dance No. 1 In C-Major』『Sarabande - Duel』『Cavatina From "Il Barbiere Di Siviglia" [Film Adaptation]』『Cello Concerto E-Minor (Third Movement)』『Adagio From Concerto For Two Harpsichords And Orchestra In C-Minor』『Piano Trio In E-Flat, Op. 100 (Second Movement)』『Sarabande End - Title』。

尚、シューベルトの曲(彼は19世紀の音楽家であるため、この物語の時代より後年ということになる。)が使われているが、特に大きな違和感は無い。3時間の映画にサントラ盤の方も50分を越しているので、全部を鑑賞すると4時間が必要になるが、それらの時間を感じさせない内容の充実した映画であり、サントラ盤である。

時間のある時に、一度は味わっておきましょう。

 

Barry Lyndon

Barry Lyndon

  • アーティスト: Moray Welsh,Pierre Fournier,Johann Sebastian Bach,Disa English,King of Prussia Frederick the Great,George Frederick Handel,Wolfgang Amadeus Mozart,Sean O Riada,Giovanni Paisiello,Franz Schubert,English Traditional,Irish Traditional,Antonio Vivaldi,Leonard Rosenman,Leslie Pearson,Rudolf Baumgartner,Lucerne Festival Strings,Munich Bach Orchestra,Derek Bell,Hedwig Bilgram
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 1998/10/20
  • メディア: CD

 

↓映画DVDはこちらです。

バリー リンドン

バリー リンドン

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD


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「BARFLY」 [映画(洋画)]

表題の作品は1987年のアメリカ映画「バーフライ」である。ロスのダウンタウンにある酒場を舞台に、エキセントリックな男と女のラブ・ストーリーである。特に、M・ロークは本作で、これまでのダンディなイメージを捨てて、アル中の作家を演じている。物語の方は、派手な所は全く無いのだが、何処かで惹かれるような展開で進んで行くラブ・ストーリーである。

作品データを記しておくと、時間は101分、監督はバーベット・シュローダー、脚本はチャールズ・ブコウスキー、撮影はロビー・ミューラーである。そして出演は、ミッキー・ローク、フェイ・ダナウェイ、フランク・スタローン、J・C・クイン、アリス・クリーグ、ローラ・ダーン、たちである。

ロサンゼルス・ダウンタウンにある場末の酒場・ゴールデン・ホーン。ここには色んな人たちが集まってくる。若き作家・ヘンリー・チナスキーもそんな1人である。が、彼は感性が鋭く、社会の歯車に組み込まれるのを拒み、酒に明け暮れて、気がむけば文章を書くという生活をしていた。で、実瀨閒バーテン・エディと殴り合いをするのが日常になっていた。そんなある日、ヘンリーはワンダという女性と出会い、恋に落ちて共同生活を始める。ワンダも人生に幻滅して酒に溺れる日々を過ごしていたが、何故か気があったのだった。が、いつしかヘンリーを調査する私立探偵が現れる。依頼者は雑誌のオーナーであるタリーという女性で、ヘンリーの才能に目を付け、執筆活動に必要な資金と環境を提供することを申し出た。ヘンリーは前渡し金を受け取るが、その気はなくて...

ちょっと変わった人間が繰り広げる人間ドラマである。派手な所は無いが、酒浸りの人間の姿をリアルに描いているだけに、何処にでもありそうな感じがする物語でもある。ただ、ブサイクで醜い男の姿を演じたM・ロークに関しては色々と言われたものであるが、熱演ぶりはなかなかのものである。また、F・ダナウェイも存在感のある所を示しているのは流石である。(見るのであれば)味わいながら見たい作品である。

 

バーフライ

バーフライ

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD


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BEST HIT USA 2008[2008/9/23] [音楽(etc.)]

一番早い放送である火曜日夜のBS朝日の放送において、「TIME MACHINE」のコーナーの情報を中心に、ON AIR曲情報をオマケのようにして記しておきます。尚、現在は金曜23:30から再放送されているが、10月からの再放送は土曜の17:00からになります。→この番組が夕方に放送されるなんて、余りにも場違いのような気が...

OPのPVは、2002年のNELLY『Hot In Herre』、CM明け・OP挨拶に続いて、MARIE DIGBYがスタジオに登場していつものように話(時折日本語を話していました。)をして、『Say It Again』のON AIR、続いて「HOT MENU」はMOGWAIをピックアップ、ON AIR曲は『Batcat』、「COUNTDOWN USA」のTOP 40の20位から11位までの発表、ALTERNATIVE CHARTのTOP 10が、STAINDの『Believe』(1位)をバックに紹介されました。

CMを挟んで「STAR OF THE WEEK」のコーナーとなり、NELLYのインタヴューと『Body On Me』(名義はNELLY featuring AKON & ASHANTI)のON AIR、「C/D USA」の10位から4位、URBAN CHARTのTOP 10がJAZMINE SULLIVANの『Need U Bad』(1位)をバックに紹介されました。

CMを挟んで、お待ちかねの「TIME MACHINE」のコーナーです。9/23ということで、以下の5件が紹介されました。

1969年:イリノイ大学の新聞・ノーザン・スターがPAUL McCARTNEYの死亡説を掲載した。その後、世知なりが「生きている」と声明を発表した、1972年:MOTT THE HOOPLEの『All The Young udes』(DAVID bowieの書き下ろし曲)が発売になる、1980年:BOB MARLEYがピッツバーグで最後のコンサートを行った。この後マイアミの病院に入院してガンとの闘病生活を8ヶ月続けて亡くなった、1989年:MILLI VARILLIの『Girl I'm Gonna Miss You』が全米シングル・チャートで1位を獲得した。(2週連続1位となり、1989年のBillboard年間シングル・チャートでは16位にランクインしている。)、2001年:JAY Zのアルバム「THE BLUEPRINT」が全米アルバム・チャート1位を獲得、4作連続初登場1位となる。(3週連続1位となり、2001年の年間アルバム・チャートでは52位にランクインしている。)

9/23が誕生日のアーティストとして紹介されたのは以下の3人でした。RAY CHARLES(1930年生まれ、享年73歳)、JULIO IGLESIAS(1943年生まれ)、BRUCE SPRINGSTEEN(1949年生まれ)。尚、筆者のデータベースでは、この他に、ROY BUCHANAN(1936年生まれ)、NEAL SMITH(1947年生まれ)、DANIELLE DAX(1958年生まれ)、MARTIN PAGE(1959年生まれ)という人たちも9/23が誕生日です。

今回は、'60's後半のR & Bの最高峰を言っていたスタイルを紹介ということで、ソウル・デュオのSAM & DAVEの全盛期1967年のドイツでのライヴで、『Soul Man』がON AIRされました。

続いて「C/D USA」のTOP 3の発表を経て、ラストのリクエストは、1986年のJOE JACKSONの『Right and Wrong』でした。客を入れて拍手をさせないという形で収録したライヴということで、PVの方はちょっと面白い試みがなされたものでした。(あくまでもPVが面白いものであって、この曲自体はそうでもなく、大したヒットにはなっていないんですよね。)やはりJOE JACKSONと言えば1982年のアルバム「NIGHT AND DAY」です。この曲が収録されているアルバム「BIG WORLD」は収録方法が話題になったものの、そんなに良いアルバムでは無かったですし...

次回は、EPGによると、「ゲスト」として名前があるのは、ザ・ヴァインズ、ロス・キャンペシーノスです。内容説明の方は、ロックファンは特に必見!世界で最も気難しい男のひとりであるザ・ヴァインズのクレイグが登場!英国の男女混合7人組やYESのお宝映像、NE-YOの新作など大放出!となってますが、またも廃刊寸前の三流ゴシップ週刊誌の見出しのような説明文に戻ってる...

 

 

Nellyville

Nellyville

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Umvd Labels
  • 発売日: 2002/06/25
  • メディア: CD

Unfold

Unfold

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Hollywood
  • 発売日: 2008/04/08
  • メディア: CD

UNFOLD

UNFOLD

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: エイベックス・エンタテインメント
  • 発売日: 2008/08/06
  • メディア: CD

The Hawk Is Howling

The Hawk Is Howling

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Wall Of Sound
  • 発売日: 2008/09/23
  • メディア: CD

Illusion of Progress

Illusion of Progress

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Roadrunner
  • 発売日: 2008/08/19
  • メディア: CD

Brass Knuckles

Brass Knuckles

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal Japan
  • 発売日: 2008/09/16
  • メディア: CD

ブラス・ナックルズ(初回限定特別価格)

ブラス・ナックルズ(初回限定特別価格)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: UNIVERSAL INTERNATIONAL(P)(M)
  • 発売日: 2008/09/17
  • メディア: CD

Fearless

Fearless

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: J Records
  • 発売日: 2008/09/23
  • メディア: CD

Need U Bad [Analog]

Need U Bad [Analog]

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: RCA
  • 発売日: 2008/05/27
  • メディア: LP Record

オリジナル・ソウル・メン

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
  • メディア: DVD

Original Soul Men (Amar)

  • 出版社/メーカー: Universal Int'l
  • メディア: DVD


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DONALD FAGEN『KAMAKIRIAD』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1993年に発表された11年ぶりとなる彼の2nd.ソロ・アルバムである。1982年の1st.ソロ・アルバム「THE NIGHTFLY」は名盤として知られているが、それに続くアルバムと言うことで、大いに期待され、その期待に応えてくれる内容のあるアルバムである。Billboardのアルバム・チャートでは最高位10位を記録している。(年間アルバム・チャートのTOP 100にはランクインしていない。)

収録曲は以下の全8曲である。『Trans-Island Skyway』『Countermoon』『Springtime』『Snowbound』『Tomorrow's Girls』『Florida Room』『On The Dunes』『Teahouse On The Tracks』。

本アルバムからシングル・カットされたのは『Tomorrow's Girls』であるが、特に大きなヒットにはなっていない。とは言っても、彼の場合はシングル志向ではないこともあり、こんなことは本アルバムの評価を下げることにはなりません。

本アルバムの曲は、アルバム志向と言うこともあって、短いものでも5分を越えていて、8分を越える曲が1曲、7分を越える曲が1曲、6分を越える曲が4曲というように、時間の点では長い曲ばかりである。そのため、8曲でも50分を越える時間になっている。

本アルバムからの筆者のお薦め曲は、『Trans-Island Skyway』『Springtime』『Snowbound』『Florida Room』『On The Dunes』という曲をピックアップしておくが、全曲お薦めとしたい所でもある。

完成度は高く、品の良いAORであるが、いずれの曲もが心地良さを与えてくれるものであり、大人の鑑賞に堪えうるものである。また、それでいて、彼らしい仕掛けも用意されているということで、味なことをしてくれていると感じさせてくれる。じっくりと聴いていると、いつしか時の流れを忘れて聴き入ってしまう秀作である。味わいながら堪能しましょう!

 

Kamakiriad

Kamakiriad

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Reprise
  • 発売日: 1993/05/21
  • メディア: CD

↓本作の様な名盤はDVD-Audioでもリリースされています。

Kamakiriad

Kamakiriad

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Reprise
  • 発売日: 2003/07/14
  • メディア: DVD Audio


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