「女賭博師」(その10) [映画(邦画)]
今回は、4本製作された1969年の作品群の中から、残っている2本(シリーズ第14作と第15作)について記します。尚、第14作は1969年8月に、第15作は同年11月に劇場公開されている。
シリーズ第14作「女賭博師丁半旅」
作品データを記しておくと、1969年の大映作品であって、時間は84分、原案は安本莞二、監督は井上芳夫、脚本は堺武彦、撮影は小林節雄、美術は山口煕、音楽は鏑木創である。そして出演は、江波杏子、藤巻潤、佐藤允、内田朝雄、鈴木瑞穂、久保菜穂子、草薙幸二郎、山岸映子、佐藤正三郎、三夏伸、北城寿太郎、藤山浩二、花布辰男、金内吉男、谷謙一、豪健司、九段五郎、井上大吾、荒木康夫、中原健、佐伯勇、甲斐弘子、目黒幸子、森田健二、志保京助、たちである。
久しぶりに父に会うために上京した大滝銀子。が、父・辰吉は死んだと言うことだった。「木ツボの辰吉」という異名を持った辰吉はツボ振りの名人であったが、奈良井の虎三との名人戦に敗れた翌朝に、川に浮かんでいたというのだった。警察は自殺として処理したが、辰吉の一番弟子・鉄五郎は、師匠の気性から考えて自殺はあり得ない、と銀子に語り、形見の木ツボを銀子に渡した。銀子は、父の無念を晴らす決心をして、鉄五郎に指導を受けて、日本一のツボ振りになるために修業を開始した。激しい修業、厳しい指導、父の血筋もあって、銀子は一流の女ツボ師となる。が、日々修業ということで、鉄五郎と共に、賭場から賭場と渡り歩き、更に腕を磨いていた。そんなある夜、賭場で鉄五郎に声を掛けた男がいた。それは鉄五郎の兄弟弟子の矢ノ上だった。銀子は更に腕を上げ、「昇り竜のお銀」として名前が通るようになった。東京に戻った銀子に虎三の抱え主である横尾から呼出しがかかり、単身で乗込んだ銀子だったが、虎三のイカサマにひっかかって窮地に陥った。が、鉄五郎が現れて助けられる。しかし鉄五郎は利き腕を潰されてしまい、名人戦に出られなくなってしまった。で、銀子が鉄五郎に代わって名人戦に出ることになった。銀子は相手を次々と破っていき、名人位挑戦者の座を得た。が、鉄五郎が発作で倒れてしまった。そんな銀子に矢ノ上が援助した。入院した鉄五郎だったが、病院を抜け出して橫尾たちのイカサマの証拠を掴み、更に辰吉殺しの確証も得た。しかし、橫尾の手下に襲われ、瀕死の重傷を負った。何とか銀子の元に戻った鉄五郎だったが、銀子に、辰吉殺しは橫尾ということを告と死んでしまった。銀子は、父の仇と恩師・鉄五郎の仇を取るために、父の形見の木ツボを手にして、名人戦会場へ向った。
お馴染みのパターンで進んで行く物語であって、お馴染みのパターン通りの物語である。ただひれだけという一本でした。
シリーズ第15作「女賭博師花の切り札」
作品データを記しておくと、1969年の大映作品であって、時間は85分、監督は井上芳夫、脚本は石松愛弘、撮影は中川芳久、美術は間野重雄、音楽は鏑木創である。そして出演は、江波杏子、天知茂、津川雅彦、船越英二、成田三樹夫、稲垣美穂子、佐々木孝丸、土方弘、早川雄三、大川修、三夏伸、藤山浩二、須賀不二男、谷謙一、中田勉、青天目守、佐伯勇、松村若代、塩屋翼、岩間斉、豪健司、井上大吾、伊達正、中原健、佐藤慎也、森一夫、森田健二、飛田喜佐夫、渡辺史郎、藤井竜史、荒木康夫、花布洋、篠田三郎、たちである。
三田村一家の命運を背負って勝負した大滝銀子だったが、浅造に敗れた。これによって三田村一家は稼業を捨てることになり、銀子と、銀子の師匠・政吉は修行の旅に出て、賭場を渡り歩くことになった。そんな旅先でのある夜、銀子は3人組にテラ銭を盗まれた。その事件の後に、銀子の部屋に一味の一人が押し入って来て、覆面を取った。その男は銀子の知っている顔であって、三田村一家の代貸・矢頭だった。矢頭は、三田村が自殺したこと、三田村の妻・伸代は浅間温泉で働きながら息子を育てていること、を語った。また、親分の三回忌法要のための金を集めるため、矢頭たちが賭場荒しをしていることも知った。それから少しして、矢頭たちは山金一家の賭場に現われた。が、胴師・浅造によって捕えられ、りンチを受けた。苦悩する銀子は、浅造に、3人の命と自分の利き腕をかけた勝負を挑んだ。そしてこの勝負は何とか勝って、矢頭たちを救った銀子だった。三田村の三回忌が近づく中、花火の爆発事故で勇を助けようとた政吉は鼓膜をやられてしまい、テラ銭二割を条件に銀子を兼松に売った。一方兼松は浅造を排してイカサマの半次を起用した。銀子はハンディを負いながらも賭場で神業と呼べる技を繰り出して、勝負に勝った。
こちらも本シリーズでお馴染みのパターンの物語である。まあ、可もなく不可もなしと言ったところでした。
本シリーズには2つのパターンがある。1つは銀子の父が登場し、父の仇を取ろうとするものである。そしてもう1つは、銀子の父は登場せず、銀子の師匠に何かが起こり、その仇をというものである。(その2つのパターンの組合せもあるが、基本は2つのパターンである。)今回の2本は本シリーズの基本パターンである2つを味わうことが出来る2本ということで、これはこれで宜しいかと...(ただ、本数も10本を越えているだけに、飽きてきたということにもなってきましたが...)
↓ビデオですが...
- 出版社/メーカー: 大映
- メディア: VHS
シリーズの他の作品をいくつか
ROBERT PLANT『PICTURES AT ELEVEN』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1982年に発表された彼の1st.ソロ・アルバムである。言うまでもなく、彼はLED ZEPPELINのボーカリストであるが、ZEPPELIN解散後にソロに転向してヒットを飛ばしていくことになるが、その第一歩となった記念すべきアルバムである。イギリスでは2位、アメリカでは5位を記録している。(尚、Billboardでは最高位5位であるが、年間アルバム・チャートのTOP 100にはランクインしていない。→大きなシングル・ヒットが無かったためですかね...?)
収録曲は以下の全10曲である。『Burning Down One Side』『Moonlight In Samosa』『Pledge Pin』『Slow Dancer』『Worse Than Detroit』『Fat Lip』『Like I've Never Been Gone』『Mystery Title』『Far Post』『Like I've Never Been Gone』。
この中からシングル・カットされたのは4曲である。1st.シングルの『Burning Down One Side』はイギリスでは73位、アメリカでは64位を記録している。2nd.シングルは『Worse Than Detroit』は大きなヒットとならず、3rd.シングルの『Pledge Pin』はBillboardで最高位74位、4th.シングルの『Slow Dancer』もチャートインしていない。
お薦め曲としてはシングル曲の『Burning Down One Side』『Pledge Pin』『Slow Dancer』をピックアップしておく。
サウンドの方はZEPPELINの延長線上にあるものである。(ボーカルが彼であるため、ちょっとだけ聴いただけだと、ZEPPELINのニュー・アルバムのような錯覚に陥る。但し、少し聴くと、ZEPPELINの冴えが感じられないことから、違うと気づきますが...)
とはいうものの、PHIL COLLINSとCOZY POWELLが参加している(但し、この2人の共演はなし)など、参加ミュージシャンの豪華な所や、彼のシャウトは健在であるため、聴いておいても損のないアルバムである。
ケータイ刑事銭形零16話(2nd.3話)[裏ネタ編]PART 5 [ケータイ刑事]
「銭形零」の第16話(2nd.3話)「時限爆弾装置の解除キーを探せ!? ~銭形零探偵団VS怪人六面相事件」の「裏ネタ編」の4回目の増補となる今回は、劇中で名前が出てきた学校にある特別教室から、「理科室」について、「放送室」について、「家庭科教室」について、「音楽室」について、特別教室では無いが出てきた「給食室」について、そしてここで色々とやりとりのあった「廊下」についてと「階段」について記します。
また、この物語について過去に記した記事(BS-i(当時)の再放送時に記した[改訂版])は「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての過去に記した裏ネタ編は2008/3/23付です。)
「理科室」:学校にある特別教室の一つであって、理科の授業に適した設備が整っている教室のことである。理科では物理、化学、生物、地学などの実験を行うことがあるため、そのような各種実験を行い易いような設備が整えられている。また、その実験に使う道具や薬品など、または標本などが備え付けられていたり、それらを保管している教室(「理科準備室」と呼ばれることもある。)もある。
「理科教室」「実験教室」(化学実験教室(化学教室)、物理実験教室(物理教室)、生物実験教室(生物教室)、地学実験教室(地学教室)のようにそれぞれ独立している場合もある。)と呼ばれることもある。
尚、理科準備室と標本というと、人体の骨格標本はその代表的なものであって、学校によっては何らか(主に怪談に繋がるものが多いですが...)の言い伝えがあったり、学校の七不思議の一つとして語り継がれているような学校も珍しくない。
小学校では細分化されていることは少ないが、中学校や高校になると化学、物理、生物の実験室は独立していることが多くなっている傾向がある。
英語では「Science Room」、ドイツ語では「Wissenschaftszimmer」、フランス語では「Pièce de la Science」、イタリア語では「Stanza di Scienza」、スペイン語では「Cuarto de la Ciencia」、ポルトガル語では「Quarto de Ciência」、中国語では「理科室」と言う。
「放送室」:校内に放送を行うための設備が整った部屋のことである。アナウンスだけであれば、特に大きな設備は不要であって、職員室の片隅などに装置を設置していれば済むのだが、放送室の場合はラジオ局と同等、またはそれに準ずる設備が整っていて、話者が話して収録するスタジオと、音楽を流したり、編集することが可能な副調整室の設備を有する所からなる。(スタジオでは生放送も可能であり、また収録することも可能である。)
また、中学校や高校では、放送部が部室(の一部)として使用していることも珍しくない。
英語では「Broadcasting room」または「Studio」、ドイツ語、フランス語、イタリア語では「Studio」、スペイン語では「Estudio」、ポルトガル語では「Estúdio」、中国語では「廣播室」と言う。
「家庭科教室」:学校にある特別教室の一つであって、家庭科の授業に適した設備が整っている教室のことである。尚、家庭科では被服関係の授業と料理関係の授業があるが、これらは必要な設備が異なることから、被服関係の教室と料理関係の教室の2つがあったり、1つの教室で異なる設備が整えられている場合とがある。(被服関係ではミシンなどが用意されることになり、料理関係では調理設備が用意されることになる。)
「家庭教室」と呼ばれることもあり、「被服教室」「料理教室」または「調理実習教室」というようにそれぞれ独立している場合もある。(高校では独立しているのが一般的になる。)
英語では「Home Economics Room」、ドイツ語では「Hauswirtschaften Wohnen」、フランス語では「Pièce de l'économie Domestique」、イタリア語では「Stanza di Economie di Casa」、スペイン語では「Cuarto de Economía de Casa」、ポルトガル語では「Economia Doméstica se Alojam」、中国語では「家庭科室」と言う。
「音楽室」:学校にある特別教室の一つであって、音楽の授業に適した設備が整えられている教室である。基本的には、合唱のために舞台があって、そこに生徒が並んで、みんなで合唱できるようになっていたり、(教師用の)ピアノやオルガンなどが設置されていたり、音楽鑑賞出来るようにステレオが設置されていたりしている。また、大きな音を出すことがあるため、防音構造になっている学校が殆どである。(学校によっては、生徒の席の方もオルガンなどが用意されている場合もある。→音楽大学ではそれが当たり前となっている楽器室と、舞台のある教室とがそれぞれ独立しているのが一般的になっている。)
「音楽教室」「合唱教室」などと呼ばれることもある。また、音楽鑑賞を行う場合は「視聴覚教室」という別の特別教室で行われる場合もあったり、音楽室に視聴覚設備が用意されている場合とがある。(前者はともかく、後者の場合は防音設備が整っているのが一般的になっている。)
英語では「Music Room」、ドイツ語では「Musikzimmer」、フランス語では「Pièce de la Musique」、イタリア語では「Stanza di Musica」、スペイン語では「Cuarto de Música」、ポルトガル語では「Quarto de Música」、中国語では「音樂室」と言う。
「給食室」:児童、生徒(および教師)に提供する給食を調理する場所のことである。早い話、学校の厨房ということになる。最近では、効率化のために各学校に給食室(調理室)を設けずに、給食センターと呼ばれる大規模厨房で複数の学校用給食を調理して、それを各学校には輸送するという所も増えている。(「給食センター方式」と言う。)但し、この方式の場合でも、各学校には給食の供給のための中継場所は存在することになり、その場所を「給食室」と呼ぶ場合もある。(学校によっては、おかずや飲料(牛乳)は給食センターからの供給として、ご飯だけは自校で炊く、ということをしている学校もある。)
この物語に登場した青葉台学園初等部は、給食センターを利用しているということで、給食室は無い、と校長先生が言っていましたね。
また、給食は各クラスの教室で食べるのが一般的であるが、欧米の学校や日本でも一部の学校では、給食を食べるための専用の部屋(食堂と言っても良い。)が用意されていて、そちらで給食を食べるという学校もある。そういう学校では、その給食を食べる部屋(=食堂)のことを「給食室」と呼ぶこともある。(「給食ルーム」と言ったり、「食堂」と言うこともある。)→「給食室」と言っても、その形は全く違ったものが存在することになる。
英語では「Lunch Cookhouse」、ドイツ語では「Mittagessen Cookhouse」、フランス語では「Cookhouse du Déjeuner」、イタリア語では「Cookhouse di Pranzo」、スペイン語では「Cookhouse del Almuerzo」、ポルトガル語では「Cookhouse de Almoço」、中国語では「供給飲食室」と言う。
「廊下」:建物の内部、及び外部にある(細い)通路のことであって、その建物の中にある部屋と部屋を繋いでいるものである。また、建物と建物を繋いでいることもあって、この場合は「渡り廊下」と呼ばれている。
個人の住宅であれば、廊下が存在せず、部屋と部屋とが直接繋がっているという場合(特に、和室同士が襖だけで仕切られていて、奥の部屋に行くには手前の部屋を通らなければならないという間取り)もあるが、廊下があれば、他の部屋を通らずに直接目的の部屋に出入りすることが可能になる。(当然のことながら、部屋以外のスペースということになるため、間取りによっては部屋が狭くなることもある。)最近の日本の住宅では、昔ながらの日本式の住宅ではなく、西欧式の間取りの住宅が一般的になっていて、廊下を設けて、他の部屋を通らずに直接各部屋に出入りできるような間取りが当たり前になっている。
尚、マンションやアパートでは、「共用部分」と呼ばれることもあるが、構造的に各部屋(の玄関)に繋がっている「廊下」が存在していることになる。
英語では「Corridor」、ドイツ語では「Korridor」、フランス語では「Couloir」、イタリア語では「Corridoio」、スペイン語、ポルトガル語では「Corredor」(但し、発音は異なる。)、中国語では「走廊」、韓国語では「ポット」と言う。
尚、登山用語で「廊下」と言うと、渓谷の中で両岸の岩壁が高くそそり立った場所のことを言う。(見た感じが細い通路のようになっているためである。)
「階段」:段差のある場所を繋ぐために設けられた建造物であって、人が歩いて昇降できる程度の高さ(10cm~25cm程度というのが基本であるが、近年では一段が20cmというのが一般的になっている。)の差のある段を連続して設けて、その段の連続によって高低差のある場所を繋いでいる廊下である。
尚、各段の間の高さのことを「蹴上げ」と言い、水平な段の部分を「踏面」、ある程度の幅のある段のことを「踊場」と言う。
階段には、直線で進んでいくもの、途中で折れ曲がった直線で進んでいくもの、円を描きながら進んで行くものがある。(特に円形で高低差の移動を行う階段のことを「螺旋階段」と言う。)
使用される素材は基本的にその建造物と同じ素材であるのが一般的であって、戸建て住宅では木製、ビルやマンションではコンクリート製、または金属製、屋外にあるものではコンクリート製、または石製、木製のものなどがある。(石製のものを特に「石段」と言う。)
英語では「Stairs」、ドイツ語では「Treppe」、フランス語では「Escalier」、イタリア語では「Scala」、スペイン語では「Escalones」、ポルトガル語では「Degraus」、中国語では「台階」と言う。
中廊下の住宅―明治大正昭和の暮らしを間取りに読む (住まい学大系)
- 作者: 青木 正夫
- 出版社/メーカー: 住まいの図書館出版局
- 発売日: 2009/03
- メディア: 単行本
階段設計マニュアル 最高の階段をデザインする方法 (エクスナレッジムック)
- 作者: 前田 篤伸 増田奏 田辺雄之
- 出版社/メーカー: エクスナレッジ
- 発売日: 2010/11/29
- メディア: ムック
動線の美学―階段・手摺・通路 (村野藤吾のデザイン・エッセンス)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 建築資料研究社
- 発売日: 2000/05
- メディア: 単行本