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COCTEAU TWINS『GARLANDS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1982年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。バンド名に「TWINS」とあるが、双子ではなく、しかも3人組のバンドである。バンド名はSIMPLE MINDSの初期の未発表曲のタイトルからとられたものであって、ジャン・コクトーとは何の関係もない。ポスト・パンクのグループとされているが、余りにもパンクの大御所と呼ばれるグループの影響が大きく、その影もあって評価されるまでは時間がかかったのもまた事実であった。本アルバムは発表当時は極一部でしか注目されなかったが、'80's中頃になって彼らが評価されるとそれなりに注目を集めることになった。そして、2008年には本アルバムもシルバーディスクわ認定されるだけのセールスに達した。

収録曲は以下の全8曲である。『Blood Bath』『Wax And Wane』『But I'm Not』『Blind Dumb Deaf』『Shallow Then Halo』『The Hollow Men』『Garlands』『Grail Overfloweth』。

尚、現在では発表時のカセット盤にのみ追加収録されていた曲(シングルとしてリリースする予定だったが、結局、お蔵入りすることになってシングルとはならなかった。)が6曲収録されていて、曲ジャンも一部変更になっている。(曲順変更については省略します。)CDの方も1999年に再発された時にはその6曲が収録されている。追加の6曲の曲名は『Dear Heart』『Hazel』『Hearsay Please』『Blind Dumb Deaf』『Speak No Evil』『Perhaps Some Other Aeon』である。

尚、本アルバムからはシングル・カットされた曲は無く、また、デビュー・シングル曲は追加された曲の中にもなく、アルバム未収録のままである。

お薦め曲はオリジナルLP収録曲からは『Blood Bath』『But I'm Not』『Grail Overfloweth』を、CDではボーナス・トラック扱いになっているが、オリジナル・カセット版での追加曲の中からは『Hazel』と『Speak No Evil』をピックアップしておく。

サウンドの方は全体的に暗く、重々しい感じが漂っている。しかし、ロックのビートが鋭く切れ込んでいて、これが不思議なアンバランス感覚を生み出すことになっている。ただ、ボーカルを含めてバンドとしての演奏ということに於いては何かと未熟な所があって、完成度と言うことでもまだまだである。(荒削りで、それなりの大きさは感じられるのが救いである。)

彼らが成熟して一定の評価を得るようになるのには数年の歳月が必要となるが、後のことがあるだけに、未熟な時代のものを聴くという違った楽しみ方をすることも出来る。万人向けとは言わないが、ちょっと変わった所を聴くと言うことでは、UKロック・ファンとしたら聴いておきたい所である。

 

Garlands

Garlands

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: 4ad
  • 発売日: 2007/04/09
  • メディア: CD

Garlands

Garlands

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: 4ad Records UK
  • 発売日: 1999/05/11
  • メディア: CD

Garlands(紙ジャケット仕様)

Garlands(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: インペリアルレコード
  • 発売日: 2005/02/23
  • メディア: CD

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アザミ嬢のララバイ#10[Final] [ドラマ]

最終回の物語は、意図してのことなのだろうが、これまでの物語の(全てではないが)一部の映像を劇中に登場させていたのだが、それだけということで、何ら物語に関係しなかったというのは残念でした。それだけに、平凡過ぎるファンタジックな物語に終わってしまい、残念さだけが残りました。

結局、仕掛けておいたものが完全に機能せずということで、ドミノ倒しで言うと、本線は先に進んでいったが、途中の仕掛けに進む分岐線が全く倒れなかったということで、見所のないもので終わってしまった...

「終わり避ければ全て良し」と言う言葉があるが、最終回がこれでは、ここまで良い感じだった本作も「何だったんだ?」ということで、ケチが付いて終わることになってしまいました。(今回が良かったら続編というか、第二章を期待したのに、最後の物語に物足りなさを感じてしまったので、更なる新作に関しては要らないですね。)→それにしても、最終回で作品をパーにしてしまうというものが多いのはどうして?

長年コンプレックスを抱える娘・坂上花絵。ある日、彼女はふとしたことで福田藍堂という男と出会う。やはり彼を避けるようにしていた花絵だったが、福田は優しく接してくれて、心が癒されていく。が、彼と接している内に、体に異変が生じるようになってしまう。それは羽が生えてくるということで...

「天使」という方向に持っていこうとするのも分かり、ファンタジックな物語に向かって行くのだが、そうなると途中でいくつか見られたこれまでの物語のワンシーンとの絡みを期待するのは当然である。何か糸があるからこそ、そういうことをすると考えるのは当然である。が、それに対する回答は何も語られていない。1話完結の独立した物語ということでは、それは良いのだが、オムニバス作品集である本作で、わざわざ物語の本筋とは関係ない映像を使ったというなると、全く意味が違うことになり、何らかの繋がりと結び(=回答)が求められるのは当然である。それをしなかったということで、今回の物語はカスでした。

この物語単体ではそこそこの出来になっているのに、オムニバス作品集であることを思い出させるような場違いの演出を行ったことがこの物語の失敗したところであって、それによってラストを飾るには役不足、全く相応しくない駄作に落ちてしまった。(→他の作品の映像を出さなかったら「駄作」にはならなかったのに...)

で、後番組は「MM9-MONSTER MAGNITUDE」であるが、間に1週あって、7/7深夜のスタートとなる。「アザミ嬢のララバイ」とは作品の毛色が全く違うということもあるのだろうが、その予告が全くなかったというのは何を考えているのでしょうかね... (番宣はしておくべきでしょう。)ただ、「MM9」はこれまでの作品(「古代少女ドグちゃん」など)とは違って、MBSのみ(遅れて放送という地方もありましたけど...)という放送ではなくなり、MBSでの放送時間帯にiPadとiPhone向けへの配信が行われることになっている。(MBSのエリア外であってもiPad/iPhoneを持っていれば視聴可能である。)更に、3日遅れの土曜深夜にはBS-TBSでも放送される予定となっている。(→「ドグちゃん」や本作「アザミ嬢のララバイ」も放送したらいいのに...)ということなので、一応、全国放送ということになる。尚、BS-TBSで放送するからと言って、丹羽Pは関係していない。

 

↓7/21に発売されます。

アザミ嬢のララバイ DVD-BOX(期間限定版)

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  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • メディア: DVD


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ケータイ刑事銭形雷3話[裏ネタ編]PART 5 [ケータイ刑事]

銭形雷」の第3話「考古学者VS銭形雷 ~縄文人の変死体事件」の「裏ネタ編・増補」の4回目(この物語としては通算5回目)となる今回は、この物語に出てきた古代に関する事柄から「氷河」について、「手斧」について、そして古代のものならばこれになると言うことから「文化財」についてと「文化財保護法」について記します。尚、「手斧」については「・21話(2nd.8話)[裏ネタ編]PART 4」で「斧」として記したものをベースにして加筆、編集しました。

尚、BS-iの本放送時に記した記事は2006/1/16付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。

氷河」:降雪量が融雪量を上回る地域(例えば高山地帯)で残雪が凝固して万年雪となり、それが更に上層からの圧力によって圧縮されて氷塊となり、その氷塊が自重、または圧力によって低地に向かって流れ出たもののことである。

氷であるため、液体が流れる川のように量速は早くなく、1日に数十cmというのが一般的である。早い所でも1日に1mに達しない。(1日に30cmの移動量でも、1年では約100mになる。で、何十年、何百年という長い時間をかけて流れていくことになる。)

尚、英語では「Glacier」、ドイツ語では「Gletscher」、フランス語では「Glacier」、イタリア語では「Ghiacciaio」、スペイン語では「Glaciar」という。

尚、氷河には「山岳氷河」と「大陸氷河」の2種類がある。前者は高山の積雪から生まれた氷河である。これはその表面から底部までが氷の融点付近の温度にあることが知られている。近年の地球温暖化の影響によって、これまでは融点以下を保てた場所でも融点以上になって解けてしまい、各地の氷河が後退していることが危惧されている。

一方、「大陸氷河」は、南極やグリーンランドにあるものであって、陸地を覆っている氷である。この氷河は、水の昇華冷却によって、常に氷点下という温度が保たれるため、氷は溶けることなく、成長していくことになる。グリーンランドの氷が全て解けたら、海面が6m上昇し、南極の氷が全て解けたら海面が65m上昇すると言われているのは、陸地の上に氷が蓄積しているためである。また、大陸氷河は表面はともかく、内部は解けることがないので、何十、何百mという氷河を掘り進んでいくと、何万年前、何十万年前、何百万年前という、氷となった時期の地球の大気をそのまま保存しているので、昔の大気成分などを知ることが出来る貴重な標本ということになる。(山岳氷河では、このような大気の保存は出来ない。)

手斧」:斧の中の一つであって、主に木の伐採用に用いられる斧のことである。(または薪を割るのに用いられることもある。)片手で握れる様な小形のものであって、日常生活の範囲で使用する斧である。「斧」は英語で「Ax」と言うが、「手斧」は「Hatchet」または「Hand Ax」と言う。戦場で武器として使う斧(一般に柄が長いのが特徴となる。)は「戦斧」といい、投げて使用するものは「投斧」または「トマホーク」と言って、それぞれ区別される。

斧の歴史は古く、石器時代から使われていたとされている。(但し、当時のものは柄が付いていたかは定かではない。)柄の付いたものは紀元前6000年頃には既にあったとされている。(但し、金属製の斧ではなく、石を使ったものであり、打製石器としての斧である。その後、磨製石器の斧へと変わっていくことになる。)その後、青銅器が登場すると、上部であることから石の斧は淘汰されて、斧と言うと金属製の刃を持つものというのが当たり前になる。そして、金属製の斧の登場は「斧」を武器として使用されることにもなった。

武器となった斧は、やがて「力の象徴」を意味するようになっていき、古代の王家の紋章などに使われることになる。そして、「王家」という権威に宗教が結びつくことになって、「斧」は「聖なるもの」として扱われるようになる。(日本でも神事に使われるようになって、聖なるものとなっていった。)

また、中世になると、斧は死刑執行の際に死刑囚の首をはねるのに用いられるようになる。死刑執行人が死刑囚の首をはねるのに斧を振り下ろしていたが、時には1人に対して何度も斧を振り下ろすことにもなってしまい、これが余りにも残虐だという声が上がったことで、ギロチンが発明されることになる、という歴史がある。

この物語では、縄文時代の手斧ということで、金属製ではなくて石器の斧である。石器には「打製石器」と「磨製石器」とがあるが、打製石器は石器時代から存在しているが、磨製石器は縄文時代になってから登場したものとされている。(但し、旧石器時代に於いても、打製石器の刃の部分を磨くということは行われていた。)そして、斧にも磨製石器が用いられていた。尚、当時の斧は、狩猟のために使用された。

文化財」:広義の「文化財」は、人間の文化的活動によって生み出された有形/無形の所産であって、文化的な価値を有するもののことである。一般的には法律(後述する「文化財保護法」)で規定されているもののことを言う。(法的に保護されている文化財は6種類あって、有形文化財、無形文化財、民俗文化財、記念物、伝統的建造物群、文化的景観である。)

尚、2005年3月までは、「文化的景観」は文化財としては提起されておらず、5種類であったが、2005/4の文化財保護法の改正の際、「文化的景観」が6番目の文化財として定義されて加わった。(2005年以前の資料には「文化的景観」は含まれていない。)これはユネスコが進める世界文化遺産を定める過程に於いて、文化的景観という概念を導入した文化遺産を定めたことから、これに対応するように国内法を改正することにしたためである。

現在、日本にもいくつかの登録された世界遺産があるが、「紀伊山地の霊場と参詣道」と「石見銀山遺跡とその文化的景観」の2つは文化的景観としての世界遺産である。

有形文化財は文字通り形のある文化財であり、建造物や工芸品なども多数の作られたものが存在する。無形文化財は演劇や音楽、及び工芸技術というように形の無いものであるが、文化的価値のあるものである。民俗文化財は風俗慣習や民俗芸能、民俗技術及びそれらに用いられる衣服、器具、家屋などの物件である。記念物は遺跡、庭園、橋梁などの建造物や峡谷、海浜、山岳などの名勝地、珍しい動物、植物、鉱物などが該当する。伝統的建造物群は単独の建造物ではなく、周囲の環境と一体を成して歴史的風致を形成している(複数の)伝統的な建造物群のことであって、城下町、集落などがある。

この物語で語られた「文化財」は、これらの6種類の中では「民俗文化財」ということになる。(縄文時代の人間の生活用具であるため。)但し、実は貝塚教授が捏造したものだったということなので、実際は「文化財」ではなくて、ただの「文化財の模造品」、則ちガラクタでしたけど...

文化財保護法」:文化財の保存と活用、日本国民の文化的向上を目的として昭和25年(1950年)に施行された法律である。文化財をいくつかに分類し、その重要性を考慮して指定、または登録し、その保護のための経費の一部に公費を投入するようにした法律である。(税金を使って保護するため、法律で対象物を厳しく審査することになっている。)

この法律が作られることになったきっかけは、1949/1/26の法隆寺金堂の火災である。(火災で法隆寺金堂壁画が焼損した。)国宝である文化財を守るための法律を整備しようということになって制定された法律である。尚、それまでにも史蹟名勝天然紀念物保存法(1919年制定)、国宝保存法(1929年制定)、重要美術品等ノ保存ニ関スル法律(1933年制定)は廃止されて、「文化財保護法」で保護することになった。尚、この法律は毎年から数年おきに小まめな改正が行われ続けているが、その殆どの改正は、関連法令(例えば、国有財産法、地方自治法、国家行政組織法、国税徴収法、行政手続法、独立行政法人国立博物館法、遺失物法、など)の改正に伴う改正である。内容的な改正ということでは1950年から60年が流れたが7回の改正が行われている。(「第一次改正」から「第七次改正」と呼ばれている。)→実質的な改正は7回ということになる。

 

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 1

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↓参考まで

氷河のサバイバル (科学漫画サバイバルシリーズ)

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  • 作者: 崔徳煕
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
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森と氷河と鯨―ワタリガラスの伝説を求めて

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  • 作者: 星野 道夫
  • 出版社/メーカー: 世界文化社
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  • メディア: 単行本

山と氷河の図譜―五百澤智也山岳図集

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  • 作者: 五百澤 智也
  • 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
  • 発売日: 2007/03
  • メディア: 単行本

聖像画(イコン)と手斧―ロシア文化史試論

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  • 出版社/メーカー: 勉誠出版
  • 発売日: 2000/06
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手斧 (33cm)

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薪割り道具 手斧(鋼付)

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文化財のための保存科学入門

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 飛鳥企画
  • 発売日: 2002/04
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わかりやすい文化財保護制度の解説

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  • 作者: 中村 賢二郎
  • 出版社/メーカー: ぎょうせい
  • 発売日: 2007/09
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文化財保存環境学

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  • 作者: 三浦 定俊
  • 出版社/メーカー: 朝倉書店
  • 発売日: 2004/12
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最新改正 文化財保護法

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  • 作者: 文化財保護法研究会
  • 出版社/メーカー: ぎょうせい
  • 発売日: 2006/05
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