共産党の遊説予定地横取り作戦 [選挙関連]
今回は、第23回参議院議員選挙に立候補した友人の手伝いをしている間に経験した話の第二弾です。
今回の選挙では、ネットを利用した選挙運動が解禁されたため、当然のことながらそれを利用しての遊説を行っている。(以前は、選挙が公示されるとネットは利用できなかったが、公示前のネット利用は以前と基本的に変わらない。)
遊説予定をFacebookに「明日の遊説予定」として記し、有権者にアピールするというのは基本的な戦術である。が、公示前のけっこう早い時期に、共産党の組織力を使った横取りを経験することになった。
ある日、Facebookに、「明日の予定」として、某鉄道駅の名前と予定時間を複数箇所記した。(途中から移動する予定であったため、複数の場所を記した。)当日を迎え、最初の場所に、(当然のことながら)予定時間よりも早く入り、準備をして、遊説を行った。そして、予定に従って次の場所に移動すると、その場所には共産党がいて、「共産党」としての宣伝を行っている。(立候補予定者はいない。)これについて調べてみると、共産党の旗を持った人が、(我らの)予定時間の15分ぐらい前にやってきて、準備を始めて、宣伝を始めたということだった。また、そこに来ていたのは、地元の共産党の市会議員を中心とした支援グループであった。
要するに、他の候補予定者の動向をチェックしていて、遊説を横取りしてしまう計画がマニュアルのようになっていて、組織力を動員して、遊説場所を横取りしたのである。
こういうことがあるという話は耳にしたことがあったが、そういうことを行っていることが確認出来たのであった。
が、こういう経験をすると、当然のことながらそれを逆利用するという作戦も出来るのである。(Facebookの方には「予定のため、変更になる場合もある。」と断りを入れておく。)で、ある日、最初から行く予定の無い場所を「明日の予定」としてFacebookに記しておき、実際にはそれとは異なる場所で行うことにした。一応、共産党の動向をチェックするために、Facebookに告知した場所には、その近くの支援者に頼んで様子を見てきてもらうことにした。
で、当日。やはり共産党はFacebookに告知した場所に現れた。(報告によると、予定時間の20分前にやってきたということだった。)が、計算通りだったので、こちらはこちらで、予定通りの遊説が出来ることになった。(但し、Facebookに記した場所ではなく、一般的には「変更する場合がある」という形になる。→こちらの計画通りであるものの、一般的にはダミーということを公表していないため「予定変更」という形に解釈される。)
しかし、よくよく考えると、これは共産党の組織力に屈して、「予定を変更した」と一般に認識されてしまうだけに、組織力のある既成政党に、事前活動ですら牛耳られていることを意味していることにもなる。つまり、結局のところ、選挙には組織力がものをいい、旧来の選挙方法が堂々とまかり通り、お金を掛けない選挙が出来ないという問題点がここにもあらわになっているのである。
志のある若い人がだれでも立候補できるように、お金の掛からない選挙を積極的に展開することが出来ないということを痛感した出来事であって、こんなことで「選挙」はいいのか、誠に残念なことであった。
↓「組織」を感じるものをいくつか拾っておきます。
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