「VOLAVERUNT」 [映画(洋画)]
表題の作品は1999年のフランスとスペインの合作映画「裸のマハ」である。日本での劇場公開は2002年5月であった。「裸のマハ」とは、説明の必要はないであろうが、ゴヤによる有名な絵画である。そのモデルが誰か?ということに関しては、現在では2つの説がある。そういう所を考慮して、絵画「裸のマハ」をめぐる女性たちの愛憎と葛藤を描いたサスペンス・ドラマである。
作品データを記しておくと、時間は95分、原作はアントニオ・ラレッタ、監督はビガス・ルナ、脚本はビガス・ルナとキュカ・カナルスの2人、撮影はパコ・フェメニア、美術はルイス・ヴァレス・コルド、音楽はアルベルト・ガルシア・デメストレスである。そして出演は、アイタナ・サンチェス・ギヨン、ペネロペ・クルス、ホルヘ・ペルゴリア、ジョルディ・モリャ、ステファニア・サンドレッリ、カルロス・ラ・ローサ、ゾエ・ベリアトゥア、ジャン・マリー・ホアン、オリヴィエ・アシャール、エンパル・フェレール、エンリケ・ヴィリレン、マリア・アロンソ、カルロス・バルデム、アルベルト・デメストレス、フェルミ・レイクサッチ、アヤンタ・バリッリ、エンリケ・レイエス、アルヴァロ・ロボ、ヴィルジニア・チャヴァッリ、たちである。
時は1802年。スペイン宮廷では王妃・マリア・ルイーサが絶大な権力を握っていた。社交界では、王妃と対立するカイエターナ・アルバ公爵夫人が「社交界の華」として権勢を誇っていた。宰相・マヌエル・デ・ゴドイは宮廷画家のフランシスコ・ゴヤに命じて「裸のマハ」を描かせた。モデルは宰相の愛人・ペピータであったが、完成した絵の顔はアルバ公爵夫人だった。そんな中、カイエターナの屋敷で宴が開かれたが、その翌日にアルバ公爵夫人が急死した。彼女の寝室に駆けつけた宮廷画家のフランシスコ・ゴヤは、水差しグラスに猛毒が含まれていると言われているヴェネローゼ緑の絵具が沈殿しているのを発見した。アルバ公爵夫人は宰相・マヌエル・デ・ゴドイの愛人の一人でもあり、かつ、ゴヤとも親密な関係を結んでいたため、非常に複雑な人間関係があった。アルバ公爵夫人を殺したのは誰なのか。誰にでも動機があり、犯行は可能であっただけに真相は如何に???
名画「裸のマハ」は余りにも有名な作品であるだけに、その背景を描いている作品であるので、注目の作品ということになるが、普通の映画のつもりでは見ない方がよい。時代的なこととして、当時のスペイン王家について、予習しておいてから見るべき作品である。登場人物の背景をしっかりと知っていないと、本作を十分楽しむことが出来ないのが残念なところである。(日本では、近世の欧州では、フランス革命に関係したことはそれなりに知られているが、それ以外の国のことは余り知られていないということでもある。)
歴史の1ページにある事柄を用いている作品は、やはり、その当時のことを(少しは)勉強してから見るべきである、と言うことを改めて教えてくれる作品である。
↓有名すぎる絵画ですね。
ゴヤ「裸のマハ」 プリハード 世界の名画 目安サイズ8号 額縁A
- 出版社/メーカー: 世界の名画
- メディア:
RED RIDER『DON'T FIGHT IT』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1980年に発表された彼らのデビュー・アルバムである。カナダ出身のバンドであり、ブレイクすることが期待されたが、アメリカでは今一つ受け入れられなかったものの、なかなか心地よいロックを聴かせてくれるバンドである。本アルバムはアメリカではBillboardで最高位146位に留まっている。
収録曲は以下の全10曲である。『Don't Fight It』『How's My Little Girl Tonight』『Iron In The Soul』『Make Myself Complete』『Good News』『White Hot』『Talkin' To Myself』『Just The Way It Goes』『Look Out Again』『Avenue 'A'』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。デビュー・シングルでもある『White Hot』はカナダでは最高位20位を記録し、アメリカでもBillboardで最高位48位を記録するまずまずのヒットとなった。続く2nd.シングルの『Don't Fight It』は、カナダでは75位、アメリカでは103位と伸び悩んだ。尚、彼らは1986年以降(解散する1989年まで)はバンド名を「TOM COCHRANE & RED RIDER」に変更している。バンド名変更後はアメリカでのヒットは生まれなかったため、『White Hot』は彼らのアメリカでの最大のヒット曲になった。(カナダではそれなりのヒット曲を発表していて、『White Hot』を上回るヒット曲(カナダでTOP 5入りをするヒットとなった。)も2曲生まれている。)
お薦め曲は、シングルの『White Hot』と『Don't Fight It』、更に『Make Myself Complete』『Good News』『Talkin' To Myself』という所をピックアップしておく。
サウンドはポップなところがあるものの、オーソドックスなロックである。もう少し派手な所が欲しいという気にもなるのだが、オーソドックス過ぎるロックも時には宜しいかと...、ということで、良いんじゃないですか。
尚、彼らは2002年に(オリジナル・メンバーの)5人ではなくて3人で再結成し、現在もスリー・ピース・バンドとして現役である。(但し、再結成後は2002年にアルバムを1枚発表しただけである。)
ケータイ刑事銭形零15話(2nd.2話)[裏ネタ編]PART 4 [ケータイ刑事]
「銭形零」の第15話(2nd.2話)「移動する凶器の謎! ~ダイエットクイーン殺人事件」の「裏ネタ編」の4回目の増補となる今回は、前回の続きで、冒頭の零ちゃんと五代さんのやりとりで出てきた事柄から「徹夜」について、「スーパーコンピュータ」について、「早食い競争」について、「水道水」について、「ケチ」について記します。尚、「徹夜」については「雷・9話[裏ネタ編]PART 4」で、「ケチ」については「泪・20話(2nd.7話)[裏ネタ編]PART 1」で記したものをベースにして、それぞれ加筆しました。
また、この物語について過去に記した記事(BS-i(当時)の再放送時に記した[改訂版])は「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての過去に記した裏ネタ編は2008/3/20日付です。)
「徹夜」:ある作業を行うために、一晩中寝ないでいることをいう。基本的には、ある特定のことを行うために寝ないで行われることであるのだが、夜の間に短時間の休憩を取るということで(短時間の)「仮眠」を取った場合であっても「徹夜」と呼ばれる。
その一方で、不眠症のように寝ようとしても寝ることが出来ず、結果的に一晩中全く寝ることが出来なかった(=徹夜したのと結果的に同じように一晩中起きていた)としても、これは目的がないということで「徹夜」とは言わない。(寝るために、寝ようとしていて、ということは「作業」とは認められず、あくまでも「夜通し起きていた」というだけである。で、この場合は「不眠症」の一つの症状が出た、ということにされるだけである。)
また、途中で仮眠を取った場合の「徹夜」と、仮眠を全く取らずに完全に一晩中起きていた場合の「徹夜」とを区別するために、特に後者の「徹夜」のことを「完徹」と言って区別することもある。
尚、仮眠を途中で取った場合でも「徹夜」ということにされるが、何時まで作業を続けていたら「徹夜」になるのかという明確な線引きはない。但し、一般的には翌朝の夜明け時間まで作業を継続していた場合は「徹夜」とされる傾向が一般的となっている。→例えば、深夜27時(=午前3時)に作業を終了して寝た場合は「徹夜」とは呼ばず、(夏の)夜明け過ぎの深夜29時(=午前5時)まで作業を続けていたら「徹夜」とされる。(冬ではこの時間ではまだ夜明け前であるが、この時も「徹夜」とされる。)→一応、明確な基準は無いが、深夜29時(=午前5時)前後が「徹夜」とされる時間の境のようにっているようですね。(→テレビ局は、現在は午前5時を新しい日の放送開始時刻としている所が多い。)
徹夜を行う場合、本来は寝ている時間までも作業に費やすことになるため、その作業の進捗は通常よりも高まることになるというメリットがある。(あくまでも時間を連続した実時間で見てのことですが...)また、深夜の時間帯であるため、昼間と違って静か(=暗騒音が低い)であるために、勉強などが捗るとされている。しかし、逆に、深夜という時間帯は、本来は睡眠の時間であるため、睡魔との戦いとなるため、作業を行う場合、集中力が落ちる、ミスが増えて逆に非効率的になる、体調を崩しやすい、というデメリットも指摘されている。(生活のリズムを昼夜逆転させていたら、一晩中起きていても「徹夜」とは言わなくなる。)
尚、英語では「Vigil」と言い、「徹夜をする」ことは「Stay up all night」と言う。また、ドイツ語では「Nachtwache」、フランス語では「Veille」、イタリア語とスペイン語では「Vigilia」(但し、発音は異なる。)、ポルトガル語では「Vigília」、中国語では「通宵」と言う。
「スーパーコンピュータ」:略して「スパコン」と呼ぶこともある。非常に高速で演算処理を行うことが出来るコンピュータのことである。当然、その当時は一般のコンピュータ(パソコンやワークステーション)よりも桁違いの高速処理が行えるが、何年もそう言う状態であるものではない。(20年前のスーパーコンピュータと現在のパソコンでは、演算処理ということでは逆転している場合もある。)そのため、時代と共に何処までもスペックアップしていくため、演算速度がある値以上の演算能力を持っているコンピュータのことという定義もある。(ある値とは、時代と共に上昇していくのはいうまでもない。)尚、一般的なコンピュータよりも高速といっても、数倍、数十倍というレベルではなく、一般的には1000倍以上というのが目安になっている。
高速処理を行うのは、膨大に量の計算処理を行うのが目的であり、それを実現するために大規模なハードウェアを有している。プロセッサーを並列に接続したというのも、より多くの演算を行うためであり、この考えは現在の(パソコン用)プロセッサーでも常識になっている。これを考えると、スーパーコンピュータの高速処理は将来のパソコンの姿の一例ということにもなる。(但し、物理的なサイズを無視しているので、そのままという訳ではない。)
高速演算が必要なのは、シミュレーションなどのように膨大な量の演算を行う処理に対応するためである。特に、有限要素法や境界要素法では、精度を上げるためにより細かく要素を設定することで、より多くの計算が必要になる。これらはスーパーコンピュータがあってこそのものでもある。
ちなみに、航空、宇宙、天文、気象学の世界ではスーパーコンピュータを用いたシミュレーションはもはや無くてはならないレベルに達している。(それでも、中には経産次官だけでも数ヶ月もかかるというものもある。)
英語、イタリア語では「Supercomputer」、ドイツ語では「Supercomputer」または「Super Computer」(2つの単語)、フランス語では「Superordinateur」、スペイン語では「Supercomputadora」、ポルトガル語では「Supercomputador」、中国語では「超級計算機」と言う。
「早食い競争」:「早食い」とは、食物を早く食べることを言う。但し、どの程度の速さで食べたら「早食い」と言うのかという明確な基準はない。一般的には、食べ物を味わわずに、あまり噛むことをしないで流し込むように食べるといった「食事時間」を短縮した食べ方のことを言う。→戦国時代の武士や軍隊では短時間で食事を終えた方が効率的であるため、推奨された食べ方であり、それが現在にも受け継がれているものと言うことが出来る。しかし、現在では、早く食べることで十分に噛んでいないため、消化するのに胃腸に負担が掛かり、消化器疾患の原因になると指摘されていて、早食いは良くない、とされている。また、あまり噛まずに呑み込むことが多ため、喉に詰まらせてしまう(酷い場合は、窒息死して了うことになる。)という事故が発生することもあって、危険があるということも指摘されている。
一方、「早食い競争」は、イベントとして行われるものであって、特定の食べ物を早く食べた人が勝つ、というものである。(一般的には、普通の量ではなく、大量に食べるということで、「早食い」と「大食い」とが一緒になったものが一般的になっている。→例えば「わんこそば」や「ホットドッグ」などの早食い大会(大食い大会)が広く知られている。)
英語では「Fast Eating Contest」、ドイツ語では「Wettbewerbsfähiges Essen」、フランス語では「Manger Compétitif」、イタリア語では「Mangiando Competitivo」、スペイン語では「Competidor Comiendo」、ポルトガル語では「Comendo Competitivo」、中国語では「快食競爭」と言う。
「水道水」:水道(上水道)の水のことである。蛇口を捻ると出てくる普通の水のことである。日本では一部地域を除くと、基本的に地方自治体(市町村)が独立採算制で運営している水道事業で供給される水ということになる。尚、世界でも殆どのところで水道事業は公共団体が運営しているが、イギリスやフランス、オランダでは、水道事業は民間企業が中心になって行われている国もある。(欧州では一般的であるが、それ以外では民営化は行われていない。)
一言で「水道水」と言っても、事業者によって水源が異なり、また浄水処理にも違いがあるため、水道水の味は異なっている。(湖や河川の水が一般的であるが、地下水を利用している所もある。)が、基本的に飲用するために供給されている水であり、基本的な水ということになる。
英語では「Tap Water」、ドイツ語では「Stadtwasser」、フランス語では「Eau de ville」、イタリア語では「Acqua urbana」、スペイン語では「Agua de la ciudad」、ポルトガル語では「Água de cidade」、中国語では「自来水」と言う。
「ケチ」:金品を必要以上に惜しむこと、しみったれなこと、しぶちんなこと、吝嗇なこと、またはそのような人のことを指して言う言葉である。(それ以外にも「しみったれ」「しぶきち」「けちんぼ」「にぎり」「しびたがれ」というような言い方もある。(これらは方言ですけど...))
一般的には上記の意味であるが、それ以外にも「縁起が悪いこと」「不吉の前兆」「不景気」「みすぼらしい様子」「くだらないこと」という意味がある。(「けちな道具を自慢する」という場合の「けち」は「みすぼらしい」という意味である。また、「世の中がケチ」と言うと現在のような不景気な状況のことを言う。)
ある程度、物に対して惜しむという気持ちがあることは大事なことであるが、何事にも限度というものがある。「ケチ」というのは必要以上に惜しむということであるため、これも「限度を超えたもの」の一つということになる。
英語では「Stinginess」、ドイツ語では「Geiz」、フランス語では「Avarice」、イタリア語では「Avarizia」、スペイン語では「Tacañería」、ポルトガル語では「Mesquinhez」、中国語では「吝嗇」と言う。
「第3の科学」―コンピュータ・シミュレーションが拓く産業の明日―
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専用計算機によるシミュレーション―デスクトップ・スーパーコンピュータ入門
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水道水にまつわる怪しい人々―夢の浄水器が教えてくれた生命のこと
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どケチ人生の勧め―ケチは経済の知恵 (対話講座・なにわ塾叢書)
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