HERB ALPERT『BEYOND』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1980年に発表されたアルバムである。前年のソロ名義のアルバム「RISE」がヒットし、しかもシングル『Rise』は全米No.1ヒットになったことで、TIJUANA BRASSと離れた一人のミュージシャンとしても(改めて)高い評価を得たことで、自信を持って発表した作品である。で、本アルバムからもシングル・ヒットが生まれていて、'80'sに突入しても存在感を示すことになった。
収録曲は以下の全9曲である。『Kamali』『The Continental』『Reach For The Stars』『Interlude (For Erica)』『Red Hot』『Beyond』『That'S The Way Of The World』『Keep It Goin'』『The Factory』。
この中からシングル・カットされたのは2曲である。最初に、アルバム・タイトル・ナンバーの『Beyond』がシングル・カットされて、BillboardのHOT 100で最高位50位、ACチャートで39位、R&Bチャートでは44位を記録している。続いて『Kamali』が2nd.シングルとしてリリースされたが、こちらはR&Bチャートで64位を記録しただけであった。
お薦め曲は、アルバム・タイトル・ナンバーでもあるヒット・シングルの『Beyond』、シングル曲の『Kamali』、そして『Reach For The Stars』『The Factory』をピックアップしておく。
この時期には、フュージョンも市民権を得て完全に定着するようになっていたが、それには彼の功績が大きな影響を与えている。TIJUANA BRASSと一緒にやっていた時のサウンドとは異なって、フュージョンを牽引することになった'70's後半の彼のソロ作品であるが、それに一段と磨きが掛かることになり、クオリティの高い楽曲をたっぷりと堪能することが出来るアルバムとなった。(ただ、アルバムの完成度としては、前作「RISE」に半歩及ばないと言った方が良いですが...)
いずれにしても、'70's後半からのフュージョン・ブームを牽引した彼の'80's最初の作品であるだけに、しっかりと聴いておきたいアルバムの一つである。(が、現在はちょっと入手しにくくなっているのが...)