「THE LAST DRAGON」 [映画(洋画)]
表題の作品は1985年のアメリカ映画「ラスト・ドラゴン」である。主演のタイマックも空手の黒帯を持っているということで、キレのあるカンフー・アクションを見せてくれる作品であ。また、主人公はブルース・リーに傾倒しているという設定であって、B・リーに対するオマージュもある。
作品データを記しておくと、時間は110分、監督はマイケル・シュルツ、脚本はルイス・ヴェノスタ、撮影はジェームズ・A・コントナー、音楽はミッシャ・シーガルである。そして出演は、タイマック、ヴァニティ、トーマス・イケダ、クリス・マーニー、グレン・イートン、ジュリアス・J・キャリー3世、フェイス・プリンス、レオ・オブライエン、ウィリアム・H・メイシー、マイク・スター、ジム・ムーディ、たちである。
今は亡きブルース・リーを崇拝するリーロイ・グリーンは、日々、カンフーの修行を行っている若者である。ニューヨーク郊外に道場を開く東洋人のマスターの元に住み込でいる。やがて、マスターの伝授する技を全て会得すると、ドラゴンへの道を極めるためにニューヨークの実家に戻って来た。彼の家はハーレムでピザ店を経営していた。ある日、ハーレムの将軍ことショーナフと、ミュージック・ビデオ産業を牛耳ろうと企むビデオ会社社長・エディ・アルカディアンが組んで、人気スターのローラを自社に取り込もうとしているのを見たリーロイはローラを救う。が、この時、マスターから貰った大事なツバを落としてしまったことから、リーロイの周囲に嫌がらせが始まる。やがて、リーロイとローラは恋中になっていくが、嫌がらせはエスカレートして、ローラやリーロイの弟が誘拐され、リーロイは乗り込んでいき、対決をして倒し、ローラと弟を救った。
物語としたら、この手の作品ではありがちのものであるが、ブルース・リーに対するオマージュが色々と出てきて、これが結構楽しめる。また、タイマックのアクションも流石は有段者という所を見せていて、アクションに冴があり、しっかりとしたものを見せている。そして音楽が、当時の最新のダンス・ナンバーを中心にしたものを使っていて、'80's中盤の味をたっぷりと堪能できる。
'80'sらしい作品であるが、B・リーのファンの方にも見て貰いたい作品である。
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The Last Dragon [VHS] [Import]
- 出版社/メーカー: Twentieth Century Fox
- メディア: VHS
THE LAST OF ENGLAND(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]
表題の作品は1987年のイギリス映画「ラスト・オブ・イングランド」である。D・ジャーマンの私的な作品であって、ベルリン映画祭フォーラムで国際芸術映画委員会賞やLA批評家協会賞でインディペンデント/実験的作品賞を受賞している作品である。
作品データを記しておくと、時間は87分、監督はデレク・ジャーマン、撮影はデレク・ジャーマン、クリストファー・ヒューズ、クリス・ヴァン・エヴァンス、リチャード・ヘスロプの4人、音楽はサイモン・ターナー、アンディ・ギル、ハヨ・トンプソン、アルバート・オーリン、バリー・アダムソン、エル・ティト、主題歌を歌ったのがマリアンヌ・フェイスフルである。そして出演は、ティルダ・スウィントン、スペンサー・レイ、スプリング・ソング、ジョン・フィリップス、ナイジェル・テリー、マシュー・ホーキンス、ゲイ・ゲイナー、たちである。
物語は4つのパートから成っていて、D・ジャーマン監督の自室で夜間に撮影された部分、ロンドンやリヴァプール市街の廃墟で撮影された部分、1928年~1953年にかけてジャーマン監督の両親や祖父によって撮影されたホーム・ムーヴィーの部分、ティルダ・スウィントンとスペンサー・レイが演じる恋人たちのいる近未来のイメージの世界の部分がある。
テーマは「大英帝国の終焉」というもので、廃墟、ホモセクシャル、ドラッグ、核戦争、テロ、暴力、難民、恋、個人の記憶と死、社会の歴史と殺戮、というものをイメージとして捕らえて、ドキュメンタリー・タッチで描いている。
映画としてストーリーを追いながら見ていく作品ではなく、D・ジャーマン監督の映像詩であって、映像の美学を堪能するための映像作品といった方が正解である。また、本作で使われている音楽を中心にして聴きながら、映像がある、と言っても良いかも知れない。(乱暴な言い方をすると、音楽のPVという事になる。→それにしては重すぎる映像ですが...)私的な実験作ということでは、これでも宜しいかと...
ということで、本作はサントラ盤の存在を抜きには語れない。そのサントラ盤には以下の全21曲が収録されている。『Disco DeAth』『Springback』『Refugee Theme』『In The Free World』『Intro』『Treizieme Revient』『Enoy Me』『Tonala』『Autumn Leaf』『Sketches Of Luxembourg』『Last Of England』『Fina』『Persistance Of Memory』『Bridge』『Hymn For Thatcher』『Day After Tomorrow』『Imprisoned Memories』『Jets』『Dead Sea』『Broadway Boy』『National Grid』。
じっくりと聴かせる静かな曲から激しい曲まで、一つの交響詩のようなスケールがあり、これはこれで一つの芸術作品として成立するものになっている。(ただ、部分的にはサントラ盤としての構成に手を入れた方が良いと思うところもある。)まあ、音楽作品として鑑賞するということでよろしいかと...
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ケータイ刑事銭形命8話 [ケータイ刑事]
二段構成で記している「銭形命」。第8話は「愛と宿命の将棋崩し! ~女流棋士殺人事件」という物語であるが、その前に最終月の情報から。第10話は「美しき脚本家たち ~美脚連続殺人事件」、第11話は「交響曲第28番多聞調 作品194"ボム" ~世界ペア音楽祭爆弾予告事件」、第12話が公開収録で、第13話で幕となります。第11話が製作発表の時に言っていた、台詞を音楽にしたものということなのでしょうね。また、9/12は昼間の再放送がプロ野球中継のためにお休みとなって、19日に2本の再放送が行われます。
では、第8話の方に。今回も柴田束志さんは本編には登場せずということで、長期休暇でも取っているのですかね?(いつの間にか全く語られなくなったインド・タンジャブール市警にでも一時戻っていたりして???)
今回は「舞・12話」のような雰囲気と「零・2nd.11話」のような雰囲気を感じた物語であったが、ちょっと強引な所があって、総合的には酷い物語でした。「将棋崩し」に関しても、もう少し遊んだら良かったのに、ちょっと残念でした。
そして、日本では良くある間違いであるが、「エキシビジョン」ではなくて「エキシビション」が正解である。(英単語は「Exhibition」である。)まあ、日本では誤って使われている単語であるが、ある意味では和製英語と考えたらいいと言うことですかね...(一応、ここでは「エキシビジョンマッチ」と看板にあるので、この誤った言葉で記すことにします。)
それでは物語の方を記していきます。(MBSでの放送(BS-TBSでの終了後になるでしょうが...)後に「改訂版」として記す余地を残しておくため、部分的に端折って記します。)尚、放送直後に記した第一稿は「ここをクリック」してご覧下さい。
「女流棋士・藤本綾子 六段 エキシビジョンマッチ会場」という看板の前に一人いる命ちゃん。「エキシビジョンマッチって何だろう?」と呟いていた。で、携帯を開いて「遅いな。自分から誘っておいて何やってるんだろう?」とぼやいている命ちゃんだった。そんな所に松山さんが登場。手には日の丸の扇子を持っていて、羽織袴を着ていた。で、命ちゃんの前にやってくると「お待たせ」と言って笑顔を見せる。命ちゃんは「どうしたんですか、その格好?」と問うが、「どうしたと思う?」とはぐらかし「ついてこい」と言って命ちゃんの背中を押して建物の中に入って行った。
会場の客席。命ちゃんはテレビカメラがセットされているのを見て「うわぁ、テレビだ。凄~い!」と漏らしていた。(従姉妹たちやお姉ちゃまたちは何だかんだでテレビに出ているが、命ちゃんも実はミーハーなんでしょうね。)
で、本番が始まり、司会者が藤本綾子のエキシビジョンマッチの開催を宣言する。(客席は拍手、となるが、それにしても客の数が少ないですね。まさに「舞・12話」のテレビショッピングと変わらない...)司会者が「勇気ある挑戦者の入場です」と紹介して、お囃子がなる。で、松山さんが立ち上がって舞台の方に進んで行く。これを見た命ちゃんは「えっ?何で?」と驚く。「俺、俺」と言う松山さん。「プロの棋士相手に大丈夫なんですか?だいたい、将棋のルール、分かってます?」と言う命ちゃんだったが、松山さんは全く気にしておらず「でも大丈夫」と楽観していた。(将棋はやったことない、とも言っていた。)
で、司会者が松山さんの事を紹介する。(全国1万人の将棋ファンの中から選ばれた、と言ってました。→全国1万人って、余りにも少ないと思うのですが...せめて「28万人」にするべきだと...)松山さんは「光栄です」「出来るなら勝ちたいです」と言っていたが、それに続いて「オヤジ、おふくろ。正月には帰るから」と個人的な事を言っていた。(司会者は「お盆にも帰って頂きたい」と上手いこと言ってました。)で、対局の場所に進んで行くが、その時、隣にいるアシスタントの女性の手を取って踊り、命ちゃんに「写真撮影」と注文を付けていた。命ちゃんは「しょうがないなぁ~」と言いながら、携帯を取りだして、写真を取った。(が、これも後に繋がるのが「ケー刑事」です。)
続いて、藤本綾子が紹介されて、入場してくる。(女流六段は殆どいないだけに、藤本綾子は凄い実力者ということになりますが...)司会者に、松山さんに対する言葉を求められて「将棋は技術ではありません。心で指すものです」と言っていた。で、対局席に向かい、エキシビジョンマッチが始まった。
が、それは将棋崩しだった。(普通の将棋の対局と同様に、時間が計られていて、「10秒、20秒、…」というカウントまでされている。)藤本が1枚取り、少し考えてから松山さんが1枚「金」をとった。それを大盤解説している司会者。また、命ちゃんは「何~だ。将棋じゃなくて将棋崩しじゃん。エキシビジョンって「余興」のことでしょう」と言っていた。これに司会者が「素敵な解説、ありがとうね」と言っていた。
また、解説には、今注目の若手女流棋士・高田睦美が来ていて、司会者が紹介する。高田はこの後で藤本綾子と対局することになっていて、そのことを司会者が尋ねる。これに「あの人の時代はもう終わりですから」「あの人の将棋、古臭いんです。顔も80年代だし」とボロクソに言う。それを聴いた藤本はむかつく、という表情を見せていた。で「集中できないわ。長考します」と言った藤本は立ち上がって退席していった。→将棋崩しに「長考」って、そこまでのルールってあるの???
松山さんは司会者に対して「あんたたち、さっきから後ろでゴチョゴチョ五月蠅いんだよ」と文句を言う。これに、司会者は体裁悪そうに頭を下げていたが、高田は「ファンの方も古臭いんですね」と毒舌ぶりを発揮する。これに食って掛かる松山さん。で、テレビ・スタッフが「休憩入ります」と言ってこの場を収めようとし、アシスタントが高田と司会者にお茶と饅頭を運んできた。(スポンサーの多聞堂の饅頭。)松山さんは「俺にはないの?」と言い、「直ぐお持ちします」と言ってアシスタントは席を外した。高田は饅頭を口にするが、「歯にくっついちゃいました。ちょっと歯を磨いてきます」と言って退席して行った。
松山さんにも饅頭が出され、それを食べている松山さん。司会者が「そろそろ持ち時間の5分を使い切ってタイムリミットですけども、まだ藤本棋士、戻って参りません。このまま時間が過ぎますと、勝利は松山棋士のものとなります」と言うと、松山さんは「本当?」と声をあげ、命ちゃんは「嘘。不戦勝?」と漏らした。が、その時藤本が戻ってきた「お待たせしました」と行って席に着くと「さあ、始めましょうか」と口にした。が、その時女性の悲鳴が届いた。これを聴いた松山さんは立ち上がると「銭形、行くぞ」と言い、命ちゃんも立ち上がり、声のした方に向かった。(藤本もこれに続いた。)
トイレの前にアシスタントの女性が震えて立っていた。命ちゃんが「どうしたんですか?」と尋ねると、震えながらトイレの方を指差した。で、命ちゃんたちがトイレに入ると、そこには首を絞められた高田が倒れていた。で、高田を見た松山さんは「ダメだ」と漏らした。
そこに「警視庁から入電中」と事件を知らせる入電が入る。「港区赤坂で殺人事件発生。被害者は女流棋士の高田睦美。ただちに捜査を開始せよ」(命ちゃんは現場にいるということで「直ちに現場に急行せよ」では無かったですね。そのため、命ちゃんの「もう現場に到着しているんですけど...」というツッコミもありませんでした。)
捜査を開始した命ちゃんは、トイレの入口付近に、鈴が落ちていたのに気づき、それを拾い上げてじっくりと見ていた。松山さんは発見者のアシスタントに話を聞いていた。命ちゃんがトイレから出てきて松山さんを呼び、拾ったものを見せる。で、それは藤本が対局の時に手にしていた扇子についていた鈴だった。
ということで、命ちゃんと松山さんは藤本綾子の所に行って話を聞く。鈴を見せて確認すると、いつの間にか無くなっていたと言う藤本は、何処にあったかを尋ねる。「トイレです」と答える命ちゃん。で、高田が席を立っていた間、藤本は5分間の休憩を取っていたが、何処にいたのかを尋ねる。(→「休憩」じゃなくて「長考」でしょうが...)「ここにいた」と答える藤本だったが、松山さんはトイレで待ち伏せしていた、という。更に、高田との日本一決定戦に勝てば多額の賞金が入るので、殺しの動機になる、と言う。これを聴いた藤本は笑いだした。で、高田が席を外したのは自分が会場から出た後であり、高田がトイレに行くという予知みたいなことが出来るの、と返す。これに納得する松山さん。命ちゃんは、トイレに行っていないのに、どうしてトイレにあったのか?と問うが、「対局の前にもトイレに行き、その時に落ちたのでは」と答えた藤本。で、マスコミの取材が入っているので出ていって欲しい、と言う。命ちゃんは、取材を受けるのは自由だが、この建物からは出ないように、と注意をして退室していった。
更に、藤本は休憩中にはこの部屋からは一歩も出ていないという証言が得られた。それを聴いた松山さんだったが、何か閃いたようで「謎は解けたかも、ワックスくん」と口にした。(五代さんがこの台詞を言ったことがありましたね。)命ちゃんは「えっ?」、松山さんは「ついてこい」と命ちゃんに言うと、藤本の控え室に入って行った。「どうしたんですか?」と怪訝そうな表情をする藤本。が、松山さんは何も言わずに、奥にある試着室を調べる。が、何も発見できない。命ちゃんは「秘密の扉なんてある訳ないじゃないですか。忍者屋敷じゃないんですから」と注意する。(藤本を演じているのが八木小緒里さんということで「東京少女・大政絢」での志摩さんを思い出させる台詞ですね。)が、松山さんは「探せよ、そんなこと言ってないで...」と言って更に探し続ける。が何もない。ついには「床の下か?」と言って椅子をどけて調べようとした。
すると藤本が「高田棋士とは何から何まで違うんです」と言った。そして、自分は孤児院出身で、高田はお金に困ったことはないサラブレッド。自分は努力して強くなったが、高田は英才教育を受けた、と証言する。更に「彼女の将棋には心がなかった。それが許せなかった」と言い、高田を憎んでいた、殺したいとまで思っていた、証言する。が、自分はこの部屋から出ていないと確かめた事を確認し、殺したくても自分には殺せない、と言って命ちゃんたちを嘲笑うように語った。命ちゃんはこれには返す言葉も無かった。
対局の行われた所に戻った命ちゃんと松山さん。動機、物的証拠があるのに証明できないということで、お手上げ状態の松山さんは「将棋指しというのは、先の先まで読むって言うからな」と、漏らしていた。(今回の物語では、この台詞も上手いものの一つです。)が、命ちゃんは「一つだけあるんですけど...」と口にした。「何、何?」と尋ねる松山さんだったが、これには何も返さない命ちゃんは「響く、悪の鼓動」(1パートはここまでで、経過時間は約16分でした。よってBパートは9分半ということになります。)
撮影されたビデオを見ている命ちゃん。藤本が戻ってきて将棋崩しを再開しようとたが、悲鳴が聞こえた所だった。それを見た命ちゃんは「あれ?」と言って何かに気づいた。で、松山さんに、藤本の扇子には鈴がついたままだと言う。松山さんは「何であそこに鈴が落ちていたんだ?」と口にする。命ちゃんはじっくりと考えて、少しすると「分かった」と口にした。で「謎は解けたよ、ワトソンくん」
控え室で両脚をテーブルに伸ばし、お菓子をほおばっている藤本。(ここも「東京少女・大政絢」の志摩さんを思い出させてくれるところです。)ドアがノックされたことで、足をテーブルから降ろし、「はい」と返事をする。で、命ちゃんと松山さんが入ってくる。「またあなたたち?あとどのくらいかかるんですか?」と文句を言うが「もう、お帰り頂いて結構です」と命ちゃん。藤本は「本当に?」と確認するが「真犯人が分かったので」と命ちゃん。すると「誰なの、犯人?」と尋ねる藤本。が「それは捜査上の秘密です」と言って教えない命ちゃん。で「失礼します」と言ってお辞儀をして、命ちゃんたちは去っていった。
屋上にアシスタントの女性がいる。扉が開いて、そこに藤本がやってきた。「大丈夫だったの?」と藤本とが言うと「姉さん」と返すアシスタント。藤本は「あの小娘、真犯人が分かったって言うから...」と険しい顔をして言う。そんなところに、心臓の鼓動音が届き、周囲に目をやる2人。
荒野の地平線から太陽が昇ってきて、ハート型になり、命ちゃんのサックスからハートマークが飛ぶ。「命長けりゃ恥多し。…」命ちゃんの口上が始まり、「命の重みを感じなさい!」からストラップを投げる。ハートが大きくなり、2人を押しつぶす。で、2人が手足をバタバタとさせる。(今回は2人です。)命ちゃんがストラップを引くと、上半身が起き上がりると、目にハートマークが浮かぶ。で、立ち上がった2人は凄い剣幕となって「何なのよ」「重たいんだよ」と命ちゃんに詰め寄る2人。命ちゃんが「殺害したのは、アシスタントの白木あつこさん(漢字が不明なので、名前の方はひらがな表記とします)、あなたですね」と告げた。2人は返す言葉がなかった。で「お二人は共犯だったんです」と命ちゃん。すると藤本が「証拠はあるの、証拠は?」と問う。
命ちゃんは「証拠はあなたが隠しています」と言って、2人に近づいていく。で「袖、どうしたんですか?ボタン、取れてますよ」と言った。これに白木は慌てて両腕の袖口のボタンを確かめて、右の袖口のボタンが1つ無いのに気づくと、それを左手で隠そうとした。命ちゃんは「取れたボタンは藤本名人が持ってますよ」と言うと、説明を始めた。
あの時食べさせた饅頭は、食べたら必ず歯にくっつく多聞堂の饅頭であり、それを食べさせてトイレに誘い出した。高田が席を立った後、白木も後を追って会場を離れた。そしてトイレで歯を磨いている高田に襲いかかって絞殺した。この時、袖のボタンが外れたが、白木は気づかなかった。で、トイレの外で悲鳴を上げた。命ちゃんたちがやってくると、初めて遺体を発見したかのように振る舞った。命ちゃんと松山さんが高田を調べているとき、藤本は白木のボタンが床に落ちている事に気づいた。で、慌ててそれを拾い、捜査を混乱させるために、扇子の鈴を外して置いていった。
これを聴いた藤本は「全部、あなたの推測じゃない。証拠はあるの、証拠は?」と問い糾した。これに命ちゃんは「証拠はこれです」と言って携帯で撮影したムービーを見せる。それは白木が松山さんを案内したときの映像で、この時、白木の袖口にはボタンはあった。続けて「そしてこっちが、叫び声を聴いた後の映像です」と言って、将棋崩しを再会しようとした藤本の映像を見せた。この時、藤本の扇子には鈴がぶら下がっていた。で「おかしいですよね。名人。身体検査をさせて下さい」と言った。
これを聴いた藤本は観念して「上手く行くと思ったのに...」と漏らすと、隠していたボタンを取り出して、それを命ちゃんに渡した。で、藤本は「私たちは孤児院で育った姉妹なの」と言って、過去を語り始めた。幼い時から将棋が得意だった藤本はダレにも負けたことがなかったが、どうしても勝てない相手がいた。それが高田で、どんなに努力しても勝てそうになかった。で、高田がいなければ藤本はずっと名人でいられるので、白木が高田を殺害したのだった。
これを聴いた命ちゃんは「そんな風にして優勝したって本当に勝利した事にはなりませんよ」と言った。(こういう台詞は本家・泪ちゃんの得意なところであるが、命ちゃんもそれに近いことを言ってくれますね。)で、松山さんが藤本に、「殺人幇助の罪で逮捕する」と言って手錠を掛け、続いて白木に「殺人容疑で逮捕する」といって手錠を掛けた。(2人が1つの手錠で繋がれた。)
事件解決後、将棋盤の上に駒が置かれている。で、命ちゃんと松山さんが将棋崩しをしている。松山さんが1枚取り、命ちゃんが1枚取った。で、「松山さんの番ですよ」と命ちゃん。「なかなかやるな。でも、上級者はこうだ」と言って笑いながら山の下にある玉を取ろうとした。が、上の駒が落ちて音がした。「しまった」と言う松山さん。命ちゃんは笑顔で「勝負あり」と言った。で「約束ですよ」と言う命ちゃん。「約束って何?」と惚ける松山さん。命ちゃんは「何でも好きなもの、奢ってくれるって言ったじゃないですか」松山さんはは「そんなこと言ったっけ?」と惚けるが、松山さんを睨みつける命ちゃん。松山さんは観念して「分かったよ、アイスか、チョコレートか。お前の好きな焼き芋」と言うが、命ちゃんは「違います」と言うと、もったいぶって「えっと~、すっごく高くて美味しいお寿司と、あとお肉と、…」と口にした。が、松山さんは既に逃げ出していた。松山さんがいなくなった事に気づいた命ちゃんは立ち上がると「松山さん、逃げる気ですか」遠くにいた松山さんは「そんなもの奢れるはずないだろう」と返した。これに命ちゃんは「ずるいですよ、待て~」と言って笑顔を見せていた。
次回は「恋愛泥棒再び現る! ~謎の怪盗予告事件」という物語です。怪盗マリンの再登場ということで、星野真里さんの登場です。(更に、林和義さんもいます。)卓球の球が降ってきて、本物を見分ける、と言う所が出てきたが、このパターンは怪人○面相の時にあったものですね。更に、マリンの顔を剥がそうとしていたのは、「海」の時にもあったことです。ということで、展開は怪人さんとマリンの物語を足し合わせたようなもので、とても楽しそうですね。また、ここの所2回続けて本編には登場しなかった柴田束志さんも出ていました。
狙われたのはミスター・ラーの持つ秘宝・龍の卵で、婚約者のミス・リーも登場ということだが、この設定は「海・2nd.9話」と同じです。が、ミスター・ラーって、スペクトルマンに登場した宇宙猿人ゴリの手下のラーが頭に浮かびます。(林和義さんということもそう思わせるところである。)
「泪」「零」「雷」の怪人さんの登場した物語と、「海」の怪盗マリンが登場した物語の両方を復習しておいた方が良さそうです。
「鑑識メモ」:今回も柴田束志さんの登場する唯一の所です。床に寝ている柴田さんが「王手!」と叫ぶと起き上がる。で「ああ夢か」と漏らす柴田さん。「もう少しで将棋大会、優勝できたのに...」と愚痴を漏らす。で、カメラに気づき「あっ、どうも、柴田です」と言うと「では「鑑識メモ」」と言ってお馴染みの手帳を見せてから語り始める。「人は一晩でいっぱい夢を見ますが、覚えているのは最後の1個だけ、ということです」でカメラ目線で「その夢が良い夢だったらいいですよね」と言うと「では夢の続きを見ます。お休みなさい」と言って、屋嘉に寝転び、眠ってしまう。で「暗闇に松山さんが100人いる。不気味だ...」と言うと飛び起きた。で、最後に「怖かった...」と漏らした。
今回も8/27の「SUMMER PARTY in 赤坂BLITZ!ファン感謝祭歌謡祭」のお知らせの登場で、着ボイスDLのお知らせではありませんでした。本放送の時ではまだこれからなのでいいのですが、今度の土曜日の再放送の時には既に終了しているので、この部分がどうなるかは注目です。
今回の物語は、命ちゃんの存在感が薄かったことをはじめとして、いろいろと粗いところが出ていた物語でした。例えば、命ちゃんが藤本のことを「綾子さん」と言ったり「名人」と言っているが、どこから「名人」という言葉が出てくるのですかね。不戦勝になった高田との勝負は「日本一決定戦」であって「名人戦」ではないですし、最初に看板には「藤本綾子六段」とあって、「名人」とは何処にも記されていない。(一応、彼女が登場してきて、司会者が「名人、お席の方へ」と言った時に「名人」という言葉が出てきたが、ここだけである。)将棋の「名人」と言うのはタイトルであるだけに、看板に「六段」とあったということは、彼女は現在は名人のタイトルを保持していないと考えるのが妥当である。が、こうなると「名人」と呼ぶのはおかしいことになる。(過去にタイトルを取っていて、現在は他の人に取られているとしても、看板は正しいが、やはり「名人」と呼ばれるのはおかしいことになる。)ということで、細かいことであるが、これは脚本のミスということになる。また、監督もこれに気づかなかったとすると、これはボロボロということになる。
それに「エキシビジョン」ではなくて「エキシビション」が正しい言葉であるのだし、途中から「多聞堂の饅頭は必ず歯にくっつく」ということにして、都合が良すぎました。(必ず歯にくっつくのなら、司会者や松山さんはどうしてくっつかなかったの?という疑問が残る。)→強引な所があるのも「ケータイ刑事」であるが、今回はちょっと度を超えていました。で、こういうことをしているようでは、やはり「銭形命」は1クールで終了というのは当然であり、正解でしょうね。前回が良かっただけに、その反動がこうも大きいとなると、期待することも出来なくなっちゃいますし...→少なくとも15ヶ月のブランクが長すぎて、スタッフも重傷である。
今回は存在感が薄かった命ちゃんだが、それでも犯人逮捕の時に良いことを言っていて、締めるところはしっかりと締めていて、物語を引き締めているが、プロデューサといい、脚本といい、監督といい、このシリーズはちょっと酷いですね。岡本あずさは頑張っているということが伝わってくるだけに、ちょっと可哀想...
また今回の物語は完全に八木小緒里さんによって救われていましたね。状況証拠があって、動機もある。しかも犯行が不可能というアリバイまであった。が、こういう人物はとんでもないトリックを使っていて、実は真犯人であり、そのトリックを銭形が暴く、というのが「ケータイ刑事」のパターンである。(少し強引な所も出てきますけど...)途中までは完全にこのパターンで進んで行った物語であったが、実際は犯人幇助だけで、被害者を殺していなかった、ということで見事に「ミスリード」を誘ってくれました。「ケータイ刑事」ではこういうのは実に珍しいことです。ズタボロだった今回の物語の中で、この点だけは大きなプラス面となっていました。(あずさも頑張っていたが、八木さんに食われた形になっていました。)
それにしても、「銭形命」は良い時と悪い時の差が大きいですね。(→これはシリーズ構成が酷いという証でもある。色々と企画を広げすぎていて、捜査会議が疎かになっているのが原因でしょう。)本編がこういう悲惨な状況になっているのだから、残り5話もあんまり期待出来ないでしょうね。本当に残念です。
↓8/25発売です。
- 作者:
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2009/08/25
- メディア: 単行本
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