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「サラリーマン出世太閤記」(その5) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーロー・シリーズ第41弾として記してきた「サラリーマン出世太閤記」シリーズは今回で終了です。今回はカラー作品となったシリーズ第4作と最終作の2本について記します。

シリーズ第4作サラリーマン出世太閤記 課長一番槍
作品データを記しておくと、1959年の東宝作品で、時間は99分、監督は筧正典、脚本は笠原良三、撮影は遠藤精一、美術は小川一男、音楽は松井八郎である。そして出演は、小林桂樹、団令子、沢村いき雄、加東大介、東郷晴子、有島一郎、藤木悠、宇野晃司、山田影、丘寵児、伊藤久哉、淡路恵子、水の也清美、土屋詩朗、三田照子、柳川慶子、野口ふみえ、江原達怡、千葉信男、左卜全、たちである。

本社の宣伝係長となった木下秀吉は、早速、大々的な宣伝計画を開始する。野球場の壁広告を取ろうとするが、ライバル会社の東西会社が先にそれを取っていたことで、アウトだった。で、敵が野球ならばこちらは相撲ということとにしたら、相撲ファンの社長は喜んだ。また、東西会社が銀座にネオン灯を出すことを知ると、こちらはそれ以上のものを出そうと社長に進言し、早速動き出す。で、目を付けた小早川ビルと交渉開始。が、そこの社長はマダムであり、ナイトクラブに付き合うという条件でOKを出した。が、クラブに行くと、そこは怪しげな店であって、しかも警察の手入れがあって、秀吉は取り調べを受けることになってしまった。そんな中、社長が秀吉に縁談話を持ってきた。で、取引銀行の令嬢・真知子と見合いをする秀吉。真知子は秀吉を気に入り、演壇成立か?と思われたが、ある日、秀吉の元に手弁当を持ってきたエイ子と、真知子、更にはバーの女給とが鉢合わせしたことで、真知子は怒って、破談となってしまった。広告塔の建設が進む中、インチキ新聞社が金をせびりに来るも、秀吉は撃退し、広告塔に自慢の車・アトラス号を乗せて完成と思いきや、インチキ新聞社の連中が車止めのネジを外してしまったことで、アトラス号は地上に落ちて、広告塔はぽしゃってしまった。これに社長が「お前はクビだ」と連発し、秀吉はそれを真に受けた。そんな中、東京-大阪間のラリーレースに、母校の代表として出場することになった秀吉は名誉挽回と奮戦するも、途中で失格となってしまった。しかも、レースに参加しているアトラス号は東南大学の1台だけとなってしまった。これに秀吉が尽力し、残ったアトラス号が優勝した。で、社長はその功績で秀吉を販売課長にした。

主人公・木下秀吉が係長になったものの、奮戦ぶりはこれまでと変わらない。結局は自分でことを運んでいき、それが上手く行って更に出世する、というパターンは同じであるが、係長になったのだから、部下に対してもやりとりがもっとあっても良かったと感じる作品でした。

シリーズ第5作サラリーマン出世太閤記・完結篇 花婿部長No.1
作品データを記しておくと、1960年の東宝作品で、時間は88分、監督は筧正典、脚本は笠原良三、撮影は完倉泰一、美術は小川一男、音楽は松井八郎である。そして出演は、小林桂樹、団令子、沢村いき雄、加東大介、東郷晴子、有島一郎、藤村有弘、八波むと志、リンダ・ビーチ、平田昭彦、原知佐子、塩沢とき、加藤春哉、関田裕、児玉清、峯丘ひろみ、ミッキー・カーティス、荒木保夫、宮田洋容、大辻伺郎、たちである。

木下秀吉は輸出課長となり、外国相手の商談を担当することになる。で、イラジスタン国の自動車バイヤーのアジャ・ババは秀吉を将軍ハッサンに紹介し、ルートを築く。また、アメリカのバイヤーのクラークと接触しようとするが、クラークは東西自動車の担当者と接触してしまった。で、秀吉はアジャ・ババやハッサン将軍たちと共に料亭・あかさかに行く、そこでアジャ・ババは芸者のまり玉に、ハッサンは亡き妻に似ているということで秀吉の恋人・エイ子に熱を上げることになった。社長から契約の催促を受けた秀吉は、イラジスタン国の領事館に出向くが、国では大統領が突然交代して、ハッサンは将軍を懐妊されてしまい、契約所ではなくなってしまった。そんな中、ナイトクラブでのアジャ・パパの借金を取りに来られ、エイ子とも関係が悪化する秀吉。やがて、輸出用の試作車が完成した。クラークは東西自動車と契約すると言う。これに秀吉は、試作車とクラークの車の競争を申し出る。が、試作車は競争に負けてしまった。が、クラークは試作車の燃費が良くて経済的な車であることから、急遽契約を変更することにして、ついに契約することに至った。この功績で秀吉は部長に昇進、更にエイ子とも結婚した。

役職が上っても物語のパターンは基本的に同じであるのだが、そのことが不自然さを一段と出してしまっている。前作の係長ならばまだしも、本作では課長になっているだけに、もっと部下が動いても言いのに、秀吉が動きすぎているのはどうかと...

こういう物語は、やはり平社員である間の方が面白い展開となる。今回記した2作品は係長と課長ということで、平ではなくて管理職でもある。管理職になったことで「カラー作品」となったというのは悪くないのだが、物語がつまらなくなってしまったのは残念な所でした。

本シリーズは白黒作品の第3作で幕とするべきだったですね。(第4作の冒頭で、平に降格されてから話が進んでいくというのもあり得るが、そうなるとモデルになった豊臣秀吉とは大きく変わってしまうだけに、これは無理でしょう。)あるいは、平社員のままでの活躍の物語を続けるという選択肢もあり得るが...

 

↓本作はソフト化されていないので、本を拾っておきます。

サラリーマン出世太閤記 (1957年)

  • 作者: 笠原 良三
  • 出版社/メーカー: 光風社
  • 発売日: 1957
  • メディア: -

サラリーマン出世太閤記〈続〉 (1958年)

  • 作者: 笠原 良三
  • 出版社/メーカー: 光風社
  • 発売日: 1958
  • メディア: -

サラリーマン出世太閤記〈〔第2〕〉花婿部長 (1962年)

  • 作者: 笠原 良三
  • 出版社/メーカー: 光風社
  • 発売日: 1962
  • メディア: -

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ケータイ刑事銭形命8話[裏ネタ編]PART 2 [ケータイ刑事]

銭形命」の第8話「愛と宿命の将棋崩し! ~女流棋士殺人事件」の「裏ネタ編」の2回目となる今回は、松山さんがこれに出たということで「エキシビション」について、藤本綾子が口にした「長考」について、そしてこの物語では(言葉のブレがあったものの)ちゃんが藤本のことをこう呼んでいるので「名人」について記すことにする。

尚、BS-TBSの本放送時に記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。

エキシビション」:英語では「Exhibition」。この物語では「エキシビジョン」と記されていたが、これは英単語をカタカナ表記した場合によく見られる誤った使い方の典型的な例である。(そのため、この物語は、ストーリーや事件のトリックはそれなりに出来ているのだが、細かい所までのチェックが出来ていないということで、命ちゃんの藤本綾子に対する呼び方のブレと共に、「スタッフが手を抜いた」ということになるのか、管理体制が酷くて詰めが酷かった、と言うことを示す物語となって、スタッフの汚点としして「ケータイ刑事」に残る物語になってしまった。)尚、「Exhibition」の発音を発音記号で記すと
exhib.jpg
であって、これをカタカナで記すと「エキシビション」であって、「ジョン」と濁らない。

また、命ちゃんが劇中で「エキシビジョンって「余興」のことでしょう」と言っていたが、これも「エキシビション」としたら微妙にずれているのですよね。→そのため、わざと「エクシビジョン」と言うことにしたのいう善意の解釈をしても良いが、そうなると「造語」と言うことになってしまうので、もはやどうでも良いということにもなっちゃいますし...→いずれにしても、「銭形命」が低迷した原因の一つがこの物語に象徴的に現れていることだけは確かである。

で、「エキシビション」とは、模範試合、または公開試合のことであって、公式の記録としては扱わない競技会のことを指している。

スポーツの世界では結構行われていて、フィギュアスケートや体操競技で、大会の公式試合終了後に、上位入賞者が出場するものが広く知られている。(これは採点は一切行われなず、選手の技を見せることになる。)また、プロレスやボクシングでは、普通ではあり得ないような対戦カードが組まれて、ショーという位置づけとして扱われることが多く、現役引退記念試合や、チャリティのために特別に行われるものなどがある。(これも勝敗は通算成績には組み入れられない。)→プロレスでは、エキシビションとして男女混合の対戦カードが組まれることもある。

基本的には、観客を喜ばせるために行われるショーという意味合いで行われるものであるので、命ちゃんの言った「余興」というのも的外れではない。が、「余興」は英語では「Entertainment」と言い、「Exhibition」の「展覧」「展示」とは異なる意味である。

長考」:文字通り、長い時間考えることである。将棋や囲碁ではルールとして定められているものであって、次の一手を長時間掛けて考えるものである。しかし、これを行うと、次の一手までの時間が長くなるため、見ている方からは嫌われることになる。そのため、「時間無制限」という場合もあるが、普通は「持ち時間」と言うのが定められていて、その対局の中での長考は、持ち時間の範囲内とする、というルールを採用するのが一般的である。

将棋や囲碁では、長考することで、出来るだけ多くの手計を考えて、自分が有利になるような展開を捜すのに利用する。

よって、この物語では、藤本綾子が「長考します」と言っておきながら、実際は席を外して休憩していたというのは論外である。(まあ、持ち時間をどう使おうが、それはその人の勝手ではありますが...)→この部分も、この物語が十分に練られていないということを証明しているだけである。

ちなみに、将棋や囲碁の世界では、5時間を超える長考が行われたことが実際にある。(時間無制限のルールでは、囲碁で16時間という例もある。)

尚、対局が長引いて、次の日に行う場合というのがあるが、この場合は次の日の初手までにはたっぷりと時間があることになるが、これは対局を一時的に中断することであって、「長考」とは言わない。(結果的に棋士は長考することが出来ますが...)

名人」:技芸に秀でた人のこと、名手のことに対する称号のようなものである。そのためその世界で優れた技量を持つ人のことを「○○名人」と呼ぶ。英語では「Master」または「Expert」と言う。

または、将棋、囲碁、競技かるたに於けるタイトルの一つのことである。(競技カルタの場合は男性に限られる(女性は「クイーン」と呼ばれるためである。→「・1st.1話」がそれをネタにした物語でもありました。)が、囲碁と将棋は「女流名人」というタイトルもある。)

将棋も囲碁も「名人」はタイトルであるため、一度「名人」になっても、そのタイトルを失うこともあるので、そうなったら「名人」ではなくなる。(「元名人」ということになる。)しかし、「名人」というタイトルは名誉のあるものでもあって、そのタイトルを複数回獲得した場合には特別な制度があって、囲碁の場合は5連覇、または通算で10期以上獲得した場合は60歳以降に「名誉名人」を名乗る権利を生じ、将棋の場合は通算で5期以上獲得すると、棋士の場合は現役引退後に「永世名人」を名乗ることができ(一部では例外的に現役時代に「永世名人」を名乗った棋士もいる。)、女流棋士の場合は「クイーン名人」という永世称号を名乗ることが出来る。

こういうことを考えると、タイトルとしての「名人」はそれだけ重みがあると言うことになる。が、この物語でのちゃんや、一般的に用いられる「名人」という言葉は、技芸に秀でた人に対する敬称として使われていることを考えると、何か軽く感じられてしまうのは...

 

ケータイ刑事 銭形命 DVD-BOX

ケータイ刑事 銭形命 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: DVD

↓全て「エキシビション」であって「エキシビジョン」というものはありません。

エキシビション・オブ・サクソフォン

エキシビション・オブ・サクソフォン

  • アーティスト: 須川展也,ムソルグスキー,ガーシュウィン,ボノー,トマジ,ドビュッシー,ミヨー,ベダール,ジョリヴェ,ダマーズ,クレリス
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2003/01/29
  • メディア: CD

FIRST EXHIBITION

FIRST EXHIBITION

  • アーティスト: 浅岡泰彦
  • 出版社/メーカー: MONA RECORDS
  • 発売日: 2010/02/17
  • メディア: CD

クリエイティブ・エキシビション&ディスプレイデザイン

クリエイティブ・エキシビション&ディスプレイデザイン

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: グラフィック社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 大型本

エキシビション

  • 作者: 末広 雅里
  • 出版社/メーカー: 白夜書房
  • 発売日: 1994/06
  • メディア: 単行本

 

↓参考まで

ハンディー版 スグわかる!まんが将棋入門―ルールと戦法完全マスター

ハンディー版 スグわかる!まんが将棋入門―ルールと戦法完全マスター

  • 作者: 羽生 善治
  • 出版社/メーカー: くもん出版
  • 発売日: 2006/02/01
  • メディア: 単行本

将棋のルール―完全マスター 楽しくおぼえる入門編 (図書館版 強くなる!超カンタン将棋入門)

将棋のルール―完全マスター 楽しくおぼえる入門編 (図書館版 強くなる!超カンタン将棋入門)

  • 作者: 川北 亮司
  • 出版社/メーカー: 金の星社
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 単行本

将棋のルール 完全マスター―楽しくおぼえる入門編 (強くなる!超カンタン将棋入門)

将棋のルール 完全マスター―楽しくおぼえる入門編 (強くなる!超カンタン将棋入門)

  • 作者: 川北 亮司
  • 出版社/メーカー: 金の星社
  • 発売日: 1999/06
  • メディア: 単行本

愛蔵版 第66期 将棋名人戦 七番勝負

愛蔵版 第66期 将棋名人戦 七番勝負

  • 作者: 毎日新聞社
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2008/09/25
  • メディア: 単行本

愛蔵版 第67期 将棋名人戦七番勝負

愛蔵版 第67期 将棋名人戦七番勝負

  • 作者: 毎日新聞社
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2009/08/20
  • メディア: 単行本


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ケータイ刑事銭形泪19話(2nd.6話)[裏ネタ編]PART 8 [ケータイ刑事]

今週は「名曲探偵アマデウス」が再放送であるため、ピンチヒッターはちゃんです。が、新年度に突入すると月曜19:00からの放送になるので、月曜1本目のピンチヒッターは今週を最後と言うことにします。とは言っても「銭形泪」の再放送の方も止まっているのですがね...(4月からは再放送が無い様子)

今回放送されたのはファイルNo.030のシューベルト「さすらい人幻想曲」であったが、先週もシューベルト(ファイルNo.059「交響曲第7番『未完成』」)だったことで、ダブった説明がされていた所がありましたね。また、ラストのオチの所では、予想されたことであるが、次回からは放送時間が変わるので、そのお知らせがテロップで出ました。(毎週月曜日19:00スタートとなり、次回は3/29放送、というものでした。)


銭形泪」の2nd.第6話(通算では第19話)「相棒を逮捕せよ! ~ともだちの輪殺人事件」の裏ネタ編・増補は今回が2回目(この物語については通算で8回目)であるが、この物語についてはここまでと言うことにしておきます。で、今回は柴田さんがこれを無くしてしまったということから「財布」について、そしてラストで高村さんの奢りで食べたという「トロ」について、「アワビ」について、「ウニ」について記します。尚、「トロ」については「・26話(2nd.13話)[裏ネタ編]PART 9」で「大トロ」として記した者をベースに手を入れ、「アワビ」は「・26話(2nd.13話)[裏ネタ編]PART 9」で、「ウニ」は「・26話(2nd.13話)[裏ネタ編]PART 8」で記したものをベースにして加筆しました。

また、この物語について過去に記した記事については「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての「裏ネタ編」は、2009/2/26、27、3/2、4、5、7日付けで記しています。)

財布」:金銭を入れて持ち歩くための布袋のことである。現在は「袋」と言うよりも、通貨や各種カードを入れる携帯式の容器と言った方が良いですね。

元々、通貨は貨幣を中心としたものであったため、それを入れるのには袋状になったものが便利であったため、通貨は「財」であることから、財を入れる布袋という所から「財布」という名前になったものである。そのため、紙幣を入れるものは「札入れ」と呼ばれることもある。また、「財布の紐を締める」と言う言葉があるが、これは財布は布袋であり、口を閉じるのには紐が使われていたためである。(現在では、財布に付いている紐というと、せいぜい手提げ陽の紐(ストラップ)ぐらいであって、紐の無い財布が一般的になっているので、「財布の紐を締める」の紐って何?ということになってしまうのですが...

また、「小銭入れ」の中には「ガマグチ」と呼ばれるものがあるが、これは財布を閉じるのに紐ではなくて、簡単に開閉することが出来るように、金属製の口金を使ったものである。(丁度、ガマガエルの口のように見えることから「ガマグチ」と呼ばれるようになった。)現在では、硬貨を入れる部分はチャック式になっていたり、封筒の封のような大きな封をホックで留める、若しくはマジックテープで留めるものなどが主流となっていて、紙幣を入れる部分、各種カードを入れる部分とが一体化されたものが主流となっている。

とは言っても、「札入れ」も「小銭入れ」も歴とした「財布」であることに変わりはない。また、小銭だけしか持ち歩かないという人は、最近では余り見かけることが無くなったが、写真のフィルムケースに硬貨を入れて、それを財布(小銭入れ)として使っているという人がいました。→写真のフィルム写真からデジカメが主流になったことで、写真フィルムの需要が激減したので、フィルムケースを入手しにくくなったというのもあります。

英語では「Purse」と言うが、札入れのことは「Wallet」と呼ばれることもある。(基本的には札入れも含んで「Purse」と言うのが普通である。)ドイツ語では「Portmonee」、フランス語では「Portfeuille」、イタリア語では「Portafoglio」、スペイン語では「Cartera」、韓国語では「チガプ」、忠告語では「錢包」(日本式の漢字を使うと「銭包」)と言う。海外に行く場合は、財布はパスポートと共に大事なものであるため、これらの単語は頭に入れておいた方が、万一の場合に良いかも...(万一の場合というのが無いに越したことはないですが...)

トロ」:鮪の肉身の総称である。腹身の脂質の大小によって、特に脂肪分の多い部位を「大トロ」、それよりも少ない部位を「中トロ」と呼ぶ。それ以外の鮪の部位は「赤身」と呼んでいる。

名前の由来は、この部位の肉質がトロリとしていることに由来している。それ以前は脂身であることから「アブ」と呼ばれていた時代があるが、現在ではこのような呼び方はされない。

牛肉でも同様であるが、脂肪分の多い部位の方が高級であるとされていた。実際、「大トロ」は一匹の鮪でも、その量は少なく、販売価格も高くなっている。しかし江戸時代では、大トロ、中トロは高級な部位とはされておらず、鮪というと「赤身」を主に食した。そして「トロ」は全く食べることをせずに捨てられるか、食されたとしても煮込み用として使用されるだけであった。これは、トロは赤身よりも傷みやすいこともあって、当時は現在と比べて保存技術も低かったため、新鮮にトロを得ることが難しかったこと、更に、肉の脂身の旨みに関しては評価されていなかったためでもある。よって、江戸前寿司で「鮪」というと「赤身」の部位を使ったものが一般的である。→現在だと、「大トロ」を腹一杯食べようとすると、一体いくら必要かというような心配があるが、江戸時代だと殆ど食べられないような部位であったため、「大トロ」を腹一杯食べたとしても安かったことでしょうね。(ひょっとしたら、ただ同然だったかも...???)

また、牛肉や、マグロ以外の魚の肉身でも、脂が乗っている部位を「トロ」ということがある。そのため「牛トロ」「豚トロ」「鮭トロ」「トロ鰹」などと呼ばれる肉がある。基本的に、鮪のトロと同様に、脂の乗った部位のことであるのだが、これらは基本的に、その肉が何の肉かということで、動物(魚)の名前と一緒になって呼ばれる。(「トロ」のみであれば「鮪」である。)で、「牛トロ丼」「豚トロ丼」などの丼があるのだが、注意をしないといけないのは、「とろろ芋」のことを「とろろ」と言うが、これを「とろ」という場合があって、「○トロ丼」の中には、とろろ芋を降ろしたものと「○」の部分の動物の肉を使った丼と言う場合もあって、脂身の部位を使った丼飯であるとは限らない。

また、スペイン語では闘牛用の雄牛のことを「Toro」(トロ)と言うが、この牛は食用にはしない品種である。よって「Toroの脂身の多い部位」、すなわち「Toroのトロ」は食用としては出回ることはない。(食用牛は「Bury」と言う。)

最近では、鮪の養殖が行われるようになり、「トロ」が安くなるのではと期待されている。というのは、養殖鮪であれば全身がトロになることも可能なためである。(養殖魚であれば運動量が少なくなるため、肉に脂が乗るためである。天然鮪は外洋魚であるため、運動量が多くなるので、脂が乗るのは一部だけになる。よって「大トロ」は希少部位となる。)

ちなみに、英語では「トロ」のことを「Fatty Flesh of Tuna Fish」と言う。

アワビ」:漢字で記すと「鮑」または「鰒」となる。ミミガイ科に属する巻貝の中でも大型のマダカ鮑、黒鮑、蝦夷鮑の総称である。尚、英語では「Abalone」、フランス語では「Ormeau」という。

形はほぼ楕円形をしていて、殻の色は、表面は褐色で内面は強い真珠光沢がある。また、殻表には管状になって立ち上がった出水孔(呼吸孔)が4~5個あって、ここから排泄物を外部に排出している。大きさは10~20cm程度であるが、マダカ鮑と黒鮑の大きいものはそれ以上に達することもある。尚、雄と雌の区別は外見上はほぼ不可能であって、生殖腺の色(生殖腺が緑だと雄、白っぽいとメス)によって見分けることが出来る。

北海道南部から九州、朝鮮半島、中国北部の潮間帯付近から水深20mぐらいまでの岩礁に生息している。餌となるのは、アラメ、ワカメ、コンブなどの褐藻類である。主に夜行性であって、昼間は岩の間や砂の中に潜っていることが多い。

産卵時期は生息している場所で多少異なっていて、北海道近海では8月から9月、房総半島沖では11月から12月となる。また、近年では養殖も盛んになっていて、秋になると人工授精によって繁殖させるということも一般的になっている。

貝殻は貝細工やボタンの材料として使われたり、螺鈿に用いられ、肉は食用(高級食材)となる。歯触り(コリコリしている)が特徴で、生のまま刺身として食べられたり、水貝、酒蒸し、ステーキなどに調理される。また、生の鮑だけでなくて、茹でたものを乾燥させて食材にするとこともある。茹でて乾燥させたものは「乾鮑」と言うが、その中でも半透明のものを「明鮑」、不透明のものを「灰鮑」と呼ぶ。

また、中国では、肝機能を改善する、または目の機能を高める効果があるとして、薬用として利用されていた時期があり、それが日本にも伝わり、薬用とされていた時期があった。(しかし、現在では薬としては使用されていない。)

高級食材であって、回らない寿司店で本物の鮑を使っていると、値段も高いが、価格の安い回るお寿司でも最近は「アワビ」がメニューにある店が増えている。しかしこれは本物のアワビではなく、南米に生息するロコガイ(アッキガイ科)やラパス貝(スカシガイ科)と言う貝であることが多い。分類状もアワビとは全く別であり、単に食感が似ているということだけで「アワビ」の代用として用いられているものである。→価格が安いことから使われているだけであり、1皿100円と言うような低価格の回るお寿司のアワビは、ほぼ間違いなくこれらの代用貝である。(本物の「鮑」であれば、そんな低価格で提供できるようなものではありません。)

日本でも、古来から高級食材とされているが、食材以外として、熨斗鮑(のしあわび)として神事に使用されるものでもあった。熨斗鮑は、鮑の肉を薄く削ぎ、それを琥珀色の生乾きになるまで干し、竹筒で押して伸ばし、水洗いと乾燥、押し伸ばしという工程を何度も繰り返して作られるものである。で、伸ばすこと(=「のし」)は延寿に通じ、鮑は長寿をもたらす食べ物とされたために、古来から縁起物とされた。(縁起物という理由が神への供物として用いられた理由でもある。)その熨斗鮑を図案化したものを紙に印刷したものとして、「熨斗紙」が生まれ、祝い事の贈答品に使用されるようになった。尚、主に弔事などの贈答品には熨斗を付けないのは、仏教では生ものを避けるため、熨斗鮑は使用しないためである。また、魚介類を贈答品とする場合も熨斗を付けないが、これは熨斗鮑と魚介類の意味がダブるためである。更に、お見舞いに熨斗を付けないのは、弔事に熨斗を避けることから、熨斗が祝い事の意味に理解されているためである。→現在では、これらも気にされなくなりつつありますが...

尚、俳句の世界では、「鮑」「鰒」「あわび」、更には「鮑取り」「鮑海女」などは全て夏の季語である。

ウニ」:漢字で表記すると、「雲丹」「海栗」「海胆」などと表記される。しかし、これらの表記にはそれぞれ異なるものを指している。(この辺りは「漢字」は表意文字であるということが分かるところでもあります。)で、「海胆」と「海栗」は生きている状態のものを指していて、「雲丹」はバフンウニ、アカウニ、ムラサキウニなどの生殖巣を塩漬けにした食品のことである。(よって「海胆丼」または「海栗丼」と記されたものは、生きている海胆/海栗がご飯の上に乗っていることになってしまうため、「雲丹丼」と表記するのが正しいということになる。また、寿司のネタに使われるのも「雲丹」であって、「海胆」や「海栗」ではない。→だからこそ「ウニ丼」と記したり、寿司ネタも「ウニ」または「うに」と記すのが一般的になっている。)

「海栗」または「海胆」(もしくは区別するためにあえてひらがな表記にした「うに」も含む)は、棘皮動物ウニ綱に属する動物の総称である。多くも種は丸く、体表は棘で覆われている。また、下面中央に口が、背面中央に肛門を有している。中には毒を持っているウニ(ガンガゼがこの一例です。)もいる。種類は世界中で約900種ほどがいるとされている。

地球上には人間などよりもはるかに古い時代に登場していて、現在から4.6億年~5億年前のオルドビス紀に登場したとされている。胞胚で孵化し、幼生はエキノプルテウスと言うものがその起源とされている。エキノプルテウスは成長すると棘になる突起が出てくるようになり、海底に固着するようになる。そしてそこで成長し、トゲトゲの姿に変態する。

食用にされるのは「海栗」または「海胆」の中でも、バフンウニ、エゾバフンウニ、アカウニ、ムラサキウニなどの一部の種である。これらの「うに」の生殖腺を取り出して、塩漬け加工などをしたものが「雲丹」であり、雲丹はそのままの生で食べることも出来る食材であり、寿司ネタとして使われることも多い。

英語では「海栗」「海胆」のことを「(Sea) Urchin」(「Sea」は付ける場合と付けない場合とがある。)と言い、「雲丹」のことは「Sea Urchin」というのが一般的である。また、フランス語では「Oursin」、イタリア語では「Riccio di Mare」、スペイン語では「Erizo de Mar」と言う。

尚、俳句の世界では「海栗」「海胆」「雲丹」のいずれもが春の季語である。

 

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX II

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  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

↓いくつか

本革ラウンドジップウォレット(長財布) ヌメ革×オイルドレザー a06607 31912

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  • 出版社/メーカー: コンポジット
  • メディア: ホーム&キッチン

本革マイクロウォレット ヌメ革×オイルドレザー a06606 31817

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  • 出版社/メーカー: コンポジット
  • メディア: ホーム&キッチン

ハローキティー 長財布 ベージュ

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  • 出版社/メーカー: 株式会社ウォーターワールド
  • メディア:

直角小銭入れサイフ(財布)

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  • 出版社/メーカー:
  • メディア:

Mini Mesh Wallet(ミニ メッシュ ウォレット) 66230

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  • 出版社/メーカー: コモライフ
  • メディア: ホーム&キッチン

gowell(ゴーウェル) 【工房 悠】コードバン二つ折財布DW003 ブラック 5095

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  • 出版社/メーカー: gowell(ゴーウェル)
  • メディア: その他

多機能牛革(オイルドレザー&ヌメ革)二つ折り財布 a06437 27905

多機能牛革(オイルドレザー&ヌメ革)二つ折り財布 a06437 27905

  • 出版社/メーカー: コンポジット
  • メディア: ホーム&キッチン

小銭入.キャメル調

小銭入.キャメル調

  • 出版社/メーカー:
  • メディア:

↓参考まで

すし手帳

すし手帳

  • 作者: 坂本一男/監修
  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2008/08/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

知識ゼロからの寿司入門

知識ゼロからの寿司入門

  • 作者: 小原 佐喜男
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 単行本

日本一江戸前鮨がわかる本

日本一江戸前鮨がわかる本

  • 作者: 早川 光
  • 出版社/メーカー: ぴあ
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 単行本

飾り巻きずしとにぎり寿司 新装版―TVチャンピオンが伝授します (マイライフシリーズ 674 特集版)

飾り巻きずしとにぎり寿司 新装版―TVチャンピオンが伝授します (マイライフシリーズ 674 特集版)

  • 作者: 川澄 健
  • 出版社/メーカー: グラフ社
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: ムック

英語訳付き寿司ガイドブック―THE SUSHI MENU BOOK

英語訳付き寿司ガイドブック―THE SUSHI MENU BOOK

  • 作者: 池田書店編集部
  • 出版社/メーカー: 池田書店
  • 発売日: 2008/07/15
  • メディア: 単行本

寿司ネタ図鑑―オールカラー版 (Shotor Library)

寿司ネタ図鑑―オールカラー版 (Shotor Library)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1997/11
  • メディア: 単行本

すしパニック!

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  • 出版社/メーカー: ハナヤマ
  • メディア: おもちゃ&ホビー

ぷちサンプル にぎり寿司マスコット 1BOX (食玩)

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  • 出版社/メーカー: リーメント
  • メディア: おもちゃ&ホビー

35ピース お寿司だいすき! 27-133

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  • 出版社/メーカー: アポロ社
  • メディア: おもちゃ&ホビー


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