「VIVA MARIA!」 [映画(洋画)]
表題の作品は1965年のフランスとイタリアの合作映画「ビバ!マリア」である。日本公開は1966年4月であった。フランスを代表する女優であるが、全くタイプの異なるBBとJ・モローの共演による異色のお色気たっぷりの革命物語である。
作品データを記しておくと、時間は122分、製作、監督はルイ・マル、脚本はルイ・マルとジャン・クロード・カリエールノ2人、撮影はアンリ・ドカエ、音楽はジョルジュ・ドルリューである。そして出演は、ブリジット・バルドー、ジャンヌ・モロー、ジョージ・ハミルトン、グレゴール・フォン・レッツォーリ、ポーレット・デュボスト、クラウディオ・ブルック、カルロス・ロペス・モクテスマ、たちである。
マリーはアナーキストの父を助けて破壊活動を続けていたが、その父が死んでしまい、彼女は一人になってしまう。警察に追われる彼女は逃げている内に、ある小さな町に辿り着く。その町では旅芸人ノロドルフォ一座が開演中であったが、花形・マリアとコンビを組んでいた相棒が自殺してしまい、困っていた。こんな所にマリーが転がり込んできた。で、一座はマリーをスペイン語式に読ませて「マリア」として、マリアとマリアのコンビを結成させた。で、マリア・コンビはたちまち人気者となる。が、この南米にある国では、政府の悪政に民衆が立ち上がるという暴動が頻発していて、一座がある村を通った時にも暴動があった。一座の面々はそれを高みの見物と決めたが、マリーは過去の血が黙っておらず、鉄砲で政府軍の兵隊を撃ってしまったため、一座の全員はマリーと共に政府によって捕らえられ、牢獄に送られた。牢獄で一同は死刑囚のフロレスと出会うが、彼はマリアの大ファンであり、かつてはマリアの所に日参していたという過去があった。フロレスが銃殺される前夜、2人は一夜を共にして愛の夜を過ごした。朝になり、2人のマリアは、土地の権力者に呼び出された。訪れた先でマリーは、機関銃があるのを見ると、それを奪い、乱射して脱出した。しかし、この騒動でフロレスは流れ弾を喰らって死んでしまうが、マリアに「戦いを続けてくれ」と言い残した。するとマリアは突然、革命に目覚めた。マリーは昔の血を甦らせ、2人のマリアは革命のために行動を進めていき、政府軍を追いつめた。こうして2人のマリアは革命の英雄となり、聖母マリア以上の人気者になった。が、今度は教会が黙っておらず、2人のマリアは教会に捕らえられ、殺されかける。が、革命軍が総攻撃を開始して、2人のマリアを救出し、まもなく革命を成功させた。2人のマリアは一座に戻り、旅立っていった。
如何にも'60年代らしいノリの娯楽作品であり、「お色気」(この言い方がピッタリであって、「セクシー」というと少し違うように感じられる。)たっぷりで蟻ながら、コメディの要素があり、アクションの要素があり、お遊びありということで、たっぷりと楽しめる娯楽作品となっている。
'60年代のフランス映画ということで、ハリウッドの娯楽作品とはまた違った味のある作品であって、時にはこういう作品に触れてみるというのも面白いでしょう。
また、当時のBBは絶頂期を過ぎていたとは言っても、その魅力はまだ衰えておらず、彼女を見るということもまた楽しみ方の一つである。(当然、J・モローについても同様である。)
PINK FLOYD『A SAUCERFUL OF SECRETS』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1968年に発表された彼らの2nd.アルバムである。邦題は「神秘」と付けられているアルバムである。FLOYDは4人編成であるのだが、本アルバムではD・ギルモアが加入していること、更にS・バレットも活動を続けていたため、5人編成という形が実現している唯一のアルバムである。(本作の後でS・バレットは正式に脱退している。)また、初期のFLOYDのアルバムとしては、最もチャートの動きが鈍かったアルバムでもある。と言っても、イギリスで最高位9位、フランスで最高位10位を記録している。(アメリカではチャートインせず。)
収録曲は以下の全7曲である。『Let There Be More Light』『Remember A Day』『Set The Controls For The Heart Of The Sun』『Corporal Clegg』『A Saucerful Of Secrets』『See-Saw』『Jugband Blues』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。1st.シングルは『Let There Be More Light』、2nd.シングルは『Jugband Blues』であるが、いずれもが英米ではチャートインを記録していない。(チャートインしたのは『Jugband Blues』がノルウェーで最高位12位を記録しただけである。)と言っても、彼らはシングル志向では無いので、シングル曲がヒットし無かったと言っても全く気にする必要は無いというのは言うまでも無い。
お薦め曲はS・バレットがリード・ボーカルを務めている『Jugband Blues』と、12分弱という超大作であるアルバム・タイトル・ナンバーでもある『A Saucerful Of Secrets』、R・ライトがリード・ボーカルの『Remember A Day』をピックアップしておく。(が、やはりFLOYDのアルバムは全曲をじっくりと聴くべきなので、「お薦め曲は全部」と言ってもいいのですがね...)
セールスやチャート成績では、確かに彼らのアルバムとしては今一つであったが、本アルバムにはそういうものでは計ることが出来ない要素が詰まっているため、アルバムの内容、クオリティー、価値と、セールス、チャート成績とが比例関係にならないと言うことを如実に表しているアルバムの一つ(いや、その代表的なアルバムと言っていいでしょう。)ということになる。
FLOYDを聴く場合、やはり、外すことの出来ないアルバムである。尚、プログレがお好きでないという方は、本アルバムには接近しない方が宜しいかと...
ケータイ刑事銭形零14話(2nd.1話)[裏ネタ編]PART 5 [ケータイ刑事]
「銭形零」の第14話(2nd.1話)「帰ってきた男! ~福笑いキング殺人事件」の「裏ネタ編」の4回目の増補となる今回は、冒頭の零ちゃんと五代さんのファースト・コンタクトの所に出てきた事柄から、五代さんがこれを着ていたということから「羽織」について、「袴」について、これをしていたと言うことから「凧揚げ」について、口にしていた「熱血」について、零ちゃんに対してこういった「七五三」について記します。
また、この物語について過去に記した記事(BS-i(当時)の再放送時に記した[改訂版])は「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての過去に記した裏ネタ編は2008/3/16日付です。)
「羽織」:和服の一つであって、着物の上に着る短衣である。防寒のため、または礼装のために用いられるものである。
歴史は古く、室町時代の後期に登場して、広く用いられたものである。但し、当時は武家階級では正式には使用していなかった。安土桃山時代を経て、江戸時代も同様に用いられたが、あくまでも上級武家は使用していなかった。
尚、紋付きの羽織と袴をセットにして用いるのが男子の正式な正装になったのは明治になってからである。また、女性も着ることがあるが、正装ではなく、あくまでも私服の一つという位置づけである。
英語では以前は「Japanese Half-Length Coat」と言って、それがどういうものなのかを説明する言い方がされていたが、「Haori Coat」と言うようになり、最近では単に「Haori」と言うようになった。また、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語などでは「Haori」と言い、殆どの言語で日本語をローマ字にした形で呼ばれている。尚、中国語では「短外罩」と言う。
「袴」:和服の一つであって、和装に於いて腰より下の部分を覆うようにして着用する衣服である。着物の上から履くものであって、左右に分かれた筒状の中にそれぞれの足を通し、腰の部分にある紐を結ぶことで着用する。
歴史は古く、弥生時代にその原型となるものが生まれている。(但し、当時は腰の部分に直接着る下着であった。)そして、それが時代に応じて変化していき、更に改良が加わっていった。平安時代には下着ではなく、現在の袴と同様の着用するものとして定着した。そして江戸時代になってからは大きく発展し、男子の正式な礼装とされた。
一方、女性用の袴は平安時代の女房装束が頂点となって発展してきたが、その歴史は一旦終わることになり、明治になるまでは忘れられた存在となっていた。明治になって女学生が袴を着用したことから、女性用の袴が復権して、女子袴として、成人式や女子大生の卒業式での礼服として定着することになった。
また、神社では巫女が着用しており、武道の世界でも弓道では着用されているが、これらは女性用として発展したのではなく、古い時代の巫女の衣装がそのまま受け継がれたものである。(ある意味では、昔の袴の姿を最も受け継いでいると言っても良い袴である。)
尚、英語をはじめ、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語では「Hakama」と言い、日本語をローマ字にした形で呼ばれている。また、中国語では「和服裙子」と言う。
「凧揚げ」:正月の子供の遊びの一つであって、凧を揚げる遊びのことである。尚、正月の子供の遊びとしては、女子の羽付き、男子の凧揚げと独楽回しが余りにも有名である。
「凧」は細い木や竹を骨として、それに紙や布(現在ではビニールを用いたものもある)を貼り、糸を結んだものであり、風力を利用して揚力が得られる構造になったものである。で、風の力を利用して空中に揚げて遊ぶ玩具である。
近年では、凧揚げで遊んでいる子供たちの姿というものをあまり見かけなくなったが、これはゲーム機器の普及などによって子供の遊びが変化しているということと、凧揚げには邪魔になる電線などの無い広い場所が必要となるが、そういう場所が無くなっているということも原因の一つとされている。かつては、「凧揚げは電線のない広い場所で」とか「凧が電線に引っかかったら電力会社にご連絡ください」というCMが当たり前であったが、近年ではこういうCMは全く見なくなりました。
尚、俳句の世界では「凧」は春の季語であるが「凧揚げ」は正月の遊びであるため、「新年(正月)」の季語である。(「春」の季語ではない。)
英語では「Kite-Flying」、ドイツ語では「Drachen-Flieger」、フランス語では「Cerf-Volant-Aviateur」、イタリア語では「Aquilone-Volantino」、スペイン語では「Cometa-Aviador」、ポルトガル語では「Pipa-Flier」、中国語では「放風箏」と言う。
「熱血」:熱い血潮のこと、血が沸き立つような激しい意気のことである。特に、青春ドラマではよくある題材になっていて、熱血の主人公の物語というものが多い。(熱血の主人公は、学生の場合も教師の場合もある。→五代さんこと山下真司主演の「スクール☆ウォーズ」は熱血教師が主人公の青春ドラマであり、'80年代を代表する作品である。)
英語では「Fiery spirit」、ドイツ語では「Feuriger Eifer」、フランス語では「Zèle ardent」、イタリア語では「Zelo ardente」、スペイン語では「Celo ardiente」、ポルトガル語では「Zelo ígneo」、中国語では「熱血」と言う。
「七五三」:日本に伝わる子供の祝儀である。現在は11/15に、3歳、5歳、7歳の子供の成長を祝う行事として、神社にお参りをする行事として定着している。
尚、男子は3歳と5歳、女子は3歳と7歳の子供を祝う行事であり、現在は満年齢の該当する子供たちを祝うものとなっているが、以前は満年齢ではなくて数え年で行われていた。尚、男子の3歳は行わない地方もある。
歴史は江戸時代前期の天和元年(1681年)の11/15に館林城主の徳川徳松の健康を祈って始まったとされている節が有力となっているが、はっきりとしたことは不明である。ただ、一般的な行事として定着したのは明治以降のことである。
七五三が「3歳、5歳、7歳」の子供を祝うのは、いくつかの説がある。最も語られているのは、いずれもが昔からの儀礼の名残という説がある。→3歳は髪を伸ばす「髪置(かみおき)」という儀礼(男女ともに、3歳になると髪の毛を伸ばし始めるが、それを祝う儀礼である。)があり、5歳は男子が幼年期から少年期への移り始めの儀礼であって、初めて袴をつける「袴着(はかまぎ)」という儀礼があり、7歳は女子がそれまでの紐付きの着物に代わって初めて帯を用いることを祝う儀礼である「帯解(おびとき)」がある。(男子の帯解は5歳である。)
また、元々は奇数である「1」「3」「5」「7」「9」がめでたい数字とされていて、その5つのめでたい数字の中から3つを取って子供の祝の日にしたという説もある。→1歳が選ばれなかったのは、当時は数え年で年令を数えたが、数え年1歳の子供というと、その年に生まれた子供ということになり、11/16以降に生まれた子供は祝って貰えない(生まれた時が1歳で、正月になると1歳増えるため、11/16以降に生まれた子供は、1歳で迎える11/15という日がないということになる。)ということになるため外され、9歳は現在では子供ではあるが、当時は既に子供ではなく、少年として、または大人として扱われる年令でもあったため、子供の祝い事を行うような年令ではないとして、外されたとされている。(よって、すんなりと3歳、5歳、7歳が残ったとされている。)
七五三では、子供たちが(初めて)晴れ着を着ることになるが、晴れ着を初めて着るということで、それがまだ借り物のようであって馴染んでいないということから、着物姿が似合っていないことを揶揄することで「七五三」と呼ばれることがあるが、この物語での五代さんは、正にこの意味で零ちゃんのことを子供扱いして貶していました。
尚、英語をはじめ、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語では「Shichi-Go-San」と言い、日本語をローマ字にした形で呼ばれている。また、中国語では「七五三」と言う。
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