BRYAN ADAMS『YOU WANT IT, YOU GOT IT』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1981年に発表された彼の2nd.アルバムである。前作のデビュー・アルバムはカナダではそれなりのヒットを記録したが、いよいよアメリカやイギリスへの展開が始まることになるアルバムである。(が、カナダ以外ではセールス的にはまだまだであって、ブレイクするのは次作でということになる。)カナダでは最高位50位を記録し、前作は米英ではチャートインしていなかったが、本アルバムはアメリカでは最高位118位、イギリスでは最高位78位を記録して、この2国では初めてチャートインをしている。
収録曲は以下の全10曲である。『Lonely Nights』『One Good Reason』『Don't Look Now』『Coming Home』『Fits Ya Good』『Jealousy』『Tonight』『You Want It, You Got It』『Last Chance』『No One Makes It Right』。
この中からシングル・カットされたのは3曲である。1st.シングルの『Coming Home』はカナダでは最高位28位を記録、1nd.シングルの『Fits Ya Good』はカナダでは最高位29位、そしてアメリカのメインストリーム・ロック・チャートにで最高位15位ということで、アメリカのチャートに初めてランクイン(BillboardのHOTチャートにはランクインしていない)、そして3rd.シングルの『Lonely Nights』はカナダでは最高位26位、Billboardでは最高位86位を記録している。
お薦め曲は、シングル・ヒットを記録している『Coming Home』『Fits Ya Good』『Lonely Nights』の3曲と、アルバム・タイトル・ナンバーの『You Want It, You Got It』、そして締めとなる『No One Makes It Right』をピックアップしておく。
次作で彼はブレイクすることになるが、本作はブレイクする前に発表されたアルバムであるが、今になって聴いてみると、なるほど、それらしい所を持ち合わせていることが分かる。ハスキーなボーカルもなかなか魅力的であって、そういう所は後に磨きが掛かることになるのはご存知の通りであるが、若い時のボーカルもなかなか魅力的である。
'80's中期以降は、彼の名前はビッグネームであるが、本アルバムまで(=2nd.アルバムまで)は無名の存在でしかなく、しかもアメリカではなくてカナダということで、火が付くまでには時間がかかることになったが、荒削りなところもあって若さに満ちたアルバムとなっている。彼のアルバムを聴くのであれば、次作以降を聴いた後でも良いので、聴いておきたいアルバムである。
三代目明智小五郎~今日も明智が殺される#3 [ドラマ]
今回も色々とサービス・カットがあると言うことでは楽しいのだが、高田刑事はちょっと壊しすぎでしたね。が、警察をクビになって、仕方なしに小林少女のパシリになるという布石だけは出来たと言った所ですかね...(刑事(=公務員)は副業(=アルバイト)は禁じられているが、エキストラのバイトに参加というのはねぇ→初代・明智小五郎の時代ならば有耶無耶に出来たでしょうが、最近は何かと五月蠅いのと、マスコミ(「マスゴミ」の可能性もあり)が知ると餌食になるだけですし...
ゲストは6代目の大政絢ということだったので、「恋日」出演経験のある小池里奈とは(将来)次女と四女(=8代目)という「お姉ちゃま/妹」にということが、少し前ならば考えられたのだが、例の枠が消えてしまった現在、また、小池里奈も今年(9月)で17歳になることを考えると、その可能性はもはや限りなく0に近いでしょうね。→現状だと丹羽Pが「大型新人」と言っている岡崎歩美が8代目の最有力候補でしょうね。あと2年の猶予があれば、復活もあり得るでしょうし...
エキストラのバイトに参加した小林少女。(ナース姿の上にゾンビメイクまでしているということは、ホラー映画のエキストラということですね。)高田刑事と共にロケ地の病院にいたが、いないはずの明智も現れた。明智は、高校時代に事故で死んだ恋人が生きていて、ここに来ると会える、という連絡があってやってきたのだった。で、明智はその彼女を捜し始める。が、何者かに頭を殴られて、気がついた時には鎖に繋がれていた。が、目の前に、やはり鎖に繋がれた死んだはずの彼女もいた。(何か、「恋とオシャレと男のコ」の5話の展開が頭に蘇ります...)彼女は早川楓で、高校時代に事故でこの病院に運ばれたが死亡した。しかし明智ら会いたい一心で蘇ったのだという。
一方、小林少女の前にはまたも幽霊になった明智が現れた。ということで、いつもの展開で、蘇るために自分を殺した犯人捜しが始まる。
今回は、服毒死ということだったが、メモがあって、それに従って目の前にあった饅頭を食べたら、毒が入っていたのだった。しかも目の前には時限爆弾があって、饅頭を食べなければ爆発するということだった。
まずは、明智の死体を高田に発見されないように、早川と共に隠そうとする小林少女。が、葬儀屋を名乗る男が「火葬する」と言って持って行かれてしまった。こうなるし、早く犯人を突き止めないと蘇ることが出来なくなる。(ということで、いつものパターンへ。)
何だかんだで「こんな僕でも解ける事件があるようだ」ということで、小林少女を通して推理を語る明智。(が、今回は「こんな僕でも」ではなくて明智だったからこそ解けた事件でしたが...)
早川は、実は早川ではなくて全身整形をしたなぎら梅子だった。彼女もまた明智の高校時代の同級生であり、明智に好意を持っていて、明智と一緒に死ぬことを考えていたということで、その思いを実行しようとしたのだった。(睦月さん脚本の「捻れた愛」が動機となった事件がいくつかあったのを思い出しますね。)
で、明智は蘇ったが、遺体は既に棺桶の中で、火葬場の炉の中に入っていた。意識を取り戻した明智は「暖かい...」ということを口走っていたが、最終的には助け出された。(ここは「007/ダイヤモンドは永遠に」で同じような窮地がボンドにありましたね。)
そんな明智の前に、マントを羽織って仮面をつけた男がいた。その男を「マントくん」と言った明智だったが、その言い方を拒んだ男。→誰でも容易に予想されるが、怪人二十面相の孫で、三代目怪人二十面ということでしょう。(意表を突くのはこちらは四代目になっているとか、「二十面相」ではなくて「三十面相」とか、本作は全10話となっていることから「十面相」を名乗るかも...?)
男は「ルールを語る」と言って、明智との間に因縁があって、決着をつけるときが来たと語った。
次回予告(小林少女は「もじゃもじゃマント」と言っていたが、その正体が明らかにされる、と言っていた。)とDVDの告知があって、今回も終了となりました。
今回は、小林少女のコスプレ・サービスということになったが、ナース姿ではなくてゾンビ・ナースということで、やってくれましたね。事件の方は、明智を知っている人物でなければ全く解く事の出来ないものであり、謎解きということは完全に脇に追いやっての物語になっていました。(が、本作の実質的な主役は小林少女だから、これはこれでよろしいかと...)
今回の犯人は、隙を見て逃亡し、しかもそれが「マントくん」/「もじゃもじゃマント」だったのか?という描写が無かったが、今回は犯人ではなくて葬儀屋と名乗った男だったということですね。となると、今回は前2話のパターンを変えたということになるが、明智との因縁話を中心にした物語よりも、小林少女を魅せてくれる物語の方がいいんですけどね...
尚、高田刑事が鎖を歯で噛み切っていたが、この人もただものでは無いということですね。しかも携帯の着メロが「Gメン'75」のテーマって、渋いですね...が、鎖を歯で噛み切るような化け物となると「007/私を愛したスパイ」と「007/ムーンレイカー」に登場したジョーズが頭に浮かぶことになる。ということで、本作は単に「名探偵明智小五郎」に関するキャラだけではなくて、色々なキャラの要素も取り入れていくようですね。物語の内容よりもネタを楽しむ作品ということではよろしいかと...
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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その153) [ケータイ刑事]
今回のテーマは「ICチップの回収」です。但し、その回収作業というシチュエーションと言うよりも、その影に共通のシチュエーションがあるということで記します。(「回収」と言うと争奪戦を繰り広げてとか、何処かに忍び込んで、というような派手な展開の物語が頭に浮かぶが、そのようなスパイライクで派手な展開の物語では無くても「ケータイ刑事」は上手い取り上げ方をしているという物語の一つでもある。)取り上げる物語は「ケータイ刑事」からは「泪・1st.3話」、「007」からは「美しき獲物たち」です。
「ケータイ刑事」:「泪・1st.3話」。「泪と五代の張り込み大作戦! ~一億円消失事件」という物語。高級輸入楽器店で強盗事件が発生し、犯人・柏木は現金一億円と重要機密が記録されたICチップを奪って逃走した。そして柏木は近所の一人暮らしの老人・牧のぶ代宅に押し入った。事件の知らせを受けた泪ちゃんと五代さんは現場へ向かった。
のぶ代に話を聞く泪ちゃんと五代さん。のぶ代の話では、空き缶を資源リサイクルに持っていこうとしていると、そこに柏木が現れたのだと言う。泪ちゃんは家の中に目を移すと、空き缶がたくさんあった。また、泪ちゃんはそこに何か落ちているのに気づいて拾い上げた。で、これが盗まれたICチップだったと分かる。(「回収」というよりも、拾い上げたらたまたまそうだったと言った感じでICチップの回収が出来てしまいました...)
盗まれたICチップがのぶ代宅にあったということは、現在は柏木の手には無いということなので、泪ちゃんは、柏木はやがてここに戻って来ると考えて、五代さんと共に張り込みをすることにした。(五代さんと親子の焼き芋屋ということにしました。)
張り込みを始めたが、犯人はいっこうに現れない。また、のぶ代との間では色々とあったが、「助けてください~」というのぶ代の声がした。柏木が現れて、逃げていったという。で、泪ちゃんと五代さんは、のぶ代が示した方に柏木を追っていった。が、柏木は発見されず、戻って来た泪ちゃんと五代さん。が、そこにのぶ代がリヤカーを引いて帰宅してきたのと鉢合わせになる。空き缶のリサイクルに言っていたと言うのぶ代だった。
まもなく、柏木の死体が河川敷で発見されたという連絡が入り、現場に行って調べた泪ちゃんは、柏木の手に「C」という文字が残されていたのに気づいた。柏木には共犯者がいて、仲間割れしたということを考えた泪ちゃんは、とりあえず張り込みは終了ということにした。で、五代さんとの間で焼き芋のことを話をしていると、事件について閃いた。
柏木がやってきた時、のぶ代は一億円の一部を貰うことで柏木を匿うことにした。泪ちゃんたちが最初にやってきた時、柏木はのぶ代宅の台所の床下収納庫の中に隠れていた。泪ちゃんたちが帰った後、柏木から金を受け取ったのぶ代は、その時に柏木を殺害して死体を始末しようとしたが、泪ちゃんたちの張り込みが始まったので、それが出来なくなった。で、柏木が現れたという芝居をして泪ちゃんたちを家から遠ざけて、その間に柏木の死体を捨てるため、リヤカーに積んで出ていったのだった。
のぶ代宅の台所の床下収納庫からは札束が出てきたこと、また、柏木の死体が履いていた靴には、床下収納庫にあった糠の乳酸菌と酵母が付着していたこと、柏木の手にあった「C」の文字はドイツ音階の「ツェー」であって「ドレミ」で言うと「ド」ということ、のぶ代のあだ名は「どぶ代」ということ、というで、謎は泪ちゃんが全て解き明かした。のぶ代は「安心が欲しかった」「信じられるのは金ぐらい」ということが柏木を殺した動機だったと口にした。
「007」:「美しき獲物たち」。1985年のシリーズ第14作で、3代目ボンドの最終作(3代目としては7作目)である。秘密兵器が派手に登場する物語でもある。(それだけ3代目ボンドのR・ムーアの高齢化によるアクションの衰えをカバーするためということでもありました。)
003がソ連からICチップを奪ってきた。が、ソ連軍の追っ手によってシベリアで殺される。ボンドは003の死の調査とICチップの回収の任務を受けてシベリアへ。当然、ソ連軍も003が奪ったICチップを回収しようとして、追っ手を放っていた。
そんな中、ボンドは氷山の浮かぶ海岸近くで003の遺体からICチップを回収するのに成功して、その場から逃げる。が、ソ連軍も総力を上げてボンドを追った。ボンドはソ連軍の銃撃を躱してスキーで逃げるが、スノーモービルやヘリコプターまで動員してボンドを追うソ連軍の前にボンドは窮地に陥る。逃げながらも追っ手を少しずつ倒していくボンド。が、スキーをやられてしまった。
そんな中、ボンドはスノーモービルに乗って追いかけてくる追っ手に目を付けた。これを倒してスノーモービルを奪ったボンドは、スノーモービルで逃げ始めた。が、ソ連軍も簡単には諦めず、ボンドの乗ったスノーモービルを遅う。そしてヘリコプターによる空からの攻撃でスノーモービルは吹っ飛ばされてしまい、ボンドも吹き飛ばされてしまう。が、幸にも破壊されたスノーモービルのソリがボンドの側に飛んできた。で、ボンドはそのソリをスノーボートとして利用して、再び逃げた。
追っ手はスキーで追いかける。ボンドはその地が海岸側という地形であったことから、雪の上から水上に飛び出して逃げる。ボンドは水上を颯爽と滑って、まるでサーフボードを操るようにスノーボードを操って対岸に達するが、スキーの追っ手は水上に出ると転倒して水に沈んでしまった。で、追っ手から逃れたボンドは海の方に向かって走っていった。
突然、海に浮かんでいる氷山(流氷)の一角からハッチが開き、そこにはユニオンジャックが記されていた。ボンドはその発地の中に入るとハッチを閉めた。それは流氷の形をした潜水艇(流氷型潜水艇)であり、的の目を欺くためのものだった。その潜水艇には、ボンドと共にこの任務に派遣されてボンドをサポートしていたキンバリー・ジョーンズが乗っていた。
ボンドは回収したICを見せて任務完了を告げ、同時に戦利品として手に入れたソ連編から奪ったものとしてキャビアの缶詰とウォッカの瓶を取り出した。そしてキンバリーに自動操縦にするように指示を出して、ソファーの上でくつろぎ始めた。キンバリーは自動操縦に切り替えるとボンドの元へ。で、アラスカまでは5日かかるということで、2人はウォッカとキャビアを楽しみ、(お約束の)ひとときを過ごすことになった。
ロンドンに戻ったボンドは、回収したICチップを提出し、そのICチップが詳しく調べられた。で、それは西側が開発した最新式のICチップであって、核爆発によって起こる電磁波の影響を受けないものだった。しかもそのICチップはゾリン産業が作ったものだということが分かる。これによってソ連(KGB)とゾリン産業とが繋がっていることが分かった。ということで、ボンドはゾリンに接近していくことにした。
共通点は、ICチップが事件の発端になっているということと、無事に回収しているということである。(が、これらは物語の組み立てを考えたら当然である。)これらの物語の驚くべき類似点としては、その影でカムフラージュをして他人の目を誤魔化しているということが行われていることである。(「ケータイ刑事」ではのぶ代が床下収納庫の中に犯人を匿って泪ちゃんたちを誤魔化し、「007」では流氷の形をした潜水艇でソ連の追っ手を誤魔化している。)表に出て目立つ「ICチップの回収」の影に「カムフラージュ」という共通点があるのが面白い所である。(今回の真のテーマは「カムフラージュ」ということでした。)
相違点は、「ケータイ刑事」では犯人側が主人公を誤魔化すのにカムフラージュが行われているが、「007」では主人公側がカムフラージュを行っているということである。(ただ、「ケータイ刑事」では、主人公側が「張り込み」と称して犯人の動きを探るためのカムフラージュとして焼き芋屋に扮して張り込みを行っていたが、これを含めると両作とも主人公側はカムフラージュを行っているということになる。しかし、「ケータイ刑事」では主人公側が行ったカムフラージュは結果的にはターゲットがいなかったので意味がなかったということになりました。)
次回は、「ある物」ということで記す予定です。何が登場するのかはお楽しみに。
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