GRAND FUNK RAILROAD『ON TIME』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1969年8月に発表された彼らのデビュー・アルバムである。邦題は『グランド・ファンク・レイルロード登場』と名付けられていたため、本アルバムがデビュー・アルバムである、ということがよく分かる所である。彼らは1977年に解散、1980年に再結成、1983年に二度目の解散を経て、1996年に二度目の再結成が行われ、現在も活動を継続中であることを考えると、長い歴史の初っぱなとなる本アルバムは、彼らの歴史を辿る上でも、また、アメリカのハードロックを楽しむ上でも重要なアルバムとなるのは言うまでも無い。そして、HRの古典としてHRファンであれば誰でも知っている名曲『Heartbreaker』が収録されているアルバムでもある。(これだけでも一聴の価値がある。)
チャート成績は、アメリカではBillboardで最高位27位を記録し、1970年の年間アルバム・チャートでは68位にランクインしている。また、豪州では最高位14位、カナダでは同34位を記録するヒットになっている。(歴史的なアルバムの一つであるが、チャート成績はずば抜けているという訳ではない。)
収録曲は、オリジナル盤では全10曲であったが、CD化された時に2曲のボーナス・トラックが追加収録されて、現在では全12曲の収録になっている。収録曲は以下の通りである。『Are You Ready』『Anybody's Answer』『Time Machine』『High On A Horse』『T.N.U.C.』『Into The Sun』『Heartbreaker』『Call Yourself A Man』『Can't Be Too Long』『Ups And Downs』。(以下、ボーナス・トラック)『High On A Horse (Original Version)』『Heartbreaker (Original Version)』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。(但し、彼らのデビュー・シングルと4th.シングルが本アルバムからのシングル・カットであって、2nd.と3rd.シングルは2nd.アルバム(本アルバムの4ヶ月後の1969音12月に発表された。)からのシングル・カットと言うことになる。)デビュー・シングルでもある『Time Machine』はBillboardで最高位47位を記録し、カナダでも43位を記録している。そして、2nd.アルバムから2枚のシングルがリリースされた後、『Heartbreaker』が本アルバムからの2nd.シングル(彼らのシングル曲としては4曲目のシングルになる。)としてリリースされ、Billboardでは最高位72位を記録、カナダでは58位を記録している。
お薦め曲は、シングル曲でもある『Time Machine』と『Heartbreaker』、更に『High On A Horse』『Into The Sun』『Can't Be Too Long』という所をピックアップしておく。
本アルバムは大作が多いこともあって、オリジナルの10曲で時間は50分を超えている。(2曲のボーナス・トラックが加わると60分を超える。)この点でも聴き応えのあるアルバムと言えるが、衝撃を与え、一気に浸透することになった彼らのスタイルの原点が本アルバムにはある。確かに、アメリカではハードロックは、なかなか受け入れられずに、'80'sの中盤になってようやく市民権を得ることになったが、初期のアメリカン・ハードロックを堪能する上でも、本アルバムの位置づけは重要なものであり、その価値は高いのはいうまでもない。
ということなので、アメリカン・ロックを聴くのであれば、発表こそ'60'sの終わりの時期である本アルバムであるが、'70'sのアメリカのロック、更に'80'sのHR/HMの基礎でもあるだけに、しっかりとチェックしておきたい所である。彼らの迫力あるサウンドをたっぷりと堪能しましょう!!