「JAWS 3」 [映画(洋画)]
表題の作品は1983年の映画「ジョーズ3」である。言うまでもなく、大ヒットした1975年の「JAWS」から始まるシリーズの第3段である。とは言っても、2作目までの舞台となったアミティからフロリダのシーワールドに舞台を変え、キャストも入れ替えていている。(主役は一応、第1、2作の主役のブロディ所長の息子となっている...)一応、ブロディ所長に繋がる人物が主人公になっているのと、人喰い鮫が登場するということで、一応はシリーズになっていると言ったところである。(が、評判倒れの駄作である。)
本作は3D映画として製作されたため、原題が「JAWS 3-D」となっているものもあるが、3D映画は広く認知されることもなく、逆に色々と粗が目立った作品でもあった。尚、本作はかつて、VHDがLDに押されていることから、一発逆転の看板として、3D対応ということで力を入れてソフトがリリースされたことがあったが、3D作品としての本作の粗が目立ち、VHDの大逆転というようなことは起こらず、虚しいことになりました。
作品データを記しておくと、時間は98分、原案はガードン・トゥルーブラッド、監督はジョー・アルヴス、脚本はリチャード・マシスンとカール・ゴットリーブの2人、撮影はジェームズ・A・コントナー、音楽はアラン・パーカーである。(テーマ音楽はジョン・ウィリアムズである。)そして出演は、デニス・クエイド、ベス・アームストロング、ルイス・ゴセット・Jr.、サイモン・マッコーキンデール、ジョン・パッチ、リー・トンプソン、バーバラ・イーデン、P・H・モリアーティ、ダン・ブラスコ、たちである。
フロリダに最新の技術を導入し、特殊ガラス製の海底トンネルを張り巡らして海底を自由に見て回れるというシーワールドが完成した。ブロディ所長の息子・マイクはそこのチーフ・エンジニアとして、恋人の海洋生物学者・キャスリンと共に働いていた。そしてオープンの日、多くの来賓を招き、大々的なセレモニーがスタートするが、海底トンネルの観客の前に突然人間の死体が粗惚れた。それは、前日にシーワールドと海底を仕切るゲートが壊れているという連絡を受けて修理に向かったスタッフだった。マイクは遺体を見て人喰い鮫の仕業と確信する。そして鮫の捜索が始まる。まもなく、1匹の鮫が捕らえられ、みんなは安心する。が、マイクは遺体の傷口の大きさから、捕らえた鮫の仕業ではないと思い、別の鮫がいると考えた。捕らえた鮫を飼育するというキャサリンの申し出があったが、シーワールドの所長は鮫をショーに出したことで、鮫は死んでしまう。やがて、死んだ鮫の親鮫がシーワールドの海底トンネルを襲い、浸水し、大勢の観客たちが取り残されることになる。マイクたちは観客を救出しようとするが、親鮫はより凶暴になって暴れ回り...
物語がどうのこうのという所もあるが、売りとなっている3Dについては、鮫が暴れる所は十二分の迫力があるのだが、その鮫がフレームに触ると、その途端に3D映像が破綻してしまうということが致命傷となり、3D映画はまだまだ未完成の技術だということを感じさせてしまい、興ざめてしまったことから、全てがダメという悪評が生まれ、酷評だけが残った映画となってしまった。兎に角、3D映像に力をいれただけに、ストーリーの方も随分と荒いのだが、売りの3D映像が期待通りだったらば良かったのだが...
新技術を売りにして、見事に転けたという失敗事例ということで、お玉に残っている作品であり、ストーリーとしては完全にB級作品である。
そう言えば、CGによる映像を売りにした作品でも、CGを使った映画の黎明期には、本作と同様に酷い作品(あえて、作品タイトルは出さないが、「○○」とか「△△」です。)もいくつかありましたね...
ジョーズ3 (ユニバーサル・セレクション2008年第12弾)【初回生産限定】 [DVD]
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「ロック⑥オン」~怪談新耳袋SP・まえ/うしろ [BS-TBS(BS-i)関連]
7/2と9に放送される今年の「怪談新耳袋スペシャル」。それについて、ようやく「ロック⑥オン」が流れました。3分版(正確には2分55秒)でこの2作が紹介されました。しかも、主演の山下リオが登場して、自ら番宣をしていた。(→「キ・ニ・ナ・ル!」や「いんふぉる!」というような番組が無くなってしまった現在では、「ナビ」があれば良いが、それもなければこういう形でしか出演者本人が出てくるということは無いということですね。)尚、既に7/8発売となるDVDの宣伝は流れているが、放送番組の宣伝ということではようやくといったところになりました。
3分版の「ロック⑥オン」は、同じジャンルの複数の番組(3本)を取り上げて、それを紹介する番宣番組である。(1分版は1本しか取り上げない。)また、(3分版の)特徴は、その取り上げる内容にちなんだクイズが出題されているということである。(三択や四択などの易しいものから、回答を求めるちょっと高度なものまで、結構幅が広い。)
3分版で取り上げられたので、当然、クイズもありました。(「怪談新耳袋」に関する問題であるが、原作の「新耳袋」の本を読んでいたら分かるというものでした。)
内容的には、「まえ「すごい顔」」と「うしろ「記憶」」(「前」「後」という漢字表記ではなくて「まえ」「うしろ」というひらがな表記である。漢字表記だと、前編と後編と誤解されるということですかね...)それぞれの簡単な内容紹介があったということで、DVD宣伝では見ることの出来なかった映像もありました。
「すごい顔」の方は女子校を舞台にした物語のようで、リオは青葉台学園もどきの制服(「学校の階段」の天栗浜高校の制服、または「恋日」や「東京少女」で何度か出てきたものであり、スカートのチェックの色は赤)を着ていました。
一方、「記憶」の方は佐野和真が出演しているということで、2年前の新耳SPの「牛おんな」に続いての新耳SPということになる。(それ以外にも、映画「東京少女」、「ニュータイプ ~ただ愛のために~」、TV作品でも「恋日・3rd.」や「東京少女」にも出演していて、もはや完全にBS-TBS作品の常連さんですね。)しかも、山下リオとは「東京少女・山下リオ」の第3話「さよならスケッチ」で共演していました。(「東京少女・山下リオ」では親子だったが、「新耳・記憶」では恋人役といった所でしょうか?)
ところで、今年の「新耳SP」は『遂に「怪談新耳袋」は最終形態を迎える』とあるが、「スペシャル」も今年で3年目となり、これで「左」「右」「上」「下」「前」「後」の6方向(三次元座標で全方向)が揃ったので、いよいよ終了なのでしょうかね...
兎に角、「銭形命」「新耳SP」「カルピス・ドラマスペシャル」と、楽しみな作品が揃っていて、楽しみです。
「カルピス」の忘れられないいい話―感動の公募エッセイ集 (集英社文庫)
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「カルピス」の忘れられないいい話―時代を映した感動の人生ドラマ
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MADONNA『LIKE A PRAYER』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1989年に発表された彼女の6枚目のアルバムである。'80'sの最後の年にはなったビッグ・ヒットとなり、'80'sが彼女の時代であった印象を強烈に残すことになったと同時に、来るべき'90'sも彼女の時代ということを感じさせたアルバムである。尚、チャートの方では、米英独仏加伊西などで1位を記録している。Billboardでは6週連続1位を記録していて、1989年の年間アルバム・チャートでは12位にランクインし、翌年の1990年も年間アルバム・チャートで94位にランクインしている。
収録曲は以下の全11曲である。『Like A Prayer』『Express Yourself』『Love Song』『Till Death Do Us Part』『Promise To Try』『Cherish』『Dear Jessie』『Oh Father』『Keep It Together』『Spanish Eyes』『Act Of Contrition』。
この中からシングル・カットされたのは6曲である。まずはアルバム・タイトル・ナンバーである『Like A Prayer』が大ヒットを記録した。(米英加豪で1位を獲得し、Billboardでは3週連続1位、1989年の年間シングル・チャートでも25位にランクイン。)続いて『Express Yourself』が加伊で1位、アメリカは最高位2位、イギリスは最高位5位を記録し、1989年のBillboard年間シングル・チャートでも55位にランクイン。3rd.シングルの『Cherish』は、カナダでは3曲連続の1位、アメリカでは最高位2位、イギリスでも最高位3位を記録している。その後は一部の国だけでのシングル・カットであったが、『Oh Father』はアメリカで最高位20位、『Dear Jessie』はイギリスで最高位5位、『Keep It Together』はアメリカで最高位8位を記録している。ということで、大ヒット曲がたっぷりと詰まっている。
本アルバムからのお薦め曲は、『Like A Prayer』『Express Yourself』『Cherish』という大ヒット曲とバラード・ナンバーの『Till Death Do Us Part』『Spanish Eyes』をピックアップしておく。
単なるダンス・ミュージックを集めたアルバムではなく、音楽的にも一皮も二皮も剥けたアルバムであって、アルバムとしてのクオリティも非常に高いものになっている。正に、'80'sの総決算と'90'sに向けての姿勢を見せていて、時代に残る名盤である。
尚、『Like A Prayer』(のPV)が何かと物議を醸し出したという話題から、本作に対しては偏見があるようだが、これはそれだけ注目されたアルバムであることの証である。(表現方法に関して完全に頭に来るようだと、完全に無視するのが正しい道と言うことです。)
ケータイ刑事銭形愛23話[裏ネタ編]PART 1 [ケータイ刑事]
今回からの「銭形愛[裏ネタ編]」は第23話の「姿なき犯罪者 ~凡才柳沢教授の生活」に突入です。初回となる今回は、サブタイトルにある言葉から「凡才」について、サブタイトルの元ネタとなる「天才柳沢教授の生活」について、この物語のモチーフとなっている「ジキル博士とハイド氏」について、そして「二重人格」について記します。
尚、この物語について過去に記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。
「凡才」:平凡な才能、または平凡な人のことをであり、特別な才能の無い普通の人のことである。そのため「凡人」と言う場合もある。(この言葉は「平凡な人」と言う意味になり、才能に関しては触れられないことになる。)
英語では人の場合は「Mediocre Person」と言い、才能に言及する場合は「Ordinary Ability」と言う。
但し、「普通の」ということが一番難しいことでもあるのですが...
「天才柳沢教授の生活」:山下和美原作の漫画であり、TVドラマ化もされている作品である。漫画の方は1988年から「モーニング」で不定期連載という形で、一話読み切りという形で掲載が始まる。不定期連載であったが、2006年9月からは月に一度の定期連載となり、現在でも続いている。
物語は、Y大学経済学部教授の柳沢良則の日常生活と、それに関わる人々の姿をユーモアを交えて描いたものである。
一方、TVドラマの方は、フジテレビで2002年9月から12月にかけて、全9話が放送された。(全10話の予定が、1話減った。)今回の物語の本放送が2003/3/9であることから、本作がスタートした時点で他局で始まり、先に終了したドラマということになる。(「ケータイ刑事」は人気シリーズとなったが、「天才柳沢教授の生活」の方は視聴率低迷で打ち切られた形になったため、現在では殆ど忘れられている。→TVとは時代を映す鏡と言うが、そのことがよく分かる元ネタということになる。)
尚、ドラマで柳沢を演じたのは松本幸四郎である。(「ケータイ刑事」関係者は、ゲスト出演を含めても特に出演していない。)
漫画の方は、講談社漫画賞一般部門を2003年に受賞するなどして高い評価を受け、現在は21年目に突入しているが、ドラマの方は転けただけに、続編をと言う声もない。まあ、原作の評判が良くても、ドラマがよいとは限らない作品の例の一つという所である。
「ジキル博士とハイド氏」:19世紀のイギリス・スコットランド出身の小説家・ロバート・ルイス・スティーヴンソン(1850年~1894年)の代表小説であり、1886年に出版された。尚、原題は「The Strange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde」。二重人格を題材にした小説の代表作としても知られている作品である。尚、「二重人格(現在は「解離性同一性障害」と言う)」の代名詞となっている「ジキルとハイド」は本作に由来している。
これまでにも何度も映像化されている作品であり、また、本作をモチーフにした作品も多数生み出されている。
物語は、医学と法学の博士号を持つジキル博士は、性格を善悪に二分する薬を発明し、それを試す。ジキル博士は悪の人格のハイド氏を生み出し、悪の衝動を開放していた。次第にハイド氏の方が強くなっていき、ジキル博士に戻ることが困難になっていく。ジキル博士の友人のアターソン弁護士は、ジキル博士の様子がおかしいことから調査をしていくが...
映画としては、1920年のアメリカのサイレント映画「狂へる悪魔」(原題:Dr. Jekyll and Mr. Hyde、ジョン・S・ロバートソン監督、ジョン・バリモア主演)が最初で、この1920年には3回映画化されている。有名なのは1931年の「ジキル博士とハイド氏」(原題:Dr. Jekyll and Mr. Hyde、ルーベン・マムーリアン監督、フレドリック・マーチ主演)であり、この作品でフレドリック・マーチはアカデミー主演男優賞を獲得している。また、1941年のリメイク作(同名邦題、原題)は「風と共に去りぬ」や「オズの魔法使」のヴィクター・フレミング監督で、スペンサー・トレイシー主演、イングリッド・バーグマンも出演している。その後の何度か映画化されていて、最近では原作を元にした別小説の映画化である1996年の「ジキル&ハイド」(原題:Mary Reilly、スティーヴン・フリアーズ監督、ジュリア・ロバーツ主演)が、ジキル博士のメイドを主人公とした作品があったり、日本では劇場未公開であるが、2005年の「ハイド」(原題:Jektll + Hyde、ニック・スティルウェル監督、ブライアン・フィッシャー主演)などがある。
「二重人格」:1人の人間の内に、全く異なる2つの人格があって、それが交互に入れ替わって現れる症状のことをいう。また、3人以上の人格が現れる場合もあって、その場合は「多重人格」と言う。(「二重人格」は「多重人格」の中の1つである。)近年では、「二重人格」だけでなく「多重人格」のことを「解離性同一性障害」または「統合失調症」などと呼ばれる。英語では「Dissociative Identity Disorder」と言い、この頭文字から略して「DID」と呼ばれることもある。
強い心的外傷から逃れようとする結果、解離が起こって個人の同一性が損なわれる疾患であり、神経症の一つであるが、その原因、発生メカニズムは完全に解明されてはいない。(治療法に付いても確立していない。)
尚、よくある誤解が、この症状は小説「ジキル博士とハイド氏」があまりにも有名なため、架空の病気だという考えがあるということである。このような、若しくはこれに近いような症状がある場合は、精神科や神経科を受診することである。
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