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JOHN ANDERSON『WILD & BLUE』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1982年に発表された彼の4枚目のアルバムである。'70'sから活動を続けているカントリー・シンガーとして知られる彼であるが、初めて大きなヒットとなった記念すべきアルバムである。本アルバムは、Billboardのアルバム・チャートで最高位58位を記録していて、カントリー・アルバム・チャートでは最高位3位を記録している。(過去3枚のアルバムは、カントリー・チャートではランクインしていたが、アルバム・チャートにはランクインしていなかった。)

尚、日本語で「ジョン・アンダーソン」と記すと、YESのボーカリストの「ジョン・アンダーソン」が先に出てくる(彼もソロ・アルバムを発表している。)が、彼の「ジョン」は「JON」である。今回取り上げたジョンは「JOHN」であって、言うまでもなく別人である。→日本人で言うと、同じ名前の代美であっても漢字が異なっているということに相当する。

収録曲は以下の全11曲である。『Wild And Blue』『Waltz You Save For Me』『Honky Tonk Hearts』『Long Black Veil』『She Never Looked That Good When She Was Mine』『Disappearing Farmer』『Honky Tonk Saturday Night』『Goin' Down Hill』『Price Of A Thin Silver Dime』『Swingin'』『If A Broken Heart Could Kill』。

この中からシングル・カットされたのは3曲である。リリース順に『Wild And Blue』『Swingin'』『Goin' Down Hill』であるが、最初の2曲はBillboardのカントリー・チャートでは1位に輝き、3曲目は同チャートで5位を記録している。尚、『Swingin'』はBillboardのHOT 100でも最高位43位を記録していて、現在でも彼が発表したシングルの中で最大のヒット・シングルになっている。

お薦め曲は。彼の代表曲である『Swingin'』と、シングル曲であり、アルバム・タイトル・ナンバーでもある『Wild And Blue』、同じくシングル曲である『Goin' Down Hill』、そして『Waltz You Save For Me』『Long Black Veil』『Price Of A Thin Silver Dime』という所をピックアップしておく。

サウンドの方は典型的なカントリー・ソングである。当時の彼は30歳を前にしていて、若さと巧さとが絶妙のバランスで乗っていた時期であって、それが最も出ているアルバムでもある。

典型的なカントリーであって、オーソドックスなスタイルのものであるだけに、派手な所がないため、アピール・ポイントとしては今一つであるのだが、安心して聴くことが出来るという所がポイントで、巧さを感じさせてくれるアルバムでもある。

尚、サウンドの方は上手くまとめられているのだが、本アルバムハカントリー・アルバムでの伝統と言ったらいいのか、「収録時間が短い」というカントリー・アルバムの伝統的な(?)不満点も持ち合わせている。(収録時間は30分を超えたところである。)この一点だけは不満であるが、カントリーとしては安心して聴くことが出来るので、ボーカルがお好きな方にも一度は聴いてもらいたいと思うアルバムである。

 

Wild & Blue

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 1982/06/01
  • メディア: CD

Wild & Blue

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: S&P Records
  • 発売日: 2006/01/31
  • メディア: CD

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ケータイ刑事銭形雷17話[裏ネタ編]PART 3 [ケータイ刑事]

銭形雷」の第17話の「ミステリー作家は二度死ぬ!? ~江戸川サンポ殺人事件」の「裏ネタ編・増補」の2回目となる今回は、岡野さんがこれの色が黒になるのを目指していた「」について、被害者とその息子(=真犯人)がこれだったことから「小説家」について、事件の舞台となったのがここということで「書斎」について、これがあったと言うことから「万年筆」について記します。尚、「書斎」については「・7話[裏ネタ編]PART 5」で、「万年筆」については「・17話(2nd.4話)[裏ネタ編]PART 9」で記したものをベースにして、それぞれ加筆しました。

また、BS-iの本放送時に記した記事は2006/4/23付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。

」:「しおり」、読みかけの書物の間に挟むことで、「ここまで読んだ」ということの目印にするために使用される短冊状の紙片や紐状のもののことである。(紐状のものの場合は「栞紐」と言うことも多い。)また、「案内」「手引き」「入門書」という意味もあって、旅行会社が企画するツアーに参加すると「旅の栞」という案内書や旅行行程のポイントなどが書かれた小冊子がとがある。

主に紙製のものが多く使われるが、古くは木片や竹片などが使われていた時期もあった。また、布製のものもある。更には「栞」専用に作られた紙片ではなく、メモ紙や広告紙、レシートなどを流用したり、使い切った後のプリペイドカードなどが「栞」として使われることも多い。また、付箋紙が栞として使われることもある。

英語では「Bookmark」、ドイツ語では「Lesezeichen」、フランス語では「Marque-page」、スペイン語では「Marcapágina」、オランダ語では「Bladwijzer」、中国語では「書籤」という。

小説家」:小説を書くことを業としている人のことである。「作家」「文士」と言うこともある。(書いている小説のジャンルは問われない。)尚、最近ではインターネットで誰でも作品を簡単に発表できることから、趣味で小説を書いている人(=業としていない人)も多くなっているが、一応、小説を書くことで収入を得ていれば、その金額は少なくても「小説家」と言う。(但し、いくら異常の収入が、というような明確な基準はなく、「無収入であっても「自称・小説家」ということもある。)但し、世間では書物として小説を発売していなければ「小説家」とは見なされないのが一般的である。(そのため、ゴーストライターとしてある程度の収入がある人は、自分の名前が知られていないため、その本がベストセラーとなっていても)、名前が出ていないため小説家と見なされないのが普通である。

英語では「Novelist」、ドイツ語では「Romanschriftsteller」、フランス語では「Romancier」、イタリア語では「romanziere」、スペイン語とポルトガル語では「Novelista」(但し、発音は異なる)と言う。

書斎」:個人の家で、読書や書き物をするための部屋や空間のことをいう。英語では「Study」と言うが、「Den」や「Library」という単語にも「書斎」という意味がある。(「Den」は男性の私室、仕事部屋という意味が強く、「Library」は書庫という意味合いがある。)また、ドイツ語では「Arbeitszimmer」、フランス語では「Étude」、イタリア語では「Studio」、スペイン語では「Estudio」、ポルトガル語では「Estudo」、中国語では「書房」と言う。

書斎にある備品としては、机と椅子があって、それに付随する形で書棚と、そこに収納された書籍があるのが一般的である。しかし近年では、物書きではパソコンを使って文章を作成することが一般的になったこともあって、パソコンとプリンターなどのパソコン及びその周辺機器が書斎にあるというのは当たり前になっている。

尚、ホテルの客室では、簡単なライティング・テーブルが備えられているが、これも立派な「書斎」である。但し、独立した小部屋としての「書斎」ではなく、空間としての「書斎」である。(これも「書斎」である。)

書斎の歴史は意外と古く、欧州の貴族の屋敷に、15世紀の末期頃に登場したのが最初である。(現在のような「書斎」とまでは言わないが、読書をするための専用スペースとして登場した。)貴族の間に生まれたということは、やはり互いに競い合って豪華になっていくことになり、貴族の間では書斎を持つことが流行し、広い部屋の書斎や、立派な飾りのある机や椅子のある書斎が登場している。やがて、17世紀になると、一般の人の間にも読書スペースやちょっとしたものを書くためのスペースとして、ライティング・テーブルが当たり前のように設けられることになり、空間としての「書斎」が広がっていくことになる。それ以後は、用途に応じた書斎が造られていくようになり、仕事のスペースという意味合いも持つようになっていき、現在に至っている。

万年筆」:インクを使う筆記用具であり、ペン軸の内部にインクを蓄えたタンクを保持していて、そこからペン先まで自動的にインクが供給されるように構成されているものである。(インクの供給は毛細管現象を利用しているものが一般的である。)

英語では「Fountain Pen」、ドイツ語では「Füllfederhalter」、フランス語では「Stylo-plume」、イタリア語では「Penna Stilografica」、スペイン語では「Pluma Estilográfica」、オランダ語では「Vulpen」、ポルトガル語では「Caneta-tinteiro」、中国語では「鋼筆」という。

歴史は18世紀初頭に遡るが、原形と言うことが出来るものは17世紀に登場していて、そこから様々な工夫が行われていた。そんな中、現在の「万年筆」の構造となった最初のものが1809年にイギリスのフレデリック・バーソロミュー・フォルシュによって発明された。これはペン軸にインクを蓄えたペンである。(この登場以前は、ペン先をインク瓶に付けて、小まめにインクの補充を行う必要があったものである。)インクが自動的に供給されることが、泉から水が湧き出るのと同じように見えたことから「Fountain Pen」の名前が付いた。しかし、当時の万年筆は、ペン軸からのインクもれが頻発したことから、広く普及することはなかった。1884年にアメリカのルイス・エドソン・ウォーターマンが毛細管現象を利用したペン芯を発明すると、ペン軸からのインク漏れが大きく減り、それ以後に広く普及することになった。

現在は、インクタンクがカートリッジ式になっていて、インクが無くなるとカートリッジを交換するものが主流となっているが、昔ながらのインクをペン軸内のタンクに補充することが出来るタイプのものもある。

日本でも、似たようなものが江戸時代に既に存在していて、「御懐中筆」と呼ばれていた。(あくまでも「筆」を使ったものである。)そんな中、明治になって1884年に毛細管現象を利用した万年筆が発明されると、その発明されたものが1884年に早くも日本国内に入って来て、そこから急速に普及していくことになる。特にその生産は盛んとなって、戦前の日本の万年筆の国内生産量は世界生産の半分を占めるまでの生産量を誇るようになった。

戦後も広く使われていたが、ボールペンの登場によって情勢が変わってくる。そして公文書へのボールペンの使用が認められるようになると、一気にボールペンに主役の座を奪われることになり、使用量は減少していくことになった。が、独特の書き心地がある、希少性、独自性が評価されるなど、愛好家も多く、近年では復権の兆しもある。

特に作家のようにものを書く仕事をしている人にとっては、万年筆はステイタスになっていた時期があって、有名作家が使用した万年筆は歴史的な文化財として扱われている。(最近はワープロで文章を書くのが主流であるため、作家が筆記に使ったものとして文化財になるものは無くなっている...)

特にペン先のデザインは凝ったものが多く、使われている素材は金、白金、イリジウムなどであり、貴金属であるそれらに凝ったデザインが施されていて、これが人気の一つにもなっている。(独特の雰囲気があります。)尚、金が使われているものは、ペン先には耐摩耗性が必要であるため、純度の高い24K等は柔らかいため使用されず、14Kや18Kが主に使用されている。)

ペン先が貴金属であることや、その加工が必要ということで、製造にはある程度のコストが掛かってしまうため、ボールペンのように大量生産出来て安価な筆記用具のように値段が下がらないが、近年ではプラスチック製のペン先を使ったものが登場して、値段が下がったものもある。しかし、プラスチックだと耐久性が劣るため、使い捨ての(安い)万年筆に使用されている。→「万年筆」というのは「半永久的に長い年月使用することが出来るペン」という意味から命名されているので、「使い捨ての万年筆」というのは言葉に矛盾があるのですけどね...)→質の良い万年筆は、インクの供給さえ続けば、少なくとも人間の一生というタイムスケールでの使用は全く問題無く可能である。

万年筆の製造メーカーとしては、日本ではパイロット、プラチナ萬年筆、セーラー万年筆が有名であり、海外メーカーではドイツのモンブラン、ペリカン、イギリスのパーカー、イタリアのアウロラ、フランスのウォーターマンなどが有名である。(特にモンブランの万年筆はステータスになっている。)

 

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 2

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  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

Amazon オリジナル ブックマーカー(しおり) ブラック

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2007/05/31
  • メディア: Stationery
Amazon オリジナル ブックマーク(しおり) イエロー

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2007/05/31
  • メディア: Stationery
蒔絵しおり[柄:舞妓+紅葉+ウサギ+歌舞伎+桜+金閣寺]

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  • 出版社/メーカー: Kyoohoo京都老舗の名品 漆器
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小説家という職業 (集英社新書)

小説家という職業 (集英社新書)

  • 作者: 森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/06/17
  • メディア: 新書
小説家になる方法

小説家になる方法

  • 作者: 清水 義範
  • 出版社/メーカー: ビジネス社
  • 発売日: 2007/11/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
小説家になる!―芥川賞・直木賞だって狙える12講 (ちくま文庫)

小説家になる!―芥川賞・直木賞だって狙える12講 (ちくま文庫)

  • 作者: 中条 省平
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 文庫
1週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド―小説のメソッド 初級編

1週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド―小説のメソッド 初級編

  • 作者: 奈良 裕明
  • 出版社/メーカー: 雷鳥社
  • 発売日: 2003/04
  • メディア: 単行本
週末書斎術

週末書斎術

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 成美堂出版
  • 発売日: 2008/09/25
  • メディア: 単行本
男の隠れ家 2006年 12月号 [雑誌]

男の隠れ家 2006年 12月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: あいであ・らいふ
  • 発売日: 2006/10/27
  • メディア: 雑誌
万年筆を極める (上手になる本)

万年筆を極める (上手になる本)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: かんき出版
  • 発売日: 2008/02
  • メディア: 単行本
楽しい万年筆画入門 (趣味の教科書)

楽しい万年筆画入門 (趣味の教科書)

  • 作者: 古山浩一
  • 出版社/メーカー: エイ出版社
  • 発売日: 2008/09/27
  • メディア: 単行本
万年筆の達人

万年筆の達人

  • 作者: 古山 浩一
  • 出版社/メーカー: 〓@53B2@出版社
  • 発売日: 2006/03
  • メディア: 単行本
こだわりの万年筆

こだわりの万年筆

  • 作者: アレクサンダー・クラム ユーイング
  • 出版社/メーカー: ネコパブリッシング
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 単行本
ペリカン ペリカーノJr - Pelikan Pelikano Junior - 本体:イエロー 万年筆

ペリカン ペリカーノJr - Pelikan Pelikano Junior - 本体:イエロー 万年筆

  • 出版社/メーカー: Pelikan
  • メディア: エレクトロニクス
ドルチェビータ ミディアム 万年筆

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  • 出版社/メーカー: DELTA DOLCEVITA
  • メディア: おもちゃ&ホビー
限定レア美品ピンズ◆モンブランの万年筆ピンバッジフランス

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  • 出版社/メーカー: 不明
  • メディア: おもちゃ&ホビー
パイロット万年筆 カスタム ブラック 太字 FK-700R-B-B

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  • 出版社/メーカー: 株式会社パイロットコーポレーション
  • メディア:

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名曲探偵アマデウス#80 チャイコフスキー「白鳥の湖」 [ドラマ]

今回も、誰もが(曲は)耳にしたことがある曲(チャイコフスキーの「白鳥の湖」)の登場ということで、まだまだ取り上げられていないお馴染みの曲というのが多いと言うことを感じました。しかも、曲の方は余りにも有名であるが、バレエの物語の方は意外と知らないということもあるなど、面白いものですね。(ちなみに、「白鳥の湖」は劇場版アニメ化されたこともある作品です。)

尚、今回でチャイコフスキーは5曲目となり、ショパンの6曲を追う2位グループ(シューベルト、ベートーベン、モーツァルトと同じ)に入りました。→ちなみに、今回が80回目であるが、曲は79曲目であって、これまでに取り上げられた作曲家は40人です。(1人平均がほぼ2曲ということになります。)

また、今回は依頼人がカノンさんと同い年ぐらいの社長令嬢ということで、雰囲気の方も少し違っていて、カノンさんと依頼人に対してお父さん目線になっていた所長というのも面白い所でした。また、カノンさんのことを依頼人が「カノンちゃん」と言っていたが、このように呼ばれるカノンさんというのも新鮮でした。

それにしても、今回のカノンさんはスイーツをやたらと食べていましたね。こういうところは、高村さんに「モンスター・クラス」と呼ばれた大食いの銭形泪ちゃんを意識していたようにも見えました。

また、所長も最初は場違いだと言いそうな顔をしていたが、「出資」という言葉を聞くと顔つきが変わってしまい、時にはヨイショをしながら、鼻の下を伸ばし、それでいて抑えるところは抑えていましたね。ということで、いつもは豊かな表情を見せるのはカノンさんなのに、今回は所長の方が豊かな表情を見せていましたね。(これはこれで面白い所でもありました。)

冒頭、事務所でカノンさんと友人の白鳥姫子がスイーツを前にして、カノンさんが次々と食べている。「美味しい」という表情をみせたり、「微妙」と言う表情をするカノンさん。が、それを作った姫子は「美味しいでしょう」を繰り返していた。そんな所に所長が外から帰ってきた。「どうでした、助成金のほうは?」と尋ねるカノンさん。所長は「厳しくなってきた」と冴えない表情をしていた。で、カノンさんが姫子を紹介した。(スイーツ教室で知り合った、伝説の白鳥ファンドの社長のお嬢さんということで「セレブ」と言っていた。)で、「所長さんにご相談があって…」と行って、自分で作ったスイーツを「あ~ん」と言って所長の口に運んだ。で、お菓子作りの趣味が高じてケーキ屋を開くことにした。が、「資金が足りないんです」と言った。これに所長は「そう言った問題はうちでは対処しかねるかと...」と遠回しに断る。しかし依頼人は「そんなこと、分かった上での相談なんです」と言い、「これを聴いてください」と言って『白鳥の湖』を流した。「父がこの曲をイメージしたお菓子を作れ」と言われ、成功したらお店を作る資金を出してくれる、とのことだった。いつもは気が向いたときにお菓子を作り、それを配ったら、みんなが「美味しい」と言ってくれたが、「白鳥の湖」をイメージして作ったお菓子について、父親は「違う」としか言わなかった。で、父の言う「白鳥の湖」をイメージしたお菓子を一緒に考えて欲しい、という以来だった。更に、「上手くいったら、この事務所への出資も父に頼んでみます」と言った。すると所長の表情が変わり「分かりました。やってみましょう」と引き受けた。

いつものように曲を聴くと「悲しくて切ないメロディ」とカノンさんが感想を漏らすと、「こんなケーキを作ってみたの」と言って、まずは最初のスイーツが登場する。所長は「これがケーキ?」と漏らすと、カノンさんが「姫子はスイーツ教室のピカソと言われているんです」とフォローした。で、所長とカノンさんが食べてみる。「美味しい、でもしょっぱい」とカノンさん

すると、悲しくなったから涙の味にしてみた、と依頼人。「相変わらず発想が奇抜だよね」とカノンさん。(→今回は依頼人の見方としてのフォローと、貶すことの両方の間を行き来するカノンさん。なかなか難しい立場を面白く魅せてくれます。)で、「もっと素直な感じがする」と言うと、「鋭い着眼点だ」と所長は言い、「情景」の部分の解説へ。

余りにも有名な部分である「情景」の構成を解説してくれる。ロ短調、主音と属音の2つの音がやたらと出てきて、譜つの音の間を言ったり来たりする、バスはドンドン下がっていく、「白鳥」を表す「ライトモチーフ」として何度も出てくる、ということで、何度も繰り返されるシンプルで切ないメロディということでした。→やはり「シンプル・イズ・ベスト」というのは古くからのものなんですね。

で、カノンさんは、誰からも好かれるシンプルなケーキを作り、「あの店と言えばあの味」という看板になるように、と考えた。で、依頼人が具体的な店の名前とスイーツの名前を出すと、カノンさんもそれに乗って盛り上がる。で、所長が咳払いを...

所長は「白鳥の湖がどんな物語なのか、ご存知なんですか?」と尋ねた。これに「いえ、それは...」と依頼人。で、カノンさんに説明させる所長。で、カノンさんが簡単な「白鳥の湖」のあらすじを語ってくれる。→本当に良く分かる「1分で語る『白鳥の湖』」でした。

で、依頼人は「分かりやすいイメージで『白鳥の湖』をケーキにしてみました」と言って2つ目のケーキ(シュークリームの変形でした。)を持ってきた。素材に拘って、各地から取り寄せた厳選した材料で作ったということで、「絶対に美味しいはず」と自信を持っていた。で、カノンさんが口にする。「一つ一つは美味しいんだけど、全部の味が主張しすぎている様な、ちょっとくどいような…」と感想を言うと、落ち込む依頼人。所長は「もう一度曲を聴いてみましょう」と言って、再び「情景」が流れる。

で、オーボエが主役ということから、「主役を選ぶことが肝心」と所長は語り、オーボエが主役になっているということについての説明となる。更に「オーボエ」と言う楽器の特徴についての説明となる。→時々行われる「楽器の説明」シリーズです。今回は、「少ない息で長いフレーズを吹くことが出来る」という説明がされ、主題(25秒)を一息で吹くことが出来、フルートだと4回の息継ぎが必要だった、ということで、いつながらの分かりやすい特徴の説明でした。

依頼人は「ケーキの主役を決めなさいということですね」と理解した。所長は「ケーキのことは素人ですが、そのように思います」と言った。で、「次こそ必ず」と依頼人は言って、次のケーキを持ってきた。見た目で「可愛い~」と言うカノンさん。早速口にするが、クビを捻ると「姫子、正直に言っていい?」と確かめてから「主役はバタークリームなんだよね」と言う。依頼人は「カロリー無視、ダイエットが何だという気持ちでたっぷりと使った」と自信満々に言うが、「凄く美味しくできてる。だけど、主役が一人前に出て、大声で台詞喋っている感じ、独演会みたいな...」と貶さないものの美味しくないと言うことを口にする。依頼人は所長の方を見るが「続きを聴いてみよう」と言って、曲の続きへ。

曲を聴いてから「チャイコフスキーのオーケストレーションの醍醐味」ということで、「オーケストレーション」の巧みさについての説明へ。オーボエによる主題から、異なる楽器での主題が繰り返されながら様々な楽器を使っていく構成が語られる。「求められるのは」巧みなオーケストレーション」とカノンさんは言うが「そんなケーキ、どうやって作るの?」と依頼人は分からなかった。所長は「主役が凛として屹立し、素材同士が響き合い、そのコンビネーションから得も言われぬ世界が広がる」と言うと、依頼人が具体的にそのイメージを語った。所長は「そのようです」と言うと「やってみます」と依頼人は言った。

4つ目のケーキを持ってきた依頼人。「ケーキ・ザ・スワンソング・オブ・オーケストラ」と名付けた依頼人は「食べてみて」と言うとカノンさんが口にした。「口の中で小さなオーケストラが演奏している」と言うと、依頼人は「完成!」と言って笑顔を見せた。カノンさんは「でもこれ、どうやって作ったの?」と尋ねた。依頼人は「閃き、感、私の直感力に任せたの」と言い、同じ味は二度と作れない、と言った。すると「まだあなたにはお父様の考えが分かっていないようだ」と所長。「何で?」と依頼人は帰すと「この曲を聴いてみましょう」と所長。で、『白鳥の踊り』が流れる。(これも有名な曲ですね。)で、「4人のダンサーが腕を組んで踊るやつ」ということで、3人が腕を組んで実際にそれを行った。(依頼人とカノンさんは笑顔で、しかし所長は無表情でというのが面白い所でした。)所長は、この振り付けが行われたのはチャイコフスキーの死後のこと、と語り、「白鳥の湖」が名を馳せたのはちゃいこあの死後であり、初演では評価されなかったということで、そのことについての説明がされる。→当時のバレエ音楽は踊るための曲であって、芸術性は求められなかった。しかしチャイコフスキーの作った曲は芸術性を追求したもので、時代の先を行きすぎたと言うことでした。その後、チャイコフスキーの音楽を評価する振り付け師によって新たな振り付けが試みられて、芸術性を高めたもので、これが高評価を得て、世界的な人気曲となったということでした。→クラシック音楽では、当時は不評であったが後年に高く評価されるようになったという曲は他にも色々とありますね。

「白鳥の湖」はバレエの歴史を変えた曲となったが、依頼人の父はスイーツの歴史をも変えてしまうようなケーキを望んでいるのかも知れない、と所長。それに戸惑いを感じた依頼人。所長は「あなたにはそれだけの才能が見込まれているのでしょう」と言い、「そのためには乗り越えないと行けない課題が残っている」ということで、曲の続きへ。

カノンさんは「雰囲気が違う」と言い「テンポが速い」と依頼人。所長は楽譜で解説し、今まで聞いた「白鳥のテーマ」と今聴いた部分との楽譜を見せた。依頼人は「同じ?」と言うが、カノンさんは「同じじゃない」と言って、「シャープ」と「フラット」という違いを指摘した。で、「調性が違う」ということで、「白鳥」と「黒鳥」だと言う所長。で、「黒鳥」が登場するシーンから「黒鳥のメロディ」についての解説へ。「白鳥」はロ短調、「黒鳥」はヘ短調で、一番遠い調の関係で、それが使い分けられて、「善と悪」の退避を考えて作られていた。で、依頼人は音楽の裏にはスゴイ計算があったと言うことを知った。カノンさんは「それって、ケーキも同じじゃない」と言い、姫子のケーキはむらがあって、美味しい時とそうでない時がある、と指摘した。依頼人は「そんなこと言われたの初めて」と言う。会社の人は本当のことが言えなかったのだ、として、プロになるといつでも同じ味が出せないといけない、所長は言う。依頼人は父親の言いたいことが大分分かってきたが「ラストはどうなるんですか?」と尋ねた。

「ラストはこうなります」と所長は言うと「情景・終曲」へ。曲の雰囲気が変わったことを感じたカノンさんと依頼人。所長は短調が長調に変わったと語る。「それってハッピーエンドってことですか?」と依頼人。しかし所長は「それはどうか...」と言って、エンディングの仕掛けについての解説へ。

最初は「ロ短調」だったが「ロ長調」に変わったということ、トランペットが凱旋的な雰囲気を出している、タムタムが「死を持って結ばれる」と言うことを意味しており、ハープが天国に昇って行くことを意味している、ということで、これらの解釈から、バレエでは様々なエンディングのバージョンがあるということが語られ、その中で熊川哲也の演出バージョンについてが語られる。チャイコフスキーは「死をも越える永遠の愛」を求めたのかも知れないと結論づけた。→こういう場合は、別の解釈のものも語るべきだと思うのですが...

所長は、父が依頼人に、お菓子作りを愛し続けることが出来るのかを問いかけている、生涯の仕事として心血を注ぐ覚悟があるのか、理想を高く持って諦めずに挑戦して欲しい、それに気づいた時、お父様は喜んで出資してくれるはず、と語った。依頼人は、これまで何をやっても長続きしなかったがねお菓子作りだけはちゃんとやりたい、と返した。所長は「お父様はあなたのことを分かっているんですよ」と言った。依頼人はお礼を言い、「出来上がったら食べに来て下さいね」と言った。更にカノンさんに対して「カノンちゃん、ウエディングケーキトカも作っちゃうから、結婚する時は私の店に頼んでね」と言うが「結婚なんて、まだ分かんないよ~」と返したカノンさんだった。

今回は、ドラマ部分は約37分半、曲が5分強、ラストのオチの所が1分強という構成で、ドラマ部分がやや長めという構成でした。で、5分ちょっとでは全曲というのは無理であるのは当然であって、余りにも有名なメロディの所である「情景(第2幕)」のところと、「白鳥の踊」の部分がダイジェスト的になっていました。(本編で解説のあった所です。)

ラストのオチは、カノンさんが外出から帰ってくるが、「開けてくださいよ」と所長に言う。で、所長はドアを開けた。無事にお店が出来たからってケーキが届いた、と言って、両手で大事そうに箱を抱えていた。所長は「きっと届くと思っていた」と言ってフォークを用意しておいたと言ってナプキンとフォークを持ってきた。で、カノンさんは箱を開けた。中にはウエディングケーキが入っていた。メッセージカードが入っていて、それを読むカノンさん。「カノンちゃんのイメージでウエディングケーキを作ってみました。デコレーションは甘く可愛く、食べてみてね」ということで、「いただきま~す」とカノンさん。が、所長は疑心暗鬼な目で見ていて、メッセージカードに手を伸ばして、それを見た。カノンさんはケーキを口に運んだが「んっ、しょっぱい」と言って不味いという表情を魅せた。メッセージカードに手にしている所長が続きを読む。「結婚は見た目ほど甘くはないってことで、よろしく」で、過リン酸に向かって「だって」と言うと、フォークをもってケーキを口に入れた。で、「しょっぱい」と口にする。カノンさんは更に次を口に運び、やはり「しょっぱい」と言っていた。所長は「しょっぱい関係なんだね...」と漏らしていた。

今回は、カノンさんと同世代の若い女性の依頼人ということで、所長の目線がお父さん寄りになっていたのと、カノンさんが依頼人のサイドに立つことがおおかったりということで、なかなか面白い一面が見られた物語でした。が、それでも所長とカノンさんの意気はピッタリ合っているのも面白い所でした。(やはり3年近くにもなるコンビですからね...)

それにしても、ラストのオチの所は、依頼人の目には、所長とカノンさんはそういう関係に見えたということがあっるにしろ、随分とブラックな要素が出ていて、「白鳥の湖」というよりも「黒鳥の湖」と言ったエンディングになっていましたね。時にはこういうオチも宜しいかと...

それにしても、いつもは豊かな表情を魅せるカノンさんだが、今回は「たいへんよく食べました」と言った様でした。カノンさんには「食べられません、勝つまでは」と言ったちゃんではなく、大食いのちゃんと同じ所があるようですね。で、しょっぱいウエディングケーキは、所長と共に最後まで食べたのでしょうね...

来週(12/6)は早くも今年の最後の新作となるファイルNo.081のヘンデル「メサイア」です。(年明けの最初の放送は現時点では不明ですが、少なくとも4週間はお休みとなって1/10からか、5週間お休みで1/17からのどちらかだと思われる。)→1年目の時のように、カノンさんがまたまた外に出ていくという特別版を見たいところですが...

 

チャイコフスキー:白鳥の湖(全曲)

チャイコフスキー:白鳥の湖(全曲)

  • アーティスト: チャイコフスキー,プレヴィン(アンドレ),ロンドン交響楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2008/01/23
  • メディア: CD

チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」全曲

チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」全曲

  • アーティスト: チャイコフスキー,デュトワ(シャルル),モントリオール交響楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/05/16
  • メディア: CD
チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」全曲

チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」全曲

  • アーティスト: ゲルギエフ(ワレリー),チャイコフスキー,マリインスキー劇場管弦楽団,テレンティエヴ(キリル)
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/04/25
  • メディア: CD
チャイコフスキー:「白鳥の湖」全曲 プティパ=イワノフ=ドリゴ 1895版

チャイコフスキー:「白鳥の湖」全曲 プティパ=イワノフ=ドリゴ 1895版

  • アーティスト: サンクトペテルブルク・マリンスキー劇場管弦楽団,チャイコフスキー,フェドートフ(ビクトル)
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2007/10/24
  • メディア: CD
チャイコフスキー:白鳥の湖

チャイコフスキー:白鳥の湖

  • アーティスト: ボストン交響楽団,チャイコフスキー,小澤征爾
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1998/07/15
  • メディア: CD
チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」全曲

チャイコフスキー:バレエ音楽「白鳥の湖」全曲

  • アーティスト: チャイコフスキー,ドミトリ・ヤブロンスキー,ロシア国立交響楽団
  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2003/01/01
  • メディア: CD
チャイコフスキー:白鳥の湖(抜粋)

チャイコフスキー:白鳥の湖(抜粋)

  • アーティスト: チャイコフスキー,オーマンディ(ユージン),フィラデルフィア管弦楽団
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2003/12/17
  • メディア: CD
チャイコフスキー:白鳥の湖

チャイコフスキー:白鳥の湖

  • アーティスト: ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団,チャイコフスキー,カラヤン(ヘルベルト・フォン)
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1999/06/02
  • メディア: CD
チャイコフスキー:白鳥の湖

チャイコフスキー:白鳥の湖

  • アーティスト: アンセルメ(エルネスト),チャイコフスキー,プロコフィエフ,スイス・ロマンド管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2001/01/25
  • メディア: CD
チャイコフスキー:白鳥の湖

チャイコフスキー:白鳥の湖

  • アーティスト: ロンドン交響楽団,チャイコフスキー,モントゥー(ピエール),マガイアー(ヒュー)
  • 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1997/04/25
  • メディア: CD
チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」全3幕 [DVD]

チャイコフスキー:バレエ「白鳥の湖」全3幕 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • メディア: DVD
チャイコフスキー:バレエ《白鳥の湖》 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • メディア: DVD
パリ・オペラ座バレエ団 白鳥の湖(全4幕) [DVD]

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  • 出版社/メーカー: クリエイティヴ・コア
  • メディア: DVD
熊川哲也 白鳥の湖 [DVD]

熊川哲也 白鳥の湖 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD
バービーの白鳥の湖 [DVD]

バービーの白鳥の湖 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • メディア: DVD
華麗なるバレエ 1 白鳥の湖 チャイコフスキー (小学館DVD BOOK)

華麗なるバレエ 1 白鳥の湖 チャイコフスキー (小学館DVD BOOK)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2008/11/26
  • メディア: 単行本
バレエ名作絵本 白鳥の湖 (講談社の創作絵本―バレエ名作絵本)

バレエ名作絵本 白鳥の湖 (講談社の創作絵本―バレエ名作絵本)

  • 作者: 石津 ちひろ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/12/18
  • メディア: 単行本

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