堀江美都子『EMOTION』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1980年に発表されたミッチの初のオリジナル・アルバムである。アニソンの女王として、確固たる地位が完成しているミッチであるが、当時のアニメ・ブームに乗って、声優たちがレコード・デビューするというのがブームになっていた時期でもあるが、アニソンではなくてオリジナル曲をミッチも発表したということで、ミッチのキャリアの上でも、本アルバムは忘れてはならないアルバムである。歌の上手さは定評があるだけに、安心してミッチのボーカルを聴くことが出来るアルバムであり、幅広いジャンルの曲を聴かせてくれている。
収録曲は以下の全10曲である。『カリフォルニア・ドリーム』『甘いテレパシー』『幸せのイエスタデイ』『郵便ポスト』『摂氏85度』『ラブ・イズ・オール』『ジェントル・レイン』『嵐の小舟』『砂時計』『ハロー・ミスター・サンシャイン』。
この中からお薦め曲は、『カリフォルニア・ドリーム』『幸せのイエスタデイ』『郵便ポスト』『ジェントル・レイン』『ハロー・ミスター・サンシャイン』というところをピックアップしておく。
特に、パンチ力のあるミッチのボーカルは、ロック調の『ジェントル・レイン』にはぴったりであるのだが、『カリフォルニア・ドリーム』は豊かな声量で聴かせてくれるポップなナンバーであり、これもまたミッチである。ということで、様々なミッチと接することが出来る楽曲が揃っている。
本アルバム発表時のミッチは、既にシンガー(アニソン)としてのキャリアも10年を超えているということもあって、シンガーとしても既に完成していると言っていいが、アニソンとは違う世界に船出したと言うことで、シンガーとしての幅が広がることになった。で、それが後のアニソンの方にもフィードバックされることになった。
ミッチの歌を聴くのなら、アニソンだけでなく、本アルバムはしっかりと抑えておきたい所である。
必殺仕事人2009 スペシャル [ドラマ]
帰ってきた必殺シリーズだが、まずはタイトルの「必殺仕事人2009」というのは、余りにも芸がないタイトルですね。一工夫欲しい所です。それと、「必殺仕事人30周年」って、確かに必殺シリーズ第15作の「必殺仕事人」は1979年スタートだから30周年だけど、中村主水が初登場したシリーズ第2作の「必殺仕置人」は1973年だから、36周年ということになるのだから、番組宣伝の方が少しおかしい気がする。
また、劇中では「暗闇仕留人」の主題歌だった『旅愁』と、「新・必殺仕事人」の主題歌だった『想い出の糸車』が使われていたが、『旅愁』はシリーズ主題歌の中でも大ヒットを記録した曲なのでともかく、「仕事人」であれば、『浜千鳥情話』や『さよならさざんか』あたりを使って貰いたかったところでした。(仕留人も新・仕事人も、中村主水は登場していた作品である。)また、今回の主題歌となる『鏡花水月』をアレンジした音楽をもっと使うべきでしょう。
物語の方は、必殺らしい時事ネタをベースに、高齢者医療制度をいじった展開というのは、必殺の本領発揮でした。でも、仕事人の紹介も兼ねているとはいえ、かなり冗長度の高い展開であって、けっこうアクビが出た物語でした。玉櫛の死に方は、仕事人ということではあまりにも情けなく、場違いの場面での死であり、らしくなかったですね。で、最後に取って付けたような妹・如月の登場は、今回のスペシャルではいらないものでした。登場させるなら、一工夫して貰いたかったところでした。
ただ、CM明けの所、いきなりドラマが再会するのではなく、やはり、必殺のロゴの入ったアイキャッチを出すべきでしょう。SPの2007もそうだったが、そういう細かな所への拘りがあるのが「必殺」なのだから、それを放棄していたら、正しい必殺シリーズとは言えません。
メンバー構成の方は、突きと紐の業を使う仕事人がいるのはいいが、主水と渡辺小五郎のキャラが完全に被っている所は何とかならないものですかね。(スペシャルだったらいいが、連ドラとなると、これはかなりキツくなりそう...)主水の方が、以前にも増して、かなりセコイ殺し方になっているだけに、小五郎がしっかりとした殺陣を見せてくれたら、キャラとしての生きる道はありますけど...
また、仕事人のメンバーには、やはり力業系の殺しを行う仕事人が欲しいところである。3人ならばともかく、4人いたら、主水と小五郎のように完全に被るキャラを登場させるのではなく、やはり別系統が欲しいところである。また、菊には、もう少し加代のような所が欲しいところでもあるが、お玉のような役回りもさせるようですね。キャラの位置づけとして中途半端にならなければいいのですが...
↓「旅愁」「想い出の糸車」はこれに揃って収録されています。
必殺シリーズ完全闇知識 瞬間の愛編 (ザ・テレビジョン文庫)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2001/08
- メディア: 文庫
ケータイ刑事銭形愛2話[裏ネタ編]PART 1 [ケータイ刑事]
「銭形愛」の「裏ネタ編」も、今回からは第2話の「死者からの伝言 ~天才物理学者殺人事件」に突入です。(今度の日曜日からBS-iで再放送が始まるが、それまでに、少しでも貯金を稼いでおこうという訳です。)
今回は、この物語に出てきた「物理学」について、「ノーベル賞」について、そして「シンポジウム」について記すことにします。
尚、この物語について過去に記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「物理学」:自然科学の一分野である。自然現象を支配する法則を発見し、その帰結を研究して体系化を行い、自然現象の理解に寄与するとともに、応用への道を開く学問の分野である。理論については数学を用いて構成するのが一般的であり、「○○の法則」と呼ばれるものは全て数学的な論理式で表される学問でもある。
このように述べると、何が何だか分からなくなってしまうが、要は、自然現象の研究をする学問であって、力学、熱力学、電磁気学、量子力学、音響学、光学、天体などがこの分野に含まれる。
古くからある分野でもあり、古典力学、熱力学、電磁気学、光学などの理論体系は完成度が高い。また、それらを元にして応用した分野として、アインシュタインの特殊相対性理論や、量子力学の世界の発展した量子論、素粒子論などの分野、また宇宙物理学の分野は近年はめまぐるしい発展を遂げている。
尚、英語では「Physics」と言う。また、愛ちゃんは、物理が苦手のようです。
「ノーベル賞」:ダイナマイトの発明者であるアルフレッド・ノーベルの遺言によって、1896年に設けられた国際的な賞である。第1回の授賞式は1901年に行われた。当時は、物理学賞、化学賞、生理学・医学賞、文学賞、平和賞の5分野であったが、1968年に経済学賞(正しくは「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞」と言う)が追加されて、1969年からは6分野に於いて表彰されるようになった。(但し、経済学賞は、ノーベルの遺産を運用するノーベル財団ではなく、スウェーデン中央銀行賞とされていて、厳密には「ノーベル賞」ではない。)
いずれもが世界的な権威を持っている。また、物理学賞、化学賞、生理学・医学賞は、科学分野における最大級の栄誉とされている。
文学賞は一度に1人の受賞とされているが、それ以外の賞は、共同研究や、複数人の業績が受賞理由となることがあって、一度に3人までの受賞が認められている。また、平和賞にのみ、団体が受賞することが認められているが、それ以外は全て個人に与えられる賞である。
授賞式は、ノーベルの命日である12/10に、平和賞以外の5分野の授賞式が、スウェーデン・ストックホルムで行われる。(平和賞はノルウェーのオスロで行われる。)
日本人の受賞者は、2008年の4人を加えると16人になる。内7人が物理学賞、5人が化学賞で、文学賞が2人、平和賞と生理学・医学賞が1人ずつとなり、経済学賞の受賞者はいない。
各賞の選考は、物理学賞、化学賞、経済学賞はスウェーデン科学アカデミーが、生理学・医学賞はカロリンスカ研究所が、平和賞はノルウェー国会が、文学賞はスウェーデン・アカデミーが行うことになっている。受賞者には、賞状とメダルと賞金(1000万スウェーデン・クローナ)が与えられる。(複数人受賞の場合は、受賞者の間で折半することになっていて、それぞれに満額という訳では無い。)→スウェーデンは、欧州共通通貨であるユーロへの参加が国民投票で否決されたが、将来、ユーロを導入したら、賞金はやはりユーロに変わるのでしょうね...(ちなみに、1000万スウェーデン・クローナは、2008/12時点では約1.1億円である。)
「シンポジウム」:英語では「Symposium」という。あるテーマを決めて、そのテーマに対して、そのテーマに対して異なった見解を示すように講演または報告し、それぞれの意見を述べあい、聴衆や司会者の質問に応答するという形で進められる。また、有識者たちがパネラーとして集まって、公開討論などの形式で催される場合もある。前者の場合は、参加者全員がそれぞれの見解を開陳してから全員での討議となるが、パネル・ディスカッションでは、参加者がそれぞれの見解を開陳しないで、討議を重ねることに主眼がおかれていて、一応、別物である。
尚、元々は、古代ギリシアの「饗宴」のことである。
ノーベル賞の100年―自然科学三賞でたどる科学史 (中公新書)
- 作者: 馬場 錬成
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2002/03
- メディア: 新書