SSブログ

STABILIZERS『TYRANNY』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1986年に発表された彼らの最初で最後のアルバムである。(但し、バンド活動は1981年に結成、1991年に解散ということで、アルバム1枚だけというのが信じられないキャリアを有しているバンドである。)ポップなサウンドを聴かせるデュオである彼らであるが、そのサウンドの方は2人とは思えない凝ったものであり、4トラック・レコーダーを駆使した独特の音作りが特徴であった。(現在ならばコンピュータ利用で色々と出来るが、MTRの普及も進んでいなかった当時としたら、先進的なことをやっていたことになる。)ただ、特に大きなヒットを生むことはなかった。

収録曲は以下の全9曲である。『Tyranny』『(If I) Found Rome』『I Don't Need The Pain』『Now I Hear You』『One Simple Thing』『Underground』『Does Your Love Lie Open?』『A Place To Hide』『You Pull Me Down』。

この中からシングル・カットされたのは2曲である。1st.シングルの『One Simple Thing』はBillboardで最高位93位を記録し、メインストリーム・ロック・チャートでは21位を記録している。(が、彼らの唯一のヒット曲と呼ぶことの出来る曲となった。)また、2nd.シングルとしては、アルバム・タイトル・ナンバーでもある『Tyranny』がリリースされたが、特にヒットすることはなかった。

お薦め曲としては、シングルの『One Simple Thing』、アルバム・タイトル・ナンバーの『Tyranny』、そして『I Don't Need The Pain』『Now I Hear You』『Underground』という所をピックアップしておく。

サウンドの方は、'80's初頭のUKロック(第二次ブリティッシュ・インヴェージョンの波に乗って登場したグループのもの)に近いものである。ということで、ユニークな所も受け継いでいるのだが、本アルバム発表時には、陳腐化してしまったサウンドであったことが残念な所である。

しかし、'80's初頭のサウンドに親しんだ方であれば、特に違和感なく入っていくことが出来るものでもある。ということで、時期的な遅れもあって大したヒットにならなかったが、当時から随分と時間が流れた現在では、'80's初期のサウンドに色々と見られた面白さを持ったサウンドでもあるため、時間軸のズレも忘れた楽しむことが出来るものになっている。

'80'sの初期サウンドがお好きな方にとっては、正に隠れていた存在であるが、耳を傾けてみるのも宜しいかと...

 

Tyranny

Tyranny

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

「WILD SIDE」 [映画(洋画)]

表題の作品は1996年のアメリカ映画「ワイルド・サイド」である。日本での劇場公開は1996年6月であった。政府から大金を奪う計画の裏で、男女4人のドラマが絡み合ったサスペンスである。

作品データを記しておくと、時間は96分、監督はフランクリン・ブラウナー、脚本はチャイナ・コンとドナルド・キャメルの2人、撮影はショーン・ムタレヴィック、音楽はジョン・ハッセルである。そして出演は、クリストファー・ウォーケン、ジョアン・チェン、スティーヴン・バウアー、アン・ヘッシュ、ルイス・アークエット、アレン・ガーフィールド、アダム・ノヴァク、たちである。

ロスの銀行の海外部に勤めるアレックスは、「ジョハンナ」という名前を使って会社に無断で夜にコールガールのアルバイトをしていた。そんなある夜、彼女は金融業界の大物で「ミスター13%」と呼ばれているブルーノ・バッキンガムと出会った。出ルーのはアレックスが為替ルートに詳しいことに興味を持ち、運転手のトニーを使ってアレックスの様子を探らせることにした。早速トニーはアレックスの家にやってきた。そしてアレックスを強姦すると、自分は覆面捜査官であり、秘密捜査の協力を強要した。翌日。アレックスの銀行に美しい中国人女性・ヴァージニアがやってきて、ダミーで使う口座を開設した。ヴァージニアはブルーノの元妻で、税金対策のために離婚していたが、それは偽装であって、ブルーノとの関係は続いていた。そんなヴァージニアに惹かれたアレックス。ある日、ブルーノはアレックスに、コンピューター・ウイルスを使って連邦政府準備銀行から巨額の金を奪う計画を打ち明け、協力させる。アレックスはヴァージニアに、ブルーノが自分を愛人にして、ヴァージニアを捨てようとしていると告げ、一緒にメキシコに逃げる話を持ちかけた。が、ヴァージニアは自殺を図る。アレックスは次の計画として、ブルーノとトニーとの関係を断とうとして、2人を鉢合わせさせた。部下の裏切りに怒り狂ったブルーノはトニーを殺そうとする。そんな所に一命を取り留めたヴァージニアが姿を見せた。トニーは忠誠を誓って何とか逃げたが、置き忘れていったスーツケースに盗聴用のマイクがあったことで、ブルーノはトニーを始末することを決めた。アレックスはブルーノと別れて家に帰るが、トニーがア酔われて襲ってきた。そんな所にブルーノがやってきて、トニーを射殺して逃走した。逃亡する飛行機で、ブルーノの前にトニーノ上司が現れ、ブルーノの命運も潰えた。その頃アレックスとヴァージニアは、メキシコ行きのバスの中にいた。

現代風のネタを使っている物語であるが、サスペンスとしては今一つ盛り上がりに欠けている。アン・ヘッシュのイメージやJ・チェンのミステリアスな雰囲気など、キャスティングの方は悪くない。が、ストーリー展開の歯切れの悪さが重ね重ね残念な所である。

で、タイトルのこともあって本作はアダルト作品と思われているということもあるのか、ソフトということでは虐げられている。と言っても、1回見れば十分な作品であるので、セル用のDVDは不要ですね。(レンタル用DVDで十分です。)

 

↓輸入版(ビデオ)です。

Wild Side [VHS] [Import]

Wild Side [VHS] [Import]

  • 出版社/メーカー: Hallmark Home Entertainment
  • メディア: VHS

Wild Side [VHS] [Import]

Wild Side [VHS] [Import]

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: VHS
↓リージョン・フリーの輸入版DVD

Wild Side [DVD] [Import]

  • 出版社/メーカー: Tartan
  • メディア: DVD

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

ケータイ刑事銭形零17話(2nd.4話)[裏ネタ編]PART 5 [ケータイ刑事]

銭形零」の第17話(2nd.4話)「おっちょこちょいなミステイク ~放送事故殺人事件」の「裏ネタ編」の4回目の増補となる今回は、この物語の犯人に関することで、これの落し穴に気づいていたと言っていた「時効」について、これのためにこの姿で出社してきたことから「寝坊」について、「ジャージ」について、この言葉で上司から絞られていたということから「前代未聞」について、「言語道断」について記します。尚、「時効」については「・25話[裏ネタ編]PART 3」で記したものをベースにして加筆しました。

また、この物語について過去に記した記事(BS-i(当時)の再放送時に記した[改訂版])は「ここをクリック」してご覧下さい。(この物語についての過去に記した裏ネタ編は2008/3/27付です。)

時効」:法律用語であって、「事件発生から一定の時間が経過したことを要因として、効力や拘束力が失われること」を言う。難しく記すと上記のようになるが、簡単に言うと、「事件発生からある一定の時間が経過すると、刑事事件の場合は罪に問えなくなること、民事事件であれば主張するよりどころとなる権利が消滅すること」である。つまり、刑事事件の場合は、時効成立後に該当事件の犯人として自首しても、逮捕されることはなく、同時にその罪に問われることはない。一方、民事事件であると、権利を主張できなくなったり、拾得物の場合はその所有権を失うことになる。

「時効」という制度が存在するのは、事件が発生してからある程度の時間が経過すると、目撃者などの証言も時間と共に記憶が薄らいでいき、立証するための証拠が一段と得られなくなり、立件しても有罪とすることがより困難となってしまうためである。よって、ある一定時間の経過ということで線引きを行い、立証がより困難になっていった事件に幕を引くことにするということでもある。またこれは、日々新たに発生する事件の捜査を行う人手を確保するということにもなり、警察内部では合理的な考え方として定着している。(警察では1人の捜査員が1つの事件に専従しているということは殆ど無いですし...)

また、民事では権利の消失ということになるが、これは権利があるのに一定期間(以上)にわたってその権利を維持しようとしたり、行使しようとしなかったのならば、その権利は行使されていないかったのだから保護する必要は無い、という考えである。→要するに、有している権利は永久のものではなく、一定期間しか有効ではないということでもある。

しかし、刑事事件(特に殺人事件)の被害者(遺族)感情はどんなに時間が経過しても決して無くなるものではない。また、刑事事件で指名手配された者は、ある一定期間(=時効までの期間)の間逃げ続ければ、それで罪を問えなくなるというのはおかしい、という意見もある。

一方、民事の時効は、権利消失ということになるが、権利消失は財産権の一部を奪うことになるので、時効制度は違憲である、という意見もあって、時効が成立するまでの期間延長や時効制度の廃止を望む声があるのも事実である。

そういう背景から、2004年に法改正が行われ、2005/1/1以降は、時効が成立するまでの期間が延長された。(それ以前では、殺人罪の場合は15年であったが、25年になった。)しかし、改正後の延長された時効までの期間は、2005/1/1以降に発生した事件に対してであり、2004/12/31までに発生した事件については、改正前の期間が適用されることになった。

しかし、この改正では、施行前の事件に対しては何にも変わらないと言うことが問題視されて、2010/4/27に再び法改正が行われて、「人を死亡させた罪であって死刑に当たる罪」(殺人罪、強盗殺人罪など)に対しては時効がなくなった。また、この法改正は、施行日に時効が成立していない事件の全てに適用されることになったのが特徴であり、時効が成立していない殺人事件(基本的には1995/4/27以後に発生した事件ということになるが、犯人が外国に滞在していたことが確認できた事件であれば1995/4/27以前に発生した事件も該当することになる。)は全て「時効」が無くなった。

現在では、「死刑に該当しない罪」の場合は、時効が成立するが、殺人事件などのように「死刑に該当する罪」は時効が無い。よって、「・2nd.20話」や「・1st.25/26話」のような物語は、殺人事件ではあり得なくなったということで、そのような物語は旧法体系でしかあり得ない物語になってしまった。健在ならともかく、将来的には再放送の際、お断りのテロップが出るようになるとか、欠番扱いになるものもあるかも知れないですね...

ちなみに、「時効」が成立するまでの期間に関しては、刑事訴訟法や民事訴訟法で規定されているので、詳しくはその条文を参照されたし。尚、刑事訴訟法では基本的に時効成立までの期間は長くなる方向に法改正が行われているが、民事訴訟法では逆に短くなったものもある。(遺失物の場合は6ヶ月であったが、3ヶ月に改正された。(起点は遺失物の公告日である。)→落とし物の場合は拾った人の物になるまでの期間が短くなったということである。)よって、落とし物の場合は今まで以上に素早く届け出ないと、気がついたときには三ヶ月を過ぎていて、拾得者の物になっていた、ということもあり得ますよ。

また、海外では、もともと全ての罪に対して時効が存在しない国、全ての罪に対して時効が存在する国、日本と同様に一部の罪(基本的に「殺人罪」の場合)のみ時効が存在する国とがある。(死刑を廃止した国でも時効に対しての考え方は同じであって、多用である。)

また、時効延長は、科学捜査の技術の進歩も関係している。それに関係しているのは、近年のDNA鑑定技術の向上である。最近では、20年、30年以上昔の事件当時の物証から犯人特定が可能な技術水準に達するようになったと言うことが大きい。これによって、30年以上前に発生して迷宮入りしていた事件が現在になって解明され、DNAから犯人が特定出来、犯人検挙となった事件がいくつかある。しかし、その一方で、DNA鑑定技術の向上から、犯人として逮捕されていた人物の犯行ではない、ということが証明されて、それは冤罪だったということが分かった事件もいくつかあるのも事実である。

英語では「Prescription」、ドイツ語では「Vorschrift」、フランス語では「Prescription」、イタリア語では「Prescrizione」、スペイン語では「Prescripción」、ポルトガル語では「Prescrição」、中国語では「時効」と言う。

寝坊」:朝、遅くまで寝ていること、またはそういう癖のある人のことを指して言う。中にはお昼まで寝ているような人もいないでもない。(但し、深夜勤務で未明、若しくは朝になってからようやく寝ることが出来るようになった人は含まれない。)

夜更かしをする人に多いですね。(まあ、就寝時間が遅くなればなるほど起床時間が遅くなるのも当然でありますから...)

英語では「Late Rising」または「Oversleep」、ドイツ語では「Erheben Spät」、フランス語では「Retard Soulèvement」、イタリア語では「Sorgendo Tardi」、スペイン語では「Tarde la Subida」、ポルトガル語では「Tarde Subida」、中国語では「早晨睡懶覺」と言う。

ジャージ」:軽くて伸縮性のあるメリヤス生地のこと、またはその生地を使って仕立てられた衣服のことを言う。伸縮性があるという特徴を活かして、動きやすい衣服として、トレーニングウェアやスポーツのユニフォームに使用される。但し、メリヤス生地の利用は、最初は靴下であり、古代エジプトまで遡る。

近代では16世紀の終わりにイギリスで発明されたものであり、やはり、靴下などに使用された。(ジャージというのはイギリスにあるジャージー島を刺していて、その地で作られた毛糸編物ということがこの名前の由来である。)その後、下着、肌着などにも利用されるようになり、更に、婦人服、子供服、トリーラングウェアなどにも使用されるようになった。

現在では、スポーツウェアのことを特に「ジャージ」と呼ぶ言い方が一般的になっている。(中学校や高校の体育の授業では体操着として定着している。)

英語をはじめ、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、オランダ語では「Jersey」、中国語では「針織衫」と言う。

前代未聞」:これまでに聞いたことのない、前例のないような変わったこと、珍しいことを言う。

この四字熟語は、読む方は比較的簡単であるが、漢字で記す場合、誤字の多い熟語として知られている。(そのため、漢字の筆記試験では定番問題となっている。)よくある誤りとしては「未聞」の部分であって、「見聞」や「未問」というものが多い。→「今だに聞いたことがない」という意味であるから「未」という漢字と「聞」という漢字が使われる。「見聞」では根本的に意味が違ってしまう...

英語では「Unprecedented」、ドイツ語では「Beispiellos」、フランス語では「Précédent」、イタリア語では「Precedenti」、スペイン語では「Inaudito」、ポルトガル語では「Precedente」、中国語では「前所未聞」と言う。

言語道断」:あきれ果てて、言葉も出ないほど酷いこと、もってのほかであることを言う四字熟語である。元々は仏教用語であり、仏法の真理が奥深くて言葉では表現出来ないほど、という意味であった。尚、類句として「沙汰の限り」という言葉がある。

この熟語も漢字で書く場合に誤字の多いものとして知られている。(よくある誤りは「同断」というものである。→「同じもの」という意味になってしまい、「酷い」「もってのほか」と言う意味が無くなってしまう...)

英語では「Unspeakable」、ドイツ語では「Unerhört」、フランス語では「Outrageant」、イタリア語では「oltraggioso」、スペイン語とポルトガル語では「Ultrajante」、中国語では「言語道断」と言う。

 

ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX II

ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX II

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

時効 全訂版― あなたは得する人か?それとも損する人か?

時効 全訂版― あなたは得する人か?それとも損する人か?

  • 作者: 長戸路 政行
  • 出版社/メーカー: 自由国民社
  • 発売日: 2009/08/21
  • メディア: 単行本
時効管理の実務

時効管理の実務

  • 作者: 吉岡 伸一
  • 出版社/メーカー: 金融財政事情研究会
  • 発売日: 2007/08
  • メディア: 単行本
時効廃止論  「未解決」事件の被害者家族たち

時効廃止論 「未解決」事件の被害者家族たち

  • 作者: 毎日新聞社会部
  • 出版社/メーカー: 毎日新聞社
  • 発売日: 2009/05/28
  • メディア: 単行本
時効における理論と解釈

時効における理論と解釈

  • 作者: 金山 直樹
  • 出版社/メーカー: 有斐閣
  • 発売日: 2009/02
  • メディア: 単行本
いざというとき役立つQ&A 時効のすべてがわかる辞典

いざというとき役立つQ&A 時効のすべてがわかる辞典

  • 作者: 榎本 峰夫
  • 出版社/メーカー: TKC出版
  • 発売日: 2000/04
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
カラスの早起き、スズメの寝坊―文化鳥類学のおもしろさ (新潮選書)

カラスの早起き、スズメの寝坊―文化鳥類学のおもしろさ (新潮選書)

  • 作者: 柴田 敏隆
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2002/07
  • メディア: 単行本
メンズブリスター上下セット ジャージ 5色5サイズ(S/M/L/LL/3L)

メンズブリスター上下セット ジャージ 5色5サイズ(S/M/L/LL/3L)

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: ウェア&シューズ
United Athle(ユナイテッドアスレ) | ラグランジャージ7.0oz

United Athle(ユナイテッドアスレ) | ラグランジャージ7.0oz

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: ウェア&シューズ
adidas(アディダス) ジャージ 上下 adibright レディース adi-jyougew

adidas(アディダス) ジャージ 上下 adibright レディース adi-jyougew

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: ウェア&シューズ
漢検 四字熟語辞典

漢検 四字熟語辞典

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本漢字能力検定協会
  • 発売日: 1997/03
  • メディア: -
この一冊で「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」が面白いほど身につく!

この一冊で「ことわざ」「慣用句」「四字熟語」が面白いほど身につく!

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2010/10/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
ポケット版 四字熟語辞典

ポケット版 四字熟語辞典

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 成美堂出版
  • 発売日: 2006/03
  • メディア: 単行本

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その212) [ケータイ刑事]

今回のテーマは「ドイツ土産」です。取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「・21話」、「007」からは「オクトパシー」です。

ケータイ刑事」:「・21話」。「ベルリンの壁殺人事件」という物語である。と言っても、ドイツのベルリンとは特に関係ない物語である。(一応、登場人物の1人が、ベルリン映画祭で賞を貰い、昨日ドイツから帰国した、というところと、この事件に出てくる2人組のアイドル・パフィンクの2人の間に人間関係の壁があるということを掛けているということで「ベルリンの壁」という名前を使っている。)

五代さんと共に赤坂撮影所にやってきたちゃん。五代さんが勝手にちゃんの履歴書を作り、映画「百と百子の髪飾り」(言うまでもなく「千と千尋の神隠し」をいじったタイトルである。)の妹役のオーディションに申し込んでいたため、ちゃんはそのオーディションを受けることになった。

また、撮影所には2人組の人気アイドル・パフィンクのナツミとマキがいて、2人が別々で隣り合わせの楽屋にいた。パフィンクは、元々はマキを売り出すために結成されたグループだったが、現在では人気のナツミの方が上であり、演技の出来るナツミは賞を貰うなどで評価されていたが、演技も下手なマキは人気も低迷していた。しかし、パフィンク結成の経緯もあって、楽屋はマキの方が広く、マキの部屋からナツミの部屋には行くことが出来たが、その逆は出来ないような扱いとなっていた。

五代さんはたまたま楽屋から出てきたナツミと接し、五代さんはサインを求め、色紙とペンを渡した。しかし、ナツミはそのペンが書けない、と言うと、五代さんとちゃんを楽屋に招き入れた。楽屋にはドイツ土産であるバームクーヘンがあり、色々と話をする。更にマキは五代さんのためにサインをしていたが、マネージャーの横山がやってきて、五代さんたちを追い出した。

ちゃんがオーディションを受けたが、本人は全くやる気がなかったこともあって、渡された台本を棒読みしただけだった。山田監督はそれに怒り、灰皿を投げつける。更に棒読みを続けたちゃんに、「何処の事務所だ?」と口にした山田監督は履歴書を見た。履歴書には所属が警視庁と記されていて、山田監督は「ふざけるな!」と激怒して、再び灰皿を投げつけ、ちゃんはオーディションを落ちることになった。

オーディションから戻って来たちゃんは、パフィンクの楽屋の前にいた五代さんの元に戻ってきて「灰皿を投げつけられた」と報告していた。そんな中、マキが楽屋で刺されて死亡しているのが発見された。凶器はナツミのドイツ土産のナイフであり、ゾーリンゲンのものだった。(メーカーはウント・ゲルデン・フィンク・シュタインバーグ)また、マキには抵抗した痕がなく、マキの楽屋は密室になっていて、入口の前にはガードマンと五代さんがいて、不審な人物の出入りはなかった。で、ちゃんは身内の犯行と考えた。

真っ先に疑われたのはパフィンクのマネージャーの横山であり、彼が第1発見者だった。しかし彼は犯行を否定した。続いて、ナツミ主演の新しい映画の監督である山田が疑われた。山田はマキと関係を持っていて、主役を務めたいマキから秘密をばらすと言われたことが分かったためでもあった。しかし、彼もまた犯行を否定した。

そんな中、凶器のナイフから発見された指紋はマキのものだけであり、しかもそれは血痕の下にあったということを柴田さんが報告した。五代さんは遂に「自殺だ」と言い出す有様だった。

更に、マキとナツミとの確執、パフィンクの結成から現在までの経緯が分かり、五代さんは2人の確執と対立から、「ベルリンの壁だ」と口にして、完全にお手上げ状態になってしまった。その一方で、ちゃんは犯行のトリックと手口を考え、五代さんの「自殺」という言葉、更にゾーリンゲンのナイフということから閃いた。

犯人はナツミであり、ドイツ土産としてゾーリンゲン(ウント・ゲルデン・フィンク・シュタインバーグ)のナイフを買ってきて、それをマキの鞄の中に入れておいた。鞄にあるそれに気づいたマキは、ベルリン映画祭で賞をナツミだけが受け、それから帰国した土産がナイフだったことに激怒して、それを持ってナツミの楽屋にやってきたのだった。そしてナツミはそれを予想していて、そのナイフでマキを殺害し、死体をマキノ楽屋に運んだ。そして死体が発見されて駆けつけた時に、驚いた芝居をしてマキノ楽屋からナツミの楽屋に通じていた扉の鍵をこっそりと閉めて、密室を作ったのだった。

現在のパフィンクは、ナツミは人気も高かったがマキは人気が無く、そのためパフィンクの人気は中途半端だったということで、ナツミは邪魔なマキを切り捨てたのだった。

007」:「オクトパシー」。1983年のシリーズ第13作で3代目ボンドの6作目である。ノンストップ・アクションということを売りにした作品であって、冒頭から結末までアクションの連続となった作品である。'80's初頭には「連続活劇」ということを意識した映画作品がいくつかあるが、本作もそういう作品の一つとなった。

東ベルリンで興行をしていたオクトパシー・サーカスの小屋からピエロが逃げて行き、芸人風の男がそれを追っていた。ピエロは森の中に逃げ込み、追っていた男はナイフ投げで使うナイフを手にしていた。

ピエロはMI-6の諜報部員の009であり、追っていた男はサーカス団のミシュカとグリシュカという双子のナイフ投げ芸人だった。森の中を逃げて行くが、風船が割れた音によって場所を知らせることになってしまい、ナイフで手傷を負ってしまった009。が、それでも逃げて行って、何とかして川辺に出ようとする。が、それに気づかれると、ナイフを投げられ、背中に受けた009は川に転落し、流されていった。

ミシュカとグリシュカは009は死んだと思い、川に流されて西ベルリンに流れていったこともあって、それ以上は追わなかったが、009は死んでは射なかった。瀕死の重傷を負っていたが、岸辺に辿り着くと、川から自力で出て、歩いてイギリス大使公邸まで辿り着く。公邸ではパーティが行われていたが、庭から屋敷に歩み寄ってくるピエロ(009)。そして窓に倒れ込み、窓を破って公邸内に倒れ込んだ。そして手から床に転がったのは、サーカス団から持ち出したファベルジェの卵(のニセモノ)だった。そして009は絶命した。

その後、イギリス・ロンドンのMI-6の本部で、ボンドは009が手に入れた(東)ドイツから持って帰った(ニセモノの)ファベルジェの卵が絡んだ任務を引き継ぐことになった。そして、その出所について見当した通りで、事件の核心に迫っていくことになった。

共通点は、二人組の人物(「ケータイ刑事」では二人組のアイドル、「007」では双子の殺し屋)が関係しているということドイツから出てきた人物(但し、「007」では東ドイツから出て西ドイツに入っていますが...)が土産となるものを持ってきていてそれが主人公(銭形/ボンド)に対して事件のヒントになることを与えているということ、また、ドイツ土産に関わった人物の1人が死んでいて共にナイフで刺し殺されている、というところである。

相違点は、「ケータイ刑事」では食べ物(バームクーヘン)とそれ以外の物(ゾーリンゲンのナイフ)という一般的な感覚で「土産物」と言うことが出来るものであったが、「007」では皇帝献上品のニセモノであって、一般的には土産物とは言えないものであって、009が命と引き換えに持ち帰ったものであるということである。(外国から持ち帰ったもの、という意味で「土産」と解釈しました。→今回のテーマは「ドイツから持ち帰ったもの」とした方が良かったですね...???)また、「ケータイ刑事」のゾーリンゲンは本物であったが、「007」のファベルジェの卵はニセモノであったという違いもある。

次回も「ある物」をテーマとして記す予定です。何が登場するのかはお楽しみに。

 

ケータイ刑事 銭形愛 DVD-BOX

ケータイ刑事 銭形愛 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

オクトパシー (アルティメット・エディション) [DVD]

オクトパシー (アルティメット・エディション) [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD
オクトパシー (デジタルリマスター・バージョン) [DVD]

オクトパシー (デジタルリマスター・バージョン) [DVD]

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD
↓参考まで

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。