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「大菩薩峠」(その4) [映画(邦画)]

今回は、1957年から1959年に製作された東映のリメイク・シリーズの第1作についてです。1953年に三部作として製作されてから僅か4年後のリメイクである。しかし、1953年のシリーズは白黒作品であったが、リメイク作ではカラー作品になっている。そして主演は同じ片岡千恵蔵である。→監督と脚本の違いと、白黒/カラーの違いを堪能することが出来ます。

東映リメイク・シリーズ第1作大菩薩峠
作品データを記しておくと、1957年の東映京都の作品で、時間は119分、原作は中里介山、監督は内田吐夢、脚本は猪俣勝人、柴英三郎の2人、撮影は三木滋人、美術は鈴木孝俊、音楽は深井史郎である。また、助監督には大西竜三、倉田準二、山下耕作、内田有作という名前が連なっている。そして出演は、片岡千恵蔵、中村錦之助、月形龍之介、長谷川裕見子、大河内伝次郎、浦里はるみ、丘さとみ、日高澄子、山形勲、波島進、清川荘司、千田是也、岸井明、永田靖、片岡栄二郎、吉田義夫、荒木忍、左卜全、高松錦之助、水野浩、森田肇、香川良介、中村時之介、中野雅晴、加藤嘉、尾上華丈、青柳竜太郎、竹原秀子、梅沢昇、河村満和、有馬宏治、大邦一公、五里兵太郎、太田優子、紅かほる、若水美子、香月涼二、伊香雅之、佐々木松之丞、梅原竜子、山村英三郎、大島まり、たちである。

天下無敵の剣の腕を持つ机竜之助。その『音なしの構え』は有名であった。しかし竜之助の心の底はいつも虚無の嵐が吹いていた。ある日、彼は大菩薩峠で、何の理由もなしに巡礼の老爺を斬捨てた。それから奉納試合で宇津木文之丞を討ち果した竜之助。それから4年が流れ、文之丞の許嫁だったお浜を連れて江戸に来ていた彼には子供が出来ていたものの、心の方は相変わらずだった。一方、文之丞の弟・兵馬は兄の仇を討つために島田虎之助の道場で修行を重ねていた。ある日、兵馬はふとしたことでお松という娘と知り合い、愛情を抱くようになるが、このお松は大菩薩峠で竜之助に殺された巡礼の孫娘だった。竜之助は魔剣に魅せられてお浜を斬ってしまい、斬ることに取り憑かれて新撰組に加わっていた。しかし、彼の頭には、これまでに斬ってきた人々の幻があって、狂気の世界に入っていた。そんな中、大和で竜之助はお浜とそっくりの女。お豊と出会う。そして一緒に江戸に向かおうとするが、お豊は金蔵という男に連れ去られてしまう。天誅組に加わった竜之助は放棄に失敗したことで残党狩りに遭い、追っ手の火薬によって目を焼かれて盲目となってしまう。が、追っ手に対して構える音なしの構えは健在で、追っ手を次々と切り捨てていた...

旧作の三部作では、ほぼ2本目までの物語が詰め込まれたものになっている。しかし、物語の方は圧縮されたという感じのものにはなっていない。演出の点では重厚さが出ていて、これによってなかなか見応えのある作品になっている。この点でもリメイク三部作の最初と言うことで、しっかりと作られていて、続きを見たくなってしまう作品である。

 

大菩薩峠 [DVD]

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↓本作の続きもDVD化されています。

大菩薩峠 第二部 [DVD]

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大菩薩峠 完結篇 [DVD]

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ARMOURY SHOW『WAITING FOR THE FLOODS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1985年に発表された彼らの唯一のアルバムである。彼らはパンク旋風の後のポスト・パンク・バンドの洪水状態の中で、イギリスでは人気を得たTHE SKIDSのメンバーの最後に残った2人と、孤高のカルト・バンドとして知られるMAGAZINEのメンバーの一部とで結成されたバンドである。(この当時は次々と新しいバンドが登場しては解散を繰り返していた時期でもあって、メンバーもいくつかのバンドを転々とするということが多かった時期でもある。)結局、彼らも大成することなく解散してしまうことになる。しかし、なかなか骨のあるロックを聴かせているということで、同時期のUKロック・ファンの間では以外と名前の通っているバンドの一つである。

収録曲は以下の全10曲である。『Castles In Spain』『Kyrie』『A Feeling』『We Can Be Brave Again』『Higher Than The World』『The Glory Of Love』『Waiting For The Floods』『A Sense Of Freedom』『Sleep City Sleep』『Avalanche』。

この中からシングル・カットされたのは次の3曲である。『Castles In Spain』『We Can Be Brave Again』『The Glory Of Love』。但し、『Castles In Spain』はアルバム・リリースよりも前の1984年にリリースされていて、更に同曲の「Wubb Dubb Mix」が12"シングルとしてもリリースされている。

お薦め曲は、やはり彼らの代表曲として最も耳にする機会の多い『Castles In Spain』と『The Glory Of Love』『Waiting For The Floods』『Sleep City Sleep』をピックアップしておく。

ポスト・パンクのバンドとしては、メンバー同士での音楽的な違いからくる対立も激しく、離合集散が繰り返されるという状態となり、大成したバンドは少ない。彼らもそういうバンドの一つである。しかし、THE SKIDSには後にBIG COUNTRY(一発屋という印象があるのもまた事実ですが...)を結成するS・アダムソンがいて、彼はARMOURY SHOWを結成することになるTHE SKIDのメンバー達との間で音楽的な対立からBIG COUNTRYを結成している。そしてBIG COUNTRYは(一発屋とも言われているが)大ヒットを放ったということで、THE SKIDSの残ったメンバーが後に結成したバンドであるARMOURY SHOWは名前が出てくることになる。(ちょっと悲しい一面もありますけど...)よって、'80'sのブリティッシュ・ロックを語る上では、大きなヒット曲が無いのに、名前だけは(意外と)高い。

確かに彼らのサウンドは大衆受けするものとは言い難いところがある。しかし、ロックということではメインストリームにあるものではないが、骨のあるものである。'80'sのブリティッシュ・ロックを聴くのであれば、一度は聴いておきましょう。

 

Waiting for the Floods

Waiting for the Floods

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  • 出版社/メーカー: Track
  • 発売日: 2002/03/11
  • メディア: CD


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ケータイ刑事銭形泪22話(2nd.9話)[裏ネタ編]PART 9 [ケータイ刑事]

銭形泪」の2nd.第9話(通算では第22話)「シャーロキアンは知っている ~『赤毛連盟』殺人事件」の裏ネタ編・増補は今回が2回目(この物語では通算9回目)となるが、今回は冒頭のちゃんと高村さんのやりとりに於いてこれだと知ったちゃんが安心した「ドラマ」について、これで見てみようと言った「DVD」について、中盤でちゃんと柴田さんがワトソンのことで話して名前が出てきた「『ねじれた唇』」について記します。

また、この物語について過去に記した記事については「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての「裏ネタ編」は、2009/4/9、11、12、14、16、18、20日付けで記しています。)

ドラマ」:演劇、芝居、劇のことであって、登場人物の行為や行動を通して物語を進めていくものである。一般的にはテレビで放送されているドラマのことを指す。また、これは芸術作品の一つでもあるが、近年のテレビドラマの中には「芸術」の「げ」の字すら感じられない様なものもありますが...

作品の登場人物の行動によって物語が進んでいき、その行動や台詞によって何らかのテーマが語られるのが一般的である。(何らかの障害にぶつかり、それに苦悩し、乗り越えていくというのが基本である。)

元々は演劇や戯曲(則ち舞台劇)のことを「ドラマ」と言ったが、19世紀末に映画が発明されたことで、この概念が変化することになる。そして、登場人物が苦悩し、人間的な成長をみせるものを「ドラマ」と呼ぶようになって、従来は「ドラマ」と呼ばれていた演劇や戯曲は、それぞれ「演劇」「舞台劇」/「戯曲」「シナリオ」などと呼ばれるようになって、これらの者に対しては「ドラマ」とは言わなくなる。更に、戦後にテレビが登場し、テレビ用の劇が制作されるようになると、それらのことを「ドラマ」と呼ぶようになった。また、映画に於いては、苦悩する人間の姿を描いたジャンルのものを「ドラマ」(「人間ドラマ」と言うこともある。)と呼ぶようになった。→言葉は生きものであって、時代と共に変化していく、ということの見本のような言葉である。

いずれにしても「ドラマ」はフィクションであって、あくまでも架空のものである。(現実に起こった出来事を描いている作品もあるが、脚色されていたり、演出によって100%が現実に起こったことでは無くなっているので、「架空」という言葉が入ることになる。)

または、現実世界で起こった出来事や事件のことであっても、それが戯曲のような劇的なものであった場合は「ドラマ」(この場合は「ドラマチック」「劇的」という言葉が使われる場合もある。)と呼ぶ。尚、この場合の「ドラマ」は、まるでフィクションのことのような、という意味合いがある。

尚、英語では「Drama」という。

DVD」:「Digital Versatile Disc」の頭文字から取った名称で、光ディスクを用いた映像信号と音声信号をデジタル信号として記録、再生を行う映像の録画・再生装置のこと、またはそれに使用される光ディスクのことである。

現在でも「Digital Video Disc」と勘違いしている人が多いが、「V」は「映像」を表す「Visual」ではなくて、「用途の広い」と言う意味の「Versatile」である。開発段階では映像信号をデジタル記録する装置というこちだったので、「Digital Video Disc」という名前であったが、デジタル信号を記録するということは映像信号に限られることではなく、他の信号(例えば、音声信号、コンピューターのデータ、静止画データなど)の記録も可能であることから、「Video」が「用途の広い」と言う意味の「Versatile」に変更された。

これはCDが開発当初は「Digital Audio Disc」(略して「DAD」)と呼ばれていたが、その規格がCD方式に統一され、「CD」の名前で製品化されたが、そのCDフォーマットに於いて、音声信号以外の信号としてコンピューターのデータや静止画信号などの記録のために使用され、「CD-○○」というようないくつかの規格が生まれたことから、1つの用途に限定しない名称に改めることが求められたという背景もある。(ちなみに、CDは「Digital Audio Disc」の規格の1つであるが、規格統一されて普及したことで、CDがDADに取って代わる名称になってしまった。尚、「CD」は「Compact Disc」の頭文字を取った略称である。→CDの開発当初では、直径12cmというものはコンパクトなものでもありました。)

使用される光ディスクのサイズはCDと同一の直径12cmで厚さは1.2mmあるということで、物理的にはCDと同一であるが、信号記録に用いるレーザーの波長、ピットのサイズなど、規格的には全く別物である。一番大きく異なっているのは、DVDのディスクは0.6mm厚のディスクを2枚貼り合わせているということである。信号面はディスク表面から0.6mmの厚さの所にくるため、普及していない者の両面ディスクというものも実現できる。(CDは信号面から見て厚さ1.2mmの位置(レーベル面の直ぐ下)に信号面が位置することになる。そのため、両面ディスクというものは不可能である。)→CDの開発時は手探り状態であったが、CDに於ける問題点や改善点が考慮されているためでもある。

また、DVDと言ってもいくつかの規格が存在していて、それらの間には互換性がない。(現在市場に出回っているディスク・ドライブは複数のフォーマットに対応したものである。)

市販ソフトとしては、映像信号を記録したDVD-Videoと音声信号のみのDVD-Audioがあるが、前者は今ではVTR(ビデオテープ)に取って代わったが、後者はCDに取って代わるような状況にはなっていない。(CDの高音質化したフォーマットは、SACDという異なる方式もある。)記録できる規格としては、DVD-R、DVD+R、DVD-RW、DVD+RW、DVD-RAMの5つのフォーマットがある。-Rと+Rは1回のみ書き込みが可能なものであり、それ以外の3つは複数回の書き込み(書き込んだデータの消去も含む)が可能である。また、2層記録が可能な規格としてDVD-R DL、DVD+R DLがあるが、DVD-R、DVD+Rを発展させたものである。しかし、2層ということで2倍のデータ容量が記録できるのではない。これは1層目はレーザー光を全反射することがないようにするため(全反射してしまうと2層目が全く読み出せなくなってしまう。)記録密度を下げているためである。→BDではこの問題を解決しているため、2層のBD-R、BD-REは1層の2倍のデータ容量がある。

この物語でちゃんが口にした「DVD」とは、映像ソフトのことである「DVD-Video」のことであるが、単に「DVD」と言った場合はDVD-Videoのことを指すのが一般的である。(セルDVDとレンタルDVDがある。)

『ねじれた唇』」:原題は「THE MAN WITH THE TWISTED LIP」、「唇のねじれた男」「もう一つの顔」という邦題もある。1891年にアーサー・コナン・ドイルが発表したシャーロック・ホームズ・シリーズの中の一編である。(短編作品である。)この作品は月刊誌の「ストランド・マガジン」の1891年12月号に掲載されたものである。

この作品は、ワトソンに関することで興味深いことが記されている作品であるため、シャーロキアンであればこの作品については知っていて当然となっている。(当然、ワトソンに関することも含めてである。)

というのは、ワトスンのフルネームは「ジョン・H・ワトスン」というのだが、この物語では、妻のメアリーがワトスンのことを「ジェームズ」と呼んでいるためである。この解釈は、ワトソンのミドルネームの「H」は「Hamish(ヘイミシュ)」であると推論がされている。(「Hamish」とは、スコットランド呼称の「ジェームズ」である。)

物語の方は、1889年6月に起こった事件として記されている。事件名としては「ネビル・セントクレア氏失踪事件」である。

ワトソンの元に、患者・アイザ・ホイットニーの妻が、夫をアヘン窟から連れ出してほしいという助けを求めてきた。で、アヘン窟へ向かったワトソン。そこにはホームズがいて事件が起こっていた。ネビル・セントクレア氏はアヘン窟の3階で妻に目撃されたが、妻が警官と共にやってきたら彼の姿は無く、唇のねじれた障害を持った男ヒュー・ブーンがいただけだった。窓枠に血痕があったことからヒューは逮捕されたが、セントクレア氏の遺体は発見されず、行方不明となった。妻は、夫は生きていると主張する。最初、ホームズは既に死亡していると推理したが、セントクレア氏の失踪の謎を解き明かしていく...(結末や事件の詳細については、ここには記しません。各自で読んでください。)

 

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX II

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ドラマ 2010年 04月号 [雑誌]

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ドラマ 2010年 03月号 [雑誌]

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  • 出版社/メーカー: 映人社
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もう一度見たい!ドラマ100本 ’90年代編

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ドラマ脚本の書き方―映像ドラマとオーディオドラマ

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1980年代全ドラマクロニクル

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記録型DVD規格ハンドブック―各種DVDの規格から、PCとDVDプレイヤ/DVDビデオレコーダとの互換性まで

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図解 DVD規格

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↓これは一度は読んでおきましょう。

シャーロック・ホームズ唇の捩れた男 (新潮CD 名作ミステリー)

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  • メディア: 単行本

唇のねじれた男 シャーロック=ホームズ全集 (6)

  • 作者: コナン=ドイル
  • 出版社/メーカー: 偕成社
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シャーロック・ホームズの冒険―唇のねじれた男 (英文世界名作シリーズ (C‐12))

  • 作者: C.ドイル
  • 出版社/メーカー: 評論社
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↓こういうものもあります。
[オーディオブックCD] シャーロック・ホームズ「唇のねじれた男」

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  • 作者: コナン・ドイル/大久保ゆう
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  • 発売日: 2008/11/17
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