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MODERN ROMANCE『TRICK OF THE LIGHT』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1983年に発表された彼らの2nd.アルバムである。'80's初頭のポップなUKサウンドを聴かせるバンドとして、更にビジュアル面でも人気を得た彼らであるが、音楽的なヒットということでは大きくブレイクすることはなかったのだが、彼らの発表したアルバムの中でもっとも成績の良かったアルバムが本アルバムである。シングル曲も何曲かのヒットが生まれているということで、彼らの代表作である。尚、本アルバムはイギリスのチャートでは最高位53位を記録していて、オリジナル・アルバムでは唯一のチャートインを果たしている。(コンスピレーション・アルバムが本作よりも高い順位にチャートインしているので、キャリア・ハイではない。)

収録曲は以下の全10曲である。『High Life』『Don't Stop That Crazy Rhythm』『Best Years Of Our Lives (Album Version)』『Good Feelings』『Walking In The Rain』『Let's Go』『Cherry Pink And Apple Blossom White (New Version)』『After All This Time』『She's So Fine』『Leave Me On My Own』。

この中からシングル・カットされたのは全部で5曲である。リリース順に、『Best Years Of Our Lives』(UKで最高位4位)、『High Life』(UKで最高位8位)、『Don't Stop That Crazy Rhythm』(UKで最高位14位)、『Walking In The Rain』(UKで最高位7位)、『Good Feelings』(UKで最高位97位)である。5曲全てがイギリスのチャートのTOP 100にチャートインしており、3曲までもがTOP 10にランクインしているということで、本アルバムは彼らの全盛期でもあった。

お薦め曲としては、彼らの最大のヒット曲である『Best Years Of Our Lives』と、ヒット・シングルの『High Life』『Don't Stop That Crazy Rhythm』『Walking In The Rain』というところ、更にシングル曲の『Good Feelings』、それ以外からは『Leave Me On My Own』をピックアップしておく。

'80's初頭のUK勢は、第二次ブリティッシュ・インヴェージョンの波に乗り、ニューロマンティック派を中心としてビジュアル面の方が音楽よりも重視されてヒットを飛ばしたという音楽もあったのだが、流石にビジュアル的なことだけでは通用しなくなって来た時期に本アルバムが発表されるということになった。そのため、アメリカでは伸び悩むことになってしまったが、イギリスではヒットを記録したということで、'80'sのUKとUSの温度差について語る場合、彼らは名前が出てくることになっている。そう言う音楽的な所から外れた所で名前が出てくるというのはちょっと寂しいのだが、UKでのヒットは一発屋ではないだけに、もっと正当に評価されても良いグループである。(長続きせずに1985年に解散(2001年に再結成している。)してしまうのはまた別問題である。)

サウンドの方は'80's初頭のポップなものであるので、とても聴きやすいものである。(如何にも'80'sらしいものでもある。)'80'sサウンドがお好きな方であれば、特に拒否反応となることはまず無いものである。(逆に、典型的な'80'sサウンドであるため、彼らの個性が薄いのもまた事実である。)

'80'sサウンドがお好きな方であれば、しっかりと聴いておきたいアルバムの一つである。(が、現在はベスト盤ならあるが、本アルバムはリリースがないということで、聴こうとするにはちょっと苦労しますが...)

 

↓ベスト盤ですが...

Platinum Collection

Platinum Collection

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Rhino/Wea UK
  • 発売日: 2006/10/24
  • メディア: CD


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追悼・GARY MOORE『CORRIDORS OF POWER』 [音楽(洋楽)]

まさかの訃報が届いたということで、追悼という意味で、彼のアルバムを改めて取り上げることにします。それにしても、58歳(4月に59歳になる。)という若さでの急逝というのは本当に残念です。ご冥福をお祈り致します。


取り上げたアルバムは1982年に発表された、彼の3枚目のスタジオ・アルバムである。それまでにもギタリストとして彼の名前は知られていたものの、マニアックなところがあったのたが、本アルバムによって一気にメジャーなギタリストにした名作である。本国イギリスやアメリカではそれほどではなかったが、日本では好評であって、ヒットを記録した。そういうこともあって、彼は日本では人気の高いギタリストでもある。

収録曲は、オリジナル盤では全9曲であったが、2002年にリマスターされたときに3曲のボーナス・トラックが追加されて全12曲となった。収録曲は以下の通りである。『Don't Take Me For A Loser』『Always Gonna Love You』『Wishing Well』『Gonna Break My Heart Again』『Falling In Love With You』『End Of The World』『Rockin' Every Night』『Cold Hearted』『I Can't Wait Until Tomorrow』。(以下、ボーナス・トラック)『Falling In Love With You (Remix)』『Falling In Love With You (Remix Instrumental)』『Love Can Make A Fool Of You』。

お薦め曲としては、彼の代表曲と言えば必ず名前が挙がる『Always Gonna Love You』と『Falling In Love With You』、そして『End Of The World』『I Can't Wait Until Tomorrow』という所をピックアップしておく。

1969年に音楽活動を始めてから'70'sという時代は波瀾万丈で評価もあまりされていなかったが、知る人ぞ知るギタリストであった。それが本アルバムの日本でのヒットによって評価が変わることになり、日本での人気が先行する形でイギリスやアメリカでも知られていくようになった。それだけに、本アルバムの存在は、彼にとっても忘れられないものである。また、これは'80'sサウンドという枠を越えて、名ギタリストの歴史に残るアルバムである。それだけに、改めてじっくりと聴くのにはピッタリというアルバムである。

今まで聞いたことが無いと言う方も、ロックを聴くという方は、絶対に聴いておきましょう。(追悼盤という形で、改めてベスト盤がリリースされるのではないかと思いますが...)

 

Corridors of Power

Corridors of Power

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: EMI Europe Generic
  • 発売日: 2003/04/10
  • メディア: CD

コリドーズ・オブ・パワー

コリドーズ・オブ・パワー

  • アーティスト: ゲイリー・ムーア
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2002/10/30
  • メディア: CD

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ケータイ刑事銭形雷21話[裏ネタ編]PART 7 [ケータイ刑事]

銭形雷」の第21話の「レッドカードはあいつだ! ~フットサン殺人事件」についての「裏ネタ編・増補」の6回目となる今回は、岡野さんが自分はこうと言っていた「プレーイング・マネージャー」について、可愛いこれがいなかったことを不調の原因としたことから「マネージャー」について、インチキ・リフティングの時に脱げてしまった「スパイク」について、この物語ではこれもネタとしていた「少林サッカー」について記します。尚、「マネージャー」については「・12話[裏ネタ編]PART 8」で記したものをベースにして加筆しました。

また、BS-iの本放送時に記した記事は2006/5/21付けで、MBSでの放送時に記した[改訂版]は「ここをクリック」(ここにはBS-i本放送時に記した記事へのリンクもあります。)してご覧下さい。

プレーイング・マネージャー」:選手兼任監督のことである。「プレイング・マネージャー」という表記や「プレーイング・コーチ」「プレイヤーコーチ」という言い方もある。(英語では「Player-Coach」と言うため、「プレイヤーコーチ」以外の言い方は全て和製英語である。)

いくつかのスポーツ(団体競技)ではこれまでに多数の例がある。アマチュア・チームでは比較的存在するが、プロ・チームでは比較的少ない。しかし、プロの競技でも野球、サッカー、バスケットボールなどで、実例は多くないものの、実際に存在している。

プロ野球では、近いところでは2006年と2007年にヤクルトの古田兼任監督がある。(それ以前は1970年代まで遡ることになる。尚、それ以前にはいくつかの例がある。)また、さっヵーでは、かつては存在したが、Jリーグの現行規定では監督と選手の兼任は出来ないことになっている。

他の競技でも、近年では管理職である監督(コーチを含む)と選手とは分離するのが当たり前となっていて、プロのチームでは殆ど見られなくなっている。(アマチュアならば、現在でもいくつかある。)

尚、英語では「Player-Coach」、ドイツ語では「Spielertrainer」、フランス語では「Joueur du Directeur Poteau Supplémentaire」、イタリア語では「Giocatore di Direttore Posto Supplementare」、スペイン語では「Jugador-Mánager」、ポルトガル語では「Jogador-Treinador」と言う。

マネージャー」:英語では「Manager」。英語での意味は、支配人、経営者、管理人、監督などである。つまり、管理職サイドの役職の一つである。(但し、管理職でもその地位は、最高管理者である場合から、部長クラス、課長クラス、係長クラスという中間管理職の場合まで様々である。→A社のマネージャーとB社のマネージャーでは、同じ肩書きであっても権限や責任範囲が異なっているのは当たり前である。)

また、スポーツの世界では、サッカーではチームの「監督」のことを指すが、それ以外のスポーツに於いては、スポーツ・チームの世話役(当然、監督やコーチではない。)のことを指しているのが一般的である。(日本では高校や大学の運動部で部員(選手)の世話をする人のことを言う。)マネージャーは試合には選手として参加しない裏方さんであり、特に高校野球の「女子マネージャー」はその代表的なものである。

更に、芸能界でもスポーツの世界とほぼ同様であって、芸能人のマネジメント業務を行う実務担当者のことを指す。仕事内容は、タレントのスケジュール管理、身の回りの世話、渉外関係を担当することになり、付け人を兼ねている場合もある。一般的には1人のマネージャーが事務所に所属する複数のタレントを担当している。しかし、売れっ子芸能人となると、1人の芸能人に対して複数のマネージャーが付いている場合もある。

尚、マネージャーはその芸能人の所属している事務所の社員であり、芸能人が個人的に雇う付け人とは別である。しかし師弟制度のある世界(漫才、落語界など)では、弟子が付け人やマネージャーまでを兼務していることもある。(師匠の身の回りの世話も行う。)

同じ「マネージャー」という肩書きであっても、業界が違うと全く立場が違っている(何せ、監督というチームの責任者、または支配人や管理者という企業のトップに準ずる役職から、表に出ない裏方さんという役職まであるのですから...)

この物語で語られた「マネージャー」はチームの世話役という意味でのマネージャーであり、岡野さんが言ったのは「女子マネージャー」のことであるのは言うまでも無い。(・12話に登場した「マネージャー」というのもタレントのマネージャーであったが、一般的に「マネージャー」というと、このように裏方さんの「マネージャー」が一般的であって、英語で言う「マネージャー」(支配人、経営者)という意味のマネージャーというの現在ではまだ一般的に浸透し切れていない。)

英語とドイツ語では「Manager」(但し、発音は異なる。)、フランス語では「Directeur」、イタリア語では「Direttore」、スペイン語では「Gerente」、中国語では「当家人」という。

スパイク」:いくつかの意味があるが、基本となる意味は「尖った物」「釘や金具」である。一般的には、靴底にスパイクが取り付けられた「スパイク・シューズ」の省略した言い方として認識されている。

現在では粉塵問題などで使用が禁止されている地域もあるが、車のタイヤで「スパイク・タイヤ」(「スタッド・タイヤ」という言い方もある。)というものがあるが、これはタイヤ面にスパイク(金属の鋲)を打ち込んだものであり、歴とした「スパイク」である。

それ以外では、スパイクシューズで相手を傷つけること、バレーボールで相手コートに向けて、ボールを叩きつける攻撃のこと(「アタック」とも言う。)、武器として使う釘などを打ち込んだ(木製)バットのこと、という意味がある。

この物語では「靴」であるため、言うまでも無く「スパイク・シューズ」のことである。

スパイク・シューズは靴底に金属製の部品を取り付けているため、通常の靴と比べて、地面を捉える力が強められている。そのため、俊敏な動き(急に方向を変える/止まるなど)が行える、加速が良くなる、走行中に安定するなどの特徴がある。しかし、ロードレースや室内(体育館)での競技では、地面が固いため、それらの目的が達せられないため使用されない。(フィールド競技で広く使用されているものである。)但し、競技によって取り付けられている金属(スパイク)の形状は異なっている。(それぞれの競技に求められる特製にチューンナップされているということである。→登山用のスパイクは独特の大きさがありますし...)

英語では「Track Spikes」または「Studded Shoes」と言い、ドイツ語では「Gespikte Schuhe」、フランス語では「ChaussuresClouées」、イタリア語では「Scarpe Armate di Punte」、スペイン語では「Zapatos Clavados」、中国語では「釘鞋」と言う。

少林サッカー」:2001年の香港映画である。(香港は現在は中国であるので「中国映画」ということも出来るが、香港製作映画は現在でも「中国映画」とは呼ばず、「香港映画」として「中国映画」とは区別されている。)香港でのタイトルは「少林足球」、英語でのタイトルは「SHAOLIN SOCCER」である。サッカー映画であるが、香港映画らしく、アクションとコメディの要素を取り入れ、香港得意のワイヤー・アクションを取り入れた娯楽作品である。CGも派手に使っているので、サッカー漫画を実写化したような派手なアクションが売りになっている。

また、当時、香港では歴代興行成績No.1という新記録を更新するという大ヒットになった作品でもある。尚、日本では2002年6月に劇場公開されたが、2002年6月というと、日韓共催のワールドカップで盛り上がっていた月であり、日本でもヒットを記録した。

作品データを記しておくと、2001年の香港映画である。いくつかのバージョンが存在していて、香港での初期公開バージョンは102分、ロングバージョンは112分、日本公開バージョンは109分、インターナショナル・バージョンは89分である。監督はチャウ・シンチーとリー・リクチーの2人、アクション監督はチン・シウトン、脚本はチャウ・シンチーとツァン・カンチョンの2人、音楽はレイモンド・ウォンである。そして出演は、チャウ・シンチー、ン・マンタ、ヴィッキー・チャオ、パトリック・ツェー、カレン・モク、セシリア・チャン、ヴィンセント・コック、ウォン・ヤッフェイ、モウ・メイリン、ティン・カイマン、チャン・クォックワン、ラム・ジーチョン。たちである。

 

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 2

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  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

プレイング・マネジャー―現場と管理職を兼任する人のためのコーチング術

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  • 作者: 本間 正人
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2006/03
  • メディア: 単行本

プレイングマネジャーの教科書―結果を出すためのビジネス・コミュニケーション58の具体策

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  • 作者: 田島 弓子
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2010/04/09
  • メディア: 単行本

女子マネージャーの誕生とメディア―スポーツ文化におけるジェンダー形成

女子マネージャーの誕生とメディア―スポーツ文化におけるジェンダー形成

  • 作者: 高井 昌吏
  • 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
  • 発売日: 2005/04
  • メディア: 単行本

[ナイキ] NIKE エア ブラスター IV MCS 3/4

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  • 出版社/メーカー: NIKE(ナイキ)
  • メディア: ウェア&シューズ

エバニュー(Evernew) ノンスリップスノースパイク BY005 EBY005

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  • 出版社/メーカー: エバニュー
  • メディア: その他

[エスエスケイ] スーパーランナーPA

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  • 出版社/メーカー: SSK(エスエスケイ)
  • メディア: ウェア&シューズ

[アディダス] adidas F10 TRX HG

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  • 出版社/メーカー: adidas(アディダス)
  • メディア: ウェア&シューズ

モンベル コンパクトスノースパイク

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  • 出版社/メーカー: モンベル(mont-bell)
  • メディア: その他

[プーマ] PUMA パワーキャット J SL FG

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  • 出版社/メーカー: PUMA(プーマ)
  • メディア: ウェア&シューズ

プレデターアブソリオン X TRX HG J

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  • 出版社/メーカー: アディダスジャパン
  • メディア: その他

少林サッカー デラックス版 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD

少林サッカー インターナショナル・バージョン 豪華版 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: クロックワークス
  • メディア: DVD


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名曲探偵アマデウス#85 ブルックナー「交響曲第7番」 [ドラマ]

今回はブルックナー「交響曲第7番」ということで、ここのところは今まで取り上げていない作曲家の曲が続いているが、まだまだ取り上げられていない作曲家はたくさんいるので、今後もドンドン取り上げて貰いたい所です。(当然、4年目突入が前提ですが...→BD-R-DLにDRモードだと1枚に7話入るのだが、今回からはDISCも13枚目になる。4年目突入がないと、13枚目は6話で終わってしまう可能性が高い(5話の可能性もある)だけに...)

今回の曲は「クラシック音楽は眠くなる」という言葉を象徴する曲として知られているものであるが、それを上手くアレンジした物語になっていましたね。更に、大学の講義でも眠くなるものがあるということとのダブル・ミーニングになっているというのも面白い所でした。

また、「眠ってしまう」ということになると、お馴染みのあのネタが出てくることになるが、そういうお約束を守ってくれるところは楽しい所でした。

冒頭、カノンさんが占いの本を見ている。所長に「何座でしたっけ?」と尋ねると「オペラ座」と応える。本でオペラ座を見ようするが、そんな星座はないことに気づくと「聴いた私がバカでした」とカノンさん。すると「そういう君は?」と諸智洋が尋ねる。カノンさんは「私は乙女座に決まってるじゃないですか」と答えるが「確か5月生まれじゃ?」と所長。→カノンさんの誕生日は5月と言うことが判明しました。(演じている黒川芽以さんの誕生日は5/13ですが、カノンさんの誕生日も5/13という設定ですかね?)これに「そんなの関係ありません。何月に生まれても私は乙女ですから」とカノンさん。所長は「何じゃそりゃ」と呆れていた。本で乙女座の所を見るカノンさんは、「突然の告白の予感」と書かれていたのを見ると、「所長、どうしよう~」と乙女モードを突き進んでいた。

そんな所にドアが開いて中年の依頼人がやってきた。カノンさんが声を掛けると、間があってから「恋をしてしまいました」と答える。するとカノンさんは「本当に来た~」と言って占い通りになったことで、「こんなおじさんまで虜にしてしまう自分の美貌が怖~い」と、自分の世界に浸る。

依頼人はソファに座っていて、「教え子に恋をしてしまったんです」と言って、「詳しくお聞かせ下さい」と所長。完全に浮いていたカノンさんは咳払いをして、何とか中に入っていった。

話を聞くと、依頼人は昆虫学者で、初めて自分の研究室に入ってきた女子学生に恋をしてしまったということだった。カノンさんは「学生と不倫なんて嫌らしい」と言うが、依頼人は独身であり、これまでの人生で女性とは全く縁がなかった。恋は初めての経験であり、気持ちを手紙で伝えたいと思ったのだった。また、彼女は研究室でいつも同じ曲をかけていて、そのがブルックナーの「交響曲第7番」だった。が、依頼人はこの曲を聴くと眠くなるだけだった。で。彼女の心を射止めるために、その曲のようなラブレターを書きたいということだった。で、所長は依頼を受けた。

所長が依頼人に全曲聴いたかと尋ねるが、依頼人は、何度も渡来したが、どうしても途中で眠くなるということだった。で「まずは聴いてみましょう。」ということで第一楽章から聴き始める。いつものようにカノンさんが印象を口にするが、依頼人は既に半分寝ていた。で「ちょっと、早すぎ」とカノンさんは言うと依頼人を起こした。カノンさんは「眠くならない」と言ったが、依頼人は「長く感じる」と言った。で、長いのはここだけではないということで続きを聴く。(中略があって)「5分後」というテロップが出て曲を聴いているカノンさんと依頼人だったが、依頼人は既に寝ていた。更に「10分後」となると、カノンさんも依頼人も寝ていた。で、所長が風船を針で刺して割り、その音で飛び起きた2人。所長は「この長さが魅力」と語り、その説明へ。

この曲が長いのは、第1主題だけで(22小節の間に)11回もの転調が行われている。更に、第2主題、第3主題も童謡に転調を繰り返している。で、転調を繰り返すと元の調に戻って来るまでに時間がかかることになり、これが長く感じることになる。野本先生は「山道を通っていくハイキングコースのようなもの」と例えていたが、これは実に上手い表現ですね。

で、依頼人は「長さが魅力」ということでラブレターを書いてみた。で、それを読み始める。延々と書き綴っていて本題に入らないその手紙に、カノンさんも所長も寝てしまった。それに気づいた依頼人が「君たち」と言うと目を覚ます2人。所長は「失礼」と言い、カノンさんは「長すぎ、意味不明」と言っていた。所長は「あなたが手紙を書くのはまだ早い」と言って、第2楽章へ。

最初にカノンさんは「眠くならない」と言っていたが、「10分後」では眠そうな表情をしていて「どうも瞼が重くなってくる...」と漏らす。で依頼人を見ると、瞼にセロテープを貼って閉じないようにしていたが、目を開けた状態で眠っていた。更に所長に目を移すと瞼を閉じていて、瞼の上に目玉を書いてあった。「所長!」とカノンさんが叫ぶと、「心地よう眠りを誘うのは『繰り返し』」と言って瞼を開いた。

そして、「繰り返し」の多用が眠気を誘うということの説明がされる。同じ音形の一部分(語尾を繰り返す手法)を何度も繰り返して曲を作っている。更に、この繰り返しに於いて、少しずつハーモニーを変えている。更に、繰り返しの楽器と、ハーモニーが徐々に高さを上げていくということを行っているので、高揚させているので、繰り返しが気持ちよくなる。

で、「繰り返しは気分を高揚させていく効果がある」とカノンさんが言うと、依頼人は「繰り返しによる興奮か」と言って、再びラブレターを書き始める。で、読み始める。「好き、好き、…」と繰り返して読んでいる内に「すき」が「キス」になっちゃった、と依頼人。これにカノンさんは「キモい」と言い、落ち込む依頼人。すると「私が貰って嬉しいのは、その人らしさが分かる手紙かな」と助け船を出した。更に処置用は「学生たちの評判は?」と尋ねる。抗議評価を出してカノンさんに渡すと「長く感じる、同じことを繰り返して先に進まない、熟睡できる」と読むカノンさん。で「凄い」と漏らした。更に「切ないほどワンパターン」と誉められたと言う依頼人。が「それって誉めてるのかな?」とカノンさん。所長は「それもブルックナーと同じです」と言い、「ブルックナーは偉大なるワンパターンの作曲家」と言って、その説明へ。

ブルックナーは彼独特の手法を繰り返して使っている。で、「ブルックナー開始」と「ブルックナー・ユニゾン」についての説明がされる。更に「ブルックナー・ゼクエンツ」「ブルックナー循環主題」「ブルックナー終始」「ブルックナー休止」「ブルックナー・リズム」が(名前だけ)出てきて、これらを殆どの交響曲で用いた。これらは彼が親しんだある楽器に関係しているということで、その楽器の説明へ。

その楽器とは「パイプオルガン」である。パイプオルガンの特徴と曲作りの説明へ。特にパイプオルガンの説明では、様々な音色を出すことが出来、それらを組み合わせて同時に慣らすことも出来る、という説明は実際に音を出して聴かせてくれるので、実に分かりやすかったです。で、パイプオルガンの発想を曲作りに反映させているということで、オルガニストならではの曲作りをしているということで、「あなたなりの個性を活かした手紙を書けばいい」と所長。これに依頼人は「断られるのが怖い」と言った。カノンさんは「ブルックナーってもてたんですか?」と尋ねた。これに「彼も熱烈なラブレターを書いていた」と語り、その説明へ。

所長が語る。「ブルックナーが恋したのはいつも10代のうら若き乙女」ということで、カノンさんがその乙女となって、依頼人(ブルックナー)との寸劇へ。(最初に「乙女」と言っていたカノンさんがここに繋がっていました。)親子ほど年の離れた相手からの求婚に娘達は誰もが拒絶、ブルックナーは一生女性とは縁のない人生だった。で、彼の人生についての説明へ。

40歳で初めて交響曲を書いたが、酷評された。それでも地道に作曲を続けた。そして60歳の時に「交響曲第7番」が初演で喝采を受けた。ひれに依頼人は「親しみを感じる」と言った。所長はブルックナーの音楽に「祈り」の様なものを感じると口にすると、「祈りか」と言った依頼人はペンを走らせた。「書けました」ということでカノンさんが覗くと「彼女と仲良くなれますように」と絵馬に書いていた。で「絵馬に書いてどうするんですか」と突っ込むカノンさん。更に「彼女の好きな曲を利用してラブレターを書こうなんて、そもそも無理がある」と言った。すると依頼人も分かったようで「私が間違ってました」と言って帰ろうとする。が、待ったを掛けた所長は、この曲は音楽による手紙と言える、と言って、その説明へ。

ブルックナーは、同時代のリヒャルト・ワーグナーの影響を強く受けていて、心から尊敬していた。が、1883年のある日、不吉な予感(ワーグナーの命は短い)に捕らわれて、曲が浮かんできて書き始めた。それがこの曲の第2楽章であった。で、その予感が的中し、ワーグナーの訃報が届いた。それでこの曲に終結部を書き加え、ワーグナーが発明した楽器のワーグナー・チューバで演奏する曲とした。(ここでワーグナー・チューバに関する説明がもう少しあれば良かったんですが...)ということで、ワーグナーに対する心からの深い思いが込められていたのである。

依頼人は心からの思いが大事だと言うことに気づいた。で、ここロロからの思いを手紙に書こうと決めた。が、所長は「手紙を書く必要はないんじゃないか」と言った。というのは、この曲には依頼人との共通点がたくさんあるということで、彼女も依頼人の良さを分かっているはず、と言った。立ち上がった所長は知り合いの指揮者から招待されたというこの曲のコンサート・チケットが2枚あるのを思い出し、そのチケット依頼人に渡した。そして「この曲の良さを是非彼女と体験してきて下さい」と言った。これにお礼を言った依頼人は「感想、必ず送ります」と言って帰って行った。

今回は、ドラマ部分は約37分半弱、曲が5分半弱、ラストのオチが1分強という構成で、曲の部分がやや短めでした。曲の部分は第2楽章からということであったが、時間的にこうなるのはと方のないところである。

ラストのオチは、依頼人からの報告のてがみが届いたということで、カノンさんがそれを読み始めるカノンさん。ブルックナーの世界に浸ることが出来た、と記されていたが「途中までは」と記されていた。依頼人は、またも寝てしまい、演奏が終わった盛大な拍手で目が覚めた。依頼人は盛大なイビキをかいて起きないため、彼女は周りの観客の冷たい視線にいたたまれなくなり、途中で帰ってしまい、二度と誘わないでと言われてしまった。更に手紙は続き、先日、一緒に眠ってしまったカノンさんのことが忘れられないと記されていて、「つきましては是非交際をお願いしたく、この手紙をしたためました」と記されてあった。するとカノンさんはたいへん嫌がって「どうしよう...」と漏らし、所長に相談しようとする。が、所長は瞼の上に目玉を書いた状態で眠っていた。カノンさんは「こら!起きろ~!」と声を挙げ、最後に所長がるを開いた。

今回は「眠り」がキーワードになっていたが、遊び心に満ちた楽しい内容でした。最初に星占いネタで遊んでいたが、所長が「オペラ座」と言ったのは所長らしい所でしたね。また、カノンさんが「乙女座」と言ったのは良いとして、それに対して所長は、カノンさんに対しては食べ物ネタを良く口にしているだけに、「ギョー座ではなかったのか?」と言う突っ込みを入れて欲しかったところでした。しかし、カノンさんが5月生まれ(多分、演じる黒川芽以さんの誕生日と同じ5/13生まれという設定だと思います。)だったと分かったので、これはこれて宜しいかと...

今回の物語では、ブルックナーの「繰り返し」に合わせて、「眠り」を何度も繰り返してしたが、こういう所はネタとしてはベタであるが、曲に合わせているというのは上手いところでした。が、何度も「眠り」が出てきただけに、ラストのオチで所長が眠りに落ちていたというのは予想できてしまっただけに、物語としては「上手い」と言えるのに、オチとしては今一つに感じました。

来週14日はファイルNo.086のブラームス「クラリネット・ソナタ」、2/21はファイルNo.087でチャイコフスキー(曲は不明)と続きます。(2/28は何かの再放送となっています。)

 

ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

  • アーティスト: ブルックナー,カラヤン(ヘルベルト・フォン),ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/09/05
  • メディア: CD

ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

  • アーティスト: ブルックナー,ブロムシュテット(ヘルベルト),ドレスデン・シュターツカペレ
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2010/09/22
  • メディア: CD
ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

  • アーティスト: ヨッフム(オイゲン),ブルックナー,ドレスデン国立管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2006/01/25
  • メディア: CD
ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: インポート・ミュージック・サービス
  • 発売日: 2009/10/17
  • メディア: CD
ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

  • アーティスト: ジュリーニ(カルロ・マリア),ブルックナー,ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2006/11/08
  • メディア: CD
ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

  • アーティスト: 大阪フィルハーモニー交響楽団,ブルックナー,朝比奈隆
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 1987/08/21
  • メディア: CD
ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

  • アーティスト: チェコ・フィルハーモニー管弦楽団,ブルックナー,マタチッチ(ロヴロ・フォン)
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2002/06/21
  • メディア: CD
ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

  • アーティスト: ヴァント(ギュンター),ブルックナー,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2007/11/07
  • メディア: CD
ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

  • アーティスト: ブルックナー,ティントナー(ゲオルグ),ロイヤル・スコティッシュ管弦楽団
  • 出版社/メーカー: エイベックス・クラシックス
  • 発売日: 2007/12/05
  • メディア: CD
ブルックナー:交響曲第7番 原典版 【HQCD】

ブルックナー:交響曲第7番 原典版 【HQCD】

  • アーティスト: クレンペラー(オットー),ブルックナー,フィルハーモニア管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
  • 発売日: 2010/01/20
  • メディア: CD
ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

  • アーティスト: ブルックナー,シューリヒト(カール),ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1990/08/21
  • メディア: CD
ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

  • アーティスト: ブルックナー,ヴァント(ギュンター),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2006/12/06
  • メディア: CD
ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

  • アーティスト: ブルックナー,小澤征爾,サイトウ・キネン・オーケストラ
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2009/05/20
  • メディア: CD
ブルックナー:交響曲第7番

ブルックナー:交響曲第7番

  • アーティスト: ブルックナー,カラヤン(ヘルベルト・フォン),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2009/07/16
  • メディア: CD
ブルックナー:交響曲第7番[原典版]

ブルックナー:交響曲第7番[原典版]

  • アーティスト: フルトヴェングラー(ウィルヘルム),ブルックナー,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
  • 発売日: 2009/05/20
  • メディア: CD

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