HOT BUTTER『POPCORN』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは2000年に発表された企画もののベスト盤と言うことになる。1969年にGERSHON KINGSLEYがヒットさせた曲『Popcorn』(シンセポップの古典中の古典として余りにも有名な名曲である。)を1972年にカヴァーして大ヒットさせたことで知られている彼ら(というよりも、その一発屋として余りにも有名である)の曲を集めたアルバムである。今でこそ、シンセポップは氾濫しているが、『Popcorn』が生まれたのはまだ'60'sであって、当時はシンセサイザーはとんでもない先端技術の結晶であって、簡単に使えるような代物では無かったのはご存知の通りである。また、曲の方もシンプルであって、ごてごてしていないところも魅力である。(ピアノで弾こうと思えば、そう難しくないところでもある。)その名曲『Popcorn』を聴くためと言えば大袈裟であるが、名曲『Popcorn』のためのアルバムと言ってもよいのが本アルバムである。
収録曲は以下の全22曲である。『Popcorn』『Day By Day』『Apache』『At The Movies』『Tristana』『Song Sung Blue』『Telstar』『Tomatoes』『Amazing Grace』『Love At First Sight』『Song Of The Narobi Trio』『The Silent Screen (Hot Butter)』『Mah-Na-Mah-Na』『Masterpiece』『Percolator』『Skokiaan』『Slag Solution』『Sounds』『Space Walk』『Syncopated Clock』『Tequila』『Wheels』。
お薦め曲は、言うまでも無く『Popcorn』であって、それ以外の曲は全てこの曲の添え物といってしまってもよい。(中には、『Popcorn』のようなシンセポップではない曲もありますし...)時間的には短いが、『Popcorn』を楽しむためならば、こういうアルバムがあってもいいでしょう。
シンセサイザーを前面に出した音楽は'70's前半には一部で知られるようになってきたが、広く知らしめたのは'70's後半のYMOと言ってもよい。が、『Popcorn』はそれ以前にシンセサイザーを使ったポップなサウンドを知らしめた衝撃的な一曲であって、歴史に残る名曲である。
シンセ・サウンドを楽しむのであれば、絶対に聴いておかなければならない曲が『Popcorn』であるが、それを自分のライブラリーに加えることを思えば、本アルバムは手元に置いておきたい所である。(本アルバムと、YMOは、シンセポップのMUSTアイテムである。)
また、『Popcorn』は「シンプル・イズ・ベスト」という言葉を正しく教えてくれる名曲でもあって、最近のごちゃごちゃしたシンセサウンドが喧しいだけとも教えてくれますよ。