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JENNIFER RUSH『JENNIFER RUSH』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1984年に発表された彼女のソロ・デビュー・アルバムである。アメリカ・ニューヨーク出身である彼女であるが、音楽活動はドイツを拠点として欧州での活動を中心に行っているということで、アメリカではその割りに知られていないが、欧州では大人気のシンガーである。本アルバムは、西ドイツとスウェーデンでは最高位2位を記録し、オーストリアでは5位、イギリスでは7位、ノルウェーと南アフリカでは1位を記録しているというように、本国アメリカでは全くヒットしなかったが、欧州では大きなヒットになった。

収録曲は以下の全10曲である。『Madonna's Eyes』『25 Lovers』『Come Give Me Your Hand』『Nobody Move』『Never Gonna Turn Back Again』『Ring Of Ice』『Into My Dreams』『I See a Shadow (Not A Fantasy)』『Surrender』『The Power Of Love』。

この中からシングル・カットされたのは全部で6曲である。但し、本アルバム発表の前年の1983年にリリースした2曲を含んでいる。(リリースされた国も一部ということもある。)最初にリリースされたのはフランスでリリースされた『Into My Dreams』であって、最高位7位を記録している。続いて『Come Give Me Your Hand』がシングル・リリースされたが、特にヒットはしていない。(アルバム未収録のスウェーデンのみでリリースされたシングルを挟んで)本アルバムがリリースされて、『25 Lovers』がシングル・カットされた。フランスで9位、西ドイツで25位を記録していて、続く『The Power Of Love』がイギリスで1位を獲得し、西ドイツでも9位を記録した。更に『Ring Of Ice』はイギリスで14位、西ドイツで22位を記録し、『Madonna's Eyes』はイギリスでは84位であったがフランスでは5位を記録している。

お薦め曲は、ヒットシングルである『Into My Dreams』『25 Lovers』『The Power Of Love』と、それ以外から『Nobody Move』と『Surrender』をピックアップしておく。

サウンドの方はロック・テイストのするポップな女性ボーカル・アルバムであって、とても聴きやすいものである。また、'80'sサウンドらしいものでもあるため、'80'sサウンドがお好きな方であれば、特に抵抗感無く受け入れられるものであって、日本でも一部の曲はAORに近いものがあるだけに、ヒットしてもおかしくないような曲もある。

それなのに、彼女の本国アメリカではさっぱりであるということ、また、欧州で複数の国でヒットしているものの、国によってヒットの規模に結構差があるというのも面白い所である。→欧州のヒット・チャートの奥深いところでもありますね。

 

↓国によってジャケットも違っているのが面白い所でもあります。

Jennifer Rush

Jennifer Rush

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Columbia
  • メディア: CD

Jennifer Rush

Jennifer Rush

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Columbia
  • 発売日: 1998/07/27
  • メディア: CD

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ケータイ刑事銭形雷16話[裏ネタ編]PART 5 [ケータイ刑事]

銭形雷」の第16話「推理王は誰だ? ~名探偵の助手殺人事件」の「裏ネタ編・増補」の4回目となる今回は、この物語の登場人物のそれぞれのモデルである「ホームズの助手・ワトソン」について、「刑事コロンボのかみさん」について、「明智小五郎の助手・小林芳雄」について、そして「少年探偵団」について記します。尚、「少年探偵団」については「・18話(2nd.5話)[裏ネタ編]PART 1」で記したものをベースにして加筆しました。

また、BS-iの本放送時に記した記事は2006/4/16付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。

ホームズの助手・ワトソン」:はアーサー・コナン・ドイルの推理小説「シャーロック・ホームズ」シリーズの登場人物であって、ホームズの友人であり、助手であり、軍医であり、伝記作家である。(「シャーロック・ホームズ」シリーズの殆どの物語はワトソンが書いたことになっている。)

名前は「JOHN H. WATSON」であって、日本語では「ジョン・H・ワトスン」という表記と「ジョン・H・ワトソン」という表記の両者がある。(「ケータイ刑事」では後者の「ワトソン」という立場を取っている。)

設定上は、1852/8/7生まれで、1929/7/24に76歳で亡くなったとされている。また、父はヘンリー・ワトスン(ヘンリー・ワトソン)、母はエラ・マッケンジー、兄がいるとなっている。尚、彼のミドルネームの「H」についての言及が無いが、シャーロキアンの間では「ヘイミシュ(Hamish)」とすることで解決されている。

ロンドン大学を卒業して聖トーマス病院に入り、医学博士を取得する。第二次アフガン戦争に軍医として従軍してマイワンドの戦いで負傷している。で、傷病兵としてイギリスに戻ってきた時、ロンドンで下宿を探している時、友人のスタンフォードにホームズを紹介されて、ロンドン・ベーカー街221Bで共同生活を始めた。ホームズの探偵としての活躍を目の当たりにするが、事件解決の手柄は全てレストレード警部たちの警察の手柄とされてしまうことに不満を持ち、いずれはホームズが活躍する物語として発表することを宣言し、そうやって生まれた物語が、ワトソンの書いた「シャーロック・ホームズ」シリーズということになっている。

「シャーロック・ホームズ」は数多くの映像化作品が製作されているが、当然のことながらワトソンもそれらの作品に登場している。しかし、ホームズのキャラクターは一定しているが、ワトソンのキャラクターは大胆にアレンジされている作品もある。(ホームズの助手、友人としてだけでなく、軍医という所に重点を置いたものから、ドジでオッチョコチョイというワトソンもある。)

刑事コロンボのかみさん」:アメリカのTVドラマ「刑事コロンボ」の主人公であるコロンボの妻のことであって、コロンボが劇中で(日本語吹き替え版で)「うちのかみさん」と言っているが、一度も姿を現したことがない。但し、中には劇中では実際に登場する人物として描かれた作品もあった。(姿が映っていないだけ、という描き方。)そのため、ミセス・コロンボを演じた役者は存在していない。

全てはコロンボの語ったことと言うことになるが、ミセス・コロンボは夜学に通って会計の勉強をしていると語られている。また、缶詰の景品で海外旅行を当てたことがあることも語られている。→特別な女性という感じではなく、何処にでもいるような普通の主婦ですね。

尚、「刑事コロンボ」はアメリカでは1968年から1978年にかけて放送されたが、その終了後の1979年に、コロンボ婦人であるミセス・コロンボ(ケイト・コロンボ)を主人公にしたドラマ「ミセス・コロンボ」が制作されている。しかし、このドラマは、当初はコロンボ婦人ということで制作が始まったのだが、コロンボ・ファンから全く指示されず、路線変更となり、ついに製作サイドからも「ミセス・コロンボとコロンボ婦人は同一人物でない」とされたことで、単に苗字が同じというだけになってしまい、現在では黒歴史になっている。(当然、現在でも刑事コロンボとの繋がりは全て否定されている。)

明智小五郎の助手・小林芳雄」:江戸川乱歩の「吸血鬼」に於いて、名探偵明智小五郎の弟子として登場していにい、明智小五郎シリーズでは書かせぬ存在となる。特に「少年探偵団」シリーズでは、その団長とされたことで、明智小五郎との繋がりが深くなり、明智の助手としても活躍するようになった。(特に変装を得意としていて、女装も行う。で、怪人二十面相の備考を行ったこともあった。)

作中では11歳~13歳の少年とされているが、物語の設定年代に幅があるので、生まれが何年なのかは特定出来ない。(物語の設定年からすると、1920年前後の生まれとなる物語から、1945年過ぎの生まれとなる作品まである。)→「ケータイ刑事」では小学生検事正の多摩川ドイルの年令が常に10歳、となっているが、ひょっとしたら小林少年の年令がほぼ一定であるということをヒントにしているのかも知れませんね。

尚、小林少年には2人の従兄弟がいることと、両親は共に死んでいる、ということが分かっている。また、子供であるが、明智から拳銃の撃ち方を習っているのと、自動車の運転も行うことが出来る。(現在だと、運転免許を取ることが出来ない年令なので、設定年令を18歳に挙げざるを得ないですね...)

また、「少年探偵団」とは別組織である「チンピラ別働隊」(後に「特務機動隊」に名称を変更している。)を組織して、少年探偵団が活動できない夜間や危険な活動を行う組織にも属していて、活動をしている。

少年探偵団」:推理小説、漫画の世界などにいくつかの「少年探偵団」が存在しているが、最も有名なのは、江戸川乱歩の小説の中に登場した「少年探偵団」である。特に何の断りも無く「少年探偵団」と言ったら、江戸川乱歩の生み出した「少年探偵団」のことを指しているのが常識である。(この物語の元ネタも、江戸川乱歩の「少年探偵団」であるのは言うまでもない。)

ちなみに、江戸川乱歩作品以外に登場する「少年探偵団」(当然、乱歩の少年探偵団とは全く関係ない。)としては、ドイツの作家・エーリッヒ・ケストナーの小説「エーミールと探偵たち」(原題は「Emil Und Die Detektive」)に登場している。(→江戸川乱歩の「少年探偵団」シリーズの元ネタとなった作品でもある。尚、現在では「エーミールと探偵たち」という邦題になっているが、以前の邦題は「エミールと少年探偵団」となっていた。)また、漫画(アニメ化もされている)では「名探偵コナン」に、実写作品では「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」「じゃあまん探偵団 魔隣組」「夕陽ヶ丘の探偵団」に登場している。

江戸川乱歩の「少年探偵団」シリーズは1936年から1962年に書かれた小説である。乱歩以外のゴーストライターによる作品もあるが、乱歩が記した作品は以下の28作品が知られている。「怪人二十面相」「少年探偵団」「妖怪博士」「大金塊」「青銅の魔人」「地底の魔術王」「透明怪人」「怪奇四十面相」「宇宙怪人」「鉄塔王国の恐怖」「黄金の虎」「灰色の巨人」「海底の魔術師」「黄金豹」「魔法博士」「天空の魔人」「サーカスの怪人」「魔人ゴング」「悪魔人形」「奇面城の秘密」「夜光人間」「塔上の奇術師」「鉄人Q」「仮面の恐怖王」「電人M」「二十面相の呪い」「空飛ぶ二十面相」「黄金の怪獣」。

誕生の経緯は、「怪人二十面相」の中で、明智小五郎が掠われた際、二十面相に宝を狙われた羽柴家の次男・羽柴壮二が提案し、結成されたものである。(で、明智小五郎の救出を行った。)

メンバーは子供たちばかりであり、団長は明智小五郎の弟子でもある小林芳雄少年である。(11~13才ということになっている。)また、メンバーには女の子もいる。結成時のメンバーは10人であるが、シリーズが進んで行くにつれて、次第に人数が増えている。尚、団長以外の主なメンバーとしては、花崎マユミ、羽柴壮二、桂正一、篠崎始、野呂一平、井上一郎、がいるが、後に映像化作品では、人数を減らしていて、団長とこの6人を合わせた7人という作品がある。

メンバーは「七つ道具」と呼ばれる(映画「007」シリーズで言う所の)道具を持っている。また、メンバーは「BDバッチ」と呼ばれるバッチを持っていて、これが探偵団のメンバーであることを示しており、また、これが色々と役に立っている。

映画化されたり、ラジオドラマやテレビドラマとして製作されたこともあり、更にはこれをベースにした「少年探偵団もの」と呼ばれる作品もいくつかある。

 

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 2

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  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

シャーロック・ホームズ七つの挑戦

シャーロック・ホームズ七つの挑戦

  • 作者: エンリコ・ソリト
  • 出版社/メーカー: 国書刊行会
  • 発売日: 2009/09/25
  • メディア: 単行本

シャーロック・ホームズの冒険DVD BOOK vol.7 (宝島MOOK) (DVD付)

シャーロック・ホームズの冒険DVD BOOK vol.7 (宝島MOOK) (DVD付)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2009/08/06
  • メディア: 大型本

シャーロック・ホームズ ワトスンの災厄

シャーロック・ホームズ ワトスンの災厄

  • 作者: アン ペリー
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2003/10
  • メディア: 単行本

ホームズとワトスン―友情の研究 (創元推理文庫)

ホームズとワトスン―友情の研究 (創元推理文庫)

  • 作者: ジューン トムスン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1998/10
  • メディア: 文庫

ワトスン君、もっと科学に心を開きたまえ―名探偵ホームズの科学事件簿

ワトスン君、もっと科学に心を開きたまえ―名探偵ホームズの科学事件簿

  • 作者: コリン ブルース
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1999/07
  • メディア: 単行本

刑事コロンボ完全捜査記録 (宝島社文庫)

刑事コロンボ完全捜査記録 (宝島社文庫)

  • 作者: 町田 暁雄
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2008/09/03
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別冊宝島 『刑事コロンボ完全捜査記録』 (別冊宝島 (1330))

別冊宝島 『刑事コロンボ完全捜査記録』 (別冊宝島 (1330))

  • 作者: 町田 暁雄
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2006/07/06
  • メディア: ムック

刑事コロンボ 完全版 コンプリートDVD-BOX

刑事コロンボ 完全版 コンプリートDVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
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新・刑事コロンボ DVD-SET 【ユニバーサルTVシリーズ スペシャル・プライス】

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  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
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少年探偵団怪人二十面相 (バンブー・コミックス)

少年探偵団怪人二十面相 (バンブー・コミックス)

  • 作者: 江戸川 乱歩
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2009/05/08
  • メディア: コミック

少年探偵団読本―乱歩と小林少年と怪人二十面相

少年探偵団読本―乱歩と小林少年と怪人二十面相

  • 作者: 黄金髑髏の会
  • 出版社/メーカー: 情報センター出版局
  • 発売日: 1994/11
  • メディア: 単行本

少年探偵団―少年探偵 (ポプラ文庫クラシック)

少年探偵団―少年探偵 (ポプラ文庫クラシック)

  • 作者: 江戸川 乱歩
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2008/11
  • メディア: 文庫

少年探偵 江戸川乱歩全26巻セット(ポプラ文庫クラシック)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2009/11/17
  • メディア: 文庫

少年探偵団 BD7 DVD-BOX(6枚組)

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  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • メディア: DVD

少年探偵団 DVD-BOX

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  • 出版社/メーカー: タキコーポレーション
  • メディア: DVD


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名曲探偵アマデウス#79 モーツァルト「ピアノ・ソナタ イ長調 トルコ行進曲付き」 [ドラマ]

今回は所長の「ばあや」が登場ということで、所長の過去がまた少し明らかになるというように、面白い物語でした。しかも曲の方が余りにも有名でお馴染みの曲(モーツァルト「ピアノ・ソナタ イ長調 トルコ行進曲付き」)であるということで、いつも以上に楽しめた内容でした。(いつも以上に「洒落」が幅を利かせていましたね。)

ただ、何となく予感があったのだが、所長の「母上」と「ばあや」による狂言だったというオチは、どことなく「ケータイ刑事THE MOVIE」(=「M1」)を意識しているのかな?なんて感じました。

演出的には、説明をしてくれる人の姿を、画面を数分割してそこに静止画(写真)を使うという演出があったが、時にはいつもと違った演出というのは面白いですね。→今回は所長の身内が依頼人ということで、いつもと違った物語だということに合わせたのでしょうね。

冒頭、所長がデスクでコーヒーをカップに注いでいて、カノンさんがそれを眺めている。で「それが本場のウインナーコーヒーなんですね」と言うカノンさん。所長は「一杯ずつ豆を挽いて入れるのが本格派」と言ってカノンさんにもやるように言うが「インスタントではダメなんですか?」と面倒臭そうな表情をするカノンさん。所長はウインナーコーヒーを飲んで、鼻の頭に少しだけクリームを付けて「相変わらずいい味だ」と自画自賛していた。そんな所に「相変わらずですね、坊ちゃま」と言う声がした。事務所の入口には、ウィーンからやってきた天出家の教育係であるばあや・室家良子(しつけ・よいこ)がいた。で、ウィーンの天出家ではあるレコード(とある王家から賜ったゴールドディスクであって、天出家の家宝)が盗まれたと言うことで、犯人捜しを坊ちゃま(=所長)にしてもらいたいということであった。所長の母・みね(世界的なピアニスト)は内部の者の犯行で、レコードの曲に拘りのある人物に違いないということだった。で、その曲はモーツァルトの「トルコ行進曲」だった。

まずはカノンさんがばあやに、どんなことを教えていたのかを尋ねる。で、マナーと語学(ドイツ語、フランス語、ラテン語、イタリア語、スワヒリ語)を教えていたと言う。(「スワヒリ語」と言うところが浮いているのですが...)また、所長は天出家が授かった100年に一度の天才であって、産声がドレミの音階になっていたということも語られた。→やはりただ者ではない所長ですね。

まずは第1楽章から。カノンさんも「聴いたことがある」と言っていたが、この部分も良く耳にしますね。で、この部分は変奏曲ということで、その説明がされる。しかも5つの音だけで構成し、隣同士というなめらかな旋律で覚えやすい曲調であることが語られ。そこから第1、2、3変奏について語られる。そして主題の骨格となる音と、第3、4変奏について比較して説明していた。

で、所長は、「この曲を人に例えると、会う度に異なる楽しさを感じさせてくれる人」と語ると、ばあやは所長がそうであって、4歳の時のエピソードを語った。所長は、「この曲がクラシックの楽しさを教えてくれた曲」と語った。で、カノンさんは「この曲に拘りを持っているのは所長?」と口にした。この時のばあやの笑みが何とも言えなかったですね。

所長はカノンさんに「ピアノソナタの定義を言ってみてくれ」と話題を変える。カノンさんは「ピアノソナタ。その他。ピアノあなた」と呆けていたら、ばあやが「第1楽章が速いアレグロから始まるソナタ形式を持った曲」と言う。するとカノンさんは「でもこの曲、最初はゆっくりだった」と口にする。(ボケても曲の方はしっかりと聴いているのがカノンさんですね。)で、所長は「この曲は極めて珍しいピアノソナタ」と語った。

で、この曲が作られた背景として、当時のモーツァルトの境遇が説明された。(ウィーンに拠点を移した、変わったことをやりたいということ、曲の意外性が受け入れられた。)更に、モーツァルトが使っていたピアノである「ヴァルターのピアノ」について語られる。→如何にもアナログというところがでていて、面白い所ですね。(ある意味ではピアノの古楽器と言っても良いですし...)

で、カノンさんは「自由になったモーツァルトの新しい挑戦の曲でもあった」と言って、犯人はモーツァルトみたいにお尻を蹴られて天出家をクビになった人、と言うが「そんな人はいません」とばあや。が、手を叩いて「1人だけいました」と言った。「誰ですか?」とカノンさんが問うと「坊ちゃまです」とばあや。で、高校生になった頃、クラシックの伝統を重んじる父とよく対立していて、ある晩、尾尻を蹴られて追い出されたのだった。所長は、当時流行っていたプログレに傾倒していた、と言った。で、友達とバンドを組んでロンドン辺りのライヴハウスを回っていたそうです。→プログレとクラシックには結構色んな共通点があるんですね。筆者もプログレは好きな方ですし、所長の気持ちも分かります。

そんな中、カノンさんは「さっきから思い出話ばかりですね。ちゃんと犯人像を探り当てなきゃ」と、脱線していることに気づいていて、道を習性させようとしているか、こういう所はやっぱり息のあった助手でもありますね。

所長は「最も有名な第3楽章を聴いてみましょう」と言って、曲の続きへ。「トルコ行進曲」ということで、この曲が作られた当時はウィーンではオスマントルコ戦勝利100年ということで、トルコの音楽が大流行していたということで、その背景が説明される。→戦時中ならば敵の音楽として切り捨てられるが、戦勝100年という記念の都市となると逆になって流行するというのも、歴史的には面白い所ですね。

この曲はモーツァルトにしては珍しいことを殺っていて、右手はオクターブの連続、左手は分散和音を用いてトルコ風にということで、「短前打音」での弾き方が支持されていて、それでの演奏で説明される。→聴き慣れた者と違うと新鮮な感じがしますね。

カノンさんは「モーツァルトは異国への憧れを表現しようとした」ということから犯人像を考えようとするが、ばあやが「それも坊ちゃまのことみたいね」と言った。で、所長はロックを卒業したら世界中の音楽を聴いてくると言って、民族音楽を尋ねる旅に出たのだった。(その後所長は、クラシックの世界に戻って来た、ということだった。)で所長の話になるが、カノンさんは「流れが変ですよ。犯人像を割り出すためにこの曲を聴いているのに...」と道を修正させようとする。所長は「もしかして母上は私を疑っているんですか?」するとカノンさんは「絶対に違いますから」と言うが、「第一、ウィーンに行くお金もないですし...」という自虐的なフォローが楽しいですね。これにばあやは「誰も坊ちゃまが犯人だなんて申しておりません。ただ奥様は、坊ちゃまにこの曲を聴いてもらいなさい」と言った。所長は、このピアノ曲から様々な楽器の音色が聞こえてきた日のことを思い出したということで、今度はその「オーケストレーション」についての説明へ。

ここでは、管楽器、打楽器、弦楽器がイメージされると言うことで、該当する部分をピアノとピッコロ、トルコシンバル、小太鼓、バイオリン、フルートでの演奏との比較がされる。(→なるほど、と感じられますね。)しかも、これが誰でも分かるようになっていて、これがプロ中のプロの手法だと説明される。→「難しくしてしまうのがプロ」というのではないということですね。

所長はも「やはりモーツァルトは天才だ」と口にする。更に、「このような高みに登りたい」と口にすると「それでこそ坊ちゃま」とばあや。そして「クラシックの世界に戻って音楽を極めるべきなんです」と語った。すると「そういうことだったのか」と所長は気づいた。で、「全て読めましたよ」と口にした。カノンさんは「えっ?何なんですか一体?坊ちゃま?」と言って尋ねた。

で、とょ調は、今回の盗難事件は母上とばあやの狂言芝居、と結論づけた。ばあやは惚けるが、所長は昔のことを思い出させると、ウィーンに帰ってくるはずだと考えた、と言って「そうですね、ばあや」と問い糾した。すると「流石坊ちゃま、よく見破りましたね」とばあやは口にした。更に、父が亡くなって20年以上が経っているが、もう一度指揮者としてクラシックを極めて欲しい、と言う。しかし「私には戻れない理由があるんですよ」と所長は言う。そして、名曲探偵は指揮者にも勝る大切な仕事だと思う、と自信を持って言った。するとカノンさんが「そうですよ。所長はこれまでいっぱい色んな人を救ってきたし、これからもいっぱいいっぱい色んな人にクラシックの大切さを教えるんですから」と続けた。で、ばあやは「残念ですね。でも安心しました」と言って、「坊ちゃまは世界一の名曲探偵だとご報告しておきます」と言うと、帰って行った。

今回は、ドラマ部分は約35分弱、曲が8分強、ラストのオチの所が1分弱という構成で、前回とほぼ同じような時間配分でした。(まあ、標準的な時間配分ということです。)尚、この時間では全曲というのは無理であって、やはりダイジェスト的なものになっていたが、解説の無かった部分の演奏もありました。(流れたのは第1楽章からは第1主題と、第1、2、3、5、6変奏と、第3楽章でした。)

ラストのオチは、ウィーンの(所長の)母から小包が届いた。カノンさんは「妙に重たい」と良い、大きさ、重さから考えて「もしかして…」、所長も「もしかして…」、そして2人がハモって「ゴールドディスク」。所長は、客が来なくても最低5年は食っていける、と言い「母上も気が利くなぁ」と言って蓋を開けた。が、中に入っていたのは「ウインナーソーセージ」ということで落胆する所長。が、「母上が皮肉屋だったことを忘れていたよ」と投げやりに言う。しかしカノンさんは「これだけあれば最低一週間は食べていけますよ」と言う。で、ソーセージを手にする。すると目の色が変わ李、玩具をいじっているようになって「全部繋がってますけど...」と言って、クビに巻き「面白~い」と言って気に入ったようだった。が、所長は呆れてしまって、目をつぶってしまった。カノンさんは「茹でます?焼きます?」と訪ねていたが、所長の返事はなかった。

所長の過去として、プログレ、そして民族音楽にハマっていた時期があったというのは面白いですね。その中でもプログレというと、クラシック音楽との融合を目指したロックということで、クラシック音楽と同じ楽しみ方が出来る所もある。そのため、クラシック音楽愛好家の中には、ロックはダメだがプログレはOKという人もいるぐらいですからね。しかも、プログレが流行したのが1970年代であるだけに、その当時が高校生だったということで、所長は1960年前後の生まれと考えていいですね。また、これだと世界的な民族音楽のブームとなった'80's後半は20代後半ということになって、ちょっと間がありすぎることになるが、'80'sの声と共にほぼ絶滅したプログレ変わって台頭してきたレゲエを中心としたワールドミュージックの走りの時期に民族音楽を求めた旅に出たと考えると、大学生ごろの年令になるということで、やはり1960年前後の生まれという計算が合う。(これからすると、所長は50際になるかならいかという年令になりますね。)

所長の過去が色々と出てきたが、指揮者を止めた理由に付いては以前から秘密のママになっているが、この部分も明らかにして欲しいですね。それにしても、プログレに傾倒していたとしいうことで、PINK FLOYDをはじめ、EL & P、イエス、キングクリムゾンなども取り上げてくれないですかね... いや、それは無理か...が、EL & Pが取り上げたことでも知られている「展覧会の絵」はファイルNo.016で取り上げられているので、プログレ・バンドが取り上げたことのあるクラシック曲を取り上げて欲しいですね。

ここのところ、所長の過去が少しずつであるが色々と登場してくるが、カノンさんの秘密についてもまた登場して貰いたいですね。

それにしても、ディープ内藤の時に「臼夫ちゃん」と呼ばれていつもと違う表情を見せていた所長が「坊ちゃま」と呼ばれるのもまた面白い所でした。カノンさんももっと「坊ちゃま」って言いたかったように感じられただけに、ばあやの再登場、更には母上の登場ということも期待したいところです。

来週(11/29)はファイルNo.080のチャイコフスキー「バレエ『白鳥の湖』」の登場です。この曲は余りにも有名な曲であり、ようやく登場といった感じですね。その後、12/6はファイルNo.081のヘンデル「メサイア」と続きます。(年内の新作はここまでのようです。)

 

トルコ行進曲 : ブーニン~モーツァルト・ピアノ名曲集

トルコ行進曲 : ブーニン~モーツァルト・ピアノ名曲集

  • アーティスト: ブーニン(スタニスラフ),モーツァルト
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1999/01/13
  • メディア: CD

モーツァルト : ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331「トルコ行進曲付」

モーツァルト : ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331「トルコ行進曲付」

  • アーティスト: グルダ(フリードリヒ),モーツァルト
  • 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1999/02/17
  • メディア: CD

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第5番、第11番《トルコ行進曲付き》、幻想曲

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第5番、第11番《トルコ行進曲付き》、幻想曲

  • アーティスト: ポゴレリチ(イーボ),モーツァルト
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2006/01/13
  • メディア: CD

モーツァルト:ピアノソナタ第11番「トルコ行進曲付き」

モーツァルト:ピアノソナタ第11番「トルコ行進曲付き」

  • アーティスト: シュタイアー(アンドレアス),モーツァルト
  • 出版社/メーカー: キング・インターナショナル
  • 発売日: 2005/07/21
  • メディア: CD

モーツァルト : ピアノ・ソナタ第11番イ長調K.331「トルコ行進曲付」

モーツァルト : ピアノ・ソナタ第11番イ長調K.331「トルコ行進曲付」

  • アーティスト: クラウス(リリー),モーツァルト
  • 出版社/メーカー: ソニーレコード
  • 発売日: 1995/10/21
  • メディア: CD

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番

  • アーティスト: 岡崎悦子,モーツァルト
  • 出版社/メーカー: マイスターミュージック
  • 発売日: 2005/02/25
  • メディア: CD

モーツァルト : ピアノ・ソナタ第11番イ長調「トルコ行進曲付」

モーツァルト : ピアノ・ソナタ第11番イ長調「トルコ行進曲付」

  • アーティスト: モーツァルト,内田光子
  • 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1996/01/25
  • メディア: CD

モーツァルト:ピアノソナタ第8番&第11番&第14番&15番

モーツァルト:ピアノソナタ第8番&第11番&第14番&15番

  • アーティスト: 内田光子,モーツァルト
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2005/06/22
  • メディア: CD

トルコ行進曲~サイ・プレイズ・モーツァルト

トルコ行進曲~サイ・プレイズ・モーツァルト

  • アーティスト: サイ(ファジル),モーツァルト
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2004/03/24
  • メディア: CD

CD付き NHKクラシックミステリー 名曲探偵アマデウス

CD付き NHKクラシックミステリー 名曲探偵アマデウス

  • 作者: 『NHKクラシックミステリー名曲探偵アマデウス』制作チーム
  • 出版社/メーカー: ナツメ社
  • 発売日: 2010/10/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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