「やくざ刑事」(その3) [映画(邦画)]
今回は、1970年のシリーズ第2作についてです。
シリーズ第2作「やくざ刑事 マリファナ密売組織」
作品データを記しておくと、1970年の東映東京の作品である。監督は野田幸男、脚本は神波史男と野田幸男の2人、撮影は稲田喜一、美術は江野慎一、音楽は八木正生である。そして出演は、千葉真一、南利明、河合絃司、関山耕司、内田良平、相馬剛三、木川哲也、山内修、須賀良、由利徹、藤井まゆみ、渡辺文雄、土山登志幸、日尾孝司、久地明、風間健、小林稔侍、千葉治郎、植田灯孝、花田達、内田朝雄、浜かおる、三重街竜、沢田浩二、志摩栄、ジャイアント馬場、田内加代子、黄和璧、児島春美、澤久美子、倉元恵子、たちである。
警視庁特捜部に所属する隼田志郎は、暴力団・誠和会の資金源となっているマリファナ輸入ルートを探るために、誠和会の幹部・石黒を助け、組織に潜り込む。そんな隼田は誠和会会長・真野を襲った敵対組織の殺し屋を撃退したことで、石黒が預かる破格の待遇を受けることになった。で、真野の命令で、敵対組織・夏井興行の夏井を暗殺するように命じられる。が、それを元刑事の殺し屋・須藤に邪魔されて失敗する。隼田は夏井興業への潜入を命じられ、誠和会幹部の集合場所と時刻を手土産にして夏井興行に入ったため、真野たちは皆殺しとなる。ただ一人石黒だけは隼田の計らいによって難を逃れたが、隼田が裏切ったと知った石黒は復讐を誓う。そんな中、夏井興行で調査を進める隼田は、麻薬ルートを掴んだ。それはメキシコから某国大使館を経て、夏井が窓口になっていて、政界の黒幕・島重蔵が仲介役であった。隼田は一気にたたきつぶそうとして某国大使館に忍び込んだが、失敗。捕らえられてしまう。が、それを救ったのは須藤で、大取引の場所を告げると、射たれて死んでしまう。そして、その大取引の日。取引場所となった別荘は厳重な警護がされていた。隼田はセスナ機からスカイダイビングして、その真っ直中に飛び降りる。また、後日隼田と対決することを約束した石黒もダンプカーで突っ込んでくる。で、戦場となった別荘で激しい戦いが繰り広げられる。夏井と島はその場から逃げだそうとしてセスナで脱出するが、隼田が許さず、飛行機の足にへばりつく。重量オーバーで飛行機は森に突っ込み、爆発炎上、間一髪で飛行機から飛び降りた隼田は麻薬ルートを潰し、組織を全滅させた。
前半は任侠映画の現代版といった雰囲気があるが、後半になるとそれが変わっていって、クライマックスの麻薬取引の場でのバトルは大迫力である。アクションも派手になっていて、手に汗握る激しい戦いは娯楽作品の枠を越えた仕上がりになっている。ということで、派手なクライマックスばかりが見脱作品である。(もう少し、前半部分でも見所が欲しいと思うところである。)娯楽アクション作品としたら、こんな所かも知れませんが...
↓本作はソフト化されていないので、千葉真一関係をいくつか拾っておきます。
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ケータイ刑事銭形愛18話[裏ネタ編]PART 2 [ケータイ刑事]
2回目となる「銭形愛」の第18話「走れ、五代! ~銭形愛誘拐事件」の「裏ネタ編」は、この物語の本放送が2003年2月2日だったということで、物語に「節分」のネタが登場するということで、「節分」について、「豆まき」について、そして「豆」が食べ物であることから、この物語に登場した食べ物の中から、銭形姉妹ではお馴染みの「焼き芋」について、五代さんと愛ちゃんが食べに行くことになった「ラーメン」について記します。
尚、この物語について過去に記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「節分」:「せつぶん」と読むが、「せちぶん」という読み方もある。季節の変わる時、すなわち、立春、立夏、立秋、立冬の前日のことをいう。(四季があるので、年間に4日ある。)が、この中でも特に、立春の前日の節分のことを指して言う場合が多い。(平年は2/3頃、閏年は2/4頃となる。)これは、旧暦では「立春」から新年が始まるため、立春の節分は年頭行事ということになるためであり、他の3つの「節分」よりも重要視されたためである。
古来からこの日には色んな行事が行われる。その中でも最もポピュラーなのは(後述する)「豆まき」である。
古来から行われていた行事としては、鬼を払う悪霊払いであって、牛と童子の人形を大内裏の各門に飾った。近代になると、それが廃れてきて、節分当日の夕暮れに、柊の枝に鰯の頭を刺したもの(「柊鰯」という。)を戸口に立たり、豆まきを行うという風習が広がることになる。これらの風習は、節分には鬼が生まれると考えられていて、その鬼によって災いが起こらないように追い払うために行われたものである。
最近では日本全国に広がるようになった「恵方巻」も、節分の行事であり、近畿地方を中心に行われていた風習である。(流通業界が販売拡大を狙って広めたものの一つである。)
本来の「恵方巻」は、節分に食べると縁起が良いとされる巻き寿司(太巻き)を食べる風習である(その年の恵方を向いて、目を閉じ、一言も口を聞かず、願い事を思い浮かべながら巻き寿司を丸かじりする。)が、流通業界は同様に巻いた食べ物ということで、ロールケーキを使ったり、巻き寿司でも太巻き以外の巻き寿司なども力を入れて販売するというように、商魂たくましい所がある。
「豆まき」:「福は内、鬼は外」と唱えながら豆を撒く節分の行事である。また、豆を撒いた後で、自分の年齢(数え年)の数だけ豆を食べるのが慣わしになっている。(地域によっては、年齢よりも1つ多く食べるという所もある。)
元々は、農村に於いて、予祝行事であったのだが、それが追儺(旧暦の大晦日(12/30)に行う宮中の恒例行事で、鬼払いの儀式である。)の儀式と習合し、節分の恒例行事として定着することになった。
豆を撒くのは、節分に鬼が生まれると考えられていて、その鬼によって災いが起こらないように、鬼を追い払い、一年の無病息災を願うという意味がある。
記録としては室町時代には既に定着していたことが分かっている。で、現在では節分のイベントとして定着していて、寺社では有名人を呼んで、派手に豆まきを行っている。また、そういう所では年男が撒く豆を食べると良いとされていて、数えの12歳、24歳、36歳、…、という人が呼ばれるのが一般的である。(数え年なので、1月生まれだと満11歳、満23歳、満35歳、…、であるが、2月の節分以降の生まれ(こちらの方が大多数である。)であると、満10歳、満22歳、満34歳、…、ということになる。)
豆まきに使用する豆は煎った豆である。この理由は、豆まきは旧年の災厄を追い払うために行うものであり、撒いた豆は捨てられるが、その豆から芽が出て不都合だから、芽が出ないように処理をした豆を使うためである。尚、地域によっては豆ではなく、落花生を使うところもある。
「焼き芋」:サツマイモの料理である。日本の冬の風物詩として、落葉などを集めて、それで焚き火をして、その火の中にサツマイモを入れて焼くというのがお馴染みのものであったが、2002年の廃棄物処理法の改正によって、落葉に関しても法の網が掛けられることになったため、現在ではこの方法で作る「焼き芋」はほぼ無くなった。→法律が日本の古来殻伝わる冬の風物詩・文化を消滅させた典型的な例である。(この法改正は、火災を減らすということでは確かに効果があったものの、文化を滅ぼした功罪は大きい。)
別の作り方としては、最近では家庭では殆ど無くなった囲炉裏の中に芋を入れて焼いたり、石窯を使って焼いたり、フライパンで蒸し焼きにするなどの方法で作られる。但し、石窯を使って作った焼き芋は「石焼き芋」と呼ばれて「焼き芋」とは区別されるのが一般的である。
「石焼き芋」はゆっくりと時間を掛けてサツマイモを焼いて作られるが、ゆっくりと加熱することで、アミラーゼ(デンプン分解酵素)がサツマイモに含まれるデンプンをブドウ糖に変わるため、甘く仕上がることになり、人気が高い。
また、「石焼き芋」に特に適したサツマイモの種類は、紅あずま、鳴門金時、ベニオトメなどがある。
「ラーメン」:漢字では「拉麺」と表記する。日本の麺料理の一つであり、汁に茹でた中華麺を入れ、いくつかの具材を乗せた料理である。中国風の料理であることから「支那そば」「中華そば」と呼ばれることもあるが、中華料理ではなくて日本料理である。(が、英語では「Chinese Noodle」と呼ぶ。が、近年では「Lamian」と言っても通じるようになっている。)
また、麺料理ということではうどんや蕎麦と同じであるが、麺は鹹水を使用しているのが大きな特徴であり、これが独特の風味と香を産んでいる。(小麦粉、塩、水というのはうどんと同じであるが、ラーメンの麺には卵も使われるのが一般的である。)
尚、中国で「拉麺」と言うと、日本の「ラーメン」と異なり、手伸ばし麺のことを言う。(日本では素麺が近いといったらよろしいかと...)で、細く伸ばした麺を適当な長さに包丁で切る。
日本ではうどんや蕎麦は麺棒でのばして包丁で切って麺にするが、中国では包丁で切る麺のことを「チャーミエン」と言って区別する。(日本でも、うどんと素麺が区別されるのと同じですね。)
具となるものは、焼き豚は日本各地でほぼ共通であるが、それ以外の具は地方によって結構異なっている。主なものとしては、メンマ、もやし、青ネギ、ナルト、海苔、等がある。
ところで、日本人で初めてラーメンを食べた人物が誰だかご存知ですか?正解は水戸光圀である。(水戸黄門でお馴染みのご隠居様である。)また、光圀は、「ラーメン」以外にも「餃子」「チーズ」「牛乳酒」「黒豆納豆」を日本人として初めて食べた人物とされている。
↓いくつか
日本人のしきたり―正月行事、豆まき、大安吉日、厄年…に込められた知恵と心 (プレイブックス・インテリジェンス)
- 作者: 飯倉 晴武
- 出版社/メーカー: 青春出版社
- 発売日: 2003/01
- メディア: 新書
↓こういうものがあります。
↓参考まで
名曲探偵アマデウス#36 シューベルト「ピアノ5重奏曲<ます>」 [ドラマ]
今回取り上げられた曲はシューベルトの「ピアノ5重奏曲<ます>」でした。(今月はこの物語までで、来週からは暫く再放送となり、次の新作は6/14です。)今回は、響カノンを演じる黒川芽以さんが、先日の「こんなステキなにっぽんが」に出演して福井・越前の旅をしていたが、それをネタにしたような所があった物語でした。→元ネタの取り方もかなり凝るようになりましたね。また、依頼者が駅弁づくりの店の三代目というのも、泪ちゃんが3代目のケータイ刑事ということから、数字も揃っていますし...
クラシックには疎いが音感だけは抜群、というカノンさんだが、今回は味覚に関しても抜群という所を見せていて、ただものではない所を披露したが、言葉として上手く言えないカノンさんの様子から、それを上手く言葉で表現してしまう所長も凄いということで、絶妙なコンビぶりを見せた今回の物語でした。
冒頭では、ヨーロッパ旅行のパンフレットを見て、「社員旅行ないんですか?」と所長に尋ねていたカノンさん。本当にこういう所のカノンさんは活き活きしています。で、食べ物の話になると、凄い嗅覚を発揮して、事務所の外にいる弁当の臭いに気づくなんて、ただものではないカノンさん。いつもながら、冒頭から楽しませてくれます。
で、依頼者がやってきて、駅弁作りについての相談に乗ることになった所長。本当に「よろず相談所」という感じがします。
まずは、デパ地下で売るための試作品「海鳴り」という五目ご飯弁当を食べてみるが、カノンさんは「調査のため」と念を押していたのが面白い所でした。で、第一声は「美味しい!」だが、直ぐに今一つということを口にする。ということで、カノンさんの味覚もただものでは無いという所を発揮していました。
曲の解説が進んでいって、第二の弁当(幕の内弁当)、第三の弁当(筍弁当)と登場するが、それらの弁当が出てくるって、一体何処で作ったの?というのは誰でも突っ込むところですね。→ツッコミ所もしっかりと用意している楽しい構成でした。
今回取り上げられた曲は、元々は歌曲だったということで、ピアノ伴奏+ソプラノで、歌曲としても流れていたが、この番組でソプラノが登場したというのは珍しいですね。(ベートーベンの「第九・合唱つき」のように、歌が元々ある曲を取り上げたこともあるが、それは例外ですからね。)
普通の楽器の構成から、バイオリンを1台にして、コントラバスを入れたという編成も、実際にコントラバスの演奏を止めたものとの聴き比べがあったので、その効果が一聴でわかったが、こういう所も本作は上手い作り方をしていますね。
最初の「海鳴り」が3000円と言っていたが、カノンさんでなくてもそんな駅弁は買いませんよね。「1000円?1500円?」と尋ねるカノンさんは正常です。が、第三の弁当(筍弁当)が「350円」というのは、逆に安すぎて売れないと思いますけどね...(筍ご飯のおにぎり2個+筍料理という内容ならば理解できないでもないですが...)依頼者は指を最初に3本、続けて5本出したが、それを見てカノンさんは「350円」と読み取ったが、やはり「800円」と考えるのが妥当かと...(でも、値段を付けるのなら、カノンさんの反応は消費者ならば誰でも思うところですし...)
今回のドラマ部分は35分強、曲の演奏は8分弱、ラストのオチが約1分という構成だったが、ドラマ部分が楽しかったということで、あっという間に過ぎてしまったという感じでした。尚、曲の方は、第5楽章まである「ます」の中から、第4楽章でした。(最も有名な所でもあるので、この選択は無難な所ですね。全ての楽章を聴きたいというのなら、じっくりと聴けばいいですし、解説の所ではそれなりに掻い摘んで部分的に流れていますから...)
ラストのオチの部分は、依頼者が新たな弁当を開発し、それが事務所に届いたということで、お昼ご飯でと喜ぶカノンさんと所長。で、食べようとして蓋を開けると、弁当では無くて「駅弁は地元で買って列車で食べるのが一番!お待ちしております。」というメッセージが書かれた紙が入っていました。カノンさんはショックを受けるが、何を思ったのか、所長はそのメッセージが書かれた紙を食べようとしていました。(「山羊じゃありません」と言うカノンさんの反応は正常です。)→そもそも、東京のデパ地下でのオファーを断ったというだけに、遠くから届いたのでしょうから、出前のようにならないのは正解だと思いますけど...
カノンさんの豊かな表情はいつもと同じであるが、今回は曲(メロディ)を耳にしての反応だけでなく、食べ物を口にしての反応があったため、いつも以上にカノンさんの豊かな表情を堪能できた物語でした。次の新作の放送が4週間先になるが、今回のカノンさんはそれを見越してなのか、たっぷりと楽しませてくれました。(また、弁当を投げたり、落としたりして、食べ物を粗末にすることも無く、物語としても面白いものでした。)
曲の解説もわかりやすく、ドラマの方も面白い展開になっていて、たっぷりと楽しむことが出来た物語でした。
次回の新作(ファイルNo.037)は6/14の放送となるので、3週間は再放送ということになります。6/14はファイルNo.037・チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」、6/21はファイルNo.038・フランクの「バイオリン・ソナタ イ長調」となります。尚、今回の物語(ファイルNo.036)のBS-2での放送は5/22、地上波では6/19までお預けとなります。BS-hiでの再放送は19日(火)の朝と30日(土)のお昼となります。
暫く新作がありませんが、休みを入れながらということで製作ペースに余裕が生まれることになり、それだけ物語の寝たも練ることが出来るため、クオリティ低下を防げるだけに、時間を掛けて良い作品(曲については奥深いものが紹介され、ドラマとしても楽しいものの両方が得られる作品)を続けて貰いたいところです。
- アーティスト: ブレンデル(アルフレッド),シューベルト,イタリア弦楽四重奏団,デマーク(ジェイムズ・バン),ワイラースタイン(ドナルド),カッツ(マーサ・ストロンギン),カッツ(ポール),クリーヴランド弦楽四重奏団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2005/06/22
- メディア: CD
- アーティスト: シューマン,シューベルト,田部京子,カルミナ四重奏団,イウガ(ペトル)
- 出版社/メーカー: Columbia Music Entertainment,inc.( C)(M)
- 発売日: 2008/04/23
- メディア: CD
- アーティスト: レヴァイン(ジェイムズ),シューベルト,ハーゲン弦楽四重奏団,ヘッツェル(ゲルハルト),クリスト(ヴォルフラム),ファウスト(ゲオルク),ポッシュ(アロイス)
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2006/11/08
- メディア: CD
シューベルト:ピアノ五重奏曲<ます>/モーァルト:ピアノ四重奏曲第1番
- アーティスト: ブレンデル(アルフレッド),モーツァルト,シューベルト,ツェートマイアー(トーマス),ツィンマーマン(タベア),ドゥヴェン(リヒャルト),リーゲルバウアー(ペーター)
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2009/05/20
- メディア: CD
- アーティスト: スメタナ四重奏団,モーツァルト,シューベルト,ハーラ(ヨゼフ),ポシュタ(フランチシェク)
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2003/07/23
- メディア: CD
極めつけの駅弁100―鉄道旅行の道づれは、美味彩々のお弁当 (NEKO MOOK (1282))
- 作者:
- 出版社/メーカー: ネコ・パブリッシング
- 発売日: 2009/04
- メディア: 単行本
日本全国おとなの駅弁215―一度は食べたい! いかめし、釜めし、鶏めし…超定番駅弁から変わり種まで
- 作者: 入江 織美
- 出版社/メーカー: ぶんか社
- 発売日: 2008/07
- メディア: 単行本