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JACKSONS『THE JACKSONS』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1976年に発表された「JACKSONS」名義では初のアルバムである。(「JACKSON 5」名義では10枚のスタジオ・アルバムを発表している。)本アルバムからレコード会社を移籍したことからの政治的な問題でグループ名を変更することになったが、同時にジャーメインが抜けてランディが加入している。(これも政治的な問題が絡んでいる。)アメリカでは最高位36位、イギリスでは最高位54位ということで、'70's初頭の勢いまでは取り戻せず、ヒットの規模としてはそれほど大きくなかったものの、ここから彼ら独自の音楽性の世界に突き進んでいくことになり、時代を変えていくことになるのである。

収録曲は以下の全10曲である。『Enjoy Yourself』『Think Happy』『Good Times』『Keep On Dancing』『Blues Away』『Show You The Way To Go』『Living Together』『Strength Of One Man』『Dreamer』『Style Of Life』。

この中からシングル・カットされたのは3曲である。最初のシングル『Enjoy Yourself』はBillboardで最高位6位を記録し、1977年の年間シングル・チャートでは40位にランクインしている。また、イギリスでは最高位42位であった。続く『Show You The Way To Go』はイギリスで1位を獲得する大ヒットとなるか、アメリカでは最高位28位であった。また、『Dreamer』はアメリカではチャートインせず、イギリスで最高位22位を記録している。

お薦め曲は、シングル・ヒットを記録している『Enjoy Yourself』と『Show You The Way To Go』、それ以外では、マイケルのリードボーカル曲の『Keep On Dancing』、マイケルとジャッキーのリードボーカルである『Style Of Life』、マイケル、ジャッキー、マローンのボーカルである『Strength Of One Man』をピックアップしておく。(ちなみに、全10曲でマイケルは全てボーカルを担当している。)

本アルバム発表時、マイケルは18歳であって、若さが出ている。また、兄弟たちのやりたい音楽を全員が楽しんでいるということが伝わってくる。ということで、楽しんで聴くことの出来るアルバムである。

'70's中盤ではセールスが低調になり、政治的な問題によって活き活きした所を失っていた彼らが新たな気持ちでスタートしているということで、内容的には良いアルバムになっている。セールスの点では今一つ伸び悩んだものの、'70's中盤のソウル・ミュージック全盛期に相応しいソウルフルであり、ファンキーな要素のあるアルバムとして、時代にマッチした内容というのもよい所である。

彼らのキャリアに於いても節目のアルバムであるが、'70'sのブラック・ミュージックに於いても時代を変えることになる彼らのアルバムでもあるだけに、しっかりと聴いておきたい所である。尚、マイケル・ファンの方にとっては、'80'sのマイケルとは違った若さ全開というのもまたお楽しみということも出来るでしょうし...

 

Jacksons

Jacksons

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sbme Special Mkts.
  • 発売日: 2008/03/01
  • メディア: CD


ケータイ刑事銭形雷14話[裏ネタ編]PART 7 [ケータイ刑事]

銭形雷」の第14話「わたしの色気でとろけなさい! ~新人女優殺人事件」の「裏ネタ編・増補」は今回限りです。で、今回は劇中に名前が出てきて、岡野さんが気にしている俳優である「中井貴一」について、「時任三郎」について、そして「国広富之」について記します。

また、BS-iの本放送時に記した記事は2006/4/2付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。

中井貴一」:1961/9/18、東京生まれの俳優である。父が1940年代から60年代に掛けて活躍した俳優の佐田啓二であり、二世俳優である。また、姉は女優の中井貴惠である。

1981年の映画「連合艦隊」でデビューし、日本アカデミー賞の新人賞を受賞して、俳優としては順調なスタートを切る。その後も数多くの映画に出演すると共に、テレビドラマの方にも出演する。特に、1983年の「ふぞろいの林檎たち」は大ヒットしてシリーズ化されて、彼の代表作の一つになった。また、1988年には大河ドラマ「武田信玄」で主役を務めている。

90年代以降、及び2000年を過ぎても、映画とテレビに多数出演していて、現在では日本を代表する俳優の一人になっている。

また、1984年にはレコード・デビューも果たしていて、何枚かのシングル、更にはアルバムを発表している。(但し、歌手としての活動は、話題にはなったものの、派手に動いていない。)

代表作としては、映画では「連合艦隊」、「ビルマの竪琴」(1985年のリメイク作)、「四十七人の刺客」、「愛を乞うひと」、「壬生義士伝」など、テレビドラマでは「ふぞろいの林檎たち」(シリーズ)、「武田信玄」、「Age、35 恋しくて」、「義経」、「風のガーデン」などがある。

時任三郎」:1958/2/4、東京生まれの俳優である。大阪芸大入学後に俳優養成所に通い、1980年にミュージカルの舞台作品「HAIR」でデビューする。また、バンド活動も平行してデビューしている。1981年にはドラマデビューも果たして、マルチに活動する。映画へは1983年の「俺っちのウェディング」でデビューしている。

1983年にはテレビドラマ「ふぞろいの林檎たち」に出演し、中井貴一と共演すると共に、シリーズ化されて彼の代表作の一つになった。

彼が大きく注目されたのは1988年のCMで、「24時間タタカエマスカ」のコピーで一世を風靡したリゲイン(栄養ドリンク)であって、それを歌った曲(『勇気のしるし』)は大ヒットを記録した。(但し、この曲はCMのキャラクターである牛若丸三郎太の名義になっている。)

主にテレビドラマに出演していて、映画出演の方はその割りに少ないが、出演した映画ではいくつかの賞を受賞している。

代表作としては、映画では「俺っちのウェディング」、「海燕ジョーの奇跡」、「HAWAIIAN DREAM」、「永遠の1/2」、「天国までの百マイル」など、テレビドラマでは「ふぞろいの林檎たち」(シリーズ)、「われら動物家族」、「私鉄沿線97分署」、「ライスカレー」、「炎立つ」、「Dr.コトー診療所」、「海猿」などがある。

尚、「私鉄沿線97分署」(テレ朝系)で刑事(片山大巡査長)を演じていて、殉職していないため、「ケータイ刑事」に相棒刑事として登場する資格は一応ありますが...(が、他局系列であり、トミマツが幅を利かせているので、あり得ないと言っていいでしょうね...)

国広富之」:1953/4/23、京都生まれの俳優である。(雷ちゃんとは同郷である。)1976年に大学卒業とともに松浦竹夫演劇研究所に入り、1977年にドラマ「岸辺のアルバム」でデビューする。人気を獲得して新人賞を受賞した。また、映画デビューは1979年の「神様なぜ愛に国境があるの」であって、テレビドラマを中心に出演する。

1979年の大河ドラマ「草燃える」で源義経を演じ、同年には「噂の刑事トミーとマツ」がスタートしていて、彼の代表作となる。また、1983年の「ふぞろいの林檎たち」にも出演している。(実は、この物語の劇中で名前の出た3人は「ふぞろいの林檎たち」で共演しているのである。)

'80年代前半はテレビドラマに多数出演していて、'80年代を代表するシリーズとなった大映テレビ作品では、「不良少女とよばれて」「スタア誕生」「ポニーテールはふり向かない」などに出演して、大映テレビ作品の顔の一人でもある。

映画出演もしているが、出演本数は少なく、銀膜とは余り馴染みがないのも事実である。そんな中、2007年の「ケータイ刑事 THE MOVIE2」(「M2」)で25年ぶりに「噂の刑事トミーとマツ」のトミマツ・コンビが復活したことが話題となった。また、2011年公開の「M3」にも登場する。

尚、娘(次女)の谷内里早は2008年にモデルとしてデビューし、映画、ドラマへも進出している。(2010年には主演映画「少女戦士伝シオン」もある。)また、所属がお姉ちゃまと同じ事務所であり、銭形を襲名してもらいたい一人である。(「あった」と言うべきでしょうね。(8代目が岡本杏理では、丹羽P作品に色々と出演しているため、新鮮みがないですし...)尚、その場合、相棒は当然岡野さんということで、色々とネタが浮かびます...)

代表作としては、映画では「炎のごとく」、「ガラスの脳」、「ケータイ刑事 THE MOVIE2 石川五右衛門一族の陰謀~決闘!ゴルゴダの森」など、テレビドラマでは「岸辺のアルバム」、「赤い絆」、「赤い激突」、「草燃える」、「噂の刑事トミーとマツ」(シリーズ)、「ふぞろいの林檎たち」(シリーズ)、「不良少女とよばれて」、「スタア誕生」、「ポニーテールはふり向かない」、「おんな風林火山」、「失楽園」、「はぐれ刑事純情派(17、18シリーズ)」「ケータイ刑事 銭形雷(1st.シリーズ)」などがある。

 

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 2

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  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

燃ゆるとき [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • メディア: DVD
ビルマの竪琴 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: フジテレビ
  • メディア: DVD
四十七人の刺客 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 東宝ビデオ
  • メディア: DVD
NHK 大河ドラマ 武田信玄 完全版 第壱集 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: NHKソフトウェア
  • メディア: DVD
NHK大河ドラマ 武田信玄 完全版 第弐集 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: NHKソフトウェア
  • メディア: DVD
【東宝特撮Blu-rayセレクション】 連合艦隊<劇場公開版>

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  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: Blu-ray
ふぞろいの林檎たち DVD-BOX

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  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • メディア: DVD
ふぞろいの林檎たちII DVD-BOX 5巻セット

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  • 出版社/メーカー: TBS
  • メディア: DVD
俺っちのウエディング [DVD]

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  • 出版社/メーカー: パイオニアLDC
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大映テレビ ドラマシリーズ 不良少女とよばれて 前編 [DVD]

大映テレビ ドラマシリーズ 不良少女とよばれて 前編 [DVD]

  • 出版社/メーカー: エイベックス・トラックス
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大映テレビ ドラマシリーズ 不良少女とよばれて 後編 [DVD]

大映テレビ ドラマシリーズ 不良少女とよばれて 後編 [DVD]

  • 出版社/メーカー: エイベックス・トラックス
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噂の刑事 トミーとマツ トミーBOX [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
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ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 1

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  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD
噂の刑事 トミーとマツ マツBOX [DVD]

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  • 出版社/メーカー: TBS
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メイキング・オブ・ケータイ刑事 THE MOVIE 3 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: DVD

名曲探偵アマデウス#77 シューマン「詩人の恋」 [ドラマ]

先月はショパン月間だったが、「みんなのショパン」のリクエストで「英雄ポロネーズ」が1位になったということで、その後でその曲を取り上げたファイルNo.032の「~あしたのジョウイチ」(録画してあるもの)を久しぶりに見ました。1年半ほど前の作品で、所長とカノンさんの雰囲気が現在と少し違っているが、コンビの息はぴったりで、楽しいですね。

今回は、そのショパン月間から月が変わったということで、ショパンから離れ、今回は3曲目となるシューマンの曲で、「詩人の恋」でした。歌曲が取り上げられたのは、ファイルNo.064のシューベルトの「魔王」以来で、久しぶりでした。

冒頭、所長が事務所内で「天出臼夫の作曲教室」という看板を掲げている。そこに「ただいま」とカノンさんが帰ってきた。で「何やってるんですか?」と尋ね、表の看板のことも問い糾す。これに所長は「作曲教室を始めることにしたんだよ」と言う。所長が紐解いた巨匠たちの作曲術を利用しない手はない、と言う。すると「それ、良いかもしれませんね」と笑顔のカノンさん。所長は、月謝が1人あたり3万円として、ということで取らぬ狸の皮算用モードに入る。「生徒が10人なら30万円、100人なら300万円」とここまでは計算出来るが「1万人なら...」となると計算出来なかった。すかさずカノンさんが「3億円ですよ」と言うと「そんなに...」と言っていた所長。が、カノンさんが「依頼人だって週に1回ぐらいしか来ないのに、作曲の勉強したい人なんている訳ないか...」と現実的でした。

そんな所に「すいません」と言って人が来た。「作曲教室はこちらでしょうか?」と尋ねた男。所長は「ラッキーですよあなたは。申し込みが殺到して、もうすぐ締め切ろうかと思っていた所です」と言う所長。「ギリギリセーフ」と言って彼を引き入れると「響くん、早速受講の手続きを」と言う所長。カノンさんもそれに従って「お名前と職業は?」と尋ねる。男は、シンガーソングライターを目指している歌井創(うたい・つくる)と名乗った。

所長は「どんな曲を作りたいのでしょうか?ご希望にお応え致しますが」と早速個人レッスンとなっている。(まあ、折角やってきた貴重な受講者ですからね...)tすると「これでお願いしたいんですけど」と言って、「LOVE SONGコンクール」のチラシを見せる。今年こそCDデビューしたいと思っているが、締め切りが近づいても曲が出来ないで困っているということだった。すると所長は「まずはお手本となる曲を決めましょう」と言って流れてきたのは『エリーゼのために』、続いて『ロメオとジュリエット』。すると「歌有りで何かいいやつは無いんですか?」と言われ、所長はシューマンの『詩人の恋』を持ってきた。「ぴったりだ」と言う依頼人は「これでお願いします」と言った。笑顔の所長、カノンさんは「この申込書に住所と名前書いて、あと、入会金と授業料は前払いで、申し訳ないですれど、うち、カード使えないんで現金払いでお願いします」と、しっかりしていました。

いつものように概要説明では、全16曲の内、第1曲、第7曲が流れる中で語られ、本題へ。

カノンさんが最初に「詩も歌井さんが書くんですよね」と確認するが、「適当」と答える依頼人。カノンさんは呆れ顔、所長は「そこに問題があるのかも知れません」と言う。「そうなんですか?」と尋ねる依頼人に、カノンさんが「天出臼夫のラブソング作曲教室 ベーシック編」のタイトルコールをする。で、第1曲の歌詞(日本語訳)を提示する所長。これでどう作曲するか?と依頼人に尋ねると「明るくメジャー系のコードで」と言って、ギターを弾きながら歌い始める。しかし直ぐに所長は「もう結構です」と言い「そんな単純な発想では詩の世界は深まりません」と言って、シューマンの作った曲の説明へ。

第1曲は、ピアノで詩の世界を表現している、ということで、その解説を野本先生(いつもながら、とても分かりやすい説明です。)が語る。ここでは「倚音」と「あこがれの6度」で出来ているということで、その説明がある。更に、歌が始まってからも、最初はホ長調で書かれているが、後半になると転調を繰り返し、心が安定していないことを表現している、と語られる。更に、歌い手の立場での意見が語られ、歌とピアノで描いているということが語られる。

続いて、第2曲へ。まずはカノンさんが「天出臼夫のラブソング作曲教室 基礎の基礎編」のタイトルコールをする。所長は「ギターをお預かりして」とカノンさんに言って、依頼人からギターを引き離した。で、第2曲の歌詞を提示し、朗読させる。更に抑揚を強調するように朗読させる。すると、詩の朗読が曲になった。で、「パルランド唱法」の名前が出て、その説明がされる。

第2曲、そして第3曲でこの補足的な説明があって、シューマンの作曲のやり方、そしてその背後にはハイネの詩があるということで、詩を大切にしたシューマンの説明が続く。で、詩から音楽が出来てしまうというということで納得する依頼人だった。

所長は「ここまでは序の口。更なる作曲の奥義が隠されているのです」と言う。するとカノンさんが「天出臼夫のラブソング作曲教室 応用編」のタイトルコール。所長は第7曲で失恋してしまう、と語り、説明は第7曲へ。

ここでは詩人の本心がピアノで表現されているということで、その説明がされる。で、低音部分で歌とは裏腹に、強い恨みを持っているということを表現しているということで、言葉(歌)と曲が裏腹だから楽しめるということでした。

依頼人は「人生40有余年、今だに女性と付き合ったことも手を繋いだこともない」と告白し、それに驚くカノンさん。所長は「ラブソングは辛い思いをしたからこそ作曲できるのではないか。どれだけその思いが本物であったのか、それが大切だ」と言う。依頼人は「妄想男でも」「隙になったのが男の人でも」とさりげなくカミングアウトする。一瞬、所長がとんでもない表情を見せたが「勿論」と言った。(少しは商売のことを感が得た所長でした。)

で、第8曲へ。画面が四分割(カノンさん、依頼人、所長、ピアノの鍵盤(演奏))で、カノンさんの感想と依頼人の感想が語られ、続いて第9曲へ。ここではカノンさんと依頼人、ピアノの鍵盤(演奏)が2つ分の領域の3画面で、カノンさんと依頼人が感想を語るという、凝った画面でした。で、所長が、シューマンにツライ恋愛経験があった、と語り、シューマンとクララの恋愛について、そんな中、ハイネの詩とシューマンが出会ったと語られる。

当時、シューマンは歌曲を下げてみていたが、クララとの恋愛でそれが変わったことが語られる。そして1840年には140曲もの歌曲を作曲し、秋にクララと結婚した。ということで、クララへの思いを歌曲で表現したということから、依頼人も自分の恋愛体験を思い出して、その感情を曲にすればいい、と言うと「何か良い曲が作れそうな気がしてきた」と笑顔を見せた。

処置用は「最後にラブソングコンテストの優勝を確実なものにするために、究極の技を授けましょう」言う。するとカノンさんが「天出臼夫のラブソング作曲教室 超上級編」のタイトルコールをする。

所長は曲の最後、歌い終わった後のエンディングについて、依頼人に尋ねた。依頼人は4小節ぐらいをエンディングにしている、ということだった。で、第16曲へ。

棺桶に自分の恋の苦痛を葬ったと歌って、歌は終わるが、曲の方は延々とピアノだけで後奏へ。約4分の第16曲の半分近くの2分近くにも及んでいる。この長い後奏で何を描こうとしたのか、それについて語られる。(1つでなく、複数の立場から違ったことが語られるのが良いところですね。)

曲の方は、音楽そのものが1つの詩になった、と依頼人が言い、所長は「エンディングでこそ語られる恋もあるのです」と言った。カノンさんは「まずは良い歌詞を作らなきゃね」と言うと、依頼人は「メモを取ってくれますか」とカノンさんに頼む。で、思い浮かんだ詩を口にする。が、カノンさんがその詩の続きを歌い「あるんですけど」と言った。(ちょっと転ける所長。)「えっ、あるの?」と言う依頼人はめげずに新たな詩を口にする。が、カノンさんは「それもあります」と、怒るように言った。(「パクリ」と言わない所は、やっぱりお客さんということが分かっているということですね。)

今回は、ドラマ部分は約35分半弱、曲が7分半、ラストのオチの所が1分強という構成となっていて、曲の所は第1曲、第7曲、第16曲でした。(時間的に全部というのは無理であるが、「起承転結」の「起」「転」「結」の部分に当たる所を選んでいるということで、まあ順当な所でした。)

ラストのオチは、ラブソングコンテストの発表があるということで、所長とカノンさんはそれをラジオで聞こうとしている。所長の秘策を授けたことから「ひょっとしたら...」と期待していた2人。ラジオからの声は、568曲の応募作品があったが、1曲だけしっかくになった曲があったと言う。で、それは歌井創(=依頼人)の曲『ロスト・ラブ ファースト・ラブ』だという。エンディングが長すぎて規定タイムオーバーということで失格になったということだった。「良い曲だったのでとても残念」という声がラジオから聞こえてくる、カノンさんは「所長の秘策が裏目じゃないですか」と文句を言う。これに所長は「♪ドンマイ、ドンマイ~」と歌い、カノンさんも泣きそうな顔で「ドンマイ~」とハモっていた。

今回は、所長に完全に振り回されたという物語で、依頼人も結果的には所長に振り回された被害者になってしまい、「バッド・エンド」ということの出来る物語でした。(ちなみにファイルNo.032の「英雄ポロネーズ」もそうでした。)ハッピー・エンディングと言った方がいい結末が多いが、時にはこういう結末の物語もあってもいいですよね。

そういえば、所長は以前、タクシー運転手のアルバイトをしていたが、やっぱり依頼人があんまり来ないので、経営が苦しいというのは相変わらずなんですね。「作曲教室」というアイデアは面白いが、カノンさんが言っていた様に、生徒がどれだけ集まるかですね。所長は生徒が10人、100人、1万人なら、というように「取らぬ狸の皮算用」をしていたが、これが計算出来ず、カノンさんが計算して有頂天になっているという所は実に面白いところでした。が、世の中はそんなに甘くないですからね。それに、月謝3万円って、高すぎて生徒が集まらないと思いますし...

また、劇中で4回で出来た「天出臼夫の作曲教室」では、カノンさんのタイトル・コールの所は、活き活きしていて楽しませてくれるところでした。(ある意味では、最も伸び伸びしているカノンさんが見られた所でもありました。)

来週(11/8)はファイルNo.078のモーリス・ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」です。15日はお休み、11/22はファイルNo.079で、モーツァルト「ピアノ・ソナタ イ長調 トルコ行進曲付き」と続き、今月はそこまでです。(29日は何かの再放送です。)

 

シューマン:詩人の恋

シューマン:詩人の恋

  • アーティスト: シューマン,ギーゼン(フーベルト)
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1997/04/09
  • メディア: CD

シューマン:歌曲集 詩人の恋

シューマン:歌曲集 詩人の恋

  • アーティスト: シューマン,エッシェンバッハ(クリストフ)
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1990/08/25
  • メディア: CD
シューマン:詩人の恋/リーダークライス作品39

シューマン:詩人の恋/リーダークライス作品39

  • アーティスト: シューマン,ブレンデル(アルフレッド)
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2010/03/24
  • メディア: CD
詩人の恋~シューマン歌曲集

詩人の恋~シューマン歌曲集

  • アーティスト: シューマン,フーバー(ゲロルド)
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2004/10/20
  • メディア: CD
シューマン:リーダークライス Op. 24/詩人の恋 Op. 48

シューマン:リーダークライス Op. 24/詩人の恋 Op. 48

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2005/06/01
  • メディア: CD
シューマン:詩人の恋 Op. 48/リーダークライス Op. 39/他

シューマン:詩人の恋 Op. 48/リーダークライス Op. 39/他

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 1998/04/01
  • メディア: CD
シューマン:詩人の恋

シューマン:詩人の恋

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: (株)カメラータ・トウキョウ
  • 発売日: 2007/08/20
  • メディア: CD
シューマン : 詩人の恋、リーダークライス

シューマン : 詩人の恋、リーダークライス

  • アーティスト: シューマン,クーパー(イモージェン)
  • 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1996/01/25
  • メディア: CD
シューマン:詩人の恋

シューマン:詩人の恋

  • アーティスト: シューマン,ポール(オリヴァー)
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2007/08/22
  • メディア: CD
リーダーアーベント 1965年 - シューマン:歌曲集「詩人の恋」Op.48 他 (Liederabend 1965 - Schumann, Beethoven & Schubert / Wunderlich, Giesen) [Import CD from Germany]

リーダーアーベント 1965年 - シューマン:歌曲集「詩人の恋」Op.48 他 (Liederabend 1965 - Schumann, Beethoven & Schubert / Wunderlich, Giesen) [Import CD from Germany]

  • アーティスト: シューマン,ベートーヴェン,シューベルト,フリッツ・ヴンダーリヒ (T),フーベルト・ギーゼン(P)
  • 出版社/メーカー: HAENSSLER
  • 発売日: 2009/06/12
  • メディア: CD
詩人の恋~ハイネの詩による歌曲集

詩人の恋~ハイネの詩による歌曲集

  • アーティスト: シューマン,メンデルスゾーン,シューベルト,シュタイアー(アンドレアス)
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN Inc.(BMG)(M)
  • 発売日: 2008/06/25
  • メディア: CD
シューマン:詩人の恋

シューマン:詩人の恋

  • アーティスト: シューマン,ブラームス,ムソルグスキー,ゲイジ(アーヴィン)
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2000/10/25
  • メディア: CD
シューマン:詩人の恋

シューマン:詩人の恋

  • アーティスト: C・シューマン,シューマン,ドイチュ(ヘルムート)
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
  • 発売日: 1996/12/12
  • メディア: CD

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