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「犬」(その2) [映画(邦画)]

今回は1964年に製作されたシリーズ第1作と第2作についてです。

シリーズ第1作宿無し犬
作品データを記しておくと、1964年の大映京都の作品で、時間は91分、監督は田中徳三、脚本は藤本義一、撮影は武田千吉郎、美術は西岡善信、音楽は塚原哲夫である。そして出演は、田宮二郎、天知茂、江波杏子、坂本スミ子、成田三樹夫、水島道太郎、五味龍太郎、島田竜三、須賀不二男、佐々木孝丸、水原浩一、寺島雄作、木村玄、西岡慶子、毛利郁子、西川ヒノデ、たちである。

女よりもコルトが好きという鴨井大介。彼は母の墓参りのため高松にやってきたが、墓地はゴルフ場となっていて墓はなかった。で、憤慨した大介だったが、金比羅参りをする途中にであった美人に興味を持った。その夜、宿で大介は、やくざにかこまれて口論する昼間の美女を見ると、喧嘩に割って入り、一人の肩口を刺した。翌日、大介は沼野観光の社長と言う男から30万円を差し出される。事情を聴くと、昨日大介が喧嘩をした相手は大興組の連中であれ、沼野を狙っていたが、大介が割って入ったことで助けられたというのだった。しかも大興組は、墓をゴルフ場にした張本人であると知らされた。大介は大興組に乗り込もうとしたものの、沼野にひきとめられ、食客となる。それ行こう、大介はあの美人を何度も見かけるが、彼女にはボディガードが守っていて、話しかけることも出来なかった。そんな中、沼野の経営する宿が火事になり、焼け出される。この火事は青井が保険金詐欺で金を得ようとして企んだものだった。で、沼野から青井を殺すように頼まれる大介。しかしそれを断ると、沼能の元を出ていった。そんな大介の元に、気になった美人のボディガードをしていた男が尋ねてきた。彼は実は刑事で、大興組、沼野観光、青井という悪の繋がりを断ち切るために動いていたのだった。で、青井を連れ出して欲しいと頼まれる。これに、あの美人の居場所を教えて貰うという交換条件で、大介は引き受けた。(美人の名前は麻子と知る。)で、情夫・康市の前で、麻子か墓の落とし前として4200万円のどちらを選ぶか迫る。これに康市が麻子を殺そうとしたが、康市を海に落して麻子を連れ去った大介だった。しかし、大介は康市と麻子が姉弟だと知り、康市の骨を引きとるために大興に乗り込んだが...

主人公・鴨井大介は女に持てるプレイボーイという設定であり、パット見ただけでは単なるお調子者に見えるのだが、拳銃の腕前だけは人並み外れたものがあるという設定が面白く、'50年代からある無国籍ヒーロー作品の様な雰囲気があって、楽しませてくれる作品である。シリーズ作品の題1作ということでは、主人公のキャラを掴むまでが問題となるのだが、特に抵抗なく入って行くことが出来るので、まずは合格と言ったところでした。

シリーズ第2作喧嘩犬
作品データを記しておくと、1964年の大映京都の作品で、時間は89分、監督は村山三男、脚本は藤本義一、撮影は渡辺公夫、美術は高橋康一、音楽は土橋啓二である。そして出演は、田宮二郎、浜田ゆう子、山下洵一郎、坂本スミ子、成田三樹夫、千波丈太郎、玉川良一、海野かつを、遠藤辰雄、榎本美佐江、守田学、藤井竜史、橋本力、小山内淳、阿部脩、小原利之、村上不二夫、伊東光一、小柳徹、中田勉、松浦いづみ、橘喜久子、たちである。

刑務所にいた鴨井大介が出所すると、刑務所時代に彼のことを慕っていて、先に出所した小吉の家を訪ねた。が、小吉は女房・町子を暴力団に連れられていき、新聞記者・佐々木にしつこく取材されている所だった。で、町子を連れて行った暴力団のいるクラブに乗り込む。そのクラブの経営者は、土建屋の天地組のボス・小森安五郎であり、大介が刑務所にいた時、同房だった男だった。小森は大介の腕を知っていたので、町子をあっさりと返した。で、それからの大介は、小吉の世話で仕事を始め、気になる女も現れるようになる。が、拳銃を持っていないと心が落ち着かない大介は、小森に頼んで拳銃を手に入れたが、その交換条件として、小森の工事現場の監督を務めることになる。が、新聞記者・佐々木から、小森と蒲生が悪だくみをしていて、その邪魔となる大介を消そうとしていると教えられる。そんな中、蒲生の言葉によって踊らされた労務者たちの逃亡を小吉が手助けし、それに怒った小森が小吉を殺した。で、大介は怒りが爆発、小森の元に殴りこみをかけ、小森たち一味を全滅させた。新聞記者・佐々木から警察がやってくることを教えられた大介は、そのまま夜の闇に消えていった。

本作では、この手の作品ではお決まりの、刑務所から出所してからの物語になり、シリーズ作品らしいものになりました。ノリは前作から大きく違っていないので、シリーズ作品としての正否が決まることになる第2作ということでは順当な展開でした。

 

↓本シリーズはDVD化されておらず、ビデオです。

宿無し犬 [VHS]

  • 出版社/メーカー: 大映
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喧嘩犬 [VHS]

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ケータイ刑事銭形泪1話[裏ネタ編]PART 5 [ケータイ刑事]

銭形泪」の第1話「涙を武器にする女 ~かるたクイーン殺人事件」の裏ネタ編・増補の第3回(この物語についての通算では5回目の裏ネタ編)は、荻野姫子が10連覇を達成するとなれた「永世クイーン」の「永世」について、そして「インチキ」についてと「ブロックサイン」について、ウメが荻野姫子に勧めた「辞退」について記します。

この物語について過去に記した記事については「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての「裏ネタ編」は、2008/7/3と2008/7/10付けで記しています。)

永世」:果てしなく続く年月、限りなく続くこと、この世の続く限り、という意味である。類義語としては「永年」「永久」等がある。但し、「長く続くこと」という意味の言葉である「永遠」とは異なっていて、あくまでもある条件の下で続くことという意味があるため、「永久」と同じ意味と言うことになる。

「永世○○」というもので知られているものとして、「永世中立国」「永世皇族」「永世称号」などが広く知られている。

「永世中立国」としては、現在ではスイス、オーストリア、トルクメニスタンの3ヶ国がある。また、ベルギーとルクセンブルグはかつては永世中立国であったが、それを破棄して、現在では「永世中立国」ではなくなっている。→国内法(憲法など)で規定しているので、その法律が生きている限り、という条件下で続くということである。(よって「永遠」ではなくて「永久」という意味での「永世」である。)

「永世皇族」は日本の皇族に関する規定であり、明治時代の皇室典範で規定され、現行の皇室典範でも定められているものである。これもやはり法律であるため、場合によってはそれを破棄することも出来る。よって、これも「皇室典範」が存続する限りという条件下で続くことであり、やはり「永遠」ではなく「永久」という意味での「永世である。

一方、「永世称号」というものは、将棋の世界に於いて、同一タイトルを一定の期数獲得、若しくは同一棋戦で一定回数以上優勝した者に与えられる称号である。但し、基本的には引退後に名乗るのが原則である。(一部の例外はある。)ここでいう「永世」は、その人が没した後であってもその称号で呼ばれるため、「永久」というよりは「永遠」に近い所がある。(一応、将棋界が存続する限りという条件があるものの、歴史となるものであるため、例え将棋界が消滅してもこの称号は無くならないと思われる。→鎌倉、室町、江戸幕府はいずれも現在では消滅しているが、歴代将軍は現在でも「将軍」と呼ばれているのと同じ考えである。)

これらの称号は「永世竜王」「永世名人」「永世九段」「永世十段」「永世王位」「永世棋王」「永世棋聖」「永世王将」があり、女流棋士の世界では「永世○○」とは呼ばずに「クイーン○○」と呼ぶ永世称号がある。(「クイーン名人」「クイーン王位」「クイーン倉敷藤花」「クイーン王将」→「ケータイ刑事」が喜ぶ様な名称ですね。)尚、女流の4つはいずれもが通算5期で与えられるものであるが、男のものである「永世○○」のタイトルは、そのタイトルによって獲得条件が異なっている。「永世竜王」は連続5期または通算7期、「永世名人」と「永世棋聖」は通算で5期、「永世九段」は連続3期、「永世十段」と「永世王将」は通算10期、「永世王位」は連続5期または通算10期、「永世棋王」は連続5期である。→「連続」というのはかなり厳しいですね。特に連続5期という「永世棋王」は連続4期を3回数繰り返しても届かないが通算だけの「永世名人」「永世棋聖」「永世十段」「永世王将」であれば、連覇を全くしなくてもタイトル獲得を繰り返していけばいずれは到達することになります。(但し、時間の方もそれだけ長く掛かることになりますけど...)

また、全日本かるた協会が毎年行っている競技かるたの名人戦/クイーン戦では、名人を連続5期または通算7期、クイーンを通算5期となると「永世名人」/「永世クイーン」の称号が与えられることになっている。

この物語に登場した「新日本かるた協会」の「永世クイーン」というのは「連続10期」でその称号が獲得ということになっているが、この条件というのは、上記の将棋や競技かるたの「永世称号」の規定と比べてもとんでもなくハードルが高いものということになる。これを考えると、「連続10期」ではなくて「通算10期」で「永世クイーン」が得られると考えた方が妥当なものと思われる。(この規定だと、過去に9連覇を達成した音無ウメは、「永世クイーンを獲得できなかった」と言っているが、後1回クイーンになると獲得できることになる。)尚、ウメが「出来なかった」と過去形で言っていることを考慮すると、この物語に登場した「新日本かるた協会」の「永世クイーン」を獲得するには、出場回数の方にも上限がある(例えば出場回数は20回までなど)のか、出場者に年齢制限があるという別の条件があるのかも知れませんね...

インチキ」:一般的には「ごまかし」「不正なこと」のことを指して言う言葉である。また、そこから派生した意味としては「でたらめな」という意味もある。特に博打などの賭け事では、相手の目を盗んで不正を行うこと、まちはその行為のことを言い、この場合は「イカサマ」と呼ばれることもある。

英語ではいくつかの言い方があって、「Phony」と言う言葉が使われるかせ、不正行為ということに重きを置いた場合は「Quackery」、「ニセモノ」というニュアンスでは「Sham」や「Fake」または「Counterfeit」、「詐欺」というニュアンスを出す場合には「Fraud」等が使われる。尚、「それはインチキだ!」と指摘する場合は「Phony!」と叫べばよいが、この言葉は覚えておくと、海外旅行をした場合に役に立つ場合があるかもしれません。

ブロックサイン」:野球やイカサマ賭博で用いられる「合図」のことである。この物語では「イカサマ賭博」ではないが、インチキをしているという所ではそれに準じているものと言うことが出来る。

インチキをするための「サイン」は、「これから行うぞ」という合図であり、インチキを行う仲間内でその意思を伝えるために用いられるものである。この物語では、姫子とウメがグルになっていて、姫子が次にそれを行うという意思を伝えるために使用されたが、これは典型的なインチキの合図である。

また、やくざ映画に於いては、賭博場でイカサマを行うというのはよくあるものであり、特定の目が出るように仕掛けられたサイコロにすり替え、その目に賭けることで大儲けをしようと企むものである。(で、パターンとしては、主人公がそのイカサマに気づき、「イカサマだ!)」と声を上げ、賭場で暴れ、用心棒との間で争いになる、という展開になる。)

または、ルーレットでは、思い通りの目を出すことが出来る熟練ディーラと組み、ディーラーが賭けた目が出るように合図を送ったり、プレーヤーとの間で予め決めた目を出すという合図をディーラーが送るというようなイカサマがある。(映画ではこういうシーンはよくありますね。)これを実行する時にも「サイン」が出される。

それ以外の賭け事でも、花札やトランプ(ポーカーやブラックジャックなど)、麻雀などでは、上位の役が得られるような札や駒とすり替えを行うとイカサマがある。(但し、これらの場合は、誰かと組んでイカサマが行われるというよりは、その人が単独で行うことが多くこともあって、合図となる「ブロックサイン」の登場とは成らないことが多い。)

野球では、監督が選手に作戦を伝えるために用いられるものであって「サイン」と呼ばれることもある。英語では「Signal」と言う。(「Sign」は「Signal」の省略した形である。)現在の野球はこれが細かく決められている。

尚、野球の世界で最初に使ったのは、巨人、東映(現在の日本ハム)、中日で監督を務めた水原茂監督とされている。(監督として通算で21年務め、優勝9回、日本一5回という輝かしい結果を残している名監督である。)

サインには、一般には「ブロックサイン」と「フラッシュサイン」があるが、野球で監督が作戦を伝えるのに使用されるものは「ブロックサイン」である。

「ブロックサイン」は、身体などの各部分を次から次に触っていくというものである。キーポイントになる部分を予め決めていて、キーポイントになる部分の次に触った部分を実際の指示とすることが多い。このため、複雑な動きになり、相手には見破られにくい。(が、見落としや勘違いなどが増えて、正しく伝わらない場合もある。)一方、「フラッシュサイン」は体のある部分を触ったり、特定の一つの動作によって指示を与えるものである。単純であるため見落としということか少なくなるが、簡単なものであるため、相手に見破られやすくなる。

野球に於けるサインの一例を記しておくと、「ブロックサイン」では、「頭」「鼻」「顎」「肘」「胸」「手を叩く」などを連続して触っていくという一連の動作で伝える。一方、「フラッシュサイン」では、「ブロックサイン」の時に触る各場所のいずれか1つだけを触り、これで伝える。

また、以前に存在したものとして、ピッチャーとキャッチャーの間では投球の連絡のために「乱数表」をサインとしてかつて使用していたことがあった。これはとても複雑なものになり、相手に見破られる可能性は低くなるが、サインの交換に時間がかかり、試合時間が長くなるという弊害のため、1983年に禁止された。

辞退」:へりくだって引き下がること、自分の既得の地位や権利などを遠慮して放棄すること、勧められたことを遠慮して断ること、である。英語では「Refusal」という言葉と「Declination」という言葉がある。

これはあくまでも自分から申し出ることであって、「断り」の一つである。しかし、一般に言う「拒否」とは異なって、既に有しているものを放棄するとか、勧められた物事を断るということであって、何も有していない状態や全く勧められているものが無い状態での「拒否」とは違うものである。よくあるのは、何らかの大会に「出場辞退」するということや、選挙に「立候補を辞退する」というものがある。前者では、出場権を持っている状態で、その出場権を放棄するものであり、最初から「出場しない」というものではない。(大抵は、何らかの不祥事を起こしたため、謹慎の意味で辞退するというものが多いですね。)一方、選挙でも同様であって、他人から立候補を勧められたのを断る場合は「辞退」となるが、他人から勧められずに自分で立候補しないというのは単なる「不出馬」でしかない。

また、現在は就職難の時代となっているので、このようなことは少なくなっているが、バブルの時代などでは「就職の内定辞退」というものが多く見受けられた。(現在でも少なくなっているものの、あるにはある。)これも「内定」ということがあって、その会社に就職するという権利を放棄するということになるので、立派な「辞退」である。

 

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飛翔―谷川浩司 永世名人への道

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スイスと日本 国を守るということ -「永世中立」を支える「民間防衛」の知恵に学ぶ

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オーストリア―永世中立国際国家 (waseda libri mundi)

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いんちきおもちゃ大図鑑―中国・香港・台湾・韓国のアヤシイ玩具

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インチキ霊能力者にダマされるな!―正しい霊能の見分け方、使い方を公開!

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ケータイ刑事銭形泪36話(2nd.23話・アナザーストーリー1話)[裏ネタ編]PART 1 [ケータイ刑事]

今週の「名曲探偵アマデウス」はファイルNo.043のホルスト『組曲「惑星」』の再放送だったので、ちゃんが代打で登場です。尚、今月の「名曲探偵アマデウス」のラインナップは、11/8がファイルNo.048・ショスタコーヴィチ「交響曲第5番」、11/15がファイルNo.049・プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」、11/22がファイルNo.050・ヤナーチェク「シンフォニエッタ」という予定です。


銭形泪・裏ネタ編」も「アナザーストーリー」の4話を残すところまで来ました。今回からはその「アナザーストーリー」に突入です。で、通算では第36話となる2nd.23話(アナザーストーリーの第1話)となる「まりもクイーンVS女王卑弥呼 ~邪馬台国を迎撃せよ!」の裏ネタ編の初回となる今回は、サブタイトルにある言葉から「まりも」について、「卑弥呼」について、「邪馬台国」について、そして「迎撃」について記します。

尚、約3年2ヶ月前のBS-i(当時)での再放送時に記した本編について記した記事(「改訂版」となります。)は「ここをクリック」してご覧下さい。

まりも」:漢字で記すと「毬藻」、英語でも「Marimo」という。緑藻類シオグサ科の淡水藻である。世界の寒冷地の淡水湖に分布しているが、球状になって分布している所は少ない。

日本では北海道・阿寒湖に生息しているものが特に有名である。(特別天然記念物に指定されている。)阿寒湖以外では、釧路湿原のいくつかの湖沼やチミケップ湖、青森県の左京沼、田面木沼、小川原湖など、山梨県の山中湖、河口湖、西湖、滋賀県の琵琶湖などである。但し、阿寒湖と小川原湖以外では、特にボールのような球形にはならずに分布している。

外国では北半球の寒冷地の湖に分布しているが、球状になったものが確認されているのはアイスランドのミーヴァトン湖、エストニアのオイツ湖ぐらいである。

本来は糸状の藻であるが、阿寒湖などで球状になるのはいくつかの条件があって出来上がるものである。糸状の藻が絡み合い、それが水中を沈んだり、光合成で生じた酸素のために浮き上がったり、更には河川の流入や風による水の動きなどによって動くが、この時に転がるように動くことでボールのような形に形成されていく。つまり、自然の力で丸くなるものであり、自らの生育によって球状になるものでは無い。→特に阿寒湖の毬藻は大きいものは直径が25cm~30cm程度まで生育する。

但し、直径が大きくなると、球の内部の方までは太陽光が届かないため、その部分の藻はそれ以上生育することが出来ず、枯れてしまう。そのため、球形の中心部分は中空になる。そして、その部分は糸状の藻が無くなるため、大きさを支えきれなくなって、自然と崩壊してしまう。(小さいものも、中心部になると藻の生育が鈍るのは同じである。)但し、球形が崩壊しても、本来は糸状の形をしているため、それが再び水の動きによって丸められて、新たな球状の毬藻へとなっていく。尚、水の動きが無い所では、糸状の藻は芝生状になってそのまま生育していくことになる。

ちなみに、阿寒湖をはじめ、観光地では「毬藻」が販売されているが、これらは自然に出来た毬藻ではなく、糸状、もしくは芝生状になった毬藻の藻を集め、それを人工的に丸めたものである。(阿寒湖の毬藻は特別天然記念物であるため、それを採取することは禁じられているので、天然の球状になった毬藻を持っていると処罰されることになる。)→(人工的に丸めた)毬藻を育てることは、法的にも問題はない。(だからお土産として販売されている。)

お土産の毬藻は人工的に丸めたものであり、育てていくと自然と崩壊してしまう。球形を保つためには、ある程度転がることが必要である。単に水槽の中に入れておくだけでは、それほど大きくならない内に自然と崩壊してしまう。(天然の毬藻の大きさにというのは無理であるが、ある程度の大きさにまで育てようとするのなら、水槽をシーソー状にするとか、ら旋運動をするような仕掛けを作り、毬藻が転がっていくようにする必要がある。→そこまでするには、結構な仕掛けとなるため、何かとお金が掛かるのは言うまでもない。まあ、人工的に丸めた毬藻を定期的に手で丸めてやることぐらいは出来るが、それほど長い間球形を保つことにはなりません。)

また、毬藻は寒さには強く、厚さには弱い。そのため、夏場は保管場所に気をつける必要がある。尚、冷蔵庫の中に入れて保管するというのは有効である。

卑弥呼」:「ひみこ」と読むが「ひめこ」と呼ぶ場合もある。生没年は不明である(一応、175年頃の生まれで、248年頃に亡くなったとされている。)が、2世紀の後半から3世紀前半に活きた人物であり、「魏志倭人伝」に出てくる「邪馬台国」の女王であり、また倭国の王でもある。

2世紀の後半に、倭国大乱と呼ばれている争乱が起こり、これまでは男の央河と打ちしていた倭国の統治が乱れ、数年間続いたとされている大規模な内乱になったが、それを解決する方法として女である卑弥呼を倭の国の王として立て、騒乱に終止符を打ったとされている。この大乱を鎮めたことで30数カ国を統治することになった。

倭国の王となってからは、難升米(なしめ)を魏の国に使者として派遣し、親魏倭王の仮の金印(福岡市の志賀島で発見された「漢委奴国王印」は余りにも有名である。)と銅鏡100枚を与えられ、「魏志倭人伝」に記されることになった。

呪術的宗教の巫女であった彼女は夫を持たず、弟(有男弟佐治國)を補佐役として国を統治した。尚、卑弥呼は人前には殆ど姿を見せなかったとされている。

248年前後(一応、西暦240年代の後半に死亡したとされている)に没すると、直径が百余歩もある大きな塚を作り、卑弥呼を埋葬した。この時に、奴婢100余人を殉葬したとされている。王位の方は男王が継いだが、統治することが出来ず、親族である13歳の壹與(とよ、一般的には「台与」という文字で代用される)が王位を継ぎ、国中が治まったとされている。

邪馬台国」:「魏志倭人伝」に記されている2世紀後半から3世紀前半に倭の国(当時の日本)にあった最大の国である。女王卑弥呼が支配していた国でもある。尚、「三國志」では「邪馬壹国」と表記されており、「後漢書」では「邪馬臺国」と記されている。尚、現在では「邪馬台国」と表記するのが一般的となっているが、「耶馬台国」と表記されることもある。また、読みは「やまたいこく」であるが、「やばたいこく」と読む場合もある。

元々は男王が統治していたが、倭国大乱により倭の国全体が混乱する中、卑弥呼を王として女王の国となり、倭国大乱が治まり、卑弥呼が倭の国の国王になって沈静化した。卑弥呼は邪馬台国の統治を行っていたものの、弟が補佐して統治していて、卑弥呼は呪術師として統治していた。

3世紀半ばに卑弥呼が没すると、男王が後継となるも、人々はこれに服さずに内乱となった。で、卑弥呼の親族である13歳の「壹與」(壱与)が女王と立てることで混乱が治まった。その後、壹與が3世紀半ばに朝貢を行っているが、これを最後にして中国の歴史書からも「倭国」の記録がなくなり、どうなったのかは分からない。(一応、歴史の中に消えてしまったことになるが、邪馬台国が大和朝廷になったという学説もあるものの、確かなことは不明のままである。)

国としては水稲耕作を行っていたことと、「大人(たいじん)」「下戸」「生口」という3つの階級があった階級社会であったとされている。(「生口」は現在で言う所の「奴隷」である。)「魏志倭人伝」などの中国の歴史書に色々と記載がされている。また、「日本書紀」の編者は、邪馬台国と大和朝廷を、卑弥呼と神功皇后は同一であるとされているが、定かではない。

位置に関しては、「魏志倭人伝」に記載があって、「倭国に至るには、船で韓国を経て7000余里で倭国の北岸の狗邪韓国に到着する。そこから海を1000余里渡り、対海国に着く。瀚海と呼ばれる海を南に1000余里渡ると一大国に至る。また海を1000余里渡ると末廬国に至る。東南へ500里陸行すると伊都国に到着する。東南へ100里進むと奴国に至る。東へ100里行くと不弥国に至る。南へ水行20日で投馬国に至る。南、女王の都のある邪馬壹国に至る。水行10日陸行1月。帯方郡から女王国までは1万2000余里ある。」とある。これの解釈を巡って畿内説と九州説とがある。(これ以外にも、解釈の違いによって、吉備、出雲、四国、尾張、千葉、甲信越、岩手、琉球、ジャワなどにあったという説がある。但し、これらの説はいずれもが少数派である。)現在の学会では「畿内説」が有力とされていて学会では9割が「畿内説」を採っているとされている。(これだけの指示があれば確定されそうであるが、決め手となるものが無く、独立した検証も行われる所までいっておらず、確定という所には至っていない。)

また、最近、奈良県桜井市の纒向遺跡(まきむくいせき)の炭素年代測定法による年代測定で新たな動きがあって、この地が邪馬台国のあった地の有力な場所として注目を集めるようになっている。(この遺跡は元々、弥生時代末期から古墳時代に入った頃の遺跡であり、「前方後円墳」の発祥の地とされている遺跡である。時期的にも邪馬台国の存在した時代と一致していて、新たな年代測定による調査の結果が卑弥呼の没した時期にほぼ一致するという結論が出た。但し、反論もあって、確定した訳ではない。)

いずれにしても、歴史に消えた古代王国について、何らかが分かればいいのですが...

迎撃」:攻めてくる敵を迎え撃つことである。また、「邀撃(ようげき)」と言う場合もある。英語では「Intercept」と言う。(あくまでも、相手が攻めてきた場合に迎え撃つことであって、先制攻撃はこれには該当しない。→現在の日本の防衛体制も、相手国が攻めてきた場合に対して「迎撃」するという対処法を実践するために構築されている。)

世界中でも、国籍不明機の領空侵犯があった場合、スクランブルで迎撃機が発進するようになっているが、現在の国際社会では基本となる対処方法である。また、防衛システムとして、敵国が放った弾道ミサイルに対処する方法として、弾道ミサイルを撃ち落とすという「迎撃ミサイル」が存在しているが、これは正に「迎撃」という言葉の意味そのままでありますね。また、攻めてくる爆撃機を撃ち落とす目的の戦闘機として「邀撃機(要撃機)」も知られている。

言葉の意味を考えると、この物語のサブタイトルの「邪馬台国」、更にこの後続く3つの物語の「アドルフ・ヒトラー」「マルコ・ポーロ」「水野晴郎」というものを迎撃せよ、というサブタイトルは、相手が攻めてきて、それに対応せよ、という意味になる。いずれもが何らかの目的があって動きだしていて、その動きが治安を乱す行為であるので、それらを迎え撃て、と考えることが出来るので、特に言葉上は逸脱したものではないですね。

 

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↓いくつか

マリモの科学

  • 作者: 阪井 与志雄
  • 出版社/メーカー: 北海道大学図書刊行会
  • 発売日: 1991/06
  • メディア: 単行本

卑弥呼―邪馬台国のなぞの女王 (学習漫画 日本の伝記)

  • 作者: 柳川 創造
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1988/03
  • メディア: 単行本

卑弥呼―邪馬台国の女王 (講談社火の鳥伝記文庫)

  • 作者: 真鍋 和子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1997/07/28
  • メディア: 新書

邪馬台国 (講談社文庫―清張通史)

  • 作者: 松本 清張
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1986/03
  • メディア: 文庫


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