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「SCIUSCIA」 [映画(洋画)]

表題の作品は1946年のイタリア映画「靴みがき」である。日本では1950年になって公開された。また、英語でのタイトルは「SHOESHINE」である。1946年というと第二次大戦が終結した翌年であり、イタリアは敗戦国である。そんなイタリアが当時の時代を反映させた作品として製作されたのが本作であって、戦後の混乱期に向かって行く人々の姿を紳士に捕らえた作品である。(所謂、イタリア映画らしい「芸術作品」のひとつである。)そして「ネオ・リアリズムの傑作」と呼ばれている作品である。

作品データを記しておくと、時間は95分、白黒作品である。原作はチェザーレ・ザヴァッティーニ、監督はヴィットリオ・デ・シーカ、脚本はヴィットリオ・デ・シーカ、チェザーレ・ザヴァッティーニ、セルジオ・アミディ、チェザーレ・ヴィオラ、アドルフォ・フランチという5人、撮影はアンキーゼ・ブリッツィ、音楽はアレッサンドロ・チコニーニである。そして出演は、リナルド・スモルドーニ、フランコ・インテルレンギ、アニエロ・メレ、たちである。

終戦後、占領軍のいるローマで生きるパスクアーレとジュゼッペという2人の少年は大の仲良しであった。2人は靴みがきをやって暮らしているが、貧しい状態であった。しかし、2人には馬を買うという夢があって、それに向かってお金をコツコツと貯めていた。靴みがきだけでは簡単に貯まらないということで、2人は占領軍の闇物資の横流しに手を貸していた。ある日、いつものように、アメリカ製の毛布を持って女占い師の家に売りに行く。そこに兄と仲間が警官に化けて現れて大金を手に入れた。で、分け前を貰ったことで馬を買うお金が出来た。で、馬を買った2人は得意になって乗り回していた。しかし、彼らの運命はそこまでだった。翌日、2人は女占い師が大金を盗まれたと届け出ていて、その共犯容疑で逮捕されたのだった。そして2人は未決のまま少年拘置所へ入れられ、監房生活が始まった。取り調べが始まるが、不人は約束通り口を割ることった。しかし、パスクアーレはジュゼぺが拷間されているものと思い、ついに喋ってしまう。これによって2人の友情は壊れてしまった。更にジュゼッペは同房の少年と共に脱獄をした。で、向かった場所は馬を預けた場所だった。警官と共にパスクアーレはそこに向かった。やがてジュゼッペが現れ、それを発見したパスクアーレは怒り、誤って彼を殺してしまった...

製作された時代が時代であって、当時としては何処にでもありそうなストーリーであるのだが、真摯な態度で少年たちの姿を描いていて、背伸びをせずに等身大でいるという所が本作の良いところである。だからこそ「ネオ・リアリズム」の代表作と呼ばれることになったのがよく分かるところである。こういう作品がある所がイタリア映画であって、英米の映画とは違う独特の世界である。

映画ファンとしてではなく、第二次大戦後の混乱している時代を上手く描いている作品であるだけに、歴史的な資料としても価値のある作品である。何とかして見ておきましょう。

 

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LADY PANK『LADY PANK』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1983年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。バンド名に「LADY」と入っているが、メンバーの5人全員が男である。また、「PANK」と名乗っているが、パンクロックを奏でているのではなく、普通のロックである。彼らは日本ではまず取り上げることがないポーランド出身の5人組のバンドである。(北欧の国であれば「北欧メタル」ということで'80's後半には注目を集めて世界的なヒットが生まれているが、ポーランドは北欧でもなく、殆ど取り上げられていない...)尚、チャートの動きやセールスの規模については特にデータがないので不明です。(現在も何度かのメンバーチェンジが行われているものの、現役バンドとして活動中であることを考えると、少なくとも本国ポーランドではそれなりにヒットを記録しているものと思われる。)

オリジナル盤の収録曲は以下の全10曲である。(現在は10曲のボーナス・トラックを追加収録して全20曲となったものが再発されている模様。)『Mniej Niż Zero』『Kryzysowa Narzeczona』『Fabryka Małp』『Pokręciło Mi Się W Głowie』『Du Du』『Zakłócenie Porządku』『Zamki Na Piasku』『Wciąż Bardziej Obcy』『Vademecum Skauta』『Moje Kilimandżaro』。

シングル曲についても今一つ分からないのだが、1986年になってアメリカで『Mniej Niż Zero』が英語に翻訳され、『Less Than Zero』というタイトルになってシングルとしてリリースされていることが分かっている。

お薦め曲としては、『Mniej Niż Zero』『Fabryka Małp』『Zamki Na Piasku』『Moje Kilimandżaro』という所をピックアップしておくが、ポーランド語で歌われているだけに、歌詞の内容については全く分かりません...(雰囲気やノリ、曲調などからのチョイスである。)

サウンドの方はどちらかというとUKロックに近いものであるが、ポップでアメリカン・ロックっぽい所もある。特に「ポーランド」だからということもなく、'80'sらしいロックを奏でている。ただ、垢抜けていない泥臭さを感じるところもあるが、英米のバンドにあるものとはまた違った泥臭さである。

日本では殆ど取り上げられないポーランドのバンドであるが、聴く機会があれば面白い所があるだけに、一度は耳を傾けてみるのもよろしいかと... ただ、彼らのアルバムを入手しようと思えば、色々と困難がありますが...(こうやってみると、殆ど取り上げられない国には、色々と面白いバンドがたくさんいそうですね。)

 

本アルバムが見当たらなかったので、彼らの最近発表したアルバムを拾っておきます。

Strach Sie Bac

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  • 出版社/メーカー: Sony Bmg Europe
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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その189) [ケータイ刑事]

今回のテーマは「カムフラージュの車椅子」です。(車椅子に乗っているのに、実際にはその車椅子が必要ないということです。)で、取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「・1st.1話」、「007」からは「ゴールデンアイ」です。(「007」については、過去にこの部分を「その61」で取り上げたことがあるが、その時は「ギブス」ということで取り上げており、今回のテーマとは異なる所での共通点がありました。→1つのシーン、シチュエーションであっても角度を変えると別の共通点があるということでもある。で、「複雑に絡んだ共通点」ということで、これも「驚くべき類似点」と言って良いでしょうね。)

ケータイ刑事」:「・1st.1話」。「マーメイド刑事登場 ~素もぐりクイーン殺人事件」という物語である。6代目のちゃんが初登場となった物語である。また、6代目はシリーズで初となる夏服でのスタートとなり、名前が「」、季節も夏と言うことで、海に関する場所での事件が多かったちゃんの記念すべき物語となった物語である。

ちゃんは、事件の犯人は素もぐりクイーンの魚住麗子だと睨んだ。麗子は交通事故によって車椅子生活を余儀なくされていたが、捜査を進めていく内に、ちゃんは麗子の証言(「窓から被害者を見た」)は、車椅子に座った状態では窓枠が邪魔をするためにおかしいと気づいた。で、ちゃんはそれを指摘した。

しかし、麗子は「私は歩ける」ということを認めて、半年前から密かにリハビリを行っていて、周囲の人たちを驚かせようと考えていたことを告白した。高村さんは「歩けるの?」と驚いていたが、ちゃんは全く驚くことはしなかった。

麗子は、歩けることは認めたが、犯行は否定し、更にちゃんを「それでも刑事なの?」とこき下ろした。しかしちゃんは、それても麗子の犯行だと考えていた。(結局、この後ちゃんは、海岸でタイマーを使って犯行時刻を誤魔化した麗子のトリックに気づき、その証拠となるタイマーの文字盤を発見し、「謎は解けたよ、ワトソンくん」ということで、トリックを解明し、麗子の犯行手口とトリックを暴いた。で、麗子は犯行を認めたのだった。)

007」:「ゴールデンアイ」。1995年のシリーズ第17作であって、5代目ボンドの初登場となった物語である。前作から6年ぶりと言うことになり、その間に東西冷戦の終結、ソ連の崩壊など、シリーズの根幹を揺るがす事態が現実に起こったが、そういうことを越えて新たな娯楽大作として登場した記念すべき作品となった物語でした。

Qの実験室で、Qが左足にギブスを填めて、(電動)車椅子に乗って現れた。ボンドはギブスを見てQが怪我(骨折)したものと思った。しかしQはその左足を前に伸ばすと、そのギブスから小形のミサイルランチャーを発射した。それを見たボンドは(Qの発明品にはあまり驚かないのに)これには驚いていた。

Qはミサイルランチャーと言うことでは日用品に仕込んでおくということが好きなようだが、怪我人を装ってミサイルランチャーが仕込まれているとは誰も考えないという盲点を突いた秘密兵器のデモンストレーションを行ったのだった。で、ギブス型ミサイルランチャー発射装置は、蝶番によって開閉できるようになっている。で、開いて装置のメンテナンスとミサイルの装填を行うようになっている。つまり、ギブスというのは見た目だけであって、ギブスとしての役割はない。(武器が隠された足袋のようなものと言ったらいいでしょうね。)また、当然のことながら、Qは怪我をしている訳ではなく、車椅子はあくまでもボンドを驚かせるということのカムフラージュであった。→車椅子が無くてもそのまま歩行することが可能であった。

尚、これは開発中の段階というものであったため、ボンドが実際に使うことは無かったものである。まあ、実験室レベルでの秘密兵器(=開発中ということになる)も結構色々と登場していますね。

共通点は、車椅子に乗っている人物は、本当は車椅子生活をする必要がないということ、そして他のことをカムフラージュするために車椅子を利用していたということである。また、他人を驚かせようと考えていたこと、そして実際に驚いている人がいた(「ケータイ刑事」では高村さんが驚いていて、「007」ではボンドが驚いていた。)ということも共通している。

一方、相違点としては、「ケータイ刑事」では現在は車椅子生活の必要がないものの、交通事故のために一時的に車椅子生活を余儀なくされたということがあったが、「007」では事故も怪我も全くしていないということである。また、周囲の人を驚かせようと考えていたものの、驚かせようと思っていた人物を「ケータイ刑事」では驚かせることが出来なかったが、「007」では思っていた通りに驚かせることが出来たということがある。

次回もやはりシチュエーションということで記します。何が登場するのかはお楽しみに。

 

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