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POLYROCK『POLYROCK』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1980年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。(バンド結成は1978年である。)ニューヨーク・パンクと言うと、BLONDIEが大ブレイクしてリードすることになっていたが、本アルバムはBLONDIEの全米No.1ソング『Call Me』(1980年のBillboard年間シングル1位も獲得している。)のヒットでNYの音楽シーンが盛り上がっていた時期であった。ただ、彼らのアルバムはクラブ・シーンでは聴かれたものの、特にヒットというようなレベルには達することはなく、本アルバムはBillboardにチャートインしていない。

収録曲は以下の全11曲である。『Romantic Me』『Green for Go』『This Song』『Go West』『Your Dragging Feet』『No Love Lost』『Body Me』『Sound Alarm』『Bucket Rider』『Shut Your Face』『#7』。

この中からシングル・カットされたのは『Romantic Me』と『Your Dragging Feet』が両A面シングルとしてリリースされていて、Billboardのクラブ・プレイ・シングル・チャートで最高位69位を記録している。(HOT 100にはランクインしていない。)

一応、彼らの代表曲と言うことになっている『Romantic Me』と『Your Dragging Feet』、そして『This Song』と『Go West』をお薦め曲ということにしておく。

ニューヨークのクラブ・シーンでは確かに盛り上がったものの、音楽シーンでは'80'sを迎えて「ポスト・パンク」ということでも既にシンセサイザーを用いたものという方向性が見えるようになっていた時期ということもあって、彼らのサウンドは既に遅れているというイメージが出来てしまったことも不幸であった。また、やはりNYパンクから大ブレイクしたBLONDIEのポップなサウンドというものも影響しているのは言うまでも無い。

ということで、時期的には半歩遅れてやってきたということが、彼らの音楽的な良さを否定することになったのも辛いところでしたね。

とは言っても、NYパンクの勢いの良さと都会的な洗練されたスマートな所はしっかりと受け継いでいるだけに、音楽的には悪いものではない。
'80'sサウンドがお好きな方というよりは、'70's終盤の「ポスト・パンク」という所が華やかで活気があった頃のサウンドがお好きな方の方が気に入るでしょうね。

 

Polyrock

Polyrock

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Wounded Bird Records
  • 発売日: 2007/03/13
  • メディア: CD


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「黒い雨」 [映画(邦画)]

訃報は突然届き、驚くことになるのだが、昨夜届いた訃報にはビックリしました。それは元キャンディーズの田中好子さんの訃報であるのだが、あのスーちゃんの訃報というのだから、驚いたという訃報でした。何せ、約2週間前の4/8に55歳の誕生日を迎えたばかりですし、病気(乳癌)のことも全く知りませんでしたし...

キャンディーズとして歌手デビューしたのは1973年で、解散したのが1978年。一端は引退したが、ソロ・シンガー、更に女優に転向して完全復帰して活躍を続けていただけに、本当に「まさか...」という訃報でした。

ということで、彼女の代表作と言える表題の作品を取り上げることにします。(やはり、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞したあの作品です。)

表題の作品は1989年5月に東映系で公開された作品の「黒い雨」である。井伏鱒二の同名小説の映画化作品である。また、日本アカデミー賞では作品賞、主演女優賞(田中好子)、助演女優賞(市原悦子)、監督賞(今村昌平)、脚本賞(今村昌平、石堂淑朗)、撮影賞の6部門を受賞し、カンヌ映画祭でもフランス映画高等技術委員会賞を受賞している。(パルム・ドールにはノミネートされ、本命視されたが、受賞とはならなかった。)

作品データを記しておくと、時間は123分、白黒作品である。今村プロ、林原グループの作品で、配給は東映、原作は井伏鱒二、監督は今村昌平、脚本は今村昌平と石堂淑朗の2人、撮影は川又昂、美術は稲垣尚夫、音楽は武満徹である。そして出演は、: 田中好子、北村和夫、市原悦子、原ひさ子、沢たまき、三木のり平、小沢昭一、小林昭二、河原さぶ、石丸謙二郎、大滝秀治、白川和子、深水三章、殿山泰司、常田富士男、三谷昇、立石麻由美、山田昌、石田圭祐、楠トシエ、七尾伶子、飯沼慧、たちである。

昭和20年8月6日、広島に原爆が投下された。20歳の高丸矢須子は郊外の疎開先にいたが、叔父・閑間重松の元へ行くために瀬戸内海を渡っていて、その途中で強烈な閃光を目撃し、その後で天候が急変して黒い雨を浴びてしまった。5年後、矢須子は福山の重松とシゲ子夫妻の家に引き取られて、重松の母・キンと4人で暮らしていた。戦争の後遺症を誰もが引きずる中、原爆後遺症は確実に矢須子にも襲っていた。25歳になって美しい矢須子には、縁談話が次々と持ち上がるが、いつも「ピカに遭った娘」という噂が立つと、全て破談になっていた。重松は、矢須子が直接ピカに遭っていないことを証明しようとして色々と手を打つが、黒い雨は矢須子の体を確実に蝕んでいた。そして矢須子の髪の毛が抜け始めるのだった...

原爆問題を真正面から受け止めた作品で、高い評価を得た作品である。また、映像をカラーではなくて白黒とした所がポイントであり、これが原爆の恐怖を一段と恐ろしいものにしている。また、白黒作品であるが、色彩感を感じることも出来る作品でもあって、高く評価されたというのも納得出来る。

また、女優に専念してある程度の歳月が流れていたスーちゃんであるが、何かあると「元キャンディーズ」のアイドルということが語られていたが、本作で真の女優として脱皮することにもなった。(本作での演技が高く評価されたのは多くの賞を受賞したことが証明している。)

それにしても、まだ若いのに、本当に残念な訃報である。尚、こういう言い方は不謹慎であるが、それを承知で記すと、現実問題では、原発事故によってこの作品に描かれている放射能の恐怖が現実問題となって迫っているが、「直ちに影響はない」と言っている専門家がいる。確かに原爆と比べると放出された放射線量は微量であるが、原爆は一瞬の放射、原発事故は微量ながらも長時間の放射という違いがある。それだけに、何年も過ぎてから出てくる症状については不明な所が多い。この時期に本作を改めて接することになったのは、(特に「有識者」と呼ばれている人たちに)世間に対して放射能の恐ろしさを問うているスーちゃんからの最期のメッセージのように感じられるところである。

スーちゃん、長い間お疲れ様でした。謹んでご冥福をお祈り致します。

 

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↓原作小説はこちら

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「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その204) [ケータイ刑事]

今回のテーマは「神社での出会い」です。取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは(前回と同様に)「・5話」、「007」からは「007は二度死ぬ」です。

ケータイ刑事」:「・5話」。「夢を駆ける少女 ~銭形結の悪夢」という物語。シリーズ4度目の「悪夢シリーズ」となった物語である。恒例の佐藤二朗さんのニセ銭形の登場と、夢の物語であって銭形が相棒を逮捕するというパターンの物語である。(今回は「初夢」と言うことにしているものの、流石に4度目になると新鮮みも無くなっているだけに、もっと工夫が欲しいところであって...)

新年を迎えたということで、ちゃんは振り袖姿で神社にお参りをしている。で、あれもこれもと欲張ってお願いをする。すると、怪しげな男が現れて、そんなにお願いしたら神様も訳が分からなくなっちゃう、と指摘した。が、その男は見るからに怪しげであったため、ちゃんは何者なのかを問う。が、男は「通りすがりのアラフォー男児です」と言うと、去っていった。が、足を持つらせてしまい、手にしていた布袋を落としてしまった。するとその布袋からは小銭がこぼれだした。それを見たちゃんは「さてはあなた、賽銭泥棒ですね」と気づいた。男は落とした賽銭をそのままにして逃げて行き、ちゃんは「待ちなさい!」と言って後を追った。

神社の石段を駆け下りていく男、後を追うちゃんは神社に向かってくる人がいたので「賽銭泥棒だ」と言って捕まえて下さい、と言う。すると神社にやってきた袴姿の男は両手を広げて通せんぼをして、逃げてくる男の前に立ちはだかった。で、逃げてくる男を投げ飛ばすと、「賽銭泥棒の現行犯で逮捕する」と言って、手錠を掛けた。

石段を下りてきたちゃんは、袴姿の男を見ると「あさみさん?」と気づいた。やってきた男はあさみさんだった。が、あさみさんの顔には墨で色々と書き込まれていた。「その顔、どおしたんですか?」とちゃんが尋ねると、「警視庁の羽付選手権の帰りなんだよ」と答えた。ちゃんは「その様子だと惨敗ですね」と突っ込むと、「僕はキツツキの生態には詳しいが、羽付は専門外だ」と言っていた。

「正月早々、面倒臭い」と言うちゃんに、「正月早々、犯人逮捕とは演技が良い」と言い、何だかんだで凸凹コンビぶりを正月早々見せていた二人。あさみさんは男を連行しようとするが、男は突然倒れてしまった。で、「死んでいる」とあさみさん。男はナイフが刺さっていた。その時「警視庁から入電中」と事件を知らせる入電が入った。で、携帯を取りだしたちゃん。しかし、入電は新年の挨拶であって、「直ちに捜査を開始せよ」というものでは無かった。しかし、入電には目の前で死んでいる男が映っていた。

訳が分からないちゃんに、あさみさんは、ここには2人しかいなくて、僕は犯人じゃないから君が犯人だ、と言って結ちゃんが犯人だと言う。しかし、「私も犯人じゃありません」と結ちゃん。更に、男が起き上がって「彼女に僕を殺す動機はない」と言ってちゃんに助け船を出した。が、死んでいるはずの男が立ち上がったことで変な雰囲気になったと感じ取った男は、再び倒れた。再びあさみさんが確かめると「やっぱり死んでいる」

で、ちゃんは閃いて「謎は解けたよ、ワトソンくん」から、「これは私が見ている夢です」と結論を出すと、神社の石段を登っていった。で、境内にある茶店でちゃんが寝ていた。そしてちゃんは「これが初夢?」と口にした。

そして、ここからちゃんの夢の中を覗いてみましょう、ということで、「悪夢シリーズ」の定番の夢の物語に突入する。

何だかんだで(物語(=ちゃんの夢)が進んでいって)夢から覚めたちゃんは、あさみさんと共に初詣参りをした。で、帰って行く時に結ちゃんは、とんでもない初夢を見たことを口にする。が「案外、正夢になるかも?」とあさみさん。それを嫌がるちゃんだったが、あの怪しげな男が現れて、初夢は一年の吉兆を占う日本人の大事に儀式だ、と言った。で、そのまま神社から出て行こうとする。

あさみさんは「誰だ、君は?」と問うと、「ただの通りすがりの夢追い人です」と言った。しかしちゃんが気づき「あの人、賽銭泥棒です」と言った。で、慌てた男は逃げようとする。しかし、足を持つらせて、手に持っていた布袋を落としてしまって、小銭が散らばった。で、小銭をそのままに逃げて行く男。あさみさんとちゃんは追いかけていくが、ちゃんは一旦立ち止まって「今年もよろしく」と新年の挨拶をしてから、男を追っていった。

最初のは夢だったとはいうものの、同じような展開で頬被りをした怪しげな男と神社で2度も出会ったちゃんでした。

007」:「007は二度死ぬ」。1967年のシリーズ第5作であり、初代ボンドの5作目である。日本でロケが行われたということで、日本では製作時から異常に盛り上がることになった作品である。日本文化を取り入れている作品であるが、少なくとも戦後の20世紀の日本では無いような部分(忍者がいたり、刀を武器として使っているなど...)も出てきた物語でもありました。

日本に入って、日本の情報部のボス・タイガー田中たちと共に調査を進めていたボンドは、怪しい場所を掴んだ。そこは小さな漁村であった。で、そこに潜入するための作戦として、ボンドは日本人として妻をめとり、漁師として村に入るというものであった。ボンドはそれまで行動を共にしていたアキとと思い、アキもその気になったが、タイガー田中は違うと言い、当日までのお楽しみということにした。(アキたちは、ボンドを日本人にするための変装を手伝った。)

しかし、その夜、ボンドを暗殺しようとした刺客は、天井からボンドの口に糸を垂らして毒を飲ませようとしたが、一緒に寝ていたアキの口に毒が入り、アキは死んでしまった。

失意のボンドだったが、任務と切替えて、(偽装の)結婚式の日となる。式はある神社で行われ、しかも合同結婚式であって、ボンドたち以外にも式を挙げるカップルがいた。ボンドは妻となる女性がどんな女性なのかということが気になり、期待していた。

タイガー田中の隣で花嫁が来るのを待っているボンド。他のカップルの花嫁が介添人に連れられて、石段を登ってくるが、ボンドの好みではなく、如何にも日本人の女性という女性がやってくる。が、それはボンドの相手ではなかった。続いてやってきた花嫁も同様であり、ボンドは期待を裏切られた気になってしまう。そして次の花嫁がやってきた。その女性はボンド好みだったが、ボンドは他の相手の花嫁だろうという諦めの気持ちになっていた。

が、その花嫁(キッシー鈴木、この作品のボンドガールである。)はボンドの所にやってきた。で、ボンドの落ち込んでいた気持ちは一気に元に戻って鼻の下が伸びたのだった。

式は順調に終了すると、ボンドとキッシーは(任務のために)深刻として村に入るが、キッシーはその村の出身ということで、村には多くの知人がいた。(外見上、日本人になっている)ボンドを「夫です」と紹介し、村での新生活を始める夫婦を装って、調査を始めた2人だった。

タイガー田中にとったら、部下であるキッシー鈴木を、任務のためにボンドと形の上だけの夫婦にしたが、ボンドにとっては、神社での結婚式当日の、しかも花嫁入場の所で出会ったことになった。任務のための形式上の夫婦となるためとはいうものの、そんなギリギリまで相手を知らないというのは流石に…、と思ってしまいます。が、ボンドもキッシーも、互いに気に入ったというだけに...

尚、I・フレミングの原作では、本作の原作小説「007号は二度死ぬ」は「女王陛下の007号」(映画タイトルは「女王陛下の007」)の次の作品であり、新妻・テレサを殺されて傷心のボンドを、欧州から一時的に話すと言うことで日本に派遣されたということになっている。また、任務終了後、キッシー鈴木はボンドの子供を身籠もっている。しかし映画「007」シリーズでは順番が逆になり、「007は二度死ぬ」の方が先に来て、そこで偽装結婚をしているが、キッシーはボンドの子供を身籠もっていない。そして、本作の次が「女王陛下の007」であり、そこでボンドはテレサと結婚した。(新婚数時間後にテレサはブロフェルドによって殺されてしまったと言う所は同じである。)

共通点は、その物語で重要な人物(頬被りの男(更に、ちゃんの夢の中では仙人でもあった)/ボンドガール)と主人公(銭形/ボンド)が神社の境内で出会っているということである。また、「ケータイ刑事」では一回は夢の中のことであり、「007」では形の上では任務上の出会いであるが、良い関係になる出会いであったため「夢のような出会い」だったと言うことで、意味は異なるが「夢の出会い」ということになっていること、更に、その場には主人公の仕事上でのパートナーとなる人物(「ケータイ刑事」であさみさん、「007」ではタイガー田中)がいたということも共通点ということになる。

相違点は、「ケータイ刑事」では夢の場合と現実の場合とがあって、夢と現実のそれぞれで出会っているが、「007」では現実の世界で一度の出会いである、ということである。

次回でこの連載の回数が「ケータイ刑事」の通算話数を越えることになります。その次回は、今回と同じテーマで、そのPART 2ということにします。(早い話、「ケータイ刑事」がこの物語の前に同じようなことをやっているためです。)「ケータイ刑事」のどの物語が出てくるのかお楽しみに。

 

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