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FRANKIE GOES TO HOLLYWOOD『WELCOME TO THE PLEASUREDOME』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1984年に発表された彼らの1st.アルバムである。'80's半に、何かと派手なことをやって、放送禁止処分になった曲を含めて全英No.1シングルを3曲連発したという派手なヒットを飛ばした彼らである。本アルバムはそんな彼らであるが、2枚組のアルバムということでも 話題になったアルバムである。イギリスでは100万枚を超えるセールスを記録して1位を獲得しており、ニュージーランドでも1位、(西)ドイツでは4位、スイスでは5位、豪州では7位というように大ヒットを記録しているが、アメリカではBillboardで最高位33位ということで、欧州でのヒットに比べると静かなものだった。

発表当時は2枚組のLPであったが、収録時間が64分を超えた所であったことから、CDでは曲を削ることなく1枚ものと成っている。そのため、時間的なことでは「不景気レコード」ということでもあった。(2枚組アルバムだと、80分前後が標準的な時間であって、CD化する場合、2枚組にするか、1~2曲削って1枚ものにするかが分かれたものであったが、不景気レコードだったお陰で本作のように1枚に丸く収まったものもありました。)

収録曲は以下の全18曲である。『Well...』『The World Is My Oyster』『Snatch Of Fury (Stay)』『Welcome To The Pleasuredome』『Relax (Come Fighting)』『War (...And Hide)』『Two Tribes (For The Victims Of Ravishment)』『(Tag)』『Fury (Go)』『Born To Run』『San Jose (The Way)』『Wish (The Lads Were Here)』『The Ballad Of 32』『Krisco Kisses』『Black Night White Light』『The Only Star In Heaven』『The Power Of Love』『Bang』。

この中からシングル・カットされたのは全部で4曲である。リリース順に『Relax』『Two Tribes』『The Power Of Love』『Welcome To The Pleasuredome』であり、最初の3曲は全英1位を獲得している。また、『Relax』は西ドイツ、スイス、イタリアでも1位になっているが、歌詞やその内容のため放送禁止となっている。(日本でもNHKは放送禁止にした。)また、『Two Tribes』はイギリス以外ではアイルランド、西ドイツ、オランダ、ニュージーランドで1位を獲得し、『The Power Of Love』はイギリスのみの1位であるが、欧州諸国では殆どの国でTOP 10入りを果たしている。そして、アルバム・タイトル・ナンバーでもある『Welcome To The Pleasuredome』はイギリスでは2位まで上昇したが、ポーランドでは1位を獲得している。尚、この4曲のアメリカでのチャート成績は、順に10位、43位、チャートインせず、48位であって、欧州諸国とは雲泥の差があった。

お薦め曲は、やはりシングル・カットされている『Relax』『Two Tribes』『The Power Of Love』『Welcome To The Pleasuredome』でしょう。そして、それ以外から『War』と『Born To Run』『The Ballad Of 32』『Bang』をピックアップしておく。尚、『Born To Run』は言うまでも無くBRUCE SPRINGSTEENのカヴァーであるが、この唐突さが何とも言えない所である。

イギリスでは「BEATLESを越えた!」と言われて、一大ブームを巻き起こした彼らであるが、「放送禁止」となったことが逆にレコード・セールスを伸ばすことになり、そういう宣伝戦略は後になってビジネス・モデルとしても注目されることになった。本来、「放送禁止」はイメージダウンになるところであるが、その辺りは宣伝の妙という所があった。(現在では、こういうやり方は首を絞めるだけでしょうね...)

また、「ブーム」というのは長続きしないのが常であるが、彼らもその通りとなっている。1986年に2nd.アルバムを発表したが、本アルバムまでの勢いはなく、それなりのヒットに留まり、じり貧となって活動を停止した。ということで、まさに台風のような勢いで駆け抜けていったことになった彼らであるが、本当に'80'sという時代を上手く使っていたグループだったと言うことが出来る。

現在では終結した東西冷戦であるが、『Two Tribes』のPVでレーガン大統領とチェルネンコ書記長という当時の米英の指導者のそっくりさんが登場しても取っ組み合いで対立している所は、今となっては懐かしてところでもありますね。

 

Welcome to the Pleasuredome

Welcome to the Pleasuredome

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  • 出版社/メーカー: Salvo
  • 発売日: 2010/04/13
  • メディア: CD

Welcome to the Pleasuredome

Welcome to the Pleasuredome

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  • 出版社/メーカー: Ztt
  • 発売日: 2005/10/04
  • メディア: CD
Welcome to the Pleasuredome (Reis)

Welcome to the Pleasuredome (Reis)

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  • 出版社/メーカー: Umvd Labels
  • 発売日: 1998/10/20
  • メディア: CD

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ケータイ刑事銭形雷10話[裏ネタ編]PART 2 [ケータイ刑事]

今回からの「銭形雷・裏ネタ編」は第10話の「昆虫大パニック!? ~恐怖の殺人蚊殺人事件」に突入です。今回はサブタイトルにある言葉から「昆虫」について、「パニック」について、そして「」について記します。尚、「パニック」については「・4話[裏ネタ編]PART 2」で、「蚊」については「・30話(2nd.17話)[裏ネタ編]PART 7」で「ヤブ蚊」として記したものをベースにして、それぞれ加筆しました。

尚、BS-iの本放送時に記した記事は2006/3/6付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。

昆虫」:昆虫網に属する節足動物の総称である。種類が多く、地球上の動物の約3/4は「昆虫」であって、その数は100万種類にも達する。(毎年数千種の新種が発見されて命名されている状態でもある。)特に甲虫目(鞘翅目)はその中でも最も種類が多くて、35万種とも言われている。そしてチョウ目(鱗翅目)とハエ目(双翅目)が15万~20万種の間とされている。ハチ目(膜翅目)も10万種を超えているとされている。

種類が余りにも多いということで、害をなすような昆虫(所謂「害虫」)から益をもたらすような昆虫(所謂「益虫」)までいる。更に、食用になるものも数多い。(→将来の食糧難を見込んで、既に食用としての利用のための研究に力を入れている国もあるほどである。)

基本的には、体は硬いキチン質の外殻で覆われていて、体はいくつかの環節から成り立っている。(頭、胸、腹の3つが明確に分かれていて、それに足があり、羽根を持っているものも多い。

生態系は主に陸上であるが、中には水棲生物もいる。更には、南極大陸の露岩地域にも微少な昆虫が生息しているのが発見されていたり、数千mの上空に浮遊する形で生息する微少な昆虫が存在することも分かっている。

また、変態動物であるものが大半であり、芋虫のような幼虫からは考えにくいような成虫の姿になるものも多く、これも昆虫の特徴である。

英語では「Insect」、ドイツ語では「Insekten」、フランス語では「Insecte」、イタリア語とスペイン語では「Insecta」(但し、発音は異なる)、スペイン語では「Insecta」と言い、中国語では日本語と同じで「昆虫」という。(発音は異なるのは言うまでも無い。)

昆虫は古生代のシルル紀(現在から約4.35億年~4.1億年前)に地球上に現れたとされていて、非常に古い時代から存在していた生物である。(シルル紀は最古の陸上植物が登場した時代でもある。)一応、シルル紀に続くデボン紀(約4.16億年~約3.67億年)の昆虫の化石が発見されている。(デボン紀には魚の化石も数多く発見されている。)

パニック」:群衆の混乱した状態のこと、または個人の混乱した状態のことである。また、経済学に於いては「恐慌」のことを指す。更には「狼狽の」「大混乱の」という形容詞という意味と、俗語では「非常に滑稽な人」という意味がある。(一般的には「群衆の混乱した状態」のことを指す。)

英語では「Panic」、ドイツ語では「Panik」、フランス語では「Panique」、スペイン語では「Pánico」、ポルトガル語では「Pânico」、ポーランド語では「Panika」と言う。

語源は、ギリシャ神話の家畜と牧人の神・パン(「パーン」と表記されることもある)である。パンは上半身は人間で、山羊の足と耳、角を持つ剛毛を持った姿をしている。羊飼いと羊とを監視する神であり、ヘルメスとニンフの子である。昼寝を邪魔されると牧人とその家畜に対して恐慌を与えて混乱した状態にする、ということから、「パニック」という言葉が生まれた、とされている。

パニック状態は、一定の心理的混乱が起こった状態で生まれるものであり、集団的逃走ということを引き起こす。これは、心理的に不安な状態に陥っていると、絶対的脅威に対しては恐れとなり、これがヒステリー的な信念を生み出す。そして、その場から早く脱出したいという気持ちに支配されることになり、冷静さを失い、走り出してその場から脱出しようとすることになる。で、誰かが走り出すと、同じような心理状態にいる人は、他の人が逃げるなら自分も逃げよう、ということになり、しかも誰よりも早く脱出したいという心理になるため、我先にということになってしまうのである。で、そうなると、論理的な行動や冷静な行動はできなくなり、暴走してしまうことになる。そのため、集団パニックが起こると、無法地帯のようになってしまい、とても危険な状態になる。

災害が発生した場合は、人が集まっている場所ではパニックが起こりやすく、何かのきっかけ(ほんの小さなことでもそれがトリガーとなってしまう。)で大規模な集団パニックに発展する可能性がある。(冷静になることを常日頃心がけていてもそうなってしまうだけに...)

尚、1970年代にはハリウッド映画でパニック映画がブームとなったことがあった。それ以前からもパニック映画は存在していたのだが、特撮技術などの映画技術のこともあって、一大ブームとなったのは'70年代である。そのきっかけとなったのは1970年の映画「大空港」の大ヒットである。これによって映画会社はこぞってパニック映画を製作した。「ポセイドン・アドベンチャー」「タワーリング・インフェルノ」「大地震」というように高く評価される作品も生まれている。また「大空港」は「エアポート・シリーズ」として同様の航空機パニック映画が誕生している。

また、これらのパニック映画の特徴は、豪華スターを集めたオールスター映画であったという点である。しかも、オールスター・キャストでありながら、そのスターたちが小さな役だけという登場も多かったことから、実に贅沢で豪華なキャスティングということもブームに拍車を掛けることになった。(ある意味では、ハリウッドのスター・システムの盲点を突いたキャスティングだと言うことも出来る。)

更に、パニック映画のブームは「ジョーズ」や「カサンドラ・クロス」という名作も生むことになるのだが、同時に'70's後半には内容のない駄作(C級、またはD級映画)の乱造によってブームは自ずと沈静化することになった。(何せ、二番煎茶どころか、三番煎茶、四番煎茶というようなものから、いくつかのパニック映画をつなぎ合わせたようなものまで生まれてしまえば、誰も相手にしなくなるのも当然である。)が、'90's以降はCGの発展によって、再びパニック映画('90'sでは「パニック映画」と呼ばれずに「ディザスター・ムービー(災害映画)」と呼ばれることで、'70's後半の悪いイメージを払拭していましたね。)のブームがやってきたのは記憶に新しい所である。

」:双翅目(ハエ目)カ科に属する昆虫の総称である。体は細く、羽も足も細くて弱い。体色は褐色か黒褐色のものが殆どであって、白い紋のような模様があるものが多い。

雌は人畜を刺して血を吸うことでも知られていて、害虫として知られている。特に「ヤブ蚊(藪蚊)」と呼ばれるもの(双翅目(ハエ目)カ科オオクロヤブカ属、ヤブカ属、およびシマカ属に属するものである。)は血を吸うということで、害虫(衛生害虫)の代表格になっている。→血を吸うだけならまだしも、マラリア、日本脳炎、テング熱などの伝染病の媒体となる種までいるのだから...

世界では、蚊は約2000種、日本には約100種が生息している。但し、血を吸ったり、病原菌の媒体となるような害虫はその中の2割程度とされている。

また、幼虫はボウフラであって、4回の脱皮を繰り返して成虫になる。

英語では「Mosquito」、ドイツ語では「Stechmücken」、フランス語、イタリア語、スペイン語では「Culicidae」(但し、発音はそれぞれ異なる)、オランダ語では「Steekmuggen」、ポーランド語では「Komarowate」と言う。

また、「蚊」は夏になると(成虫が)現れるということで、「蚊」「ヤブ蚊」「蚊柱」「シマカ(縞蚊)」という言葉はいずれもが夏の季語である。

 

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 1

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子供に教えたいムシの探し方・観察のし方 昆虫たちを観察し、生き方を学べば、きっと人生が変わる! (サイエンス・アイ新書)

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昆虫―驚異の微小脳 (中公新書)

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蚊の不思議―多様性生物学

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蚊はなぜ人の血が好きなのか

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パニック障害からの快復 こうすれば不安や恐怖は改善できる

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治療・ケアに役立つ実例集 パニック障害

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不安・恐怖症のこころ模様 パニック障害患者の心性と人間像 (こころライブラリー)

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↓いくつか名作を

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名曲探偵アマデウス#72 ハイドン「弦楽四重奏『ひばり』」 [ドラマ]

6週ぶり(1ヶ月半ぶり)となった新作の登場だが、本当に「夏休み」と言う感じでしたね。で、久しぶりの新作となった今回は、ハイドン「弦楽四重奏『ひばり』」の登場でした。

いきなり、埃が溜まっている事務所ということで、夏休みということで完全に休業していたと感じさせるような展開だったのは面白い所でしたね。(が、本作は1話完結であるのが基本であり、季節感も殆ど無いだけに、再放送などで見ていたら、ちょっと信じられないような埃の量ということで、変な感じになったかも...)

冒頭、髪の手入れをしているカノンさん。所長が戻ってくると、埃が溜まっているのを確認するが、カノンさんはそんなことは気にすることなく、お洒落に気を取られている。で「たまには掃除などしてみたら」と所長。これに「この前、やったばかりなんですけどね...」とカノンさん。所長は「つべこべ言わずにやりなさい」と行って雑巾を投げる。で、それを受け取ったカノンさんは仕方なく雑巾がけを始めようとして、バケツに雑巾を入れ、絞ろうとしていた。そんなカノンさんの背後にある男が現れて「お嬢さん、その絞り方、違います」と指摘する。それをみたカノンさんは「なんだぁ、ビルの掃除の方ですね」と解釈して、「来たついでにやって下さい」と行って雑巾を渡した。で、掃除を始める男。カノンさんはその手際に喝采を挙げていた。

が、「やっぱり出来ない、こんなこと」と男は言うと、所長が声を掛けた。で、「このままでは結婚できない」と言う男に「お話を伺いましょう」と所長。

この男は日比野かじお。オーストリア出身のやり手の弁護士(クリスティーナ)と結婚することになっていて、結婚契約書の内容で専業主夫となるとあり、そうしようとして会社を辞めた。が、主夫をやり始めたら、大変でつまらなく、毎日こんなことは出来ないと感じた。すると彼女から「ひばりを聴きながら家事をすれば楽しくなる」と言われた。で、美空ひばりの歌をウタリ始めたが、今度は家事どころでは無くなってしまった、ということだった。これにカノンさんは「うち、クラシック専門なんですけど」と言うが、日比野は「美空ひばりの名曲ですよ」と言うが、「帰ります」と言う。すると所長が「待って下さい」と引き止め、フィアンセはオーストリア出身と言うことで、彼女の言った「ひばり」はハイドンの『ひばり』のことではないか、と言い、依頼を受けたと言うよりも以来にしてしまったという形でスイッチが入った。

いつものように「聴いてみましょう」ということで第1楽章から。カノンさんの感想はいつもの如くであるが、綺麗なメロディということで、まずは「ひばり」のモチーフについての説明へ。「鳥の雲雀」のようにということで、カノンさんは「楽しく家事をしなさいってことですよ」と言うと、放棄を持って歌いながら掃き掃除をしようとするが、歌を歌っているだけで掃除にはなっていない。で依頼人から「掃除になっていない」と突っ込まれていた。

依頼人は「同じことの繰り返し」と言うと、所長がそこから、5つのモチーフが繰り返し用いられていることを語り、5つのモチーフの説明から「探し物ゲーム」のような音楽ということが説明される。で、それを受けてカノンさんは「組合せに問題が」と言う。依頼人は毎日の家事がどういうものかを語ると、「暗い」と半泣きになるカノンさん。で「明るく楽しくやってみれば」と言うと、ラップでノリノリになって、楽しくやる組合せを歌う。→本当に楽しむところは楽しむカノンさんです。

が、依頼人は、家事は自分だけがやることと言って落ち込むだけだった。底に笑顔の所長が「第2楽章を聴いてみましょう」と言って「第2楽章」へ。ここでは、第1バイオリンの唐突な「音の急下降」について、そして「装飾変奏」についてが語られる。→特に「装飾変奏」の説明はいつもながら分かりやすいですね。

4つの楽器が協力し合っているということからカノンさんは「家族みんなが協力して家事をやってくれることです」と言ってその実例を語る。まずは手の届かない高い所は踏み台をしっかりと支えているカノンさん。依頼人が踏み台に乗って手を伸ばしていた。更に「手の届かないこんな場所は」と言って、依頼人の足を持って窓から吊し、手の届かない窓ふきをする依頼人。「困ったときは」みんなが協力してくれるんですよ」と言うカノンさんだったが、「それ、本当ですか?」と依頼人は返していた。→どう考えても、手が滑って転落してしまいそうな依頼人でした。

所長は、家族の協力は大事だが、依頼人には足りないものがある、と言って「第3楽章」へ。ここでは楽しさを感じさせる仕掛けとして「メヌエット」が取り入れられていて、仕掛けがあるということの説明がされる。「アレグレット」と「前打音」の説明がされる。これを受けてカノンさんは「長い専業主夫生活には気分転換が必要だ」と言う。で「例えば?」と言われると「私だったら箒に乗ってハリー・ポッターごっこをしてみる」と言っていたが、依頼人は「箒でドジョウすくい」と返していて、どうも噛み合わない。しかし楽しくなってきたと言うことは共通していて、「そんな感じで前向きに」とカノンさん。

そんな所に依頼人の携帯が鳴った。クリスティーヌからだったが、依頼人はまたも不安になり、何で彼女が自分みたいな男と結婚しようと思ったのかが分からないと言うことを口にした。で、ここからはハイドンについての説明へ。ここでは二回りも年が違うモーツァルトが出てきて、ハイドン(=年上)とモーツァルト(=年下)との関係についてが説明される。あの天才・モーツァルトが弦楽四重奏はハイドンから学んだ、ということが新鮮な所でした。

で、彼女と依頼人との出会いが語られ、依頼人の誰にも負けない才能の話とハイドン&モーツァルトの関係とがオーバーラップしました。

所長は「家事は何のためにするのか?」と問い、「その答えは第4楽章にある」ということで「第4楽章」へ。ここでは「フーガ」についての説明がされ、各楽器が均等に役割を分担していく、というハイドンの用いた革命が語られる。(ハイドンが「弦楽四重奏曲の父」と呼ばれる理由というのも分かりますね。)更に、最後にある仕掛けについても語られた。

で、「音楽も家事も、もしかしたら目的は同じかも知れない」と所長。依頼人は先ほどの命題の答えが見つかったはずと言うと「家族を楽しませるために」と答えた。で所長が説明し、依頼人は「やらなければイケナイと言う義務感に捕らわれて、それに押し潰されそうとしていた」と言うことに気づき、楽しく家事をして幸せな家庭を築いていくと誓った。

するとカノンさんは「まずは手始めに、この事務所の掃除からするって言うのはどうですか」と言ってバケツと雑巾を手にして示す。依頼人は「やりますよ」と言って、バケツと雑巾を受け取っていた。(→何だかんだと言って、しっかりしているカノンさんでした。)

今回は、ドラマ部分は37分強、曲が6分弱、ラストのオチの所が30秒という構成であって、ドラマ部分が長く、ラストのオチが短いというのは前回(ファイルNo.071)と同じでした。また、曲がこの時間では、全部というのは無理であって、第1楽章の途中まで誌第4楽章のダイジェストという形になっていました。

ラストのオチは、所長が、依頼人とフィアンセの出会いの状況を一人で再現していた。そんな所に外から戻ってきたカノンさんが所長を見て「はっ?」と漏らしただけで相手にしなかった。鞄をデスクに置くと、バケツの雑巾を手にし、雑巾を絞ると拭き掃除を始めた。その間、所長は一人は芝居を続けていた。が、カノンさんも所長が口にしていたのと同様に「アチョ!」と声を出したのだった。

カノンさんの豊かな表情と、普通ではない発想というのはいつもの通りであるが、何をするにも楽しんでいるというカノンさんが今回の依頼の回答だったように思う所です。カノンさんの笑顔はいつもながら明るい気持ちにしてくれますからね。が、そんな楽しいカノンさんでも、所長の(ラストのオチでの)暴走ぶりには相手にしないが、何だかんだで息が合っていて、所長が奇声を上げているのにつられてしまうというのは面白い所でした。→コンビとしても2年半になるだけに、すっかり名コンビになってますね。

本作では、作曲家の人物関係が依頼人に上手いこと重なり合っているが、今回のハイドンとモーツァルトとの関係と、やり手の女性弁護士と脱サラ・専業主夫の関係というのは、ちょっと違うんじゃないかという気がしたのですがね...→今回は、依頼人は逆玉狙いのダメ男・今一つ冴えない男(良い所があるのは言うまでも無いですが...)というような雰囲気があったが、ハイドンも高い評価をされていて「弦楽四重奏曲の父」と呼ばれている立派な音楽家である。今回の依頼人のイメージに重ねると、ハイドンを二流扱いをしているように感じてしまうのですが...

ということで、夏休み明けで、今一つ冴がなかったと感じた物語でもありました。

来週(9/13)は、ファイルNo.073のウェーバー「魔弾の射手 序曲」(オペラの内容についても語られるでしょうが、楽しみです。)、再来週(9/20)はファイルNo.074のワーグナー「トリスタンとイゾルデ 前奏曲と愛の死」と続きます。で、3年目の上期(の新作)はそこまでということとなります。(9/27は何かの再放送の予定となっています。)で、またまた半年に15本というペースが継続しました。(2年目の上期が14本だったが、あとは半年に15本ずつということが続いている。)

 

ハイドン:弦楽四重奏曲第39番「鳥」&第67番「ひばり」:

ハイドン:弦楽四重奏曲第39番「鳥」&第67番「ひばり」:

  • アーティスト: スメタナ四重奏団,ハイドン
  • 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
  • 発売日: 2009/09/16
  • メディア: CD

 

ハイドン:弦楽四重奏曲「ひばり」、「鳥」 モーツァルト:弦楽四重奏曲第19番「不協和音」

  • アーティスト: スメタナ弦楽四重奏団,ハイドン
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1996/08/21
  • メディア: CD
ハイドン:弦楽四重奏曲第17番&第67番&76番&第77番

ハイドン:弦楽四重奏曲第17番&第67番&76番&第77番

  • アーティスト: イタリア弦楽四重奏団,ハイドン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2005/06/22
  • メディア: CD
ハイドン:弦楽四重奏曲集

ハイドン:弦楽四重奏曲集

  • アーティスト: ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団,ハイドン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/03/21
  • メディア: CD
ハイドン:弦楽四重奏曲集(2)

ハイドン:弦楽四重奏曲集(2)

  • アーティスト: ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団,ハイドン
  • 出版社/メーカー: MCAビクター
  • 発売日: 1996/09/21
  • メディア: CD
ハイドン:弦楽四重奏曲第67番

ハイドン:弦楽四重奏曲第67番

  • アーティスト: アマデウス弦楽四重奏団,ハイドン,モーツァルト
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2004/12/08
  • メディア: CD
ハイドン:弦楽四重奏曲67番

ハイドン:弦楽四重奏曲67番

  • アーティスト: スメタナ四重奏団,ハイドン
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1998/10/21
  • メディア: CD
↓来週以降の予習
ウェーバー:魔弾の射手 全曲

ウェーバー:魔弾の射手 全曲

  • アーティスト: ウェーバー,クライバー(カルロス),ドレスデン国立管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1998/05/13
  • メディア: CD
ワーグナー : 楽劇「トリスタンとイゾルデ」全曲

ワーグナー : 楽劇「トリスタンとイゾルデ」全曲

  • アーティスト: ワーグナー,クライバー(カルロス),ドレスデン国立管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 2000/03/01
  • メディア: CD

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