HERBIE HANCOCK『TAKIN' OFF』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1962年に発表された彼のデビュー・アルバムである。この時は完全にジャズ・ピアニストとしてのデビューであったため、本アルバムは完全なジャズ・アルバムである。(ソウル系、モダン系のジャズである。)後のブレイクを考えると信じられないであめうが、本アルバムは殆ど売れないで終わり、'60's終盤になる迄の間は鳴かず飛ばずの状態が続くことになる。尚、日本では、オリコンで最高位286位を記録しているが、これが世界で唯一のチャートインであった。
収録曲は、オリジナル盤では全6曲であったが、現在は3曲のボーナス・トラックが追加されて、全9曲の収録となっている。(オリジナル盤では約39分、ボーナス・トラック追加で現在では約57.5分になっている。)収録曲は以下の通りである。『Watermelon Man』『Three Bags Full』『Empty Pockets』『The Maze』『Driftin'』『Alone And I』。(以下、ボーナス・トラック)『Watermelon Man (Alternate Take)』『Three Bags Full (Alternate Take)』『Empty Pockets (Alternate Take)』。
この中からシングル・カットされたのは『Watermelon Man』である。Billboardで最高位121位を記録しているものの、ジャズ・チャートの方にはチャートインしていなかった。(後の彼を考えると、考えられない惨敗だったと思われるでしょうが、デビュー当時はなかなか売れない状態であったことを考えると、HOT 100に3桁順位とはいうものの、よくぞチャートインしたものである、と言うことが出来ますね。→ここに「将来性があった」という理屈づけはできますね。)
お薦め曲は、後にジャズのスタンダード・ナンバーとして知られるようになったシングル曲の『Watermelon Man』、更にボーナス・トラックと聴き比べることの出来る『Three Bags Full』と『Empty Pockets』をチョイスしておく。
スタンダード・ナンバーが生まれているなど、内容的には悪いものではないのだが、如何せん、知名度の低いのが残念な所である。(後に、多少は知られるようになったものの、それでもまだ知名度が低い...)そのため、現在でも知る人ぞ知るアルバムということになっているが、もっと聴いてもらいたいと思うアルバムの人である。特に、後に彼がブレイクしていることを考えると、サウンドの系統が違うとは言っても、彼の原点ということで、しっかりと聴いておくべきアルバムである。ジャズ系のサウンドに興味がある、という程度の方であれば、聴いておきましょう!