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THE CHURCH『OF SKINS AND HEART』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1981年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。オーストラリア出身の彼らであるが、デビュー時にはMEN AT WORKを初としたオーストラリアのバンドが世界的にブレイクする時期であったが、当時のキャリアも浅くて世界的にはブレイクしていない。(1988年に一発屋的な感じでヒット曲を放つことになる。)本国オーストラリアではそれなりのヒットを記録したが、それだけであった。

収録曲は、オリジナル版では全9曲であったが、現在では後ろに3曲のボーナス・トラックが追加されていて、全12曲となっている。収録曲は以下の通りである。『For A Moment We're Strangers』『Chrome Injury』『The Unguarded Moment』『Memories In Future Tense』『Bel-Air』『Is This Where You Live』『She Never Said』『Fighter Pilot...Korean War』『Don't Open The Door To Strangers』『Too Fast For You』『Tear It All Away』『Sisters』。

この中からシングル・カットされたのは、1980年秋に発表された彼らのデビュー・シングルの『She Never Said』と、本アルバムのリリース後にシングル・カットされた『The Unguarded Moment』の2曲である。前者は特にチャートインすることも無かったが、後者はオーストラリアで最高位22位を記録している。また、ボーナス・トラックの3曲の内、『Too Fast For You』と『Tear It All Away』は本アルバムの後にシングル曲として1981年に発表されたものであり、前者はオーストラリアで最高位43位を、後者は最高位81位を記録している。(当時はアルバムには収録されていないシングルとしてリリースされたものである。)

お薦め曲(ボーナス・トラックは除く)としては、彼らのデビュー・シングルである『She Never Said』と、(本国で)ヒットを記録した『The Unguarded Moment』、そして『For A Moment We're Strangers』『Don't Open The Door To Strangers』をピックアップしておく。

'80's初旬のダウンアンダー・バンドの特徴としてはサックスを取り入れた活きの良いロック・サウンドであるのだが、彼らはサックスを導入せずに、ポスト・パンク系のサウンドを聴かせていた。ある意味では'80'S初頭のサウンドの方向性としては悪くないのだが、本国オーストラリアではサックスを取り入れたバンドが次々と世界に進出していっていた時期であり、本流からは外れたものである。この点ではタイミングが違っていたことになるのだが、'60'sのサイケデリックな雰囲気を漂わせているという所はなかなか面白いものであり、これが後に「ネオ・サイケ」としてそれなりに認められることになる。そういう意味では、サイケデリックなサウンドがお好きな方と、ネオ・サイケ・ファンという方はチェックしておきたいアルバムである。

 

Of Skins & Heart (Bonus CD)

Of Skins & Heart (Bonus CD)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMI Australia
  • 発売日: 2002/07/04
  • メディア: CD

Of Skins and Heart

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMI
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD

 

↓2nd.アルバムとの「2 in 1」がリリースされています。

Of Skins and Heart/the...

Of Skins and Heart/the...

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMI
  • 発売日: 2005/10/03
  • メディア: CD


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ケータイ刑事銭形雷2話[裏ネタ編]PART 7 [ケータイ刑事]

銭形雷」の第2話「JホラーVS SAYURI ~ニッポンの幽霊は怖いョ!殺人事件」の「裏ネタ編・増補」は今回で打ち止めとします。(前回同様に「」としては少し詰め込み気味ですが...)で、柴田さんが「ひまうぞんし」と言っていた「心臓麻痺」について、「不吉な数字『13』」について、この物語でアッハーンが口にしていた「わびさび」について、ちゃんがこれで足をしびれさせていた「正座」について、そしてスポンサーに協力して宣伝していた「プッシュトーク」について記します。尚、「心臓麻痺」については「・15話(2nd.2話)[裏ネタ編]PART 9」で、「正座」については「・6話[裏ネタ編]PART 2」で記したものをベースにして加筆しました。

尚、BS-iの本放送時に記した記事は2006/1/9付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。

心臓麻痺」:心臓の機能が急に不全となって停止することを言う。これが起こると死に至る確率が高く、死因として称されることにもなる。但し、「心臓麻痺」というのは医学用語では無く、心臓が急な不全となったことで死亡した急死の場合に使われる言葉である。(医学用語では、更に心臓の状態を調べて、より細かい病名で語られることになる。(「心不全」をはじめとした各種心臓病があって、原因となった病名が付けられることになる。例えば「心筋梗塞」「不整脈」「心破裂」などはその代表的なものである。)

英語では「Cardiac Failure」「Heart Failure」または「Cardioplegia」と言う。

心臓麻痺が起こると、死に至る可能性が高いが、対処方法が無い訳ではない。(医師を直ぐに呼び、診て貰う必要があるのは言うまでもない。また、救急車も当然のことながら呼ぶ。)医師が来るまでの間、患者は絶対安静として、体を動かすこともNGである。仰向けでも起きた姿勢でも良く、楽な体位にすることが最重要である。出来ることとしては、携帯用の酸素吸入器を付けて酸素を吸入させること、心臓停止の場合は心臓マッサージを行う、などがある。しかし、一刻も早く医師に来て貰うことが重要である。(病院に運ぶよりも、医師に現場に来て貰った方がよい。)

不吉な数字『13』」:西欧での忌み数として知られている数字が「13」であり、そのため「不吉な数字」とされている。日本では「4」や「9」が忌み数とされている。(漢字文化圏では「4」、それ以外の地域では「13」が代表的な忌み数である。)

忌み数は、数に対して神秘性を認めたことから生まれたものである。宗教的なことから嫌われたり、発音が悪いことを意味する言葉に通じるという理由から嫌われるようになった数字である。(当然、その逆で、良いこと、吉に繋がるとして縁起の良い数字(=吉数)もある。)そのため、同じ数字であっても国が変わると忌み数ではなくなったりすることもある。→西洋では「13」は忌み数であるが、仏教では「13」は釈迦を守護する仏(十三仏)が13ということで吉数とされている。(忌み数/吉数とは全く関係ないが、大阪市淀川区には「十三」という地名がある。(「じゅうそう」と読み、阪急電鉄に十三駅がある。))

西欧で「13」が忌み数になった理由はいくつかの説があってはっきりしたことは分かっていない。(主な説としては「未知数説」「非調和数説」があり、宗教的な要因による説はいくつかのものがある。)特にキリスト教では、イエスが処刑された日が13日だったからという説があるが、これについては現在では否定的な意見の方が多くなっている。(聖書の中にはイエスの処刑日を特定できる記述が無く、13日の金曜日だったというのは、現在では、近世になって付け足されたものとされている。→このため、「13日の金曜日」は不吉ではないとしているキリスト教国もある。)

ただ、日本では「4」や「9」、二桁の数字では「42」などは忌み数として定着しているのと同様に、西洋では「13」が忌み数というのも定着している。日本では建物で4階や9階、病院やホテルなどでは「4号室」や「9号室」が無いのと同様に、西洋では13階や13号室が無いというのが一般的になっている。

わびさび」:漢字で記すと「侘寂」。日本の古来から伝わる美意識の1つである。質素で静かなものという意味である。現在では良いものという意味になっているが、元々の意味は余り良くないもの、様子を指していた言葉である。

「侘」は閑居なもの、またはそういう場所という意味であるが、旧来は「粗末」または「貧乏」という意味である。これが良い意味に転じたのは禅宗によってである。それまでは単に「貧しい」という概念であったが、茶道の世界が余計なものを排除して質素であることが美徳であるとされ、質素なことの中に美が追究されていくようになり、良い概念を指すようになった。

一方、「寂」は閑寂なこと、またはそういう趣きのことである。旧来は人がいなくなってさびれたという虚しさや空虚なことを意味していたが、古くなったものに対して「古びた」ということに価値を見出すように意識が変わっていき、閑寂なことに美しさを探究するようになっていったことから、これも良い意味へと転じることになった。

尚、英語ではこの言葉に一致する概念が無いため、日本語をそのまま横文字にした「Wabi-Sabi」と言う。西洋でも最初は「貧しい」「寂れた」という悪い意味に解釈されることもあるが、日本の伝統文化が伝えられたことで、日本と同様に現在では日本文化の真骨頂というように考えられるようになり、「(日本の)美」の一つの形とされて、高く評価されるようになっている。

正座」:日本の伝統的な座る姿勢であって、姿勢正しく座ること、若しくはその座り方のことである。(膝を揃えてきちんと座る座り方である。)これは畳に座る場合の姿勢であり、礼儀を重んじる座り方でもある。

元々は、神道に於いて神様を拝む場合、または仏教で仏様を拝む場合に用いられていたものであり、奈良時代には既に用いられていた座り方である。当時は日常的に広く使われていた訳ではなく、特別な場合に使われるものであった。時代が江戸時代になると、将軍に対して敬意を表すという意味から、江戸幕府が大名に対して、将軍に向かって正座することが定められ、ここから宗教的な場以外でも用いられることになる。最初は将軍に対して大名が行う座り方ということであったが、これが各大名の間では、自国で君主と家臣との間でも用いられるようになり、更に庶民の間にも広がっていくことになった。

尚、日常生活に於いては、正座は特別な場合にのみ用いる座り方であり、通常はあぐらや立て膝で座るというのが一般的であった。それが、いつしかかしこまった座り方ということになり、江戸時代には文化芸能の世界でも、礼儀を弁えたりすることから正座が重んじられるようになっていった。

その一方で、朝鮮では罪人の座り方とされているため、普通は用いられない。→同じ座り方でも意味が全く違うということでもある。

英語で「正座する」ことを「fold one's legs under oneself」または「sit on one's heels」というが、見たままを言っているのが面白い所である。

尚、和室(畳の間)で行われる葬儀の場合、読経の間は正座しているのが正しい座り方とされているが、焼香の際、足がしびれて立てなくなると不安になったら、あぐらで座ってもよい、とされている。

この物語でのちゃんがそうであったが、正座を長時間続けていると足がしびれるということがある。これは足の上に体重が掛かるため、血流を抑えることになるためである。また、膝にも負担が掛かる座り方でもある。そのため、近年では健康には良くないとして、正座はするべきではない、という意見もある。(少なくとも、発育期の子供に対しては、注意が必要である。)

プッシュトーク」:NTT Docomoの携帯電話にある「プッシュ・トゥ・トーク」というサービスの名称のことであって、登録商標である。2005年11月にスタートしたサービスであり、2005年の年末に発売された端末である902iシリーズの端末に搭載された目玉機能であった。そのため、この物語の本放送時(2006/1/8)には始まったばかりの新しいサービスであった。しかし、Docomoは市場の変化に伴って、このサービスを2010/9/30をもって終了する、と発表している。→現時点では現行サービスであるが、まもなく過去のサービスになる。この物語でPRしているサービスであるが、過去のものと言うことになってしまうが、こういう所はスポンサーのPRをもしないとイケナイTV番組の辛いところでもありますね。(だからこそ「TVは時代を映す鏡」とも言われるのですが...)

端末のプッシュトークボタンを押してプッシュトークで話したい相手を選び、呼び出して会話を行う。ボタンを押すと最大30秒までの発言が出来る。(発言中はボタンを押し続けなければならない。)→一斉同時通信が可能(但し、上限の人数(通常は5人、オプション契約で最大20人まで)がある。)ということで、トランシーバーのような通話形態である。

サービス開始当初から色々と問題点が指摘されていたが、このサービスの最大のポイントは一斉同時通信である。ちゃんと岡野さんの2人では通常の通話(TV電話を含む)で十分であり、柴田さんが加わった3人(以上)になってこそメリットが出てくる。また、音声ではなくテキストデータであればメールによって一斉同時通信は可能である。(但し、メールだと即時応答にはならない。)ということもあって、現状では一部の業務用途で利用されているに過ぎない。(ということで、サービス終了ということになったのだが、サービス終了の発表によって、「やっぱり」と言う声が多かったのも事実である。→今一つ中途半端で、携帯電話の特長を生かしきれていないサービスでしたから...)

 

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 1

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 1

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

↓参考まで

高血圧の知識―脳卒中・心臓麻痺はこうして防ぐ (1957年)

  • 作者: 竹川 不二男
  • 出版社/メーカー: 青山書院
  • 発売日: 1957
  • メディア: -

七事式(表千家流)花月 (茶の湯の修練 1)

七事式(表千家流)花月 (茶の湯の修練 1)

  • 作者: 堀内 宗心 (ほりうち そうしん)
  • 出版社/メーカー: 世界文化社
  • 発売日: 2008/10/22
  • メディア: 単行本

わび・さび・幽玄―「日本的なるもの」への道程

わび・さび・幽玄―「日本的なるもの」への道程

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 水声社
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 単行本

茶人たちの日本文化史 (講談社現代新書)

茶人たちの日本文化史 (講談社現代新書)

  • 作者: 谷 晃
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/02/16
  • メディア: 新書

正座と日本人 (The New Fifties)

正座と日本人 (The New Fifties)

  • 作者: 丁 宗鐵
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/04/22
  • メディア: 単行本


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名曲探偵アマデウス#67 マーラー「交響曲第1番『巨人』」 [ドラマ]

今回の依頼人は再登場となった産業スパイのあのお方でした。(ファイルNo.025のマーラー「交響曲第5番」に登場したあの人です。カノンさんが「スパイさん」と言っていたのには笑わせてくれました。→この人、今回もマーラということになりました。)しかも、「スパイ」と言うと「007」ということもあって、「007」のテーマ曲が劇中に流れたり、「ボンドガール」という名前が出てくるということで、嬉しくなってくる構成でした。(更に「峰不二子」「キューティーハニー」「チャーリーズ・エンジェル」という名前も(これらは本当に名前だけでしたけど...)出てきたということで、本当にNHKなの?と思ってしまいました。)

今回のカノンさんはお団子頭になっていましたが、今回の依頼人が再登場ということで、以前の登場時の映像がちらっと出ただけに、こういうところは面白いですね。(ファイルNo.025のカノンさんはショートボブでした。)

取り上げられた曲はマーラーの「交響曲第1番『巨人』」でしたが、この曲のことよりも「007」に関係する名称や『007のテーマ』が登場したことの方に注意を持って行かれた筆者でした。

冒頭、久しぶりに貧乏事務所という所を出していて、「お腹空いた」と言う所長。釣られてカノンさんもというところで、ラーメン屋の出前持ちがやってきた。が「頼んでいませんよ」とカノンさん。が、出前持ちは盗聴器が仕掛けられていないかを調べる。カノンさんは依頼人のことを覚えていたが、スイスの口座にお金を振り込まれていないのだったら、忘れたくても忘れないですよね。

あの産業スパイ・コードネーム1126は、仲間の女スパイが拉致されたため、助けたいということだった。で、CDが届けられ、それがメッセージだと思い、相談にやってきたのだった。更に、報酬としてはボンドガールとの合コンをセッティングする、ということで、所長は嬉しそうにして受けることにした。→ボンドガールと言っても、ハニー・ライダーをはじめとする初期のボンドガールならば合コンに参加するでしょうが、ジンクスやウェイ・リン、パムのようなボンドガールは合コンには興味を示しそうにもないと思いますし、エレクトラやゼニア、メイデイ、のようなボンドガールだったら、こちらの身も危なくなりそうだし...

尚、1126に言わせると、拉致された女スパイは「コードネーム1107」で、峰不二子とキューティーハニーとチャーリーズ・エンジェルとアントニオ猪木とを足して7で割ったような女と言っていました。(チャーリーズ・エンジェルは3人組なので3人とすると合計で6人となるが、それを「7」で割るという所が笑わせてくれます。(歴代のチャリ・エンを全員という合計すると10人となるので、その場合は13人を7で割ることになり、こう考えると凄い美女になりそうですが...))→そう言えば、歴代のチャーリーズ・エンジェル(TVシリーズでは6人、劇場版2作で3人と元が1人なので、合計すると10人になる)の中には1人は後にボンドガールになった人がいますね。(→TVシリーズの第5シーズンに登場したジュリーことであり、「007/美しき獲物たち」のステイシーですね。演じたのはタニア・ロバーツです。)

依頼を受けると、いつものように曲を聴いてみましょう、ということになるが、今回の所長はいつもよりもソワソワした感じが出ていましたね。やっぱり「ボンドガール」と言うと気になるものですね。一方、カノンさんの反応も面白いもので、ボンドガールに対抗しようとしている所が面白いところでした。

曲の方に入ると、まずは第1楽章から。ここでは楽器の変わった演奏方法についていくつか紹介されたが、この番組ではその部分をじっくりと聴かせてくれるので、実に分かりやすいですね。(バイオリンについて「フラジョレット」と「コル・レーニョ」、ホルンについての「ゲシュトップト」が解説されました。)また、カッコウの鳴き声は伝統的に「3度音程」が用いられるのに、この曲では「4度音程」が用いられているということの説明がありました。

中でも、「コル・レーニョ」についてはエレキギターをピックで弾くのではなく、とんでもない演奏方法をするギタリストがいるが、そういうものを思い出させてくれますね。

また、マーラーは変わった奏法を用いて新しい音を出して曲を作ったと言うが、こういうのって、現在ではシンセサイザーで合成することが一般的になっている効果音の世界であるが、以前は身近にある道具を用いて効果音を作っていた(お椀を使って馬の蹄の音を作るというのは有名なものとして知られている。→「ケータイ刑事銭形零」の1st.12話にいくつか出てきていました。)のを思い出しました。

続いては「失恋交響曲」という話から、その説明を経て、第3楽章へ。ここでは色んな替え歌でお馴染みの『フレール・ジャック』を取り入れた葬送行進曲ということが語られる。(カノンさんと依頼人のスパイさん(カノンさんはこう言っていました。)が楽しそうに替え歌を歌っていたのと、葬送行進曲という暗い第3楽章の対比が見事でした。)

更に、曲調が次々と替わっていくが、それが次々と紹介されて「ごった煮の交響曲」ということで「異化」の説明となる。(カノンさんは「烏賊?」と返していましたが、楽しいカノンさんです。)→野本先生の説明はいつもながら分かりやすいですね。

で、今までのものとは違う全く新しい世界を作る、という意図と語られるが、クラシック音楽とロックが融合したプログレッシブ・ロック(プログレ)の世界では異化された音楽が構築されているが、'70's前半には名曲があったのを思い出しました。

そして第4楽章の説明へ。ここでも次々と変わる曲調が出てくるが、「ごった煮の交響曲」と所長が語るところでのカノンさんといい、ここでのカノンさんといい、いつもながら豊かな表情を魅せてくれますね。

所長は「大どんでん返しがありそうですよ」と言うが、「どんな大どんでん返しが?」と依頼人に尋ねられると、自信満々に「分かりません」と返し、これにズッコケる依頼人とカノンさん。が、この時カノンさんは楽譜のタイトルが目に入り、「どうしてこの曲『巨人』と呼ばれているのですか?」と問う。すると「それだ!そこにこそ事件を解く最後の鍵が隠されているのです」と口にした。ということで、カノンさんの言動って、事件を解くのに大きなヒントになることが多いが、所長とのコンビもバッチリということですね。(「銭形泪」では相棒の言動から事件を解くヒントを得ていたことを考えると、真逆のことをやっているのが面白い所です。)

そして、その説明となり、マーラは後にこのタイトルを外したということで、タイトルに付いての推測が3つ紹介されたが、定説がないものについて複数の説を取り上げるというのは、学術的に見ても公平であり、見ている側も自分で色々と考えることが出来るので、知的好奇心をかき立ててくれて、考えたくなりますね。

所長は、女スパイが依頼人を必要としていると分かった、と結論づけると「きっと彼女の方から現れると思いますよ」と締めくくった。が、依頼人は納得できないようで、キツネに摘まれたような表情で帰っていった。この時、カノンさんは「スイスに銀行口座作りましたから」と、前回の報酬のことを遠回しに口にして、所長は「ボンドガールとの合コンもよろしくね」と今回の報酬のことをしっかりと口にしたが、こういうところも息が合っている所長とカノンさん。本当に面白いコンビですね。

最後に、マーラーの言葉が紹介されて曲の演奏に移っていくが、余韻を残した締めとして良かったですね。(依頼人が納得できずに帰って行っただけに、謎を残した形での結びとしたら、こういう方が余韻に浸れますし...)

今回は、ドラマ部分は35分半強、曲が7分強、ラストのオチの所が1分強という構成で、ほぼ平均的な時間配分でした。が、7分では曲の全てというのは無理であって、第3楽章と第4楽章のダイジェストというものになっていました。

ラストのオチは、カノンさんが依頼人から手紙が届いている、と言って所長の下にやってくると、文面を読む。そこには所長が言っていた大どんでん返しがありました。

1107は二重スパイで、ある筋から理上方で、1107が任務を終えて敵の組織に戻ったことが分かった、とあった。(『007のテーマ』がバックに流れてきて、)更に「それだけではありません」とカノンさんが読み続け、「1107はナント、男でした!!」これに所長は薄笑いをした。驚くカノンさんは「所長、知ってたんですか?」と問う。すると、「見た目ではなくて内面を見て欲しい、偽りの大団円、つまり何かを偽っている、タイトルの『巨人』」と語り、これらから1107は大柄で声はアントニオ猪木、ということで、分かっていました。が、「そんなことよりもボンドガールとの合コンが無くなったことが悲しいよ」と漏らした。するとカノンさんは「何言ってるんですか」と食いつき、甘ったるいねこなで声で「所長には私がいるじゃないですか~」と言う。すると所長は、「響くん、君は女だったのか?」と返した。するとカノンさんは瞬間湯沸かし器の用に一気に怒りが爆発となって、所長にパンチを繰り出して「女じゃ~」と叫んでいた。(『007のテーマ』のエンディングの部分での締めというのも絶妙でした。)→以前、ボクシングのチャンピオンもタジタジとなったカノンさんのパンチですから、所長の怪我はどれほどのものになったことでしょうか...

事件の謎を解いていく所では、今回はいつもと比べると消化不良に感じられていたのたが、依頼人が全て納得してすっきりしたということにならずに帰って行ったこともあって、今一つに感じられたのだが、前回(ファイルNo.025)の報酬と同様に今回もただ働きになるという予感が所長にはあったのではと考えると、上手くあしらったように感じられた今回の物語でした。

ただ、所長が「大どんでん返しが」と言っていたので、何かあるという予想をしたが、二重スパイだったというのは思ったのですが、「男だった」というのはとんでもないどんでん返しですね。が、このオチで思い出したのは、「007/ユア・アイズ・オンリー」でのエピソードで、殺し屋のゴンザレスがメリナ(=ボンドガール)の両親を殺した報酬を自分のスペインの別荘にやってきた依頼人で殺し屋のロックから報酬を受け取るシーンがあるのだが、このシーンでプールサイドにいた美女たちの中に、実は元男性がいた、という話である。(性転換手術を受けて、男から女になったのだが、007スタッフも後からこのことを聞いて驚いていた。ちなみにその人物とはイギリス出身のTULA(テューラ)です。)今回のどんでん返しのオチと被っているように感じたのだが、「男だった」というオチは「ユア・アイズ・オンリー」でのこの話が根底にあったのかもしれませんね。しかもバックには『007のテーマ』が流れていただけに...

銭形泪」(特に2nd.10話を見た時)で思ったことは、黒川芽以さんは将来、ボンドガールになって欲しいと思ったのだが、今回の「名曲探偵アマデウス」でそのことをまたも思い出させてくれました。(そうなると、所長はカノンさんと合コンするということでボンドガールと合コンするという気分になるでしょうし...)

来週はファイルNo.068のベートーベン「ピアノ・ソナタ第23番『熱情』」ですが、今月の新作はそこまでとなって、6/28は何かの再放送です。そしてファイルNo.069のドビュッシー「水に映る影」は7/5となります。再放送の方は、BS-hiは全てマーラーであり、BS-2は17日がファイルNo.066のラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」、20日はファイルNo.067のマーラーです。

 

マーラー:交響曲第1番「巨人」

マーラー:交響曲第1番「巨人」

  • アーティスト: ショルティ(サー・ゲオルグ),マーラー,シカゴ交響楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/02/21
  • メディア: CD

マーラー:交響曲第1番

マーラー:交響曲第1番

  • アーティスト: ワルター(ブルーノ),マーラー,コロンビア交響楽団
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
  • 発売日: 2004/11/17
  • メディア: CD
マーラー:交響曲第1番「巨人」

マーラー:交響曲第1番「巨人」

  • アーティスト: マーラー,アバド(クラウディオ),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/09/05
  • メディア: CD
マーラー:交響曲第1番<巨人>(花の章付き)

マーラー:交響曲第1番<巨人>(花の章付き)

  • アーティスト: マーラー,小澤征爾,ボストン交響楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2009/07/15
  • メディア: CD
マーラー:交響曲第1番「巨人」

マーラー:交響曲第1番「巨人」

  • アーティスト: テンシュテット(クラウス),マーラー,シカゴ交響楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2005/06/22
  • メディア: CD
マーラー:交響曲第1番

マーラー:交響曲第1番

  • アーティスト: ニューヨーク・フィルハーモニック,マーラー,バーンスタイン(レナード)
  • 出版社/メーカー: ソニーレコード
  • 発売日: 2000/11/01
  • メディア: CD
マーラー:交響曲第1番「巨人」

マーラー:交響曲第1番「巨人」

  • アーティスト: Gustav Mahler,ホーネック(マンフレッド),マーラー,ピッツバーグ交響楽団
  • 出版社/メーカー: エクストン
  • 発売日: 2009/06/17
  • メディア: CD
マーラー : 交響曲第1番ニ長調 「巨人」

マーラー : 交響曲第1番ニ長調 「巨人」

  • アーティスト: 小澤征爾,マーラー,ボストン交響楽団
  • 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1996/06/05
  • メディア: CD
マーラー : 交響曲第1番ニ長調 「巨人」

マーラー : 交響曲第1番ニ長調 「巨人」

  • アーティスト: アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団,マーラー,バーンスタイン(レナード)
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1997/09/05
  • メディア: CD
マーラー:交響曲第1番

マーラー:交響曲第1番

  • アーティスト: インバル(エリアフ),マーラー,フランクフルト放送交響楽団
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2002/06/21
  • メディア: CD
↓一応、これらも拾っておきます。
ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX II

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX II

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD
ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX I

ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX I

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD
ユア・アイズ・オンリー [Blu-ray]

ユア・アイズ・オンリー [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: Blu-ray
ユア・アイズ・オンリー (アルティメット・エディション) [DVD]

ユア・アイズ・オンリー (アルティメット・エディション) [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD

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