「丹下左膳」(その7) [映画(邦画)]
今回は、前回の続きで、東映シリーズ全5作の中から、第3作から第5作までの3本についてです。
東映シリーズ第3作「丹下左膳 妖刀濡れ燕」
作品データを記しておくと、1960年の東映京都の作品で、時間は79分である。原作は林不忘、監督は松田定次、脚本は小国英雄、撮影は川崎新太郎、美術は鈴木孝俊、音楽は富永三郎である。そして出演は、大友柳太朗、丘さとみ、青山京子、松島トモ子、桜町弘子、大河内伝次郎、伏見扇太郎、月形龍之介、大川橋蔵、岡田英次、戸上城太郎、富田仲次郎、徳大寺伸、明石潮、高松錦之助、上代悠司、楠本健二、清村耕次、中川茂和、荒木泰周、大田原良一、月形哲之介、古石孝明、南方英二、仁礼功太郎、香月涼二、藤木錦之助、竹野マリ、目方誠、柳谷寛、片岡栄二郎、沢村宗之助、香川良介、多々良純、原健策、薄田研二、山形勲、たちである。
奥州相馬家のお家騒動に、左膳が絡んでいくという物語。片目、片腕になったのは先代藩主のせいとして、左膳は乗り出し、相馬藩の江戸留守居役に頼まれた仕事に参加する。それは老中に多額の賄賂を贈るために運ばれる金を奪う仕事だった。これにかねてから相馬藩を探っていた大岡越前が絡み、根来衆が絡み、展開される物語である。
本作は「大岡政談」の原作にした物語であり、お馴染みの丹下左膳の活躍という物語からすると、少し違った味のある作品である。
東映シリーズ第4作「丹下左膳 濡れ燕一刀流」
作品データを記しておくと、1961年の東映京都の作品で、時間は84分である。原作は林不忘、監督は松田定次、脚本は村松道平と直居欽哉の2人、撮影は川崎新太郎、美術は川島泰三、音楽は富永三郎である。そして出演は、大友柳太朗、丘さとみ、桜町弘子、長谷川裕見子、山形勲、黒川弥太郎、大河内伝次郎、大川橋蔵、児玉ひろみ、佐々木孝丸、目方誠、多々良純、水野浩、杉狂児、高松錦之助、左卜全、柳永二郎、平幹二朗、香川良介、戸上城太郎、月形哲之介、小田部通麿、上代悠司、赤木春恵、たちである。
お馴染みの「こけ猿の壺」を巡っての物語である。柳生家に巨万の富の在処を示す「こけ猿の壺」があることを知った幕府隠密総取締の愚楽老人と大岡越前は、柳生但馬守に費用の掛かる日光東照宮御修築奉行を命じる。が、柳生家の財政は火の車であった。更に、収賄好きの老中・本多淡路守に嫌われていた。また、老中の腹心・別所信濃守がある陰謀を企んでいた。その陰謀に、柳生但馬守の弟・源三郎と左膳が立ち向かって行く...
原作は何度か映画化されている物語であるが、それらとは少し違うアレンジがされていて、十分楽しむことが出来る。また、左膳が盲目の娘に対する片思いをするという所に新鮮さを感じることが出来る物語である。
東映シリーズ第5作「丹下左膳 乾雲坤竜の巻」
作品データを記しておくと、1962年の東映京都の作品で、時間は88分である。原作は林不忘、監督は加藤泰、脚本は石堂淑朗、撮影は鈴木重平、美術は川島泰三、音楽は鏑木創である。そして出演は、大友柳太朗、桜町弘子、筑波久子、久保菜穂子、近衛十四郎、東千代之介、菅貫太郎、明石潮、山茶花究、神田隆、南廣、花澤徳衛、立花雄吉、南方英二、兼田好三、木島修次郎、藤川弘、山田光子、牧淳子、波多野博、金森あさの、小山田良樹、南洞研二、藤原勝、小森敏、五里兵太郎、中江重昭、森美千代、山路文子、富士薫、たちである。
この作品も、何度か映画化されている「乾雲・坤竜」の2本の刀を巡る物語である。小野塚鉄斎道場に忍びこんだ丹下左膳が名刀乾雲を奪って逃走した。これは古刀集め狂の相馬藩主・中村大膳の命令を受けたものだった。が、2本の刀を奪えなかったことを知ると、追っ手を放った。また、大岡越前は、全ての罪を左膳に被せて片を付けようとする。捕らえられた左膳は打ち首と決まるが、救い出されたものの、右腕を失った。それから片目片腕を鍛え、左膳は2本の名刀を取り返すことに動き出す...
シリーズ5本目になってこの物語が映画化されたが、本作は興行的には大コケして、東映シリーズも終幕を迎えることになった曰のある作品である。確かに評判が良くなかったのも頷ける所が色々とある。今ひとつテンポが良くなく、リアリズムを目指した丹下左膳と言うのがこれまでの作品の方向性と違いすぎていて、受け入れにくくなっている。丹下左膳に新たな一面をという意気込みは悪くはないが、何度も映画化されて30年以上も愛されているキャラクタをいじるのは、疑問の浮かぶ所であり、当然の結果と言う気がする作品である。
↓いずれもDVDではなくビデオです。
- 作者: 田中 照禾
- 出版社/メーカー: 川喜多コーポレーション
- 発売日: 2004/12
- メディア: 単行本
- 作者: 林 不忘
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2004/05/13
- メディア: 文庫
- 作者: 林 不忘
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2004/06
- メディア: 文庫
- 作者: 林 不忘
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2004/07
- メディア: 文庫
東京少女・山下リオ#1「初恋ダッシュ。」（再放送） [ドラマ]
「女子大生会計士の事件簿」に続いては、今年の4月に本放送された「東京少女・山下リオ」の再放送です。尚、感想や内容についてはここには記しません。（また、来週からは特に記すのも止めます。）本放送の直後に記したものをご覧下さい。（「ここをクリック」して下さい。）
それにしても、本放送から半年で再放送されるというのは、普通に考えたら早いのだが、BSデジタルということでは決して早いとは言えません。というのは、本放送が終了すると、その翌週から再放送が行われた、という作品がこれまでにいくつかあります。（BS-iでは「愛の道 チャイナロード」がそうでしたし、最近では「呪いのマンナさん」も最終回の翌週から再放送が始まりました。他局でもBS11で「ウルトラギャラクシー」がそうでした。また、BS-FUJIでは「銀河鉄道物語」を5、6回繰り返して放送していました。）よって、地上波ならともかく、BSでは珍しいことではありません。
筆者が「東京少女・山下リオ」を取り上げるのは、ちょっとした別の事情がある。それは、筆者がBDレコーダーを購入したのが4月末だったということで、「東京少女・山下リオ」はDVDに録画してあり、5月の「東京少女・水沢エレナ」からはBDにDRモードで録画している。（時間的には余りがあるが、1人のヒロインを1枚のDISCに録画することで、実に綺麗に残すことが出来る。）よって「東京少女・山下リオ」はSD画質のDVDに録画したものがあるが、再放送の時にHD化してBDに残そうと思っていたが、こんなにも早く、それが実現できるとは思っていませんでした。（早くて来年になってからと思っていた。）
再放送の良い所は、本放送の時はスポンサーのロゴが出るが、これが無いという所である。本放送のOPの方はまだしも、EDの方は次回予告の終盤に被せられるため、次回予告がちょっと辛いことになる。→このため、木曜深夜のアニメ枠などで、スポンサーのテロップが被らない次回予告をゲットすることにしている。
一方、悪い所は、次回予告の後の「BS-iドラマ倶楽部」からのおしらせがカットされるところである。「ケータイ刑事」や「恋日」の再放送は、本放送終了後であり、この部分では番組のモバイルURLが表示されるが、再放送となればこれをカットするということは十分理解できる。が、「東京少女」は本放送が現在も続いている作品なので、ひょっとしたら流れるのではないか、という期待があったのだが、それも砕け散ってしまいました。（特に「東京少女・山下リオ」は「高速と東京タワー」以外の映像が使われた時もあっただけに...）→スポンサーのテロップが被らないこととのトレードオフだと理解している筆者です。
で、今回の再放送「東京少女・山下リオ」でも、その良い所と悪い所の両方がしっかりと出ていました。→本放送では1話26分45秒だったが、再放送の録画では1話26分30秒になりました。（まあ、こうなると思ってましたけど...）
本放送と微妙に違ったのは、途中のCMが1分ではなくて1分半になったことでした。（本放送では途中のCMは1分×2回で、28分45秒に終了し、その後に（スポンサー）の1分のCMが入る。）このため、29分30秒に終了となりました。（途中のCMが1分ならば、その間にトイレにというのはちょっと厳しいが、1分半であれば、小さい方なら間に合うだけに...）
あと3話、「私が欲しいもの」「さよならスケッチ」「タイマン少女」まではHD化という目的があるだけに、地震速報／ニュース速報／気象速報などのテロップが出ないことを祈ります。（それ以降は、降雨減衰でブロックのイズの発生した「東京少女・岡本杏理」の第4話を待ちます。）
来週になると、16日の木曜23時からはBS朝日で「ラストメール」が始まると言うことで、平日夜に見る番組が増えるが、この番組のもう一つの注目点は、放送中にリアルタイムで
バーチャルメールが届くということである。果たして何通届くのかということも注目点だが、「本当に放送中に届くのか？」ということに注目しています。（地上波の全国放送だったら、大量送信で遅延が必ずあるだろうが、全国放送とは言ってもBSデジタルだったらそんなに多くはないので、大丈夫と思いますが...）
↓原作ノベライズ本
- 作者:
- 出版社/メーカー: 泰文堂
- 発売日: 2008/04
- メディア: 文庫
↓BD-R(1層)が1枚当たり350円を割りました。
女子大生会計士の事件簿#1 [ドラマ]
まずは「リザーブコール」について。番組開始の少し前、21:34に「非通知」で
掛かってきました。やっぱり登録しておくものですね。
放送フォーマットは地上波の30分枠に準じていて、OP、Aパート、Bパート、次回予告の4つに分かれていて、それぞれの間に1分のCMが入り、更に29分で終了ということだったので、物語としたら1話25分で、次回予告と「おしえて山田センセイ」が各30秒だったので、CMをカットをすると1話26分になります。ちなみに、この時間だと、「ケータイ刑事」よりもドラマ部分が30秒短いことになります。また、この番組のCM占有率は13.3%ということになります。（地上波の30分枠はCM占有率が16～20%なので、1話24～25分であるが、26分だとやっぱり地上波の30分枠では「本編が長い」ことになります。）
で、本作は全12話ということなので、トータルで312分になる。これをDVDに残すとしたら、SPで録画して、4話ずつで計3枚に綺麗に収まりますね。尚、BDだと、DRで録画すると、1層で6話収録できるので、1層BDだと2枚、2層BDだと1枚に収まってしまうことになる。また、SRで録画すると1層1枚に収まってしまいます。（→こう考えると、BDって、やはり大容量だということが分かります。）
物語の方は、結構「ケータイ刑事」を意識している所がありました。（特に、「おしえて山田センセイ」では...）
萌実の「監査、感激雨あられ、取らぬ狸の皮算用、どんなにお金を隠しても、悪の数字は見逃さない」という決め台詞は愛ちゃんの一部と零ちゃんの言い回しの変形と、雷ちゃん風の結びになってますね。で、会計士だからそろばんという発想は面白いのだが、今時そろばんを使うってことは無いと思いますけど...（「東京少女・山下リオ」の「タイマン少女」を思い出させてくれるので、これはこれで良いと思います。）で、「公認会計士」であって「刑事」ではないので逮捕ということはない（できません）が、そろばんを銃のようにクルクルと回転させて腰のホルスターに入れる所は、バックの音楽が（ウエスタン調ではなくて）マカロニウエスタン調ということもあって、ピッタリと合って極まっていました。
また、零ちゃんは犯人逮捕の前になぞなぞを出題していたが、萌実がカッキーになぞなぞを出していたのも面白い所でした。今回は「銜える」と「加える」ということで、確かに萌実の言う通りですね。が、「鼠が」と言われたら、誰でもカッキーのように「銜えて」と思ってしまいます。
ところで、「iしたい。」や番宣（＝1話の予告）で使われていたマカロニウエスタンを思わせるあの軽快で凛々しいあのメロディが主題歌（主題曲）では無かったんですね。
今回は第1話ということで、萌実とカッキーの出会いから始まるが、やっぱり「ケータイ刑事」を意識した出会いをしていて、監査終了後に正体を話すところは「銭形愛・1話」を思い出しました。
会計士試験に29歳で合格した柿本一麻は、2週間の研修を終え、いよいよ監査の現場に向かう。お腹が空いていたことからコンビニに寄って、最後の1個だった「しゃけなベイビー」（さけのおにぎり）を手にしたが、そこで若い女性の悲鳴のような声がした。彼女は柿本にクイズを出題し、最初の問題は正解するも、2問目は不正解ということで、そのおにぎりを取り上げられてしまい、その場に残されてしまった。
気を取り直して、初仕事となる万葉商事に向かい、表で待ち合わせをしていた現場主査を待つ。そこにやってきたのは先ほどのおにぎりの女だった。彼女は藤原萌実で、この仕事の現場主査だった。で、「カッキー」というあだ名を一方的に付けられた。
万葉商事に入って行き、挨拶をしてから仕事に取りかかった二人。萌実は「テストをしてあげようか」ということで、領収書が本物かどうかを確かめろ、と言う。で、色々と調べて考えたカッキーは「これは本物です」と結論を出したが「残念。これは真っ赤なニセモノでした」と萌実。それは萌実が偽造したものだった。（「会計士の七つ道具」と言って「領収書偽造セット」を語る萌実でした。）
万葉商事の人と一緒に食事に行った萌実とカッキー。そこで萌実は不審に思うことがあった。
翌日、現場にやってこない萌実から電話が入り、カッキーは仕事を続け、納得できないことを担当者に尋ねるが、丸く収められてしまう。が、萌実はそれを見抜いていて、「監査、感激雨あられ、取らぬ狸の皮算用、どんなにお金を隠しても、悪の数字は見逃さない。その名も会計界のプリンセス・藤原萌実、ここに見参!」口上を決めると、不正（横領）を語り出す。
領収書の偽造を見抜いて説明し、更に、今朝競艇場に寄って証言を集めて確かめていたのだった。
監査終了後、川辺の夜の道を歩いている萌実とカッキー。そこでカッキーは、萌実が現役女子大生だと知る。そんなカッキーは萌実に出されて不正解だった問題の解答を尋ねる。これに答えを行って説明する萌実。で、「銜えて」を「加えて」と思ったカッキーも納得した。（別れた後、「ただのなぞなぞなんだけどね...」と言っていた萌実でした。）
この後40秒のED主題歌が流れるが、ここは地上波作品のフォーマットを意識していましたね。→OPの方でキャストは出ていたが、こちらにはスタッフが出ていた。（これをカットする訳にはいかないものの、この部分をカットすれば、次回予告と「おしえて山田センセイ」を含めても25分20秒ということで、地上波の30分枠でも何とか放送しやすくなりますね...→スポンサーとスタッフを出すのに工夫すれば、1話25分30秒、CM占有率が15%ということで放送出来ますし...）
次回は「株と法律と恋愛相談」という物語です。原作ではカッキーは次第に萌実に恋心を持つようになるが、2話ではまだまだそんな所には行きません。が、その兆しがある物語になるのでしょうか？
「おしえて山田センセイ」。「ケータイ刑事」では「鑑識メモ」（「愛の道 チャイナロード」や「恋日･ニュータイプ」でも30秒のこういう枠が有りましたね。）に相当するコーナーです。原作者の山田真哉が登場して、「視聴者の方からおたより戴きました」と言って質問に答える。（「恋日・ニュータイプ」の「みのるの超能力教室」で、こういう内容の時がありましたね。）「本当に女子大生で会計士になれるんですか？」という質問に、試験にさえ合格すればなれる、と回答していた。（ここから先は、完全に「みのるの超能力教室」のノリでした。）携帯を手にして「ちなみに女子高生で刑事（でか）になることは出来ませんけどね...」と突っ込んでいた。（→「刑事（でか）」にはなれなくても、「ケータイ刑事」になることは、銭形一族であればなれます。（その他、「スケバン刑事」も女子高生ですし、特別な条件を満たしていれば「女子高生でも刑事になれます」。但し、一般人では山田センセイの言うように「無理」でしょう...）
雰囲気は「ケータイ刑事」のような一面もあるものの、早織ちゃん
が今風な女子大生を演じていて、「銭形雷」とは全く違うキャラを演じていて、楽しませてくれました。次回も楽しみです。
ところで、カッキーの竹財輝之助は、今だに白井虎太郎を引っ張っているように感じるが、そうなっていくのでしょうかねぇ。尚、第6話のゲストに森本亮治ということで、「仮面ライダー剣(ブレイド)」のカリスと虎太郎が顔を揃えることになりますし...
↓原作漫画
女子大生会計士の事件簿〈DX.1〉ベンチャーの王子様 (角川文庫)
- 作者: 山田 真哉
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/10/25
- メディア: 文庫
- 作者: 山田 真哉
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2002/12/07
- メディア: 単行本
↓最近発売になったばかりの最新巻
女子大生会計士の事件簿 DX.5 とびっきり推理なバースデー (角川文庫 や 37-5)
- 作者: 山田 真哉
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/09/25
- メディア: 文庫
↓一応「銭形雷」を...
ケータイ刑事 THE MOVIE2 石川五右衛門一族の陰謀〜決闘!ゴルゴダの森 スタンダード・エディション
- 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
- メディア: DVD
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- メディア: DVD
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- メディア: DVD
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- メディア: DVD
ケータイ刑事銭形泪9話[裏ネタ編]PART 3 [ケータイ刑事]
「銭形泪・1st.9話」の「BS初!! ドラマ公開収録 ～超能力殺人事件」の「裏ネタ編」も3回目となるが、今回は劇中に出てきた小物である「フォーチュン･クッキー」、「ガチャガチャのカプセル」について、そして「ペテン」「イカサマ」という言葉が出てきたことから、これらの共通概念である「詐欺師」について記す。
尚、約2年7ヶ月前のBS-iでの再放送時に記した本編について記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「フォーチュン･クッキー」：運勢が書かれた紙が中に入っているお菓子である。（「フォーチュン（Fortune）」という単語の意味（運、幸運、豊、財産）を考えれば、ストレートに分かります。）
日本が発祥の地とされていて、かつて北陸の神社で新年の祝いに配られていた辻占煎餅がその原形であり、1894年のサンフランシスコの国際見本市の日本庭園を設計した萩原眞がアメリカに普及させ、現在に至っている。（1915年のパナマ万国博覧会に出品された。）そして、第二次大戦後、中華料理店がこれを真似するようになり、一般的なものとなった。現在では、アメリカの中華料理店では、食後に出されるのが一般的である。
アメリカでは中華料理店で出されることから、中国のものという認識があるが、中国にはこのようなものはなく、日本のものである。また、現在では世界中に広がっている。
「ガチャガチャのカプセル」：「ガチャガチャ」とは、お金（硬貨）を入れてレバーを回すと、玩具などの小物が入ったカプセルが出てくる一種の自動販売機（電気を使わない完全機械式の自販機と言うことが出来る。）のような玩具であり、「ガチャポン」「ガシャポン」などとも呼ばれている。（NHKが言うよう用いる一般名詞を使うと「カプセル･トイ」と言う。）球体のカプセルの中に玩具が入っているが、中身を選んで購入することが出来ないため、重複した物を交換するなど、トレーディングカードと同様の文化が生まれている。
歴史は意外と古く、休憩をしたガムの自動販売機がみのベースになった。1965年に日本に輸入され、ガムが玩具の入ったカプセルに変わり、'70年代に日本各地に広がり、駄菓子屋やスーパーのゲームコーナーなどには欠かすことの出来ない物となる。また現在では専門店まで登場している。'70'sにスーパーボールと言うゴム製で良く弾むボームがブームになったことがあるが、これは球体ガムをスーパーボールに置き換えることによって生まれたブームだったということになる。
金額的なことを述べると、当初は1回1コインと言うのが基本であったが、同額の硬貨を複数枚重ねて入れることによって設定金額の幅が広がり、それと共に商品構成も進化していくことになり、ガシャポンHGシリーズのようなものまで生まれている。
カプセルはプラスチック製の簡単な物であり、簡単に2つに開くことが出来る。また、中身が見える透明の小さなカプセルということで重宝されていて、「カプセル･トイ」を入れる容器としてだけでなく、廃物利用という意味合いも兼ねて、色んな所で流用されているのを目にする。この物語ではなかなか上手い利用方法をしていましたね。
「詐欺師」：「ペテン」とは、偽り欺すこと、「いかさま」とは、漢字で書くと「如何様」であり、いかにもそのものらしいニセモノ、という意味である。また「詐欺」とは、偽り欺くこと、法的には、他人を欺して錯誤に陥れてて財物を騙し取る行為のことを言う。よって、これらは全て「欺す」という行為である。但し、「詐欺」には財産的な略取行為がある場合を言うが、「ペテン」と「いかさま」には財産的な略取行為を含んでいなくても使うことがある。（とは言っても、「ペテン／いかさま」を行うのは、それなりの損得勘定が有ってのことであり、財産的な得となるからこそ行われるのが基本ですけど...）よって、微妙に言葉のニュアンスが違うことになる。
が、それらの行為を行う人のことを「ペテン師」「イカサマ師」「詐欺師」と言うが、これらの言葉には全て財産的な搾取行為を行うという意味が含まれており、完全な同義語である。（が、それぞれの言葉の持っている雰囲気は随分と違っているというのが面白い所です。）
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- メディア: DVD
↓参考まで
- 作者: 斎藤 綾子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2001/08
- メディア: 文庫
ビッグ・ファット・キャットとフォーチュン・クッキー (BFC BOOKS)
- 作者: 向山 貴彦
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/07/01
- メディア: 単行本
- 作者: 水晶 玉子
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2004/07
- メディア: 単行本
目で見る駄菓子屋グッズ大図鑑DX―パチ怪獣ブロマイドからガチャガチャまで
- 作者: 堤 哲哉
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2006/09
- メディア: 単行本
↓こういう玩具があります。
- 出版社/メーカー: バンダイ
- メディア: おもちゃ＆ホビー
- 出版社/メーカー: バンダイ
- メディア: おもちゃ＆ホビー
- 出版社/メーカー: ユーメイト
- メディア: おもちゃ＆ホビー
- 出版社/メーカー: バンダイ
- メディア: おもちゃ＆ホビー
↓一応、学んでおきましょう。
- 作者: カール シファキス
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2001/09
- メディア: 単行本
トリックの教科書―イカサマ超常現象を暴く!! (DATAHOUSE BOOK 46)
- 作者: ゆうむ はじめ
- 出版社/メーカー: データ・ハウス
- 発売日: 2007/02
- メディア: 単行本
- 作者: リチャード マーカス
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/12
- メディア: 文庫
- 作者: 柳原 慧
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2005/07/16
- メディア: 単行本
- 作者: ジョエル レヴィ
- 出版社/メーカー: トランスワールドジャパン
- 発売日: 2006/02
- メディア: 単行本
- 作者: 愛連合詐欺対策委員会
- 出版社/メーカー: データハウス
- 発売日: 2004/10
- メディア: 単行本
- 作者: 多田 文明
- 出版社/メーカー: 彩図社
- 発売日: 2006/11/10
- メディア: 単行本