PROCOL HARUM『PROCOL HARUM』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1967年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。1977年から1991年の間は活動停止していたが、現在までに度重なるメンバー・チェンジを行って、現役バンドとして活動を続けているが、彼らの代表曲『Whiter Shade Of Pale』(邦題「青い影」)が収録されているアルバムでもある。(この曲はイギリスでは1位を獲得し、アメリカでも最高位5位となって、1967年のBillboard年間シングル・チャートでは38位にランクインしている。また、数多くのアーティストたちがカヴァーして、スタンダード・ナンバーになっているだけに、誰でも知っているでしょうね。)
収録曲は以下の全10曲である。(US盤の収録曲順であって、イギリス盤は異なっている。)『Whiter Shade Of Pale』『She Wandered Through The Garden Fence』『Something Following Me』『Mabel』『Cerdes (Outside The Gates Of)』『Christmas Camel』『Conquistador』『Kaleidoscope』『Salad Days (Are Here Again)』『Repent Walpurgis』。
この中からは、『Whiter Shade Of Pale』が前出の用に全英No.1、全米で最高位5位を記録する大ヒットとなり、デビュー間もない彼らを一躍スターダムにのし上げた名曲である。
お薦め曲は、当たり前すぎるものの『Whiter Shade Of Pale』は絶対に外せない。彼らの代表曲であり、この曲があるからこそ彼らの存在価値があると言っても過言ではない一曲である。これ以外では『Something Following Me』『Christmas Camel』『Conquistador』『Kaleidoscope』『Repent Walpurgis』という所をピックアップしておくことにする。
当時の音楽シーンは、BEATLESが中心にいたが、ロックの世界ではサイケデリック・ロックが幅を利かせると言った独特の時代でもあった。(そこからプログレが派生して一時代を築き上げることになる。)彼らのサウンドも、当時は斬新なものであり、それでいてメロディラインの美しさもあって、あっという間に浸透することになった。それだけに時代に衝撃を与えたサウンドということも出来る。現在ではこのような衝撃を得られるような斬新なものが登場することはなくなっているだけに、その衝撃のサウンドは一度は聴いておきたいところである。(但し、『Whiter Shade Of Pale』は余りにも有名な曲であるだけに、この曲では新鮮さを感じることは無いかもしれませんが...)
古代少女ドグちゃん#4 [ドラマ]
今回登場した妖怪は「無礼香」ということで、「無礼講」と「線香」を掛け合わせたような設定となっていた。ビジュアル的にはあまり派手な所はないのだが、ろくろ首の亜流のようなデザインは面白い所でした。ただ、昔の映画のろくろ首と蔵へルト、伸びるクビが細く、首と言うよりは紐のような感じでしたね。→CG処理をすることが出来るため、デザイン上の制約にならないということでもある。
前回がKJ脚本ということと、今回のゲストが山田キヌヲということから、今回は「ニュータイプ ただ、愛のために」のシフトとなることを期待していたのだが、今回の脚本はKJではなくて三宅隆太ということで、そうはなりませんでした。が、豊島圭介監督、三宅隆太脚本となると、「銭形雷・2nd.10話」(「帰ってきたアイツ! ~銭形雷襲撃事件」)のコンビでもあるので、これはこれで別の楽しみがありました。そう言えば、その時には魔除けのお札が劇中に登場していたが、本作の妖怪に繋がる要素があったというのは偶然ですかね...???
物語の方は、第1話や第2話の派手なものが頭にあるだけに、地味な印象があるのだが、社会風刺ということではブラック度も上がっていて、突き詰めていくと面白い内容であった。それにしても前回の第3話からは全く違う路線の作品になった感じですね。今回はドグちゃんも今一つ目立っていなかったですし...→誠を主役とした物語ということでは、風刺を取り入れたしっかりした物語になっていたと言うことが出来る。
ドグちゃんがとんでもない料理を作っているのを見た誠は、いきつけの定食屋に足を運んだ。そこには田舎から出てきた控えめな女・小町がバイトで務めていた。小町は主人からセクハラを受けていたが、それでも口答え一つなく、耐えて働いていた。(故郷の実家には商社のOLと伝えてあった。)誠はそんな小町のことが気になっていて、常連客になっていたのだった。(「いつもの」というメニューが「ニラレバ定食のレバ抜き」って、単なる「ニラ炒め」→「野菜炒め」と言うことになりますね。)
セクハラを受けた小町が一人見せに残っていたら、謎の仮面の男が現れて「アロマのようなもの」と言って「無礼香」というお香を受け取った。帰宅した小町は早速それを試してみた。
翌日、やはりドグちゃんの料理を見た誠は、定食屋へ。が、小町の姿はなく、主人と面倒くさそうに誠に応対する店員・あゆみしかいなかった。(あゆみは誠に対して無愛想な態度で接客していた。→主人は全く怒らない。)そんな中、小町が現れた。主人は遅刻ということで雷を落とすが、小町が切れて、今までに溜まっていたものを一気に口にした。が、次の瞬間には元に戻り、店を飛び出して行った。それを見た誠は後を追うが、あゆみに食い逃げ扱いされてしっかりとお金を払ってから小町を追った。
小町と話をした誠。小町は「無礼香」というアロマのようなものを貰ったということを語る。で、誠にも1本与えたのだった。
家に戻った誠は、小町から貰った「無礼香」を試してみた。一方、小町は残っていた「無礼香」を一気に使った。
誠は性格が変わり、ドキゴローに絡んでくる。そんな所からドグちゃんがニオイから妖怪のことに感づき、それは「妖怪無礼香」ということが分かる。誠は小町のことを思い出して、いつもの定食屋に向かい、ドグちゃんもやってきた。すると身体に異変が起こった小町が妖怪無礼香に取り憑かれていた。(ろくろ首のような妖怪でした。)
ここから先は、ドグちゃんが(ドキゴロー)を装着しての妖怪退治となり、いつものように退治して、めでたしめでたし。
小町は故郷に帰ることにし、定食屋の方は潰れた。ということで、ドグちゃんの作った料理を口にすることにした誠。が、何が入っているのかを尋ねたところ、「ミミズが3匹と…」と聴くと、吐き出して逃げだしてしまった。
今回の物語は、完全に誠が主役の物語で、馴染みの店員の小町に恋心を持ったという物語(こういう物語の定番通り、その恋は成就することなく、ほろ苦い経験ということになりました。)であった。ドグちゃんを中心と考えると、物足りなさを感じることになるだろうが、視線を誠を中心とすると、実に良くできた物語である。引きこもりだった誠であるだけに、気に入った店員・小町の店に通うというのは心理的にも当然であり、その小町のことが気になるというのも定石である。また、小町は店の主人からセクハラを受けていても、口に出すことが出来ないが、このような境遇にいる人というのはとても多いでしょうし、故郷の家族には見栄を張っているというのもよくあることであり、「風刺」ということでは実に上手く設定に取り入れている。
妖怪無礼香によるものだったとは言っても、ブチ切れる所も不満が鬱積した現代人らしい所である。しかも、同じ店員であるあゆみのやる気のなさも、無気力人間を上手く描いている所であり、主人のセクハラの対象が小町というのも上手い所である。(ルックスではあゆみに行くと思われる...)
前回の「放置自転車」と共に、「社会風刺をしている」という所を見せつけた物語であり、単なる深夜枠向きのお色気番組であったり、コスプレ番組ではない所をまざまざと見せつけた物語でした。
ところで、今回登場した謎の仮面の男であるが、妖怪をこの世に解き放つという妖怪の使いということになっていたら良いのですが...
次回は、原案の井口昇監督自身も登場するという物語です。また、ゲストに宮下ともみの名前があるが、「銭形海・1st.12話」の井口監督の物語にゲスト出演しているのだが、またまた唸らせるキャスティングですね。
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野球狂の詩#15「スラッガー藤娘」 [アニメ]
今回の物語は、メッツの主砲である国立玉一郎の物語である。歌舞伎界のホープがスラッガーとして高校野球でならしたことでプロ野球選手となるが、家族は大反対ということで、人間ドラマとしても見所のある物語です。
原作漫画では、この物語以外にも高校時代の国立を描いた物語があるのだが、アニメになったのは国立のプロ入りから初登場で代打逆転サヨナラホームランという派手なデビューをするが、その後は打てず、次に活躍するまでの苦悩を描いたものに留まっている。
それにしても、岩田鉄五郎が国立との契約で、初打席でヒットを打てなかったらクビにする、という乗降を付けて契約したというのは、現実世界ではとても考えられない契約条件であって、凄い設定です。(こういう内容の契約は、裁判に訴えたら、おそらく無効となるものと思われる。)しかも、鉄五郎はメッツの看板選手であるものの、監督でもないしフロントの人間でもないだけに...
が、国立は歌舞伎の国立屋の女形として人気を集めていた。これまで国立屋を支えていた父の弁慶に翳りが見え始めていたこともあって、周囲はプロ野球に進むことに反対していたが、本人の決意は固かった。(父は、世界は違うもののプロの世界は厳しいということを分かっているのと、息子の決めた道に進ませてやるのだから、なかなか出来た人物である。)
で、人気女形の国立の入団は、これまでは野球を全く見なかった歌舞伎ファンをプロ野球の試合に足を運ばせることになった。満員の国分寺球場。メッツは阪神と対戦する開幕戦。阪神の先発ピッチャーは、メッツキラーの大文字(メッツ相手にしか勝てず、他チーム相手には通用しないピッチャー)で、メッツは劣勢が続く。しかも大文字は投球毎にメッツベンチをちらちらと見ていた。
1-0で阪神リードで迎えた最終回。相変わらずの大文字の前に手が出ないメッツ打線。が、投球毎にメッツベンチを見る大文字が国立を見ていることに気がついた鉄五郎は、大文字がベンチを見たら手を振るように国立に伝えた。で、そうすると、大文字の様子が変わった。大文字は女形の国立のファンだったのだった。で、ランナーが1人出ると、代打国立の登場となる。(ヒットを打てないとクビになる初打席である。)で、見事にサームランを打って2-1でメッツはサヨナラ勝ちを収めた。国立屋では、玉一郎が戻って来ることが先になったと言っていたが、父はプロの厳しさを知っていて「甘くない」と思っていた。
華々しいデビューを飾った国立だったが、その後は全く打てなくなり、10打席ノーヒットが続く。苦悩する中、権助からのアドバイスで故郷に戻ってみるのもいいと言われ、歌舞伎公演の劇場を訪れる。父や弟に励まして貰うつもりだった玉一郎だったが、父は一喝し、プロの世界の厳しさを説くと、玉一郎を追い返した。これによって玉一郎は自分の甘さを痛感することになる。で、権助相手に練習に打ち込む国立だったが、ようやく何かを掴んだようだった。
既に20打席ノーヒットが続いていた。で、中日戦。国立は先発から外される。試合は中日リードで迎えた最終回。国立が代打で登場し、星野から逆転サヨナラホームランを放つ。ダイヤモンドを一周してホームインした国立は、そこで父の弁慶の舞を見せて吹っ切ったのだった。
物語としては面白いのだが、細かい所では原作漫画にあった重みのある所や、ちょっとした洒落になっている面白い台詞などが殆どカットされていることもあって、漫画と比べると80%と言った内容になってしまったのが残念な所であった。が、プロ野球と歌舞伎という全く異なる世界でも、「プロの世界」という共通点があり、プロの世界の厳しさを描くには十分な物語にはなっている。
しかし、国立がメッツの主砲で4番を打っている不動の選手であることは分かっていても、高校時代やルーキーの時の国立の野球選手としての描写が少ないこともあって、この物語だけでは国立玉一郎を描き切れていない。原作漫画にある他の国立の物語と絡めて描いた方が良かったと思われる1本でした。(そうなると、東京日日の記者・山井との絡みも出てきて、より深い物語になります。)
今回の物語中のエラーは、国分寺球場に関してありました。国立デビューの阪神戦で、阪神のベンチが試合途中で幅が狭まり、そこにいるのが4人ぐらいになってしまうことがあり、少しすると幅も広がった多数の選手がいることになるという所。また、これは後の中日戦でも同様で、国分寺球場のビジター・チームが使う三塁側ベンチは、ベンチの幅が可変するようです。
次回は、「ウォッス10番」ということで、富樫と日下部の物語です。また、その次は「ガッツ10番」ということで、一応は前後編ということになる。また、この「10番」シリーズの原作漫画は、水島新司と里中満智子の合作作品でもある。(「スラッガー10番」までの三部作であるが、アニメの方は2本である。)
野球狂の詩ベストナイン・セレクション 2―国立玉一郎・島小太郎 (ペーパーバック KC)
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琉神マブヤー#11 [特撮]
15分番組だから仕方のない所なのだろうが、今回の物語は叶の修行編で、しかも簡単に修行を追えて100の技を身につけたというのは、余りにも軽いですね。もう少しは苦労するべきだと思うのだが、時間的な制約があるので、仕方ないといったところですかね... そのため、チルダイ森のウフ主も変なオッサンというイメージの方が強く残ることになりました。
紅亜は意識を取り戻すことが無く、ケンは叶に対して、修行をさせるためにチルダイ森に連れて行くことにした。その入口は叶がマブヤーになった場所であったが、それだけではなく、20年前に叶が岩次郎に拾われた場所でもあった。叶は兄と共に捨て子だったのだった。
で、チルダイ森のウフ主から試練を与えられ、それに挑んでいく。そんな中「打たれたら打ち返す。しかしまた打ち返される。それはいつ終わる?」というウフ主の言葉で目覚め、打ち返すことをせずに対処した。で「よくやった」ということで、修行は終了。ケンが「100年に一度の修行」と言っていたが、全く重みのない修行でした。(但し、ウフ主の言葉は実に重みのある言葉ですけど...)
また、100個の凄い技を身につけたと言うが、これって凄い威力の技ではなく、意表を突くという意味での凄い技ですね。
一方、マングーチュがマブイストーンを全部持ってきて、9つのマブイストーンは全てハブデービルの手に渡った。が、マングーチュは沖縄を支配することに興味はない、と言って去ってしまった。→正に「アンパンマン」に登場するドキンちゃんのノリですね。
一方、沖縄には黒い台風が近づいていて...
前回で破れたマブヤーが修行をするというのはヒーロー作品ではありふれた展開であるが、お馴染みの展開をしっかりと繰り広げているというのは安心出来るところです。が、そんなに凄い修行とは全く思えないのが現代的なところですかね...
一方、悪の軍団が目的に大きく近づいたというのも終盤の展開ではお馴染みのものであるが、マングーチュが抜けるという展開はちょっと意表を突かれました。また、「黒い台風」というのは最後の物語に繋げるためのもので、もう一段の風呂敷が広げられることになったが、某変身ヒーローのような酷いことにはならないことでしょう。
尚、残りは2話で週3の放送であるので、来週の火曜で終了となり、水曜からはドキュメント番組ということで、この10月から沖縄で始まった続編のとなる「マブヤー外伝」の放送ではありません。流石に週3での放送とは行かないにしても、週1で放送してくれたらいいのに...
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ケータイ刑事銭形泪35話(2nd.22話)[裏ネタ編]PART 9 [ケータイ刑事]
9回目となる「銭形泪・2nd.22話」(通算では35話)の「相棒を射殺せよ! ~催眠術殺人事件」の「裏ネタ編」も今回で打ち止めとします。で、今回は、柴田さんが(早島琴の)これをやっていたということから「追っかけ」について、高村さんが早島琴に言った「負け惜しみ」について、高村さんの銃はこれだったということから「空砲」について、そして佐藤公安警部補が口にした「小劇団」について、「反響」について記します。尚、「空砲」については「愛・9話[裏ネタ編]PART 4」で記したものをベースにして加筆を行いました。
尚、約3年2ヶ月前のBS-i(当時)での再放送時に記した本編について記した記事(「改訂版」となります。)の前半(=Aパート)は「ここをクリック」、後半(=Bパートと鑑識メモ)は「ここをクリック」してご覧下さい。
「追っかけ」:ご贔屓の芸能人や著名人を対象として、追いかけ回す熱狂的なファンのことである。英語では「Groupie」がこれに似た言葉であるが、日本語の「追っかけ」よりも過激な所があって、部分的には(日本語で言う所の)「ストーカー」に近いものがある。(「つきまとう」という行為にまで及んでいるのが「ストーカー」であり、「追っかけ」はそこまではいかない。)
尚、「追っかけ」には他にもいくつかの意味があって、辻待ちの人力車夫が客を誘うことを言ったり、追いはぎのことを指したり、(山陰地方では)魚の仲買人のことを指す言葉でもある。
「追っかけ」というと、芸能人をターゲットとして、どこからスケジュールを入手するのかというように、行く先々に先回りしているのが特徴であるが、日本でこれが初めて現れたのは明治20年代の娘義太夫だと言われている。明治25年に新聞記事として、その時の様子が記されたものが資料として残っているが、ファンである学生達が娘義太夫に熱中して、追っかけたという。(移動に使った人力車まで追いかけたり、演じている最中に落ちた簪の争奪戦を繰り広げたという記事がある。→今も昔も、熱中していると、やることは同じですね。)で、この時に「追駆連(おっかけれん)」という名称が使われた。(「連」と言うのは一人ではなくて複数の人が行っていたためで、「連中」の意味である。)よって、これを「追っかけ」の言葉が最初に登場したものとされている。
その後は数々の追っかけが登場していて、芸能人だけでなく、スポーツ選手などにも見られるようになる。また、宝塚歌劇団の追っかけは、それぞれの組のトップスターに追っかけがいるという状況である。→劇場出演が中心である宝塚のスターを追っかけるというのは、ある意味では明治時代の「追っかけ」に繋がるものを感じられますね。
また、今年では女子アナウンサーをタレント扱いして、追っかけている連中もいるぐらいであって、熱狂的なファンは時代が変わり、ターゲットが変わっても、その存在と行っていることは変わらず、存在続ける(当然、人も変わっているのは言うまでもない。)ものものである。
尚、普通に「追っかけ」をしているのであれば、それほど大きな問題にはならない(待っている時に騒いだりしたら、その近辺の住民に対して迷惑行為をしていることになるので、完全に何もないとは言えません。)が、度を超えて「つきまとい」という行為まで発展すると、それは「追っかけ」ではなくなって「ストーカー」になり、各地の条例で定められている迷惑行為防止条例違反となって犯罪行為となって、犯罪者となる。(ニュースで、追っかけからストーカーになって、裁判所から排除命令が出た、とか、逮捕されたというものを時々耳にすることがありますね...)
「負け惜しみ」:負けたことを悔しがって、ことさら強情を張って負けていないと言い張ったり、弁解することである。兎に角、「負け」を(一切)認めずに何とか言い訳をして取り繕い、あくまでも自分は勝っていて、負けたのは何かのせいにする行為でもある。また、勝敗で「敗北」ということでなくても、何らかの失敗をした場合も、同様の行為をしていると「負け惜しみ」と言われる。
英語では「Sour Grapes」と言う口語的な言い方がある。特に「それは負け惜しみだ」と言うことを「I think it's sour grapes.」という慣用語として使用される。これはイソップ物語に出てくる一説の、キツネが木になっている美味しそうな葡萄を取ろうとして手を伸ばすが、手が届かずに取ることが出来なかった時、「あの葡萄はすっぱいからいいよ」という負け惜しみを言って葡萄を諦めたという物語に由来している。(文字通り「酸っぱい葡萄」という言葉になるが、「Sour」には「酸っぱい」という意味以外にもいくつかの意味がある。「負け惜しみ」を言う場合、「不機嫌な」「気むずかしい」態度をとることがあるが、この「不機嫌な」「気むずかしい」という意味が「Sour」にあるところが面白いところでもある。)それ以外の英語としては「Bad Loser」「Obstinate」「One's Defeat」と言う言い方がある。
とは言っても、早島琴は海王星団の新たなボスであるだけに、負け惜しみでも言って存在感を見せないと、ボスとしての存在感が無くなってしまうだけに、立場上でも負け惜しみを言ったことは、物語としては面白い所でした。
「空砲」:実弾を込めないで、火薬だけを使った銃や大砲のこと、若しくはその発射音のことを言う。実弾を使っていないため、当然のことながら相手を殺傷することや、破壊を行うということは起こらない。現在では、「歓迎」の意味を表したり、「敬意」を表す表現として、外国の要人を迎えた場合、式典などで一般的に行われている。また、軍関係の場合では、戦死者に対する軍葬の際、弔意を表す意味としても行われている。(フィクションであっても、軍葬のシーンには登場していますね。)
空砲を撃つというのは、長い歴史のある行いであって、帆船が主役だった大航海時代からの名残である。というのは、当時の大砲は、一度発射すると、次を発射するには相当な時間がかかる(発射の反動で大砲は後方に移動してしまい、それを元の位置に戻し、更に筒先から中を掃除して、新たに火薬を装填して弾を込め、導火線に火を付ける必要がある。)ためであり、その間に相手から攻撃されると無防備な状態になってしまう。つまり、大砲を発射すると次の発射まで時間がかなりあり、相手に対して間接的に攻撃の意思がないことを伝え、敬意を表すというものである。この中から「空砲は敬意を表す」という所だけが受け継がれ、現在でもそれが国際的な礼儀となっている。(現在の兵器であれば、空砲の後に実弾の(連続)発射も可能になっていますが...)
尚、「空砲」と同じ「くうほう」と読むが、「空包」というものもある。こちらは、実弾の代わりに木製や紙製、コルク製の栓を弾として装填し、火薬を使って発射音だけが出るようにした演習用の弾丸のこと、若しくはその発射音のことをいう。これは演習の際に実際に使われている。
ここで注意しないといけないのは、「空砲」と「空包」は、共に「発射音」のことを意味する言葉として使用されているが、それ以外の意味で物を指す場合は、「空砲」は大砲や銃のことを、「空包」は弾丸のことを指しているので、全く意味が違うものになる。よって、「空包を装填した空砲を携帯する」ということは叶であるが「空砲を装着した空包」というものは存在しないことになる。(これは言葉の遊びの一つですが...)
尚、英語では「空砲」のことを「Blank」、「空包」のことを「Dummy Cartridge」と言う。(当然であるが、ちゃんと別の言葉となっている。→日本語でも「空砲」と「空包」は別の言葉であるが、同じ発音というのはややこしいだけに...)また「空砲を撃つ」は「Fire a Blank」と言う。
「小劇団」:舞台演劇の上演を行うことを目的として組織された団体のことを「劇団」と言うが、その中でも規模の大きくない組織のことである。
欧米では、劇場の付属団体として劇団が存在するのが一般的であるが、日本では劇場が劇団を持っているというのは希である。(劇場を持っている劇団としては、宝塚歌劇団や劇団四季などがあり、専用劇場で上演が行われる。)そのような劇団は大劇団(大規模劇団)と呼ばれ、それに対応する形で、劇場を持たず、サークル的な集まりであったり、劇団の運営から上演作品の脚本、演出、主演などを1人で行っているような劇団のことを「小劇団」と言う。(ある程度の人数はいるが、劇場を持っていない劇団を「中劇団」と言う。)但し、「中劇団」「小劇団」の明確な境となる規模というのはなく、相対的な大きさから分けて呼ばれるのが一般的である。
また、「大衆劇団」と呼ばれる劇団で、日本全国各地を旅をしながら上演を行う小規模な劇団があるが、これも劇団の規模からすると「小劇団」に含まれることになる。(一般的には数人から十数人程度という規模であるため。)
ちなみに、佐藤二朗さんは1996年に劇団「ちからわざ」を旗揚げして主催しているが、これまで行われた全ての公演では作と出演を行っている。規模からして、典型的な「小劇団」ということになるが、自虐的にネタにしてしまうところがまた二朗さんらしいところでもありますね。
「反響」:音波が壁などの障壁物に衝突し、そこで反射して元の位置に戻って来る現象のことである。この例としては「こだま」「やまびこ」があり、誰でも経験したことがあるでしょう。
音波は空気の振動であるが、物体に衝突するとそこで反射が起こる。そのため、元の方向に戻って行く。反射をする際、特定の周波数帯域の音が特に弱まったり、振幅が弱くなるのが一般的であるが、この物語の現場のようにコンクリート打ち抜きというところでは反射率が高いため、特に声がこだますることが起こる。(普通の住宅の室内でも同様の現象が起こるが、壁が吸音して反射が少ないため、あまり感じない。但し、浴室では反射が多くなるため、似たようなことを体験できる。)
英語では「Echo」言うが、これはカラオケで「エコー」と呼ばれるその「エコー」でもある。(カラオケの「エコー」は「反響」と「残響」(英語では「Reverberation」。音源の発音を停止しても、音が響いて聞こえる現象のことであり、60dB減衰するまでの時間を「減衰時間」と言う。)を加えた信号処理が行われているものである。)
尚、あることの影響が他に引き起こす現象のことや、有名人や芸能人の発言や発表などによって起こる世間の反応のことも「反響」と言うが、これは「音の反響」から転じた使い方である。
↓参考まで
芝居に行こう!―小劇団・小劇場早わかりハンドブック (ムックセレクト)
- 作者:
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音波シミュレーション入門―Visual Basicで物理がわかる
- 作者: 吉沢 純夫
- 出版社/メーカー: CQ出版
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