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「サラリーマン出世太閤記」(その4) [映画(邦画)]

今回はシリーズ5作品の中で白黒作品だった最後の1本であるシリーズ第3作について記します。また、前2作は1957年の作品であったが、本作以降は1年に1本のペースとなります。

シリーズ第3作続々サラリーマン出世太閤記
作品データを記しておくと、1958年の東宝作品で、時間は92分、白黒作品である。監督は筧正典、脚本は笠原良三、撮影は鈴木斌、美術は小川一男、音楽は松井八郎である。そして出演は、小林桂樹、小林桂樹、三好栄子、加東大介、安西郷子、東郷晴子、白川由美、団令子、沢村いき雄、宝田明、佐原健二、有島一郎、宮田洋容、加藤春哉、佐田豊、扇千景、東野英治郎、朝比奈愛子、八波むと志、香川悠子、塩沢とき、春日井宏往、ミッキー・カーチス、たちである。

地方工場勤務だった木下秀吉は、本社に出頭せよ、ということで本社勤務になると思って本社に向かった。が、本社勤務ではなく、城西地区営業所への勤務命令であり、しかもその職はセールスマンだった。これにガッカリした秀吉はセールスマンとして売り込みに努めるが、良いことがなく、商売敵のセールスマン・今川好子に睨まれたり、同僚セールスマンたちからは脅かされていた。しかし、めげずに頑張る秀吉は、恋人であり、本社でタイピストをしている千枝子にも会わずに、セールスマンの勉強をして熱心に行っていた。そんな時、パチクリ軒のエイ子が、友達の娘である未知子を紹介してくれた。これは車を売れると思い、張り切る秀吉だったが、未知子は秀吉にとっては疫病神だった。そんな中で、ある料亭に呼び出される。底にはライバルの好子がいて、東亜観光の取引から手を引くように言われる。これに、フェアプレイで勝負をすることを告げた秀吉は、好子の脅しには乗らなかった。その夜、寮に帰ると、実家から母が来ていた。これはエイ子の父・為助が娘と秀吉をくっつけようとする策略だった。が、秀吉は、母が来ているのならば千枝子を紹介しようとして、本社に行った。が、千枝子は、父の部下である橘と結婚することを決めていて、丁度辞表を提出した所だった。ということで千枝子にふられたことを知った秀吉は酒に溺れ、仕事上でもミスをしてしまう。辞表を出そうと思った秀吉だったが、エイ子が励まして気合を入れられたことで、名誉挽回とばかりに頑張ることにした。で、契約を獲得するために東亜観光の社長・毛利に直談判をした。ライバルの好子は退けたものの、毛利は社長との勝負で決めることにした。で、秀吉は左右田社長を呼んでくる。毛利は気合い術が得意で、左右田は相撲が得意ということで、それぞれの得意なもので勝負することになった。しかし、左右田の方が分が悪く、敗色濃厚となっていく、秀吉は社長の応援を始める。その奇妙な声で形勢逆転、そして左右田社長が勝負に勝った。これで契約を取ることが出来、秀吉は本社宣伝係長に栄転することとなった。

本作までが白黒作品であり、物語の上では管理職になる前の物語である。本作のような物語は、平社員である間が面白い展開が期待できるのであって、小さくても管理職の肩書きがあると、役職から来る制約があって、それが物語の面白さにブレーキを掛けてしまう。(社長になれば、また話は別なんですがね...)ということもあって、本作までがシリーズの面白さを堪能出来る作品と言って良い。

物語の時代設定が高度経済成長期であるために、「バラ色の将来が待ってる」という所が物語の裏に見え隠れしてしまうが、テンポも良くて楽しませてくれる。現代と比べると、それでものんびりとした所があるが、その点は古き良き時代ということで宜しいかと...

 

本作はソフトがないので、書籍の方を拾っておきます。

サラリーマン出世太閤記〈〔第1〕〉就職戦術の巻 (1962年)

  • 作者: 笠原 良三
  • 出版社/メーカー: 光風社
  • 発売日: 1962
  • メディア: -

サラリーマン出世太閤記 (1960年) (春陽文庫)

  • 作者: 笠原 良三
  • 出版社/メーカー: 春陽堂文庫出版
  • 発売日: 1960
  • メディア: 文庫

サラリーマン出世太閤記〈第2部〉サラリーマン奮戦す (1960年) (春陽文庫)

  • 作者: 笠原 良三
  • 出版社/メーカー: 春陽堂文庫出版
  • 発売日: 1960
  • メディア: 文庫

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ケータイ刑事銭形命7話[裏ネタ編]PART 3 [ケータイ刑事]

銭形命」の第7話「犬は知っていた! ~『バスカヴィル家の犬』殺人事件」の「裏ネタ編」の3回目となる今回は、この物語に登場した佳代子がこれだったことから「弟子」について、「家政婦」について、そしてその佳代子が外出して行ってきた場所である「書店」について、「スーパーマーケット」について、「ペットショップ」について記します。

尚、「家政婦」については「・20話[裏ネタ編]PART 4」で記したものをベースにして加筆しました。また、この物語について、BS-TBSの本放送時に記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。

弟子」:師に従って教を受ける人のことである。「門下生」「教え子」「門弟」などと呼ばれることもある。英語では、個人指導のものは「Pupil」、宗教などの大指導者の指導をうける者は「Disciple」、学説などの指導をうける者の場合は「Follower」と言うように使い分けがされている。尚、教える方は「師匠」と呼ばれる。

古くからあるものであって、古代ギリシャの哲学者のソクラテスを師として何人もの有名な弟子たちがいることが知られている。

特に、伝統的に技術や思想を受け継いでいく世界では、その世界に入るには弟子となって学んでいくことになる。現在でも伝統芸能の世界では弟子となって師匠の指導を受けて成長していく。現在の日本では、落語界や相撲界、華道界、歌舞伎の世界、などの伝統的に世界がこの制度を受け継いでいることで知られている。

また、弟子は師匠から教えを受けるだけでなく、師匠の身の回りの世話をするなどをしながら学んでいき、やがては独り立ちすることを目指して精進していく。しかし、中には師匠と意見の相違などによって新たな流派を生んで独立することもある。(特に、学術の場合はよくあることである。→イメージとしては悪いが、だからこそその世界が発展していくことにもなる。)

家政婦」:家庭に於いて、家政を担当、または家事の補助や手伝いをする職業のこと、またはその業務を行う人のことをいう。簡単に言うと「家事援助者」ということになり、「家事手伝い」「お手伝いさん」などと呼ばれることもある。(女中、メイドと同一視されることがあるが、それらとは別である。)また、これを行っている人は一般的に女性である。英語では「Help」「Home Help」「Housekeeper」などと言う。

仕事の中身は、炊事、洗濯、家屋の掃除などが主なものであって、炊事に関係する食材の買い物を除いては家の中の業務に限定されるのが一般的である。

歴史は、比較的新しく、明治以降、都市部の中流家庭が増加したことと、女中の減少により、家事を行う仕事に対する需要が増えたことから広がっていくようになる。特に子育てを終えた中年の主婦が派出婦という形で、個別に契約をして仕事に当たるという形で広がって言った。(子育ての経験があることが重宝がられ、家事に慣れているという所が評価された。)更に、第二次大戦によって夫と死別した未亡人が、生活のために仕事を行う場として注目され、戦後は斡旋業者の登場と共に浸透していくことになった。現在では、斡旋業者(家政婦紹介所)が間に入っていて、雇いたいという人はそこに申し込み、働きたいという人は登録するという形が一般的になっている。→「家政婦」というと思い出されるのが市原悦子主演のドラマ「家政婦を見た」シリーズが思い出されるが、そこでも家政婦紹介所を介して派遣されるという形でしたね。

尚、家政を行う仕事としては、かつては「女中」と呼ばれ、最近では「メイド」と呼ばれる住み込みで働く仕事がある。女中やメイドは一応、勤務時間があるものの、深夜や早朝にも働くことがあるが、家政婦は住み込みではなく、通いで働くというのが基本であるため、深夜や早朝に働くと言うことは基本的に無い。(特別な場合には、特に頼んで働いてもらうことはありますが...)この点が大きな違いとなっている。

書店」:書物の販売を行う店舗のことである。「本屋」と呼ばれることもある。アメリカ英語では「Bookstor」、イギリス英語では「Book Shop」と言う。

尚、「本屋」と言うと小売店のことを指すのが一般的であるが、「書店」と言うと出版社や卸業者を含んでいるのが一般的である。また、小売店の場合は、新刊を中心に販売している一般の書店でけでなく、古書の買い取りから販売を行っている古書店も含まれる。(古書店の場合は「古本屋」と呼ばれることもあって、普通の書店(「本屋」)とは区別される場合もある。)

書物には、様々なものがあって、雑誌から学芸書、専門書、参考書、辞書、百科事典、文庫本、新書本など様々なものがある。大規模書店であれば、それらの全てを扱って、「在庫○万冊」などとして宣伝している場合もあるが、町中にある個人経営の書店などの大半は、全てを扱っているのではなく、雑誌を中心とした販売を行っているのが普通である。また、コンビニが雑誌を中心として販売を行っているので、コンビニも「書店」の仲間と言うことができる。(但し、コンビニの場合は売れ筋の雑誌以外は扱っていないのが普通である。)

近年はインターネットの発達により、インターネットによる通信販売での売り上げが伸びているのが実情であり、電子化による書籍不況と合わせて、書店の経営は益々厳しくなっている。→ネット販売では、雑誌や漫画本1冊でも送料無料というのであれば、買って直ぐに読むことは出来ないが、近年では1~2日で届くことが多いため、便利と言えば便利である。(小売店では在庫がない場合は取り寄せてくれるが、そうなるとネット販売と時間的には変わらなくなりますし、ネット販売だと再び書店に足を運ぶ必要がないというのも便利です。また、最近はメール便を利用した配達が行われるため、宅配便の不在通知ということもなく、ポストに届けられますし...)

スーパーマーケット」:対面販売ではなく、買手が陳列されている商品を籠などに入れて、レジで精算するセルフサービス方式で商品の販売を行う大規模小売店のことである。扱っている商品は、食品や日用品が中心である。一般的には省略した「スーパー」と言う言い方が定着している。英語では「Supermarket」と言うが、やはり「Super」という省略した形も定着している。

セルフサービスであるため、対面販売と比べると販売効率が良く、対面販売に求められる全商品の知識も不要であることから少ない人員で大量販売が可能となり、人件費を抑えることが可能であり、そのため安価に販売することが出来る。そのため、現在では食料品や日用品の販売では中心となっている。しかし、販売する商品を陳列していることから、万引きも多く発生しやすくなり、対面販売の店舗よりも防犯対策がより重要となっているのも事実である。(防犯対策のコスト・アップの方が人件費削減によって生まれるローコスト化よりも少なく出来たことで、広がっていくことになった。)

スーパーマーケットが登場したのは20世紀になってからであり、1916年のアメリカ(テネシー州メンフィス(エルヴィス・プレスリーの町として知られているあのメンフィスです。))であり、これが大成功したことで広がっていくことになる。日本では戦後の1952年に最初のものが大阪に登場し、その後次々と参入が相次ぎ、大規模チェーン店の参入により、各地に広がっていくことになった。

日本では売り場面積の広さによっていくつかにカテゴライズされていて、更に営業時間や取扱商品に一部の制限がある。しかし、基本となるのは「セルフサービス方式による販売」であるため、コンビニも「スーパーマーケット」の一種である。(法的には「コンビニ」と「スーパーマーケット」は別物になっていますが...)

食品、衣料、日用品であれば、大抵の物は揃うのは便利であるが、近年ではコンビニとの差別化などの厳しい経営環境に晒されていて、売り場面積の縮小や閉店などということも飽きているのもまた事実である。

ペットショップ」:愛玩動物である(各種)ペットの販売を行う店舗のことである。英語では「Pet Shop」と言う。

ペットは犬や猫、小鳥、熱帯魚、昆虫などのポピュラーな動物から、爬虫類や両生類、更にはサソリのような扱いが難しい動物まで様々なものがある。動物の種類が異なると、飼育方法も異なるため、総合ペットショップというものは殆ど無く、特定の動物を扱った店舗が一般的である。(特に、犬や猫、魚、鳥というのは定番ペットであるため、そういう店舗も多い。)

ポピュラーな動物であれば、特に無いが、ちょっと変わった動物になると、ワシントン条約によって取り引きが禁止されている動物にも関わらず、密猟、密輸などによって密かに取り引きされている場合があるのもまた事実である。特に、変わったペットを飼いたいと思っている人は、注意しましょう。

 

ケータイ刑事 銭形命 DVD-BOX

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家政婦は見た! DVD-BOX1

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↓こういうものも...

出版社と書店はいかにして消えていくか―近代出版流通システムの終焉

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  • 発売日: 2008/03
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書店ポップ術―グッドセラーはこうして生まれる

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  • 作者: 梅原 潤一
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  • 発売日: 2006/05
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商品管理で書店が変わる!―商品管理の基礎から応用まで (よくわかる出版シリーズ)

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はじめての「ペットサロン&ショップ」オープンBOOK (お店やろうよ!シリーズ)

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ペットビジネスの経営学 「ペットショップ&サロンの新規顧客獲得」

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↓これも「弟子」が出てきましたね...

仮面ライダー響鬼 VOL.1 [DVD]

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名曲探偵アマデウス#59 シューベルト「交響曲第7番『未完成』」 [ドラマ]

今回は、ファイルNo.035に登場した大保志摩須刑事の再登場ということになった物語でした。(同一キャラの再登場は、ディープ内藤に続いて2人目ですね。)が、演じているのが矢島健一さんということなので、「銭形泪」において都合3度登場した荒畑任五郎を思い出させてくれます。

そんな中、今回の物語では、所長の母親について、オーストリアのウィーンに在住していると言うことが明らかになりました。

取り上げられた曲はシューベルトの「交響曲第7番『未完成』」ということで、1年目の最後(ファイルNo.030もシューベルトだったが、2年目の最後もシューベルトというのはやっぱり狙っているのでしょうか???)

ソファで寝ているカノンさん。ドアを叩く音で飛び起きて慌てて出ていくと、小包の配達だった。「オーストリアのウィーンから」と言うと、所長が「私への小包だ」と言ってやってきた。所長の母親はウィーンに在住していて、時々何かを送ってくるということだった。(所長の過去についてはディープ内藤の時に語られてきたが、家族に言及されたのは初めてですね。→その内、カノンさんの家族なども是非、方って貰いたいですね。(→やっぱり四姉妹だったりして...???))

その小包を開けると、チョコレートだった。カノンさんは「食べましょう」と手を伸ばすが、所長がカノンさんの手を叩き、自分一人で食べるというのはちょっと意地悪ですね。で、口に運ぼうとした所長だったが、その時に依頼人がやってきた。

依頼人を見たカノンさんが、前に来たことがある大保志摩須だということを覚えていて、「前回のお話」ということで、その時のおさらいが簡単に流れる。そして、その時に大事にして後から食べようとして置いておいたバナナを食べられたということもしっかりと語られていた。→「食べ物の恨みは怖い」ということですね。

大保刑事は、北南都署刑事課・青少年犯罪対策特別室・万引き担当になっていて、その名刺を署長とカノンさんに渡した。(階級は「巡査部長」でした。→五代さんと同じ階級ですね。)→でも、その名刺には、所在地や電話番号は記載されていなかった。

で、万引で捕まえた15~16歳のある少年が黙秘を続けているという。また、万引きしたものはシューベルトの「交響曲第7番『未完成』」のCDだった。何も語らないと大変なことになる、と言ったら「この曲が全てだ」と言う。ということで、相談に乗って欲しいということだった。で、所長は依頼を受けた。(この時、依頼者はカノンさんに手錠を掛けていたが、カノンさんの表情がまた良いですね。→「銭形泪・1st.13話/2nd.13話」とは逆という形になったというのも狙っている所ですね。)

何か意味があるのかも?、ということで、いつものように曲を聴き始めて、所長が語る。まずは第1楽章からとなるが、相変わらずカノンさんの表情が豊かです。

第1楽章では「調のうつろい」ということで転調についての説明となる。しかも、1つの転調ではなくて、複数の転調があり、しかも、当時の常識である転調する際にはある程度の小節をかけるのに、短い間で転調していることが語られる。(ベートーベンを引き合いに出していたが、なるほど、分かりやすい説明でした。)で、シューベルトの短い転調のカラクリの説明が行われるが、実に上手いテクニックだと感心しました。特に「一瞬の沈黙」は凄い技です。

更に、展開部で第1楽章の冒頭の旋律に戻る、ということで、この旋律についての説明となる。そして、シューベルトの人生に重なるとして、シューベルトについての説明が行われる。ここでは、いつの時代でも、子供の進路について親の押しつけがあるというのは、興味深いですね。→「歴史は繰り返す」と言うが、人間の本質というのは変わらないということですかね...

で、カノンさんが「分かった」ということで「父親への当てつけで万引きした」と言う。更に「名前が言えない理由があった」と続けるが、泪ちゃんのような明確な説明はしないが、何処かで泪ちゃんを感じさせるようなカノンさんの閃きでした。で、そこから依頼人は思い出した。彼には、結婚前に付き合っていた女性との間に16歳の息子がいて、万引きしたのはその自分の息子なのでは、と感じた。(子供がいると知ったのは別れた後であり、結婚した後だった。)→ちょっと強引な設定であるが、取り上げる曲の説明が分かりやすくなる設定というのは、本作の特長であって、だからこそクラシック音楽が分かりやすくなっているので、これはこれでいいでしょう。

で、再びシューベルトの音楽家としての道についての説明が行われる。→ここで名前が出てきた「野ばら」「魔王」などはまだ取り上げられていないので、いずれは取り上げて貰いたいですね。(が、シューベルトの曲は今回で4曲目であって、ベートーベンと共に最多なので、しばらく先になるでしょうが...)

そして、「何故万引きをしたのか?」と依頼人。が、所長は「本当に万引きをしたのでしょうか?」と言い「事件を検証してみましょう」ということで、その時の再現ドラマとなる。(カノンさんが少年役を務める。)万引き警戒でCDショップにいた依頼人。そこに挙動不審な少年が現れた。が、所長はこれを「あなたに声を掛けるタイミングを伺っていたんです」と言う。これに、「上着の下に隠し持っていたCDは?」と質問する依頼人。所長は「あなたと会ったら一緒に聴きたいと思っていて、肌身離さず持っていた」と説明する。で、それを万引きと勘違いしたと指摘すると「またやってしまった...」と落ち込む依頼人だった。→こういうミスがあるから、キャリアではないとはいうものの、53歳で巡査部長なのでしょうね。

所長は、この曲も長い間埋もれていたが、やがて大きな花を咲かせることになった、として、この曲にスポットが当てられて絶賛される用になった経緯の説明となる。シューベルトの死後40年近くして自筆譜が発見されたということから、初演されることになったというのは、何があるのか分からないものであるが、やはり、それだけ内容があるものだから評価されるのは言うまでもないと思います。

その後で、所長が「16歳の少年が未完成ならば、53歳の刑事も未だ完成ならず。それが人間です」と言ったのは、奥深い哲学ですね。ということで、所長の人生相談は益々冴え渡っていました。

で、依頼人に「抱きしめてあげて下さい」と所長。納得して理解した依頼人は帰っていったが、所長に対しては「お世話になりました」と言って頭を下げていたが、カノンさんに対しては「失敬」と言って敬礼していて、カノンさんも返していました。

今回は、ドラマ部分は約34分半、曲が8分半弱、ラストのオチの所が1分強という構成となっていて、曲の部分が最近にしては少し長めになっていました。

ラストのオチは、前回の依頼人が登場した時のオチと同じで、事件が解決したことで、所長が送られてきたチョコレートを食べようとして箱を開けると、いくつかが食べられていた。カノンさんは「私じゃありません」と言うと、「監視ビデオを見てみよう」ということで、ビデオを再生した。すると、「事件の検証」と言って行った寸劇の所で、依頼人がこっそりと箱に近づき、所長とカノンさんが絡んでいる時に、箱からチョコレートを口に運んでいるところが映っていた。で、「またやられた」と所長、「恐るべし、大保刑事」とカノンさんは漏らしていた。→二度も食べ物を食べられたとなると、三度目は何らかの対策を行うでしょうが、その対決も見たくなりました。ということで、適当な時期に大保刑事の三度目の藤條に期待したいところです。

今回のカノンさんは、表情豊かなのはいつもの通りであるが、所長からはチョコレートを食べさせて貰えずに手を叩かれ、依頼人からは手錠を掛けられるというように、ちょっと可哀想なことになってしまったこともあって、イケイケという所が無くて、おとなしかったですね。が、「銭形泪」の時をひっくり返したようなポジションになっていたというのは面白い所でした。(分かる人にしか分からない仕掛けの物語だったと言って良いでしょう。)

今回の物語で2年目の新作の放送は終了ということになりました。(来週の21日は1年目の最後の物語であったファイルNo.030のシューベルト「さすらい人幻想曲」の再放送です。)で、新作の放送本数は1年目が30本、2年目が29本というように1本減ってしまったが、3年目となる新年度の最初の1本は3/29に放送があるので、4月から翌年3月末までの間では一応30本ずつと言うことになる。まあ、もう少し新作が見たいとも思うが、週一で質を落とした物語が生まれるのもまた何なので、半年に15本というペース(一ヶ月に2.5本)は、復習することも考えると丁度いいようにも思えるようになりました。

で、新年度の本放送枠はBS-hiで月曜日の19:00からということになります。(スタート時は金曜日、そして土曜日、日曜日というように1日ずつずれていって、今度は月曜日になるということになるが、放送枠が変わっても続いていくというのは、内容があって指示されている証でもあります。それにしても、3年目に突入というのは、近年では快挙ですね。)

次の新作は3/29の放送で、ファイルNo.060のショパン「ピアノ・ソナタ第2番・葬送」、その翌週の4/5はファイルNo.061のチャイコフスキー「交響曲第4番」と続きます。また、BS-hiの火曜朝の再放送枠はそのままで変更なしであるが、土曜お昼の再放送枠は水曜深夜の24:00から(カレンダー上では木曜日の00:00から)に移動です。また、BS-2での放送は、日曜の18:00からと金曜の16:00からに移動です。→結局、地上波での放送が無くなったが、それがBS-2に移ったという形ですね。ということなので、最大で週5本の放送枠があるという体制が維持されたことになります。(しかし、BS-2の金曜16:00は、大相撲があると必然的にお休みになる枠ですね...)

ところで、3年目になると、またもOPタイトルの画像が変わることになるものと思われるが、どういうものになるのか楽しみです。また、次からは本放送が月曜夜になるので、記事としては火曜日の1番ということになります。

 

シューベルト:交響曲第5番、第7番《未完成》&第8番《ザ・グレート》【SHM-CD仕様】

シューベルト:交響曲第5番、第7番《未完成》&第8番《ザ・グレート》【SHM-CD仕様】

  • アーティスト: アーノンクール(ニコラウス),シューベルト,ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2009/02/25
  • メディア: CD

シューベルト : 交響曲第7 (8)番「未完成」&交響曲第5番

シューベルト : 交響曲第7 (8)番「未完成」&交響曲第5番

  • アーティスト: アニマ・エテルナ,シューベルト,インマゼール(ジョス・ファン)
  • 出版社/メーカー: ソニーレコード
  • 発売日: 2000/11/01
  • メディア: CD
シューベルト:交響曲第7番「未完成」&第5番

シューベルト:交響曲第7番「未完成」&第5番

  • アーティスト: シューベルト,スウィトナー(オトマール),ベルリン・シュターツカペレ
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2008/12/17
  • メディア: CD
シューベルト : 交響曲第6番、7番、8番

シューベルト : 交響曲第6番、7番、8番

  • アーティスト: アニマ・エテルナ,シューベルト,インマゼール(ジョス・ファン)
  • 出版社/メーカー: ソニーレコード
  • 発売日: 1997/10/22
  • メディア: CD
シューベルト:交響曲第5番&第7番

シューベルト:交響曲第5番&第7番

  • アーティスト: ブロムシュテット(ヘルベルト),シューベルト,シュターツカペレ・ドレスデン
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2006/09/06
  • メディア: CD
シューベルト:交響曲第7番「未完成」&第5番

シューベルト:交響曲第7番「未完成」&第5番

  • アーティスト: シューベルト,ショルティ(サー・ゲオルグ),ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2008/09/03
  • メディア: CD
シューマン:交響曲第2番/シューベルト:交響曲第8(7)番「未完成」

シューマン:交響曲第2番/シューベルト:交響曲第8(7)番「未完成」

  • アーティスト: カザルス(パブロ),シューマン,シューベルト,マールボロ音楽祭管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
  • 発売日: 2008/11/05
  • メディア: CD
シューベルト:交響曲第7番「未完成」

シューベルト:交響曲第7番「未完成」

  • アーティスト: ビゼー,シューベルト,モーツァルト,ケンペ(ルドルフ),バンベルク交響楽団
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2007/05/23
  • メディア: CD

↓「銭形泪」の1st.13話/2nd.13話はこちらです。

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX I

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX I

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX II

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX II

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

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