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「THE PHILADELPHIA EXPERIMENT Ⅱ」 [映画(洋画)]

1993年の映画「フィラデルフィア・エクスペリメント2」である。1984年に製作された作品の続編である。尚、前作で監督が出来なかったJ・カーペンターは原案として名前があるものの、本作には関わっていない。物語は前作の主人公のその後ということであるが、役者も変わっていることもあって、9年の歳月が経過したことになっているものの、違和感が...(それにしても、忘れ去られた頃に続編が作られるとは...)

作品データを記しておくと、時間は98分、原案はジョン・カーペンター、監督はスティーヴン・コーンウェル、脚本はケヴィン・ロック、撮影はロン・シュミット、音楽はジェラルド・グーリエである。そして出演は、ブラッド・ジョンソン、マージーン・ホールデン、G・グレアム、ジェリット・グラハム、ジェームズ・グリーン、クリスチャン・グラス、シリル・オライリー、たちである。

1943年のフィラデルフィアで行った海軍の実験は失敗し、駆逐艦エルドリッジは1984年にタイムスリップし、その乗組員だったデイヴィッド・ハーデッグはそのまま1984年の世界に安住した。それから9年が流れ、時は1993年となった。デイヴィッドは海軍から離れ、妻が死んでからは幼い子供と暮らしていた。そんな中で、軍はウィリアム・メイラー司令官の指揮の下、空軍が中心になって再びあの実験を始めていた。今度はスーパー・ステルス戦闘機のF-117を瞬時に空間移動させね、というものであったが、1943年の時と同様に時空間に歪みが生じて、ステルス戦闘機はパイロットを乗せたまま、1943年のドイツへとタイムスリップした。また、この実験の余波がデイヴィッドの体の特殊なDNAに影響を与え、彼はもう一つの1993年の世界に飛ばされてしまった。そして、そのもう一つの1993年とは、ステルス戦闘機を手に入れたナチス・ドイツ軍がアメリカ本土へ攻撃を行い、それによってドイツが第二次大戦に勝った世界であった。そして対戦終了から50年という年でもあって、世界はドイツが支配する世の中になっていた。そしてデイヴィッドはレジスタンスの女性・ジェスと知り合い、更にロングストリート教授に会った。教授の話によると、1943年にドイツでステルス戦闘機を手に入れたのはナチスの科学者であったメイラーの父で、彼はステルス戦闘機に乗ってナチスを勝利に導いた英雄となっていた。しかし、爆撃の際に事故死を遂げていたらしい。また、この世界のメイラーは、実験装置を使って過去に行き、父にステルス戦闘機に乗らせまいとしていたのだった。時空間を跳躍するにはデイヴィッドのDNAが必要なことから、メイヤーはデイヴィッドを捕らえる。で、装置を作動させてメイラーとデイヴィッドは1943年のドイツ基地に現れる。何だかんだでこれ以上の歴史が変わることを防ごうとするデイヴィッドは、何とかしてステルス戦闘機の爆破に成功した。すると再び時空間に歪みが生じ、メイラーは死に、デイヴィッドは1994年の世界に戻っていた。そして、その1994年は元の平和な世界だった。

タイムスリップものではお馴染みのパラレルワールドやタイムパラドックスが登場するのは良いとしても、物語の展開が余りにもお粗末で、簡単に先読みできてしまい、その通りに物語が進んで行くだけに、つまらないストーリーである。また、「第二次大戦でドイツが戦勝国になっていたら」という設定の物語は他にもいくつかあって、練り方が十分ではないため、そういうものを知っていると本作は考察を手手加減にしているとしか思えない。

また、前作の主人公の9年後の物語となっているが、役者が変わっている。子供が9年後というのなら良いが、大人が9年後というのであれば、そんなに(容姿が)変わることはないだけに、これが全傅と続けて見た場合、大きな違和感となってしまう。→もう少し捻った設定にするべきでしたね。また、前作とは続けて見ない方が良いですよ。

「続編は当たらない」と言うが、その典型的な見本と言っても良いように、目も当てられない駄作になってしまった作品でした。(この作品から16年の間(2009年時点)には更なる続編の製作は無かったが、本作が酷かっただけに、これは当たり前ですね。)

 

↓流石に本作はDVD化されていませんね。(ビデオです。)

フィラデルフィア・エクスペリメント2~超 [VHS]

  • 出版社/メーカー: アイエム
  • メディア: VHS

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  • 出版社/メーカー: アイエム
  • メディア: VHS
↓こちらは輸入版です。
Philadelphia Experiment 2 [VHS] [Import]

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  • 出版社/メーカー: Vidmark / Trimark
  • メディア: VHS
↓前作はこちら
フィラデルフィア・エクスペリメント〈デジタル・リマスター版〉 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD

THE WHO『MY GENERATION』(DELUXE) [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1965年に発表された彼らのデビュー・アルバムをリマスターして、2枚組のデラックス・エディションとして2002年にリリースされたものである。(デラックス・エディションとしてリリースされるアルバムは、本当に名盤揃いである。)イギリスで最高位5位を記録する大ヒットとなり(アメリカではチャートインすることはなかった。)、同名タイトルのシングルも大ヒットを記録しているのはご存知の通りである。また、権利の関係でCDではまともな形でのリリースが殆ど無かっただけに、デラックス・エディションの登場は実に嬉しいところであって、ファンを驚喜させたのも記憶に新しい所である。

収録曲は、オリジナル盤の12曲に4曲のボーナス・トラックが追加されているDISC 1と、「デラックス・エディション」シリーズならではの貴重な音源14曲を収録したDISC 2から構成されている。DISC 1が通常アルバムという位置づけであるのはシリーズでお馴染みである。

DISC 1の収録曲は以下の通りである。『Out In The Street』『I Don't Mind』『The Good's Gone』『La La La Lies』『Much Too Much』『My Generation』『The Kids Are Alright』『Please, Please, Please』『It's Not True』『I'm A Man』『A Legal Matter』『The Ox』『Circles』『I Can't Explain』『Bald Headed Woman』『Daddy Rolling Stone』。イギリス盤のみに収録されていた『The Ox』、アメリカ盤のみに収録されていた『Circles』が共に収録されているのはポイントが高くなりますね。

続いてDISC 2の収録曲は以下の通りである。『Leaving Here』『Lubie (Come Back Home)』『Shout and Shimmy』『(Love Is Like A) Heat Wave』『Motoring』『Anytime You Want Me』『Anyhow Anywhere Anyway』『Instant Party Mixture』『I Don't Mind』『The Good's Gone』『My Generation (Inst.)』『Anytime You Want Me』『A Legal Matter(Mono)』『My Generation (Mono)』。

本アルバムからシングル・カットされたのは全部で4曲である。アルバム・タイトル・ナンバーでもある『My Generation』が1st.シングル(デビュー・シングルではない。)としてリリースされ、イギリスで最高位2位、アメリカで最高位74位を記録している。続いて『A Legal Matter』がイギリスで最高位32位を記録、『The Kids Are Alright』はイギリスで最高位41位、アメリカで最高位106位、『La La La Lies』はチャートインしていない。

オリジナル盤からのお薦め曲は『My Generation』をはじめ、定番曲を並べることになってしまうので、ここではそれは止めておきます。また、DISC 2に収録されているモノラルの『My Generation』とインスト・バージョンの『My Generation』は、DISC 1に収録されているステレオ・バージョンと聴き比べることは絶対にやりましょう。また、オリジナルの全12曲(英米盤で1曲だけ曲が異なっているので13曲と言ってもいいですが...)がCDでちゃんとした形でリリースされたことの価値も高いが、それにDISC 2の音源が貴重なものということで、盆と正月が一緒にやってきたような内容になっているのは、流石に「デラックス・エディション」である。

40年以上昔のアルバムであるが、音質の方も良くなっていて、古さを感じさせることはないというのもポイントが高いところである。THE WHOのファンであれば必携のアイテムであるのは言うまでもないが、「THE WHO」の名前しか知らないという方も、本アルバム(デラックス・エディション)から改めて接していくというのも悪くない。ということで、手元に置いておきたいアルバムである。

 

My Generation (Dlx) (Dig)

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Mca
  • 発売日: 2002/08/27
  • メディア: CD

↓通常盤はこちら

マイ・ジェネレイション

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: USMジャパン
  • 発売日: 2008/08/06
  • メディア: CD

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  • アーティスト: ザ・フー
  • 出版社/メーカー: USMジャパン
  • 発売日: 2009/06/24
  • メディア: CD

「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その145) [ケータイ刑事]

今回から(連続)12クール目に突入ということになるこの連載であるが、連載回数を「ケータイ刑事」の物語に当てはめると、6代目の「銭形海」の話数に突入と言うことになる。まだまだネタはあるだけに、更に続けていきます。

今回は、それを記念して、今まで基本的に「ケータイ刑事 THE MOVIE」は除外していたが、映画の方を扱うことにします。(いずれは映画についても更に記す予定です。)

で、今回のテーマは「自動車(大衆車)」です。(普通の車ではなくて「大衆車」とする所がミソです。)また、見掛を考えたら「ボロ車」と言っても良いですね。取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「M2」(「ケータイ刑事 THE MOVIE 2 石川五右衛門一族の陰謀 ~決闘、ゴルゴダの森」→それにしてもやっぱりタイトルが長い...以下は「M2」と記すことにします。)、「007」からは「ユア・アイズ・オンリー」です。

ケータイ刑事」:「M2」。2007年の劇場公開作品であって、シリーズでは2本目の劇場版である。(現時点では劇場版としては最新作ということになる。)本家の四女・ちゃんと、分家の長女・ちゃんの共演という物語であり、また、松山さんが「ケータイ刑事」シリーズに初登場した物語でもある。

「ケータイ刑事」では主役となる銭形の設定年令が18才未満であるため、車の運転免許を取ることが出来ない年令である。そのため、自動車の登場ということが少ない。また、登場しても、銭形は助手席であって運転しない(出来ない。)「ケータイ刑事」では、「ゴールデンアイ」に登場したボンドカーでもあるBMW Z3ロードスターが登場したことがある(「・2nd.10話」)が、相棒の高村さんが運転していて、ちゃんは助手席でした。よって、ここでも車を運転するのは相棒であり、銭形は助手席と言うことになる。(ちゃんは中学生なので、免許は当然持っていないですから。また、お客さんでもないので、後部座席には乗らず、助手席に乗ったと考えるのが当然である。)

この物語に登場した車は、松山さんの愛車である日産ダットサンである。(形名までははっきりとしないが、ダットサン・ブルーバードの2代目の410型系のいずれかと思われる。→デザインからの判断です。)ダットサン・ブルーバードは1959年に初代が登場し、モデルチェンジを繰り返して2001年まで42年間製造された車である。(但し、1983年に登場した7代目からは「日産ブルーバード」となって「ダットサン」の名前は使用されなくなった。最終的に6代目である「ダットサン・ブルーバード」は1993年まで製造されていた。)大衆車として広く普及した車である。

この物語に登場したものはデザインから2代目のシリーズだと思われるが、そうなると1963年から1967年に量産されていた車と言うことになる。(映画は2007年だったので、少なくとも40年前の車と言うことになる。)一応、松山さんは「車検から戻って来たばかりだ」と言っていたので、整備を繰り返してずっと現役として使っていたということになる。ひょっとしたら、松山さんが刑事になって、中古車として最初に買った車であって、ずっと乗り続けているのかもしれませんね???(ただ、ナンバープレートが「練馬500 ほ 48-38」ということなので、乗り続けているとしても登録変更を行っていることになります。ちなみに、色は白である。)

警視庁でちゃんと松山さんがコンビを組むことになって、ゴルゴダの森に向かうが、この時に2人は松山さんの車(ダットサン・ブルーバード)に乗って出ていった。(しかし、劇中では移動中の様子は全く描かれていない。)が、松山さんの車はオーバーヒートを起こすという故障となり、松山さんは車から降りてボンネットを荒れてエンジンの様子を見ていた。ちゃんは「本当に車検から戻って来たばかりなんですか?」と突っ込んでいたが、松山さんは「よくあることだ」と言って笑っていた。(お約束としては、ボンネットが閉じてしまって、松山さんが挟まれる、というのがありました。(最初は顔毎挟まれ、2回目は手を挟まれていた。))

その場所はゴルゴダの森の近くでもあったことで、「歩いていくぞ」と言って、松山さんは歩き出し、ちゃんも松山さんの後を徒歩でついていった。→一応、目的地の近くまでは移動できたので、エンコしたボロ車とはいうものの、それなりに役に立った。

007」:「ユア・アイズ・オンリー」。1981年のシリーズ第12作で、3代目ボンドの第5作である。ヨーロッパを舞台とした物語であり、海(海中も含む)、リゾート地、雪山、岩場まで、色々な場所が舞台となっている作品である。

この物語に登場した車は、ボンドカーとしてはロータス・エスプリ・ターボ(当然のことながら、いくつかの秘密兵器を搭載している。)があるが、今回のテーマに合致する車ではありません。この物語で取り上げる車はシトロエン 2CVである。この車は1948年に最初のモデルが登場し、1990年まで生産され続けた車である。当然のことながら、改良が繰り返され、また派生した射手も多い。(市販されないプロトタイプは1939年に作られている。)国民車ということで広く普及した小型大衆車であり、名車と呼ばれている一つである。

スペインで暗殺者ゴンザレスを追ったボンドは、ゴンザレスの別荘から脱出したが、乗ってきたロータス・エスプリ・ターボを敵に発見され、自爆したため、車が無くなってしまう。一方、途中で出会ったメリナ(=ボンドガール)と共に逃げる。で、メリナは「こっちよ」と言って自分が乗ってきた黄色いシトロエン2CVの所にボンドを連れて行き、メリナの運転でゴンザレスの手下の追ってから逃げる。が、2CVは小型車であり、スピードが出るような車ではない。直ぐに追っ手の車(プジョーのセダン)に追いつかれ、田園地帯の山道を、ショートカットしながら必死に逃げる羽目になる。途中でボンドが運転を代わり、必死に逃げるが、車の能力の差は大きく、直ぐに追いつかれてしまう。転がったり、くねくねした道をショートカットしながら、追っ手の2台の内1台を木上に突っ込ませることに成功したが、もう1台が追ってくる。

田舎町まで何とか逃げてきたが、対向車としてバスがやってきた。脇道にハンドルを切るボンドだったが、余りにも急激にハンドルを切ったため、車は横転してしまい、脇道に転がっていって横転してしまった。が、幸いなことに、すれ違ったバスがその場に停車したことで、結果的に道を塞ぐことになり、ボンドの追っ手の車も立ち往生となってしまった。その間にボンドは、地元の人たちの力を借りて、横転した車を起こし、再出発しようとする。が、エンストを起こして動かない。で、人々に押して貰い、何とかエンジンも掛かり、再び逃げるボンドとメリナ。

追っ手の車は銃を発砲して、バスに道を開けさせて、ボンドたちを追う。再びカーチェイスとなるが、最終的にはボンドのテクニックが追っ手の車をクラッシュさせて、無事に逃げ切った。

大衆車であり、スピードも出ないボロ車であるが、堅牢な作りであって、横転しても壊れないという丈夫なところ、軽自動車であるために軽い(重量は500kg程度)ために横転しても人力が元に戻すことが出来ること、悪路走行に強い設計がされていること、というように、この車の特徴をいかんなく発揮して、見事に逃げ切ったということで、大活躍をした。(少なくとも、ロータス・エスプリ・ターボよりは大活躍した。ただし、追っ手が放った銃弾を受けて、横転したり、追っ手の車と何度もぶつかっているために、最終的にはボロボロになってしまいました。(それでも動きます。))

兎に角、秘密装備を色々と持っているロータス・エスプリ・ターボが全く役に立たずに自爆してしまい、秘密装備も何もないボロ車の2CVが大活躍をしたというのは、実に痛快な所でもありました。

共通点は、登場した車が大衆車であり、しかも共に42年間の長期にわたって製造された車だということである。(偶然にしろ、数字的な共通点があるというのは驚くべき所である。)また、共にエンジン・トラブルを起こして動かなくなってしまった所も共通している。そして、見掛はボロ車であるが、目的を果たした(「ケータイ刑事」ではゴルゴダの森への移動、「007」では追っ手から逃れること)ことで立派に働いたという所である。

違いは、「ケータイ刑事」では目的地が近かったことで、その場に放棄して徒歩で先に向かった(JAFに連絡したのかは不明である。)が、「007」では追っ手を振りきって、そのまま脱出に成功した、ということである。(後に松山さんは警視庁に戻っているが、その時に再び乗ったのかは不明である。)

次回は、「ケータイ刑事」の方で取り上げる物語はTVシリーズに戻して、シチュエーションということで記す予定でいます。何が登場するのかはお楽しみに。

 

ケータイ刑事文化祭inゴルゴダの森~銭形海+THE MOVIE 2.1~ [DVD]

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ユア・アイズ・オンリー [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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ユア・アイズ・オンリー (アルティメット・エディション) [DVD]

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