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「BROADWAY MELODY OF 1936」 [映画(洋画)]

表題の作品は1935年のミュージカル映画「踊るブロードウェイ」である。本作製作時は黄金時代を迎えていたMGMミュージカルであるが、そんな時代に制作された作品であり、このあとに「踊る不夜城」「踊るニューヨーク」というように、シリーズが制作されている。(邦題では分かりにくいが、原題を見たら、本作は「BROADWAY MELODY OF 1936」、次作(「踊る不夜城」)は「1936」の所が「1938」になり、その次(「踊るニューヨーク」)は「1936」の所が「1940」になっている。→本作は「1936」と原題にあるが、製作されたのは1935年であり、次作も「1938」とあるが1937年の製作である。が、3本目は原題の通りの1940年の製作である。)

作品データを記しておくと、時間は102分、白黒作品である。原作はモス・ハート、監督はロイ・デル・ルース、脚本はジャック・マッゴーワンとシド・シルヴァースの2人、撮影はチャールズ・ロッシャー、音楽はナシオ・ハーブ・ブラウン、アーサー・フリード、アルフレッド・ニューマンの3人である。そして出演は、ジャック・ベニー、ロバート・テイラー、ウナ・マーケル、エリノア・パウエル、バディ・イブセン、シド・シルヴァース、ジューン・ナイト、ヴィルマ・エブセン、ニック・ロング・Jr.、たちである。また、本作はアカデミー賞で、ダンス監督賞を受賞している。

売り出し中の若手レビュー演出家・ボブ・ゴードンは新曲「ブロードウェイ・リズム」を上演するのに金持の未亡人・リリアン・ブレントの財政的援助を受けることとなる。これを聴いた敏腕新聞記者・バートは、ボブとリリアンの間にスキャンダルがあると記事にした。で、それを呼んだボブは激怒してした。そんな中、ボブの大学校時代の友人・アイリン・フォスターは、ボブの助力を得てデビューをすることを夢見てニューヨークへやってきた。が、ボブはアイリンを国に帰そうとした。新作の上演は近づくが、主役が決まらない。リリアンは出資したお金を盾に、自分に主役をやらせろ、と要求するが、それを受け付けないボブ。が、2週間以内に主役が決まらなければそれを受けると約束する。で、バートがそれを知って、架空のフランス女優を仕立てて宣伝し、ボブはそれに乗って出演交渉をする。が、いつも拒否される。が、ボブの秘書がそのからくりに気づき、アイリンに同情していたことから、アイリンをフランス女優に仕立てて契約を結ばせる。で、夜会を開いたボブだったが、フランス女優は姿を現さず、アイリンが現れ、ダンスを披露する。で、ボブはそのカラクリに気づき、アイリンがフランス女優だったと分かり、アイリンを主役に起用することになった。

コミカル・タッチで描かれた作品であり、黄金期のミュージカル作品にありがちな展開である。が、難しい所が無いだけに、素直に楽しむことが出来る物語となっている。(これが当時のミュージカル映画の魅力でもある。)

また、『You're My Lucky Star』や『Broadway Rhythm』など、有名な曲もたっぷりと楽しむことが出来るので、ミュージカル・ファンであれば、しっかりと見ておきたい作品である。

 

踊るブロードウェイ

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「丹下左膳」(その4) [映画(邦画)]

今回からは、戦後の作品について記していきます。年代順にすると、1952年の阪東妻三郎主演作が先になるのだが、それは単発ということで後に回すことにします。で、今回は1953年と1954年に製作された大映シリーズの3作についてです。

大映シリーズ・第1作「丹下左膳」(1953年)
作品データを記しておくと、1953年の大映作品で、時間は101分、原作は林不忘、監督はマキノ雅弘、脚本は伊藤大輔と柳川眞一の2人、撮影は竹村康和、音楽は鈴木静一である。そして出演は、大河内伝次郎、水戸光子、山本富士子、沢村国太郎、沢村晶子、三田隆、荒木忍、市川小太夫、田中春男、小柴幹治、羅門光三郎、水原洋一、光岡龍三郎、たちである。

江戸・小野塚鉄斎の元にある名刀・乾雲と坤龍。それを刀剣蒐集狂の饗庭主水正が狙っていて、丹下左膳にそれを奪ってくるように命じ、丹下左膳がそれを手に入れようとして、鉄斎を斬って、乾雲を奪うことに成功した丹下左膳だったが、そのばに居合わせた鉄斎の娘・彌生の美しさが忘れられなかった。鉄斎の門下・諏訪栄三郎は、水茶屋のお艶と所帯を持ったが、栄三郎を慕っていた彌生は、坤龍を栄三郎に預けて、栄三郎は乾雲を奪還することを誓う。一方、丹下左膳の世話になっていた旗本・鈴川源十郎は左膳の名を語って栄三郎を襲撃するが、坤龍を手に入れることは出来なかった。で、丹下左膳は坤龍を得るために夜ごと町に出ては出し斬りをして、おびき出そうとするが...

名刀を巡っての争いを描いた物語で、殺陣はなかなか見所のある作品である。

大映シリーズ・第2作「続・丹下左膳」(1953年)
作品データを記しておくと、1953年の大映作品で、時間は89分、原作は林不忘、監督はマキノ雅弘、脚本は伊藤大輔と柳川眞一の2人、撮影は竹村康和、音楽は鈴木静一である。そして出演は、大河内伝次郎、水戸光子、山本富士子、沢村晶子、三田隆、田中春男、市川小太夫、澤村國太郎、南条新太郎、羅門光三郎、葛木香一、水原洋一、光岡龍三郎、原聖四郎、武田竜、浪花千栄子、たちである。

乾雲と坤龍を巡って江戸市中では擾乱状態になり、南町奉行・大岡越前守はこのことに頭を悩ましていた。で、将軍家を動かして饗庭主水正を出府させる。累の及ぶことを怖れた主水正はたん゛さぜんを冷たく追い払い、丹下左膳の暗殺と刀を奪うことを月輪剣団に命じた。これを知った左膳は激怒して、襲ってくる剣士たちを斬り捨てて、姿を隠した。そして乾雲を元の持主に返そうとするが、彌生は行方不明になっていて、彌生を探すことになるが、彌生は大岡越前の所に匿われていて...

物語は前作の続きであり、緊張感のある展開で見せてくれる作品である。

大映シリーズ・第3作「丹下左膳 こけ猿の壺」(1954年)
作品データを記しておくと、1954年の大映作品で、時間は87分、原作は林不忘、監督は三隅研次、脚本は衣笠貞之助、撮影は牧田行正、美術は上里義三、音楽は西梧郎である。そして出演は、大河内伝次郎、高峰三枝子、三田登喜子、坂東好太郎、柳永二郎、杉山昌三九、高堂国典、上田寛、香川良介、蔵方しげる、橘公子、葛木香一、伊達三郎、たちである。

柳生対馬守に日光廟修覆の大任が下り、その費用を捻出するために、巨額の秘宝の隠し場所が示されてある家宝・こけ猿の茶壷を探すことにした柳生家。が、その壷は、対馬守の弟・源三郎の手にあって、江戸に向っていたため、源三郎を追う。一方、この秘密を知った女賊軽業のお島は、その茶壺を盗んで手に入れるも、それを預けた硯売りの少年・チョビ安に奪われてしまう。チョビ安は親を亡くし、丹下左膳と父子になることを誓っていて、茶壺を丹下左膳と共に保管していた。で、こけ猿の壺を巡った争奪戦が起こる...

この作品は1935年の「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」のリメイク作品である。また、これまで丹下左膳を数多く演じていた大河内伝次郎の丹下左膳の最後の作品でもあり、三隅研次監督の初監督作でもある。が、殺陣の方に今ひとつ切れ味がなく、オリジナル作品には遠く及ばない凡作になってしまった。やはり、高く評価されている作品のリメイクとなると、今も昔も苦しいという所は変わりませんね...

 

↓今回ピックアップした作品でソフト化されているのは ↓ の1本だけです。

続・丹下左膳

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↓名作のオリジナル版はこちら

丹下左膳餘話 百萬両の壺

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ケータイ刑事銭形泪8話[裏ネタ編]PART 4 [ケータイ刑事]

銭形泪・1st.8話」の「怪奇!よみがえったツタンカーメンのご近所さん! ~ミイラ男の呪い殺人事件」の「裏ネタ編」も今回で4回目になるが、この物語についてはまだ続きます。今回は登場人物の職業に絡むところから、「警備員」について、「古美術商」について、そして「考古学者」についてと「ゴッドハンド」についてです。

尚、約2年半前のBS-iでの再放送時に記した本編について記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。

警備員」:文字通り、警備を行う人のことを指す。「警備」とは、非常の場合に備えて、注意、警戒してして守ることである。「警護」と同義語であるが、「警備」は場所に対して守ること、「警護」は人に対して守ることのニュアンスが強い。また、広くは「警備をする人」全般を指すが、基本的には民間人であり、警察組織に属する人が警備を行っていても「警備員」とは言わないのが普通である。そのため、警備員には法的な強制力を持っていない。(例えば、窃盗犯を目撃しても、逮捕すること出来ない。→警察に通報して逮捕してもらうことになる。)

法律的に言えば、警備業法に定められている警備業者の従業員の中で、警備業務に従事する人のことである。(警備業者でも、事務処理を行う従業員もいますからね...)

尚、日本語では「ガードマン」とも言うが、これは和製英語であって、英語では「Guard」「Security Guard」「Watch」「Wachman」等と呼ぶ。(後ろ2つになると「夜警」という意味が加わるのが一般的である。)

古美術商」:美術品を扱う人を「美術商」と言うが、その中でも古い時代の美術品を扱う業者のことを言う。尚、一般的に「古美術」と言うと、数千年前の発掘品というイメージがあるが、広義に言うと、芸術家の新作以外で、他人の所有物になった比較的新しい作品(中古品)も含まれる。

美術にはいろんなジャンルがあるだけに、それを扱う美術商にも専門分野があるが、「古美術商」と言うと、一般的には古代遺跡から発掘されたものを扱うというイメージが強い。

美術商には、扱う美術品の価値を見極める、所謂「目利き」の能力が必要であり、偽造品や模造品であることを見抜く真贋判定能力も必要であるが、「古美術商」になると、それが真作であったとしても、盗掘/盗難されたものでないかの判断や、その古美術品の所有者(保管)履歴などがより重要視されることが多く、これが難しい所である。自分で鑑定できる能力が求められるが、考古学者に鑑定して貰うことも多々ある。(→この物語の事件は、犯人の動機としたら、ある意味ではとてもリアルなものである、ということになる。)

考古学者」:考古学の研究を行う学者のことである。「考古学」とは、人類が残した遺跡や遺物から、当時の人たちの生活、活動、文化などを研究する学問である。

日本では、歴史学の一分野という認識が高く、遺跡発掘を中心とした学問のように思われているが、アメリカでは歴史学ではなくて人類学の一つという認識が高く、ヨーロッパでは有史以前の先史時代を研究する先史学という認識が高い。

日本では、歴史学という認識があるため、考古学の花形は遺跡発掘と思われている節があるが、考古学は、あくまでも文献や物を通して、当時の人々の生活や文化、歴史的事実を絞殺する学問である。発掘はその研究のための資料を得る/保護するための手段である。

ゴッドハンド」:文字通り、「神の手」であり、通常の人間の感覚では信じがたい能力を持つ人のことを言う。そのため、色んな世界で「ゴッドハンド」と呼ばれる人がいる。例えば、空手家の大山倍達の異名であり、サッカー・マラドーラの「神の手ゴール」(「神の子」と言われる彼のハンドと絡めた上手い表現です。)、手術の腕が高い医者のこともこう言われる。また、小説、漫画、映画などの中でも登場人物(キャラクター)に、この名前(異名を含む)を持つものが色々と出てきている。

考古学の世界でも、この異名を持った男がいる。(藤村新一)が、これは捏造だったと言うことで、現在では日本考古学会最大のスキャンダルとされている。(これに関しては、この物語よりも「・1st.3話」の方がよりネタにしているということになります。→「旧石器捏造事件」)

 

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古書画の鑑定と観賞―日本の古美術入門

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