江口洋介『Free Life The Best of YOSUKE EGUCHI1994~1998』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1998年にリースされた彼のベスト盤である。タイトル通り、1994年から1998年に発表した音源を集めたものである。(この時期はフォーライフ時代になり、1999年以降は歌手活動が殆ど無い彼であることを考えると、シンガーのキャリアとしては後期の部分に該当することになる。)既に、トレンディドラマに多数出演する人気俳優になっていた彼であるが、本アルバムは、一人のシンガーとしてだけでなく、ソングライターとしての力量も示した楽曲を中心に選曲されているだけに、彼の世界をたっぷりと堪能することが出来るベスト盤となっている。
収録曲は以下の全14曲である。『On the Road~街という名の女』『イカれた男の歌』『It's Fine Today』『Lady』『LOVE MAN』『愛は愛で(アルバム・ヴァージョン)』『Silence』『ディア・マチルダ~君の行方を見守っている』『明けていく街』『東の風に』『逃げられた天使(Angel)』『TRAVELING BOY~解き放たれた矢のように(シングル・ヴァージョン)』『恋をした夜は(ライヴ)』『THE GAME~Illusions in the stream』。
基本的には彼の自作曲が中心であるが、余りにも有名な名曲として知られている元ブルーハーツの真島昌利による『LOVE MAN』が漏れていないのも良く、収録時間としても約68分ということで、ベスト盤ということでも納得できるものとなっている。
ということで、ライブラリーにあっても悪くない一枚である。('93年以前の楽曲に関しても、ベスト盤がリリースされているので、それとセットにしておいても宜しいかと...)
Free Life The Best of YOSUKE EGUCHI1994~1998
- アーティスト: 江口洋介,秋元康,松本隆,長永銀之助,森雪之丞,オザキヤスオ,真島昌利,藤井丈司,長田進,渡辺等,窪田晴男
- 出版社/メーカー: フォーライフ ミュージックエンタテイメント
- 発売日: 1998/10/01
- メディア: CD
遠藤賢司『niyago』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは1970年4月に発表された彼のデビュー・アルバムである。独特の世界観を持ち、「純音楽」をキーワードにしている彼の記念すべき最初のアルバムである。尚、本アルバムには、現在の日本の音楽シーンに多大な影響を与える存在になっている細野晴臣、鈴木茂、松本隆が参加していることも注目である。(当時の3人は、はっぴいえんどとしてデビューする直前でアリ、ハッピーエンドに改名したばかりである。→更に「はっぴいえんど」に改名してデビューすることになる。)
収録曲は以下の全7曲である。『夜汽車のブルース』『ほんとだよ』『ただそれだけ』『君がほしい』『雨あがりのビル街(僕は待ちすぎてとても疲れてしまった)』『君のことすきだよ』『猫が眠っている、NIYAGO』。
この中からシングル・カットされたのは、本アルバムよりも1年以上前にリリースされた彼のデビュー・シングルの『ほんとだよ』と、本アルバムのリリースから2ヶ月五にシングル・カットされた彼の2nd.シングルとなる『夜汽車のブルース』の2曲である。
お薦め曲は、シングル曲の『ほんとだよ』と『夜汽車のブルース』、そして12分を超える超大作の『猫が眠っている、NIYAGO』をピックアップしておく。
何と言っても、彼のギターは聴き所満載である。しかも、若さもあって、ダイナミックであり、エネルギッシュであり、それでいて繊細なところもしっかりと出ている。そして、それに彼のボーカルが見事に融け合って、たっぷりと聴かせてくれている。
現在では、はっぴいえんどの3人が参加していることも大きく触れられることになっているが、彼のギターはそれに負けること無く、本アルバムの主役として輝きを放っている。
ということで、彼の音楽の原点でもあるだけに、じっくりと聴いておきたいアルバムである。
ENYA『ENYA』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1987年に発表された彼女のデビュー・アルバムである。とは言っても、本アルバムはドキュメンタリー番組「THE CELTS」のサウンドトラックとしてまとめられたアルバムである。そのため、アルバムタイトルとして「ENYA / THE CELTS」と言われることもある。'88年に世界的な大ヒット曲『Orinoco Flow (Sail Away)』で知られる様になる彼女であるが、何はともかく、記念すべきアルバムであることに変わりは無い。尚、本アルバムは、本国アイルランドではチャートインしていないが、豪州とニュージーランドでは7位、イギリスで1位、オランダで28位、スウェーデンで39位、(西)ドイツで70位を記録している。
収録曲は以下の全15曲である。『The Celts』『Aldebaran』『I Want Tomorrow』『March Of The Celts』『Deireadh An Tuath』『The Sun In The Stream』『To Go Beyond Part 1』『Fairytale』『Epona』『Triad: St. Patrick/Cu Chulainn/Oisin』『Portrait』『Boadicea』『Bard Dance』『Dan Y Dwr』『To Go Beyond Part 2』。
この中からシングル・カットされたのは『I Want Tomorrow』であるが、いずれの国でもチャートインは記録していない。
お薦め曲は、実質的なアルバム・タイトル・ナンバーである『The Celts』と、シングルとしてもリリースされた『I Want Tomorrow』、更に『The Sun In The Stream』『Epona』と、二部作である『To Go Beyond』(2曲とも)をピックアップしておく。
内容としてはサントラ盤であるが、彼女の持ち味である幻想的なサウンドを聴かせてくれる。が、ケルティックというだけで無く、'80'sらしいノリの良い曲、ポップな曲もあるということで、結構バラエティに富んだ内容となっている。(サントラ盤であることを考えると、ある程度の幅があるのは当然と言えば当然である。)そのため、後の彼女のアルバムでは聴くことが出来ないような曲があるというのが、本アルバムの貴重な所である。
ただ、'90'sにヒーリング・ミュージックのブームを起こした時期の彼女のサウンド(のみを)を期待する方は、イメージが違う曲があるということもあるので、避けた方が良いかも.... →幻想的なイメージだけでなく、シンガーとして、ソングライターとしての彼女の幅広い魅力を堪能しようという方は、しっかりと聴いておきましょう!