FRANTIC(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品は1988年の映画「フランティック」である。学会のためにやってきたパリで、妻が突然が消息を絶ってしまい、その妻を捜すアメリカ人医師を描いたサスペンス作品である。また、西部劇で数多くの名曲を生み出しているE・モリコーネの音楽も素晴らしく、物語を見事に盛り上げてくれる。
作品データを記しておくと、時間は120分、監督はロマン・ポランスキー、脚本はロマン・ポランスキーとジェラール・ブラッシュの2人、撮影はヴィトルド・ソボチンスキ、音楽はエンニオ・モリコーネである。そして出演は、ハリソン・フォード、エマニュエル・セイナー、ベティ・バックリー、ジョン・マホーニー、アレクサンドラ・スチュワルト、たちである。
医師のリチャード・ウォーカーは、妻・サンドラと共に、学会に出席するためにパリへやって来た。ホテルに到着したリチャードは、スーツケースが、空港で誰かのものと取り違えてしまったことに気づいたが、翌日にでも取り替えてもらえば、と妻に言ってシャワーを浴びる。で、浴室から出てくると、妻の姿が消えていた。そして、ホテルの近くの路地裏から女性が連れ去られたという現場で、彼は妻のブレスレットを見つけ、不安を募らせた。警察に届けたリチャードだったが、警察は真剣に取りあってくれず、リチャードは自ら捜査に乗り出すことにした。まずは間違えられたスーツケースから情報はないかと探し、「ブルー・パロット」と印刷されたマッチを見つけ、そこに記されていた「デデ」という人物の電話番号に電話をしてみた。が、留守番電話ということで、デデのアパートに向かうリチャード。が、底にはデデの死体があっただけだった。リチャードは、デデの留守番電話に声が残されていたミシェルという女が取り違えたスーツケースの持ち主であると知ると、彼女と会うことにした。話しをすると、サンドラの失踪は、誰かがコッシェルに、デデに渡してくれと頼んだ自由の女神像が鍵を握っていることが分かった。また、ミッシェルは怪しげな男に襲われ、それをリチャードが助け、2人は一緒に行動してサンドラの行方を捜し始めるが...
本作は、アメリカ人が言葉の通じないフランス・パリで事件に巻き込まれるということで、言葉が通じない世界が舞台となっている所が緊張感を高めていて面白い所である。ただ、物語の展開が遅く、歯切れが良くないというのが辛い所である。
が、それを救ったのがエマニュエル・セイナーの美しさと、エンニオ・モリコーネの音楽である。E・セイナーは本作の翌年にポランスキー監督と結婚することになるが、彼女を実に怪しく、さして美しく撮影している。
一方、モリコーネの方は、西部劇で幾多の名曲を生み出しているが、それ以外のジャンルの作品でも、作品の雰囲気を大事にした音楽を聴かせてくれているが、本作の音楽もまた実に素晴らしい。
サントラ盤の収録曲は以下の全10曲である。『I'm Gonna Lose You』『Frantic』『On The Roofs Of Paris』『One Flugel Horn』『Six Short Interludes』『Nocturne For Michel』『In The Garage』『Paris Project』『Sadly Nostalgic』『Frantic』。
本作は、映画の方の評価は良くないが、音楽は超一流であり、英雅を離れても音楽の方は聴きたくなるものであり、じっくりと聴きたいところである。ただし、E・セイナーの動く写真集のつもりで見るとなると、今ひとつ遭っていない様な所もありますが...
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TUKUMO [ドラマ]
全8話のドラマの一挙放送という形でBS-iで放送されたドラマ「TUKUMO」。(11日の土曜夜の放送でした。)1エピソードは15分弱ということで、2時間で一挙に放送してしまうというのは、バラバラに放送するよりも良いですね。(バラバラの放送だと、いちいちOPとEDが付いたり、前回までのあらすじが加わったりということで、随分と無駄な時間が生じることになる。)→去年放送した「呪いのマンナさん」や映画をばらした「天使急便 Reboot」も、こういう形で放送したら良かったのに...
物語の方は、酷い捨て方をされた道具や、年月を経た物には魂が宿るといわれ、それを九十九神と言って人々に恐れられていた。舞台はある古ぼけたアパートの住人たちが一人ずつ失踪していくという事件が起こる。それは、住人たちが捨てた物が原因だった... というミステリー・ホラー仕立ての物語である。
まず第一に感じたのは、最初に「九十九神」のことを口にした女子大生・金井詩織がヒロインの様な立場になって描かれているのに、今ひとつオーラがないということ。(テロップでも一番に来ていませんでした。)空気とまでは言わないが、存在感が薄く、クライマックスの盛り上がりが今ひとつだったと言うのが残念でした。
で、主役扱いになっていたのは、BS-iドラマでは「GIRL'S BOX」にも出演していた長谷部優。アパートの住人の中では2番目の失踪人になるが、第一の失踪人は最初から失踪したという所で物語がスタートしたため、展開では第一の失踪人として描かれる人物でした。
物を大事にして、使い捨て文化を否定する内容というのは、環境問題が大きく扱われるようになった現代らしいところであり、これは良い所でした。特に、「割り箸」のことを中心にして、ゴミ問題に触れているのは良いですね。
キャストの中では、マジイエローの松本寛也がヒーロー・オタクの学校の先生を演じていたが、これが面白い所でした。(流石に「マジレンジャー」は出てこなかったが、戦隊関係の玩具が出てきていたのには、思わずニンマリでした。)
また、林和義さんが警官役として登場していたが、美味しい役になっただけに、ちょっと控えめだったのが残念でした。
物語は、アパートの住人たちが、それぞれある物を捨てたことから、その捨てられた物に魂が宿って捨てた本人の前に現れる。そしてその住人は失踪する。相次いで住人たちが失踪していくが、他人は他人ということで関心を持とうとしないが、一人の女子大生が「九十九神」と口にする。が、馬鹿馬鹿しいと相手にされない。そんな中、また一人、そして一人と失踪していく...
九十九神は、アパートの管理人で、彼は使い捨てられた割り箸だった。ある中華料理店で、客がチャーハンを食べた時、漬け物を食べるためだけに使われて捨てられた割り箸に魂が宿り、人間に復讐し、人間を割り箸にしてしまうという計画を実行しようとしていたのだった。
住人たちが捨てた物は、ダイエット・マシンのロデオマン、アダルトビデオ(DVDではなくてビデオテープ)、CUCCIのコート(ニセブランド品)、ダンシングフラワー(玩具)、かつての恋人の心だったが、たった1回しか使われなかったロデオマンとか、何度も繰り返して見られたアダルトビデオ、子供の時から大事にされたダンシングフラワーというように、物の方も画一的な使われ方ではなく、様々な使われ方をされていたものだったというのは考えられた所でしたね。
物を大事に使うメッセージの込められた作品であるが、ミステリーホラー仕立てでそれなりの恐怖感を出しながら、時にはちょっと笑わせてくれたり、シビアになったりして、メリハリがあったのは良い所でした。→バラバラに全8話を独立して放送していたら、それを感じることが無くなってしまうのは言うまでもないでしょうね。
ということで、「呪いのマンナさん」や「天使急便 Reboot」の放送の形が失敗だっただけに、その反省を踏まえて放送したというのも良い所でした。
尚、放送時間は2時間であったが、途中のCMはそれぞれ15秒ずつの7回ということもあって、本編は115分で、CM占有率が4%強でした。地上波で放送するのなら、やっぱり「25分枠×8回」ということになると考えるのが普通でしょうね。(一挙放送だと、CMの時間を入れると2時間半枠にならざるを得ません。)が、バラバラの放送とするのなら、冗長度が上ってしまい、本作の持っている雰囲気を壊してしまいそうで...
↓参考まで
↓この中の「いもうと」で主演している長谷部優
Girl's BOX 箱入り娘の4つのX'masストーリー [DVD]
- 出版社/メーカー: エースデュースエンタテインメント
- メディア: DVD
↓マジイエローということで
ケータイ刑事銭形愛2話[裏ネタ編]PART 4 [ケータイ刑事]
「銭形愛」の第2話「死者からの伝言 ~天才物理学者殺人事件」の「裏ネタ編」は今回で打ち止めとします。で、今回は事件に関係した小物から「電子蚊取り器」についてと「電卓」についてを記し、更に、「泪・11話[裏ネタ編]」PART 2で記している「花粉症」と「ブタクサ」について、それをベースに少しだけ追記するという形で記しておきます。「泪・11話[裏ネタ編]PART2」は「ここをクリック」してご覧下さい・」(この物語で五代さんが「ブタクサ花粉症」と判明するが、それを「泪・11話」にしっかりと引き継がれているのは嬉しい所です。)
尚、この物語について過去に記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「電子蚊取り器」:蚊を駆除する目的で殺虫成分を発生する装置である。古くから蚊取り線香があったが、これは火を使うものであり、火を使わないものとして開発された物である。(よって、煙が出ない。また、匂いも無い。)
薬剤成分がマットにしたしてあるもの、液体になっているもの、その他の固形物になっているものとがある。
また、電子式のものには、家庭用AC電源を使う物と、電池(充電式を含む)を使う物とがある。(後者は携帯用として持ち運びが出来るのと、ACコンセントの無い所(例えば浴室など)でも使うことが出来る。)
薬剤はマットに浸されていたり、液体のものの場合は、熱によって殺虫成分を蒸発させて空気中に拡散させる。で、ノックダウン効果によって蚊を駆除することが出来る。一方、電池式の携帯タイプの場合は、薬剤を染みこませたものに風を送り、それによって殺虫成分を空気中に拡散させる。
電子蚊取り器は、蚊取り線香のように匂いがないということで、近年ではよく使われているが、使われている殺虫成分はピレスロイド系の殺菌剤が使われているので、注意が必要である。というのは、農薬と同じ成分が含まれており、閉め切った部屋で長時間使用すると、殺虫成分が部屋の中に充満してしまい、人間も眼痛、意識障害、呼吸困難、体温上昇、けいれんなどの障害を引き起こす危険性がある。→何でもそうだが、使用時間はほどほどに、ということです。
「電卓」:電子卓上計算機の略称であるが、1979年にJISで「電卓」という名称として定められたことによって、現在は普通名詞である。(意味としては「電子卓上計算機」と同じである。)電子回路によって四則計算などを行う小形の計算機である。
基本は加減乗除演算を行うが、三角関数、対数、指数計算などの計算を行うことが出来る「関数電卓」や、計算式(関数)をプログラミングすることが出来る「プログラム電卓」などの高度な計算が出来る電卓もある。
電卓は、IC(LSIも含む)の進化とディスプレイの進化ということが見られるものであり、電子機器の発展の歴史をリードした物でもある。1950年代に作られた電卓(「卓上」とは言うことの出来ないものであり、最初に作られたものは家一軒分の大きさがあった。)1960年代には、小形になったとは言っても、20~30kgという重量があり、この時点でも「卓上」ということは出来ない代物であった。
1970年代になってトランジスタからICが使われるようになり、1kgを切った小形のものが登場し、更にLSIが開発されて電池駆動が可能で、しかもポケットに入るようなサイズのものが誕生した。尚、小形化ということでは、腕時計にも組み込まれたり、カード電卓と呼ばれる薄いものが登場した。
また、LSI化されていく間に、マイクロプロセッサが開発され、これがコンピュータの発展にも繋がることになる。
ディスプレイについては、当初はニキシー管や蛍光表示管が使われていたが、LEDを使った7セグ表示装置が使われるようになり、更には液晶ディスプレイが使われるようになるという歴史がある。現在でも7セグの液晶ディスプレイが使われているが、7セグからドットマトリックスの液晶ディスプレイが関数電卓などで使われるようになり、これはのちのノートパソコンの液晶デバイスの発展に繋がることになる。(そこからカラー液晶ディスプレイに繋がり、今日の液晶テレビに繋がっているということも出来る。)
また、現在はボタン電池を電源にする電卓が多いが、太陽電池を持つ電卓もあり、これはこれで太陽電池の開発に繋がることになった。
たかが電卓、されど電卓というが、電卓は地味な印象がある電子機器であるが、技術としたら時代の最先端をいくものとして時代をリードしてきた技術の集大成である。電卓の発展がなかったら、電子手帳やPDA、電子辞書はおろか、ノートパソコンも登場しなかったと言われる所以である。
「花粉症」:ある種の花粉を吸入するために起こるアレルギー性炎症で、疾患の一つである。原因がはっきりしない頃には「枯草熱」と呼ばれていた。これは19世紀のヨーロッパで、この症状が、牧場で枯れ草と接することで発症すると考えられていたいたためである。19世紀後半になってアメリカでブタクサによって同じ症状が起こることから、ブタクサが枯草熱の原因という推定が行われ、検証の結果、花粉がこの症状の原因と分かり、それから「花粉症」という言葉が生まれたという歴史がある。
発症するのは眼結膜または鼻粘膜が殆どであり、繰り返しくしゃみが出たり、水様性の鼻汁の分泌、鼻と目の掻痒感、鼻粘膜の蒼白性腫脹、鼻閉などが主な症状である。原因は花粉であり、IgE抗体が関与して症状が出る。
日本では、この症状を発する人はスギ花粉が原因となって発症する人が最も多く、アメリカではブタクサの花粉が原因で発症する人が最も多く、欧州ではイネ科植物の花粉が原因となって発症する人が最も多い。
「ブタクサ」:漢字では「豚草」と記す。キク科の一年草であり、北アメリカが原産である。現在では帰化植物として日本でも、道端や河川沿いに多数群生して分布している。尚、日本に入ってきたのは明治初期とされている。
高さは1mほどになり、中には数mにまで成長するものもある。群生して茂るという特製があり、葉っぱは羽状に深裂しているのが特徴で、夏から秋になると緑色の小頭状の花を穂としてつける。風を媒体として受粉するため、花が咲くと大量に花粉を飛散させることになり、群生していることから飛散する花粉は凄い量になる。そのため、花粉症患者を大量に生み出す原因となる。
日本では、スギ、ヒノキに次いで3番目に花粉症患者がいる。アメリカでは最も花粉症患者が多い草である。(アメリカの人口の5~15%と言われており、数字で記すと1500万~4500万人ということになる。)
↓こういうものを...
CANON 卓上電卓千万単位シリーズ 12桁 HS-1210TU
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SHARP Pythagoras スタンダード関数電卓 10桁 253関数・機能 EL-509F-X
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↓まもなくこういう季節です。
アイリスオーヤマ 立体マスク Mサイズ NMK-30RM 30枚入
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- メディア: ヘルスケア&ケア用品
↓参考まで
名医のわかりやすい花粉症・アレルギー性鼻炎 (同文名医シリーズ)
- 作者: 今井 透
- 出版社/メーカー: 同文書院
- 発売日: 2005/02
- メディア: 単行本