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SHOW BOAT(1951)(SOUNDTRACK) [音楽(サントラ)]

表題の作品は1951年の映画「ショウ・ボート」であるが、1936年以来となる15年ぶり、3度目の映画化である。ミュージカル映画としてもも有名な1本となっている。また、以前の作品と区別するために、本作は「ショウボート」という邦題となっているものもある。(「ショウ」と「ボート」の間に「・」が入っていないということである。)尚、白人と黒人の混血娘・ジュリーは、当初はアフリカ系アメリカ人であるリナ・ホーンが演じることに内定していたが、まだ人種差別問題が根強かったこともあって、エヴァ・ガードナーが演じることになった。そして彼女は本作で大ブレイクすることになった。(もしもリナが演じていたら、歴史が変わっていたでしょうね...)

作品データを記しておくと、時間は108分、原作はエドナ・ファーバー、監督はジョージ・シドニー、脚本はジョン・リー・メイヒン、ジャック・マッゴーワン、ジョージ・ウェルズの3人、撮影はチャールズ・ロッシャー、音楽はオスカー・ハマースタイン二世とジェローム・カーン、音楽監督はアドルフ・ドイッチとコンラッド・サリンジャーの2人である。そして出演は、キャスリン・グレイソン、ハワード・キール、エヴァ・ガードナー、ジョー・E・ブラウン、アグネス・ムーアヘッド、ロバート・スターリング、ウィリアム・ウォーフィールド、マージ・チャンピオン、ガワー・チャンピオン、リーフ・エリクソン、アデール・ジャーゲンス、フランセス・ウィリアムス、オーウェン・マクギブニー、レジス・トゥーミー、シェラ・クラーク、たちである。尚、本作はアカデミー賞で撮影賞(カラー)とミュージカル映画音楽賞にノミネートされたが、受賞とはならなかった。

ミシシッピー川の町を旅しながら興行を行っているショウボート。アンディ船長と継母のパーシィに育てられたマグノリアは美しい盛りとなっていた。主演女優のジュリーとマグノリアは仲が良かったが、ジュリーは白人と黒人の混血児であって、白人俳優のスティーブンと結婚していることが法に触れて追放されることになる。そしてジュリーの代わりにマグノリアが主役を務めることになり、スティーブンの後釜には博打好きのゲイロードが抜擢される。が、マグノリアとゲイロードは直ぐに恋に落ち、2人は駆け落ちしてショウボートを去ってシカゴに移り住んだ。しかし、ゲイロードは博打で財産を失い、マグノリアが妊娠していることも知らずに姿を消してしまう。で、マグノリアはかつてショウボートにいたダンサー・チームのエリーとフランクに世話をして貰って、あるナイト・クラブの歌手として職を求めた。が、そのクラブにはスティーブンに捨てられて酒浸りになっていたジュリーがスターとなっていた。ジュリーはマグノリアの不幸な姿を見ると、マグノリアに職を与えるために黙って立ち去った。一方、アンディ船長はマグノリアと再会し、マグノリアはショウボートに戻り、娘・キムを産んだ。それから5年、ある船の中でジュリーと再会したゲイロードは、マグノリアが娘を産んだことを知らされ、ショウボートに戻ることにした。そしてマグノリアはそれを迎え入れたのだった。

本作は、ミュージカル作品としても評価が高いが、それよりもエヴァ・ガードナーの出世作として認識されていることの方が大きい。結局、エヴァが主役を食ったということになるが、この点では新たなスターを生んだ作品ということにもなる。

物語の方は、過去2度の映画化の時と比べて、時代の変化も考慮されているものの、当時はまだ根強かった「人種差別問題」に配慮するための手が加えられているのは仕方のないところであるが、物語の方は前2作よりも上手くまとめられている。(3本の中では本作が時間的には一番短いのだが、内容と言うことでは一番上である。)

また、本作はサントラ盤の方も質が高いものとなっている。ということで、映画とサントラ盤はセットにして楽しむべきである。

最後に、サントラ盤の収録曲を記しておくことにする。収録曲は以下の全29曲である。『Main Title』『Cap'n Andy's Calliope』『Natchez』『Cap'n Andy's Presentation』『Cap'n Andy's Ballyhoo』『Encore On Dock』『Where's The Mate For Me? (Gambler's Song)』『Young Romance』『Make Believe』『Can't Help Lovin' Dat Man』『Can't Help Lovin' Dat Man - Reprise #1』『I Might Fall Back On You』『Julie Leaves The Boat』『Ol' Man River』『Ol' Man River - Reprise』『You Are Love』『Why Do I Love You?』『Ravenal Is Gone』『Bill』『Can't Help Lovin' Dat Man』『Life On The Wicked Stage』『After The Ball』『Packet Boat』『Natchez Dock』『Make Believe - Reprise』『Reunion』『Ol' Man River - Finale Ultimo』『Can't Help Lovin' Dat Man (Outtake)』『Bill (Outtake)』。

 

Show Boat: Original Motion Picture Soundtrack (1951 Film)

Show Boat: Original Motion Picture Soundtrack (1951 Film)

  • アーティスト: Adolph Deutsch,Conrad Salinger
  • 出版社/メーカー: Rhino / Wea
  • 発売日: 2002/02/25
  • メディア: CD

↓映画DVDはこちらです。

ショウ・ボート [DVD] FRT-181

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  • 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
  • メディア: DVD

ショウ・ボート [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ビデオメーカー
  • メディア: DVD

MASTI-0090 ショウ・ボート

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  • 出版社/メーカー: コモライフ株式会社
  • メディア:


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FOR AGAINST『ECHELONS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1987年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。現在ではオルタナに分類されているが、'80's当時には「ドリーム・ポップ」と呼ばれたこともあった。(これも、ポスト・パンクの中で派生した1つのジャンルであった。)彼らはアメリカを代表するドリーム・ポップ・バンドとして期待されたグループであった。しかし、全米を制覇するような所までは行かなかった。

収録曲は以下の全9曲である。『Shine』『Daylight』『Get On With It』『Echelons』『It's A Lie』『Autocrat』『Forget Who You Are』『Loud And Clear』『Broke My Back』。

この中からシングルとしてリリースされたのは、本アルバムのリリース前にリリースされていた『Autocrat』ということになり、本アルバムからは特にシングル・カット曲はない。

お薦め曲は、『Shine』『Daylight』『Broke My Back』の3曲と、アルバム・タイトル・ナンバーでもある『Echelons』をピックアップしておく。尚、先にシングルでリリースされている『Autocrat』は、悪くはないのだが特にこれという聴き所もなく、可もなく不可もなしということであるが、一応彼らを知るには手っ取り早いところでしょう。

サウンドとしては聴きやすいものであるため、安心して聴くことが出来るのだが、'80's後半の派手なサウンドが全盛となった時期としては物足りなさを感じてしまうのも仕方のないところですかね... が、彼らのサウンドは、派手さを狙ったものではないために、これはこれで彼らの持ち味を出していることであって、悪くはない所である。(が、デビュー・アルバムという所では、「可もなく不可もなし」では何もアピールできないで終わってしまうだけに...)

まあ、'80's終盤の何でもありというサウンドが百花繚乱状態にあった当時としては、こうすうサウンドも必要だったのかもしれませんが...

 

Echelons

Echelons

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Words on Music
  • 発売日: 2008/10/24
  • メディア: CD


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BEST HIT USA 2010[2010/9/14] [音楽(etc.)]

野球中継が伸びたことで30分繰り下がってのスタートとなったが、相変わらず内容がなく、完全に期待外れという中身だったことで、「ハズレ」でした。(今回もゴミでした。)

OP-PV(時間の無駄遣い)は2004年のJAY-Z & LINKIN PARK『Numb』、OPの後、DAVID FOSTERの話から始まって、彼からのメッセージがあってから、1982年のCHICAGO『Hard To Say I'm Sorry』(ブチ切りのゴミでした。)、「HOT MENU」はLINKIN PARKで『The Catalyst』。「C/D USA」のPART 1(#20→#11)でCM、「STAR OF THE WEEK」はKATY PERRY。インタヴューと『California Gurls』(名義はKATY PERRY featuring SNOOP DOGG)、「C/D USA」の続き(#10→#4)からCM、「大いなる伝説」というゴミ・メニューを経て、ようやく「TIME MACHINE」のコーナへ。

今回の「TIME MACHINE」は9/14と言うことで、以下の4件が紹介された。

1970年:STEVIE WONDERが元モータウンレコードの秘書、R&BシンガーのSYREETA WRIGHTと結婚した。共作するなどをしたが、2年後に離婚した。(また、彼女は2004年に57歳でこの世を去った。)、1974年:CROSBY, STILLS, NASH & YOUNGTHE BANDJONI MITCHELLたちが出演したロック・コンサートがロンドンノウェンブリー・スタジアムで行われた、1974年:ERIC CLAPTONの『I Shot The Sheriff』が全米No.1シングルの座を獲得した。この曲はBOB MARLEYのカヴァーであって、レゲエという音楽が世界に浸透させることになった。(しかし、1位は1週のみで、1974年のBillboard年間シングル・チャートでは76位に留まっている。)、1984年:第1回「MTVビデオ・ミュージック・アワーズ」がニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで開催された。最優秀ビデオ賞はTHE CARSの『You Might Think』が選ばれた。(他のノミネート曲には、HERBIE HANCOCKの『Rockit』、MICHAEL JACKSONの『Thriller』、CYNDI LAUPERの『Girls Just Want To Have Fun』、THE POLICEの『Every Breath You Take』)。

9/14が誕生日のアーティストとして名前が出たのは次の2人でした。LYNYRD SKYNYRDのSTEVE GAINES(1949年生まれ、享年28歳)、LOS LOBOSのSTEVE BERLIN(1955年生まれ)。

尚、それ以外の9/14が誕生日として筆者のデータベースに名前があるのは以下の面々です。

GIORGOS PAPASIDERIS(1902年生まれ)、MAE BOREN AXTON(1914年生まれ)、ERIC BENTLEY(1916年生まれ)、CACHAO LÓPEZ(1918年生まれ)、HARVE PRESNELL(1933年生まれ)、ALBERTO NARANJO(1941年生まれ)、JOEY HEATHERTON(1944年生まれ)、PETE AGNEW(1946年生まれ)、JON BAUMAN(1947年生まれ)、ED KING(1949年生まれ)、FRED "SONIC" SMITH(1949年生まれ)、STEVE GAINES(1949年生まれ)、TOMMY SEEBACH(1949年生まれ)、PAUL KOSSOFF(1950年生まれ)、TOM CORA(1953年生まれ)、BARRY COWSILL(1954年生まれ)、BETH NIELSEN CHAPMAN(1956年生まれ)、MORTEN HARKET(1959年生まれ)、MIKE COOLEY(1966年生まれ)、CRAIG MONTOYA(1970年生まれ)、ANDRE MATOS(1971年生まれ)、JEFF LOOMIS(1971年生まれ)、NAS(1973年生まれ)、DANIELLE PECK(1978年生まれ)、PARK TEDDY(1978年生まれ)、AYO(1980年生まれ)、ASHLEY ROBERTS(1981年生まれ)、SoSHY(1982年生まれ)、AMY WINEHOUSE(1983年生まれ)、FARHAN SAEED(1984年生まれ)、MELISSA McGHEE(1984年生まれ)、PAOLO GREGOLETTO(1985年生まれ)、ANDREW JAMES TRAUTH(1986年生まれ)、LOGAN HENDERSON(1989年生まれ)。

また、9/14が命日のアーティストとして名前があるのは、FURRY LEWIS(1981年没、享年88歳)、PEREZ PRADO(1989年没、享年72歳)、STELIOS KAZANTZIDIS(2001年没、享年70歳)、JOHN SERRY, Sr.(2003年没、享年88歳)、NORMAN BROOKS(2006年没、享年78歳)、ROBERT SAVOIE(2007年没、享年80歳)、PATRICK SWAYZE(2009年没、享年57歳)、という人たちです。

今回はMTV-VMAの話から、THE CARSの『You Mught Think』をON AIRしたが、またこの曲を流したのかということで今回のこのコーナーは他と同様にゴミでした。THE CARSの話を続けてから、「C/D USA」(TOP 3)を経て、ラストのリクエストへ。今回は1982年の38 SPECIAL『Caught Up In You』でした。サザン・ロックは'70'sには大ヒット曲もたくさんあったが、'80'sになるとほんの一握りのバンドを除いて壊滅状態になっていくのだが、彼らは'70'sよりも'80'sの方が大きなヒットを産んだサザン・バンドであって、サザン・ロックの最後の砦のような存在になっていましたね。ちなみに、この曲は彼らの最大のヒット・シングルでもあって、Billboardで最高位10位を記録している。

次回、EPG情報によると、!!!マーク3つでチック・チック・チックが踊りまくる!驚異のダンスは圧巻!話題のスリー・オー・スリーがついに初登場!彼らは意外にインテリ!?、とあるが、またね三流ゴシップ週刊誌のような見出しが...

 

Meteora (Dig)

Meteora (Dig)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
  • 発売日: 2003/03/25
  • メディア: CD
Chicago 16

Chicago 16

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Rhino / Wea
  • 発売日: 2006/10/03
  • メディア: CD
A Thousand Suns

A Thousand Suns

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
  • 発売日: 2010/09/14
  • メディア: CD

Teenage Dream

Teenage Dream

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Capitol
  • 発売日: 2010/08/24
  • メディア: CD

Heartbeat City

Heartbeat City

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Elektra / Wea
  • 発売日: 1995/04/12
  • メディア: CD

Special Forces

Special Forces

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Umvd Special Markets
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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ケータイ刑事銭形泪38話(2nd.25話・AS3話)[裏ネタ編]PART 13 [ケータイ刑事]

銭形泪」の2nd.第25話(アナザーストーリー第3話であって、かつ通算では第38話)となる「未確認生物メッシー現る ~マルコポーロを迎撃せよ!」の裏ネタ編は今回限りです。で、今回は元ネタのマルコ・ポーロに関することから「探検家」について、「ヴェネツィア」について、そして「ジパング」について記します。尚、「探検家」については「・8話[裏ネタ編]PART 8」で記したものをベースにして加筆しました。

また、この物語について過去に記した記事は「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての「裏ネタ編」は、2009/12/3、5、6、8、10、13、15、17、20日付けで記しています。)

探検家」:未知のものを現地で調べたり、未知の領域に危険を冒して踏み込んで調査を行う人のことである。(早い話、探検をする人である。)英語では「Explorer」、ドイツ語では「Entdecker」、フランス語では「Explorateurs」、イタリア語では「Esploratori」、スペイン語では「Exploradores」と言う。

探検の目的は様々なものがあるが、何かの発見をした人は「探検家」として後世になって評価されるのが一般的である。そのため、当時は探検目的ではなくて他の目的(例えば、侵略戦争による行軍など)であっても、そこで何らかの発見があったりすると、後世では探検のことが評価されて「探検家」と呼ばれることになる人が多い。→大航海時代に発見された新航路は、現在では新航路のことが大きく評価されていることもあって探検と言うことになっているが、そもそもは植民地を拡大する侵略目的で旅立っていったということで、当時は別の目的であった。(大抵のものはこういうものですね...)

また、未知の領域を調査するということでは、深海調査を行う調査員や、宇宙空間に行く宇宙飛行士なども「探検家」ということになる。(一応、広義の探検家と言うことになる。)また、現在では既知の領域になっている極地探検などを行う「冒険家」も広義の探検家として扱われることがある。(但し、現代では「探検家」とは別のものとして「冒険家」として扱われるのが一般的である。)

歴史的に名前を残している探検家としては、紀元前の航海者・ハンノ(西アフリカの象牙海岸に行った)、漢の張騫(軍事同盟締結のために中央アジアに行った)たちが知られている。その後も、インドに経典を取りに行った玄奘三蔵、グリーンランドに行ったエイリーク、中国を訪れたマルコ・ポーロ、たちが知られている。

そして大航海時代になると、数多くの探検家が知られていて、喜望峰を発見したバルトロメウ・ディアス、アメリカ大陸を発見したクリストファー・コロンブス、喜望峰経由でインドに到着したヴァスコ・ダ・ガマ、南米・ブラジルに到着したペドロ・アルヴァレス・カブラル、世界一周を達成したフェルディナンド・マゼランやフランシス・ドレーク、パナマ地峡を通って太平洋に到達したバスコ・ヌーニェス・デ・バルボア、アステカ帝国を征服したエルナン・コルテス、インカ帝国を征服したフランシスコ・ピサロたちがいる。(これらの中には、(現地では)侵略者とされていて、探検家としては認められていない人が一部の国においている。→現地感情を考えれば、「探検家」と言うと英雄扱いされるだけに、そんなことは許さない、という気持ちも理解できるところでもある。)

日本人の探検家としては、蝦夷と樺太を探検した間宮林蔵、千島列島を探検した笹森儀助、南極探検をした白瀬矗、といった人物が知られている。

ヴェネツィア」:イタリア北東部、アドリア海に面した都市である。ヴェネト州の州都であって、ヴェネツィア県の県庁所在地である。現地語(イタリア語)では「Venezia」と言うが、英語では「Venice」と綴ることから、日本では「ベニス」または「ヴェニス」とも呼ばれている。(ドイツの小説家・トーマス・マンの小説の邦題では「ヴェニスに死す」、1971年のルキノ・ヴィスコンティ監督の映画の邦題では「ベニスに死す」となっている。)近年では、外国の都市名は現地語読みをそのまま表記するのが一般的になっていることから、「ベネチア」「ヴェネチア」「ヴェネツィア」などと表記されるようになった。

かつてはヴェネツィア共和国(697年から1797年に存在した国である。)の首都として栄えた年であるため、その歴史は古く、「アドリア海の女王」「水の都」「アドリア海の真珠」などの別名を有している年でもある。

現在ではヴェネト州の中心都市であると同時に、古都としての観光都市でもある。現在の人口は約27万人である。尚、1987年に「ヴェネツィアとその潟」として世界遺産(文化遺産)に登録された。

地理的にはアドリア海の最深部のヴェネツィア湾の潟に築かれた都市であって、大小117の島から出来ている。そして大陸本土とは鉄道橋と自動車橋とで結ばれている。市街地には縦横に運河が走っていて、400を越える橋が市街地を結んでいる。中心部では水上交通を利用することになっていて、自動車の市街地乗り入れは出来ない。よって、水上バスやゴンドラが中心となっている。

海抜0m地帯が広くあるため、洪水によって市街地が水没することがある。(大塩、気圧などの条件によっては頻繁に起こる。そのため、市街地には水没時のための対策が予め用意されている。)→「007/ムーンレイカー」では、ボンドが乗ったゴンドラ(水陸両用ゴンドラ、Qが開発した秘密兵器である。)が変形してホバークラフト形態となってサン・マルコ広場を走ったが、そのサン・マルコ広場も水没することが時々ある。

産業としては、ヴェネツィア・ガラスが伝統工芸産業として古くからあり、レースや宝石細工、陶器なども伝統産業として古くからある。また、本土側には石油化学工業などの重工業地帯がある。

ジパング」:英語では「Zipangu」と言うが、ドイツ語では「Cipangu」、フランス語では「Cipangu」、イタリア語とスペイン語では「Cipango」ということから「チパング」と言うこともある。

マルコ・ポーロの「東方見聞録」に登場した東洋の東方にある島国のことであって、日本のこととされている。但し、マルコ・ポーロは日本に渡航した経験はなく、元にいた時に聞いた話である。また、「東方見聞録」はルスティケロ・ダ・ピサが編纂したものであるが、マルコ・ポーロの語ったことをそのまま記したのではなく、ピサの脚色がかなりあるとされているため、真実が記されているとは限らない。

また、「日本」のことを指しているというのが現在の一般的に認識となっていることから、「日本」の別名ということにもなっている。しかし、中には、「ジパング」は日本ではなくて他の島国のことを指しているという説もある。例えば、フィリピンを指しているとする学者もいるが、一般的にな考えとしては認識されていない。)または、アフリカの東端にある地方という説もある。→「ジパング」は熱帯地方にある国と読み取れることからの説である。

「東方見聞録」では、ジパングは中国大陸の東の海上1500浬に浮かぶ独立した島国であり、莫大な金を産出し、宮殿や民家は黄金でできているなど、財宝に溢れている。人々は偶像崇拝者で外見がよく、礼儀正しいが、人肉を食べる習慣がある。また、モンゴルのクビライ・ハンがジパングを征服するため軍を送ったが、暴風のために船団が壊滅した。生き残った兵士と島に取り残された兵士たちは、ジパングの兵士たちの留守に乗じてジパングの都を占領したが、ジパングで暮らすことを条件として和睦してそのままジパングに住みついた、とある。

これらの中から、クビライ・ハンの軍を送った部分が日本に残る元寇の記録と、モンゴルに伝わる元の時代の書物による記録と一致していること(特に、暴風で壊滅した、という部分)が、「ジパング=日本」という説の強い根拠となっている。よって、位置に関する「1500浬」という数字に関しては、この数値は正しくない(昔のもの、陸上ではなく海上の距離となると、正しくないのが一般的というのが常識とされている。)というように考えられている。

特に「金」というところに欧州では注目が集まって、「黄金の国・ジパング」ということは当時の欧州では憧れとなった。また、この「ジパング(Zipangu)」は、日本のことを指す言葉「Japan」(英語、ドイツ語、オランダ語)、「Japon」(フランス語)、「Giappone」(イタリア語)、「Japón」(スペイン語)、「Japão」(ポルトガル語)などの語源になった言葉としても知られている。→これも「ジパング」が日本のことを指している証の一つになっている。

尚、「ジパング」というと、1990年の林海象監督の映画「ZIPANG ジパング」と、かわぐちかいじによる漫画「ジパング」がある。前者は、伝説の黄金の国「ZIPANG」の扉を開ける鍵を巡って、忍者団や古代人、おたずね者の大盗賊、賞金稼ぎたちが入り乱れての争奪戦をくり広げていく冒険時代活劇である。但し、内容的には後半の物語が難という評価が下されていて、現在では酷評されていて、忘れ去られた作品となっている。(現在では、性格俳優・成田三樹夫氏の遺作ということで語られる程度で、林海象監督のキャリアでも忘れられた存在になっている。)

作品データを記しておくと、時間は118分、原作と脚本は林海象と栗田教行の2人、監督は林海象、特殊メイクは江川悦子、美術は木村威夫、音楽は浦山秀彦と熊谷陽子、主題歌はXの歌う『エンドレスレイン』である。そして出演は、高嶋政宏、修健、安田成美、ユキオ・ヤマト、鰐淵晴子、平幹二朗、佐野史郎、ベンガル、十貫寺梅軒、浦上照彦、長崎真純、東千代之介、成田三樹夫、秋吉満ちる、たちである。

一方、後者は「モーニング」に2000年から2009年まで連載された作品であって、2004年にはアニメ化もされている。しかし、これは「東方見聞録」に登場する「ジパング」とは全く関係が無く、200X年6月に海上自衛隊の最新鋭イージス艦みらいが太平洋戦争のまっただ中へとタイムスリップしてしまう。そして海上に墜落した戦闘機と共に沈もうとしている旧日本海軍の通信科情報参謀・草加拓海少佐を救出し、草加に未来の情報を伝えてしまったことから、歴史が大きく改変されていく、というSFストーリーである。尚、アニメ版は、一部で原作漫画からの変更点がある。

 

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 3

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  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

↓いくつか

日本の探検家たち―未知を目指した人々の探検史 (別冊太陽―日本のこころ)

日本の探検家たち―未知を目指した人々の探検史 (別冊太陽―日本のこころ)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2003/09
  • メディア: ムック

コロンブス 新大陸を発見した探検家 (学習漫画 世界の伝記)

コロンブス 新大陸を発見した探検家 (学習漫画 世界の伝記)

  • 作者: 渡辺 暁
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1989/09/20
  • メディア: 単行本

切手が伝える地図の世界史―探検家と地図を作った人々 (切手で知ろうシリーズ)

切手が伝える地図の世界史―探検家と地図を作った人々 (切手で知ろうシリーズ)

  • 作者: 西海 隆夫
  • 出版社/メーカー: 彩流社
  • 発売日: 2008/07
  • メディア: 単行本

アムンゼン―極地探検家の栄光と悲劇

アムンゼン―極地探検家の栄光と悲劇

  • 作者: エドワール・カリック
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 単行本

ヴェネツィア ‾カフェ&バーカロでめぐる、12の迷宮路地散歩 (地球の歩き方 GEM STONE 23)

ヴェネツィア ‾カフェ&バーカロでめぐる、12の迷宮路地散歩 (地球の歩き方 GEM STONE 23)

  • 作者: 篠 利幸
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2008/07/19
  • メディア: 単行本

ヴェニスの商人 (岩波文庫)

ヴェニスの商人 (岩波文庫)

  • 作者: シェイクスピア
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1973/01
  • メディア: 文庫

ヴェニスの商人 (まんがで読破)

ヴェニスの商人 (まんがで読破)

  • 作者: シェイクスピア
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2009/06/25
  • メディア: 文庫

迷宮都市ヴェネツィアを歩く―カラー版 (角川oneテーマ21)

迷宮都市ヴェネツィアを歩く―カラー版 (角川oneテーマ21)

  • 作者: 陣内 秀信
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2004/07
  • メディア: 新書

ヴェネツィア 世界遺産の水上都市「食べ歩き&買い物」案内 (イタリア旅ガイド)

ヴェネツィア 世界遺産の水上都市「食べ歩き&買い物」案内 (イタリア旅ガイド)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
  • 発売日: 2010/04/06
  • メディア: 単行本

ヴェネツィア  水上の迷宮都市 (講談社現代新書)

ヴェネツィア  水上の迷宮都市 (講談社現代新書)

  • 作者: 陣内 秀信
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1992/08/11
  • メディア: 新書

1000ピース ヴェネツィアとその潟-イタリア 11-104

1000ピース ヴェネツィアとその潟-イタリア 11-104

  • 出版社/メーカー: エポック社
  • メディア: おもちゃ&ホビー

マルコ・ポーロ東方見聞録―全訳

マルコ・ポーロ東方見聞録―全訳

  • 作者: マルコ・ポーロ
  • 出版社/メーカー: 校倉書房
  • 発売日: 1960/11
  • メディア: 単行本

東方神起見聞録

東方神起見聞録

  • 作者: 東方神起研究会
  • 出版社/メーカー: 蒼竜社
  • 発売日: 2010/01/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

ジパング(1) (モーニングKC (731))

ジパング(1) (モーニングKC (731))

  • 作者: かわぐち かいじ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2001/01/20
  • メディア: コミック

ジパング(43) <完> (モーニングKC)

ジパング(43) <完> (モーニングKC)

  • 作者: かわぐち かいじ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/12/22
  • メディア: コミック

よみがえる黄金のジパング (岩波科学ライブラリー (5))

よみがえる黄金のジパング (岩波科学ライブラリー (5))

  • 作者: 井沢 英二
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1993/10
  • メディア: 単行本

地図に見る日本―倭国・ジパング・大日本

地図に見る日本―倭国・ジパング・大日本

  • 作者: 海野 一隆
  • 出版社/メーカー: 大修館書店
  • 発売日: 1999/04
  • メディア: 単行本

ジパング DVD-BOX

ジパング DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD

ZIPANG [DVD]

ZIPANG [DVD]

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD


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