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「若さま侍捕物帖」(その1) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローシリーズの第62弾として取り上げる作品は、時代劇で「5大捕物帖」の一つとされているシリーズの「若さま侍捕物帖」シリーズです。城昌幸の原作で、何度か映画化されており、テレビドラマとしても製作されている人気キャラが活躍するシリーズである。(一部作品は「若さま侍捕物手帖」となっていたり、テレビドラマでは1973年の林与一主演作では「若さま侍捕物帖」というタイトルで、1978年の田村正和主演作では「若さま侍捕物帳」のタイトルとなっている。また、原作小説のタイトルは「若さま侍捕物手帖」である。)

これまでに、新東宝が2作品ずつ2度にわたっての4作品を製作し、東映が10作品を製作している。新東宝の作品は、1950年から1951年にかけて、黒川弥太郎の主演、中川信夫監督で2作品を、そして1953年に坂東鶴之助主演で2作品が製作されている。(4作品とも「若さま侍捕物帖」という文字が使われている。)

一方、東映作品は、後に「銭形平次」が代表作となる大川橋蔵がスターの仲間入りを果たすことになったシリーズであって、1956年から1962年の間(1959年は無し)に全10作が製作されている。(第1、2、4作が「若さま侍捕物手帖」のタイトルが使われているが、それ以外の7作は「若さま侍捕物帖」のタイトルである。)

尚、ここでは、最初の映画作品である1950年の新東宝が用い、新東宝の全4作と、東映の10作中7作が使ったタイトルである「若さま侍捕物帖」シリーズと言う表記を用いることとする。

映画産業が黄金期を迎えていた時代の作品であることもあって、娯楽作品として王道を行く時代劇シリーズとなっている作品である。

初回となる今回は、シリーズ作品のおさらいということで、映画化された順番にタイトルを記しておきます。

新東宝・黒川弥太郎主演作第1作「若さま侍捕物帖 謎の能面屋敷」(1950年)、黒川弥太郎主演作第2作「若さま侍捕物帖 呪いの人形師」(1951年)。

新東宝・坂東鶴之助主演作第1作「若さま侍捕物帖 江戸姿一番手柄」(1953年)、坂東鶴之助主演作第2作「若さま侍捕物帖 恐怖の折り鶴」(1953年)。

東映・大川橋蔵主演シリーズ第1作「若さま侍捕物手帖 地獄の皿屋敷」(1956年)、大川橋蔵主演シリーズ第2作「若さま侍捕物手帖 べらんめえ活人剣」(1956年)、大川橋蔵主演シリーズ第3作「若さま侍捕物帖 魔の死美人屋敷」(1956年)、大川橋蔵主演シリーズ第4作「若さま侍捕物手帖 鮮血の晴着」(1957年)、大川橋蔵主演シリーズ第5作「若さま侍捕物帖 深夜の死美人」(1957年)、大川橋蔵主演シリーズ第6作「若さま侍捕物帖 鮮血の人魚」(1957年)、大川橋蔵主演シリーズ第7作「若さま侍捕物帖 紅鶴屋敷」(1958年)、大川橋蔵主演シリーズ第8作「若さま侍捕物帖」(1960年)、大川橋蔵主演シリーズ第9作「若さま侍捕物帖 黒い椿」(1961年)、大川橋蔵主演シリーズ第10作「若さま侍捕物帖 お化粧蜘蛛」(1962年)。

次回からは、各作品について、年代順に記していくことにします。(まずは黒川弥太郎主演作からということになります。)

 

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「やくざ番外地」(その3) [映画(邦画)]

2作品しか無いシリーズの「やくざ番外地」を懐かしの邦画ヒーローシリーズの第61弾として取り上げたが、今回は2本目の作品で、1969年11月に劇場公開されたシリーズ第2作についてです。

シリーズ第2作やくざ番外地 抹殺」(1969年)
作品データを記しておくと、1969年の日活作品で、時間は84分、監督は柳瀬観、脚本は山崎巌と西田一夫の2人、撮影は萩原泉、美術は入野達弥、音楽は伊部晴美である。そして出演は、丹波哲郎、渡哲也、中丸忠雄、葉山良二、丘みつ子、高倉みゆき、有沢正子、安城由貴、小林重四郎、山本耕一、植村謙二郎、永山一夫、木島一郎、小柴隆、相原昇、福岡正剛、水城つよし、雪丘恵介、たちである。

関西銀誠会は関東に勢力を伸ばそうとして、次々に敵対する組織を潰していき、力を強くしていた。そして、その勢力は小田原の宇田組を潰し、そして川崎の高見組が狙われた。宇田組の早川は、組を潰された恨みを晴らすため、銀誠会の会長・村島を狙い、失敗して追われる身となっていた。高見組は、組長の高見は刑務所にいたが、幹部の伊沢は銀誠会の嫌がらせにも負けず、何とか組を守っていた。そんな中、高見が出所してくる。しかし、銀誠会に買収された横浜の本波が刺客を差し向けられ、同心会の貝塚に助けられる。そんな中、早川が高見に匿われることになるが、その事が村島の耳にも届いた。すると村島は、高見に対して、早川を出すか、銀誠会と手を結ぶかの二者選択を迫った。これに高見は、早川を切ることは出来ず、銀誠会と手を結ぶことを選んだ。すると、銀誠会は今まで以上にのさぼるようになり、同心会の貝塚と寺坂は怒りを爆発させて立ち上がったが、返り討ちに遭ってしまう。これに高見は、2人の死は銀誠会だと思い、復讐を誓う。一方、伊沢は本波を襲ったが倒されてしまい、本波が関東同心会の三代目会長となり、銀誠会との間で血縁式が行われた。高見と早川は怒りからその会場に乗り込み、大暴れの末に本波と村島を倒したのだった。

東映のやくざ映画とは違った独特の雰囲気のある日活のやくざ映画であるが、夜具座映画に求められるところは一通りあり、更に日活が得意とする無国籍ヒーロー作品の雰囲気があるのは面白い所である。

結局、この後の作品が作られることが無かったため、2作品しか製作されず、その2作品も繋がっている物語ではないのだ、「シリーズ」とは言い切れない所があるのも事実であるが、丹波哲郎の任侠ぶりも悪くはない。異色のやくざ映画であることに変わりは無いが、もうあと1、2本は製作されてもと思う所のある作品群でした。

 

↓第1作はこちら

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「やくざ番外地」(その2) [映画(邦画)]

今回は1969年9月に劇場公開されたシリーズ第1作についてです。東映のやくざ映画とは趣が違っている所が(良くも悪くも)魅力となっている作品である。

シリーズ第1作やくざ番外地」(1969年)
作品データを記しておくと、1969年の日活作品で、時間は86分、監督は西村昭五郎、脚本は永原秀一と浅井達也の2人、撮影は安藤庄平、美術は深見浩、音楽は真鍋理一郎である。そして出演は、丹波哲郎、山本陽子、長谷川明男、佐藤慶、小畑絹子、郷えい治、岡崎二朗、清水将夫、相原昇、旅永三郎、深江章喜、永山一夫、柳瀬志郎、須賀不二男、たちである。

野見組は、多摩市の高瀬組を傘下に加えようとして動き出し、大幹部の村木卓を送り込んだ。村木は多摩市の愚連隊・血生会を手下にして、高瀬組を痛めつけることを始めた。しかし、高瀬組の代貸・塚田勝は、かつて村木と兄弟の盃を交した仲であった。そんなことを知らずに、村木は塚田の妻・静江の店で、塚田と再会した。昔を懐かしみながらも、今は敵対する関係になったことを知ったのだった。更に、村木は、妹の冴子が不治の病に冒されていることを知って驚いた。で、高瀬組組長殺害を血生会に命じ、高瀬は死際に、代貸の塚田と堤に、近く出所する息子・信司の跡目相続を遺言して逝った。そんな中、高瀬組の窮状を知った横浜の葛城組が助力を申し出てきたが、高瀬組は無視した。それからまもなくのある日、冴子は血生会の沢地に乱暴されそうになり、そこを出所した信司が助けた。それから数日後、信司は高瀬組の三代目襲名披露が行なわれた。村木は高瀬組にやってくると、野見組との合併を迫るが、信司はそれを拒否し、堤は村木に斬りつけた。が、その場は塚田が抑えて、村木は無事だった。が、堤は村木の子分に刺された。そんな経緯があったが、信司と冴子は交際を続けていた。血生会は賭場を開き、悪どい手法で金を巻き上げていることを塚田が知ると、賭場に乗り込んでイカサマを暴いた。その騒ぎを知った信司が賭場に駆けつけてきたときには、塚田は捕らえられていた。信司は決着に指を詰め、村木が間に入り、塚田は難を逃る。が、この時、冴子は全てのことを知り、兄を非難し、村木は妹の恋人が敵の組長と知って呆然となった。以後、冴子は高瀬組に身を寄せるようになり、信司は静江の店に匿い、村木は必死に妹の行方を探した。ということもあって、村木は高瀬組をなかなか手中に出来ず、野見組は幹部の北原を更に送り込んだ。これに血生会は、高瀬組のシマを横取りされると焦り、自分たちだけで高瀬組へ殴り込みをかけた。この時、冴子を庇った静江が殺され、信司は怒りで沢地を斬り捨て、塚田は北原を叩き斬ったが、村木には歯が立たずに殺された。このままではということで、高瀬組は葛城組の助っ人を受け入れ、野見組と全面戦争に突入した。が、これには裏が会って、実は葛城は野見は裏で手を結んでいて、信司を消そうと企てていた。そして信司と冴子は殺され、それを見た村木は怒りから、葛城と野見に向かって突っ込んでいった...

やくざ映画であるが、何処かに日活が得意とする無国籍ヒーロー作品の雰囲気があって、これが独特の雰囲気に繋がっている。この点は本作の特長になっているのだが、どこかで「やくざ映画」と感じられない所があるのもまた事実である。

まあ、異色のやくざ映画ということで宜しいかと...

 

↓ビデオですが...

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「やくざ番外地」(その1) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローシリーズの第61弾として取り上げる作品は、シリーズとしては長くなかったものの、'60年代末の1969年に丹波哲郎主演で製作された「やくざ番外地」シリーズです。(1969年9月と11月に立て続けに2作品が公開されて、それっきりということになってしまったが、一応、全2作のシリーズと言うことになっている。)

やくざ映画と言えば東映作品が余りにも有名であるが、本作は東映ではなくて日活が製作した作品である。日活のやくざ映画は独特の味がある作品が多いことで知られているが、本作もそういう作品である。また、(当時の)現代を舞台にしていることから現代任侠物語ということになっている。それらが相まって、独特の味わいのある作品となっている。尚、第2作はシリーズと言うことになっているものの、第1作の続編というものではなく、独立した物語である。

また、本作当時、既に国際的スターという地位も確立していた丹波哲郎であるが、そんな彼が主役のやくざ映画というのもまた珍しいところである。

初回となる今回は、シリーズ作品のおさらいということで、映画化された順番にタイトルを記しておきます。(2作品しかないので、「おさらい」と言うようなレベルでは無いですけど...)

シリーズ第1作「やくざ番外地」(1969年)、シリーズ第2作「やくざ番外地 抹殺」(1969年)。

次回からは、各作品について記していくことにします。(2作なので、あっという間に終わってしまいますけど...)

 

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「無責任」(その5) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーロー・シリーズの第60弾として記してきた「無責任」シリーズも今回で最後となります。で、1964年12月に劇場公開されたシリーズ最後と位置づけられている作品についてです。尚、本作も「クレイジー」シリーズの一つと数えられることもありますが... これまでの作品群と違って、時代劇となっているのが特徴である。

シリーズ第4作花のお江戸の無責任」(1964年)
作品データーを記しておくと、1964年の東宝作品で、時間は89分、原案は戸板康二、監督は山本嘉次郎、脚本は田波靖男と山本嘉次郎の2人、撮影は遠藤精一、美術は植田寛、音楽は萩原哲晶と宮川泰の2人、殺陣は久世竜である。そして出演は、植木等、谷啓、ハナ肇、草笛光子、団令子、池内淳子、藤山陽子、進藤英太郎、田崎潤、藤木悠、有島一郎、北川町子、高橋紀子、若水ヤエ子、田島義文、安田伸、桜井センリ、石橋エータロー、犬塚弘、小杉勇、大泉滉、平凡太郎、宮田羊容、石田茂樹、春風亭柳朝、佐田豊、山本廉、吉川満子、広瀬正一、大村千吉、草川直也、桐野洋雄、二瓶正也、土屋詩朗、井上紀明、三田照子、中山豊、生方壮児、たちである。

父親を闇打ちされて失った古屋助六は、その仇討のために江戸へ向う。しかし、狙う仇は、背中に刀傷がある、というだけであった。が、陽気な助六は、さっさと仇討ちを果たして、その後半年ばかりは江戸で遊んでくる、という気持ちでご機嫌だった。そんな助六は、鈴ヶ森で雲助に因縁を付けられている白井権八を助ける。そんな所に売り出し中の侠客・播随院長兵衛が通りかかり、助六と権八は彼の侠気にすっかり感激して付いていき、2人は長兵衛の家に居候することとなる。しかし、長兵衛の女房・おぎんは大変厳しい女だった。で、2人は吉原で石焼芋屋をやらされることになった。ある日、2人は、長兵衛の留守の時に助けを求めてきた道具屋の娘・お菊を白柄組から救けだした。で、その褒美として長兵衛から暇を貰うと、2人は吉原に向かった。助六は花魁・揚巻を狙っていた。白柄組の親分格の髭の意休も揚巻を口説こうとするが、助六はそこで威勢のいい啖呵を切って揚巻の心を掴むのに成功した。やがて、助六は揚巻から、意休の背中に刀傷があることを聞き、仇討ちの相手が分かった。で、仇討ちに走り、見事に意休を倒して仇を取った。そんな時、長兵衛は白柄組との出入りで死んでしまい、助六が長兵衛の跡を継ぐことになったのだった。

この手の作品のストーリーは、あって無いもののようなものであるのは言うまでも無く、主人公に都合が良いように物語が進んで行くが、これはこれで良いでしょう。ということで、江戸時代に舞台を移しても、植木等のパワーは全く変わっていないということで、十分楽しめる作品である。(ということで、色々と考えることを止めて、笑った楽しみ、丸く収まっていいんじゃないですか...)

 

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「無責任」(その4) [映画(邦画)]

今回は1964年7月に劇場公開された作品で、シリーズの第3作と位置づけられている作品についてです。タイトルから任侠映画っぽいものと感じられるが、やはり「無責任」シリーズらしいノリの作品である。尚、「クレイジー」シリーズの一つと数えられることもありますが...

シリーズ第3作無責任遊侠伝」(1964年)
作品データーを記しておくと、1964年の東宝作品で、時間は87分、監督は杉江敏男、脚本は池田一朗、撮影は完倉泰一、美術は村木忍、音楽は宮川泰と萩原哲晶の2人である。そして出演は、植木等、谷啓、ハナ肇、浜美枝、白冰、淡路恵子、有島一郎、由利徹、犬塚弘、平田昭彦、安田伸、桜井センリ、石橋エータロー、莫愁、左卜全、天本英世、桐野洋雄、ジョージ・ルイカー、加藤春哉、田武謙三、沢村いき雄、渋谷英男、夏木順平、雨宮貞子、浦山珠美、中島春雄、二瓶正也、大友伸、勝部義夫、河辺昌義、権藤幸彦、ヘンリー伴、マー・リー、関田裕、佐藤功一、吉田静司、越後憲三、小松英三郎、山田彰、大仲清治、ローランド・チコ、川又由希夫、川村郁、天見竜太郎、馬力、たちである。

生来の博奕の才能を持った上田ヒトシは、勝負事になると絶対負けないという男であった。ある日彼は、勤務先のホテルの結婚披露宴で、来客の阿波商事の花木常務と花嫁を利用して賭けを始め、夢中になって披露宴の方は滅茶滅茶になってしまう。で、彼はホテルをクビになってしまう。この位置経緯を知った阿波商事社長令嬢の啓子は、上田に同情して、彼を阿波商事社に迎え入れようとしたが、上田はこれを嫌う。が、上田のフィアンセ・泉カネ子は、上田の唯一の弱点である犬を利用して、この話を納得させた。そんな所に、大金持のバイヤー・ヘッケルが来日することになり、この機会に商談をまとめようと、阿波商事は大騒動になる。これに上田と花木は、ヘッケルが賭け事が好きという所を利用して接待し、商談をまとめた。が、その数日後、そのヘッケルは偽物であって、契約金を受取るとマカオに帰ってしまったことが判明した。で、上田と花木たちは直ぐにマカオに派遣された。マカオでも上田は生来の才能を発揮して博奕で大儲けとなる。そして、そこからの帰り道でヘッケルを発見し、問い詰めた。で背後にマカオに悪名を知られた張天玉が黒幕ということを知る。また、彼が東京で知り合った中国娘・秀玉の賭場の乗っ取りも企んでいたことも分かった。そして、全ての片を付けるために、上田は張天玉と丁半博奕の勝負を行うことにした。勝負は、犬が現れたことで出鼻をくじかれた上田だったが、次第に才能を発揮していく、最後の大勝負に勝ち、ヘッケルが持ち去った契約金も回収され、張天玉が乗っ取っていた賭場も全てが元の元塗師の所に戻ったのだった。

博奕映画の雰囲気があるものの、基本的に、これまでの作品、及び「クレイジー」のシリーズと同様に、主人公の調子のペースで進んでいく物語である。後半には日本から飛び出してマカオを舞台としているということで、シリーズの中ではちょっと雰囲気の違う作品であるが、植木等のパワーは変わらず、深く考えずに笑って楽しむ作品である。

 

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「無責任」(その3) [映画(邦画)]

今回は1962年12月に劇場公開されたシリーズ第2作についてです。

シリーズ第2作ニッポン無責任野郎」(1962年)
作品データーを記しておくと、1962年の東宝作品で、時間は86分、監督は古沢憲吾、脚本は田波靖男と松木ひろしの2人、撮影は飯村正、美術は小川一男、音楽は宮川泰である。そして出演は、植木等、団令子、ハナ肇、草笛光子、谷啓、浦辺粂子、藤山陽子、由利徹、犬塚弘、人見明、中北千枝子、岡部正、土屋詩朗、世志凡太、中真千子、中島そのみ、桜井センリ、安田伸、ジェリー伊藤、井上大助、堤康久、瓜生登代子、石橋エータロー、八代美紀、越後憲三、丸山謙一郎、権藤幸彦、丘照美、田辺和佳子、吉田静司、門脇三郎、岡豊、杉浦千恵、細川隆一、三井紳平、毛利幸子、内山みどり、記平佳枝、たちである。

「真面目な野郎は損をする、嬉しがらせて儲けて逃げる。」というのが無責任男・源等(みなもと・ひとし)の人生哲学であった。そんな彼は、ひょんなことから知り合った明音楽器の営業部長・長谷川に、会社の派閥争いがあることをかぎつけた。で、あの手この手で、ハッタリとお惚けとを駆使して、明音楽器に入社することを志した。そして、次期社長の椅子を狙っていた王仁専務と幕田常務の間を縫って「明音楽器は貴方のもの」とかまし、入社することに成功した。そんな彼は、丸山英子の預金を見つけると、通帳欲しさに1円玉を預金して100万とオオボラを吹いて彼女の気を引き、すかさず結婚を申込んだ。で、英子は金に弱いのか、それを受けた。結婚式は1000円会費で行われ、花嫁も花婿も式よれも金儲けのことばかり考えていた。そして新婚旅行は観光団体にまぎれ込み、飲めや歌えの大騒ぎをしたのだった。そんな等は、女の掴み方に心得があって、瞬く間に、長谷川に惚れているバーのマダムや、専務の恋人、そして社長のお目当て芸者・初太郎のハートをガッチリ掴む。そんな彼は日々金儲けに注力し、未収金取り立てる係に異動となると、取り立てた金の500万円をソックリそのまま自分名義で預金し、その利息でチャッカリと金儲けをしていた。一方、英子も等に負けずに金儲けに性を出し、食事代は割り勘、お代りは割り増し料金を取り、稼いでいた。そんな所に、アメリカのスミス楽器の御曹子が技術提携の話を持ちかけてきた。サックス・プレイヤーのゲーリーを連れて来て、売り込みに力を入れる。等もこれに力を入れ、王仁と幕田は社長への絶好の足掛かりとなるとして、提携話を実現させようと、ゲーリーと等にリベートの応酬を展開する。が、ゲーリーの正体がばれてしまい、等が取り立て金を自分名義で貯金していたことも明るみになってしまう。が、等は、「バレテしまえばハイソレマデヨ」というとで、会社を去るが旺盛な生活力は変わらなかった...

植木等のキャラだからこそ、笑って楽しめる展開であるが、本作でひとしが行ったことは完全に「横領罪」が適用されて、手が後ろに回ってしまっても当然である。まあ、'60'sの高度経済成長期ということと、等のキャラクターで、笑って楽しめば宜しいかと...(こういう作品は、色々とツッコミ所が、笑い、ツッコミ、楽しむということで、深く考えないのが良いですね...)

 

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「無責任」(その2) [映画(邦画)]

今回は1962年7月に劇場公開されたシリーズ第1作についてです。

シリーズ第1作ニッポン無責任時代」(1962年)
作品データーを記しておくと、1962年の東宝作品で、時間は86分、監督は古沢憲吾、脚本は田波靖男と松木ひろしの2人、撮影は斎藤孝雄、美術は小川一男、音楽は神津善行である。そして出演は、植木等、重山規子、ハナ肇、久慈あさみ、峰健二、清水元、藤山陽子、田崎潤、谷啓、安田伸、犬塚弘、石橋エータロー、櫻井千里、松村達雄、由利徹、中島そのみ、団令子、中北千枝子、稲垣隆、田武謙三、人見明、小川安三、清水由記、岡豊、荒木保夫、記平佳枝、門脇三郎、宮田羊容、井上大助、土屋詩朗、出雲八重子、峯丘ひろみ、丘照美、宮川澄江、杉浦千恵、田辺和佳子、谷和子、寺沢広美、原紀世子、吉田静司、大内ヨシオ、朽名章宣、康本佳男、堤康久、たちである。

平均(たいら・ひとし)は口八丁手八丁という男であった。ある日彼はバー・マドリッドで、太平洋酒乗っ取り話を小耳に挟む。で、太平洋酒の氏家社長に同郷の先輩の名を持ち出して、総務部勤務になり、大株主・富山商事の社長を買収するという仕事に没頭することになる。で、小切手一枚でこれは見事に成功した。更に、新橋芸者のまん丸も彼の凄腕にイチコロで、係長に昇進とあいなった。が、良いことは続かず、乗っ取り男の黒田有人が富山商事の持株を手に入れたと判ると、あっさりと傷心話は消えてしまった。黒田の黒幕は、山海食品社長・大島だあり、彼の娘・洋子はつきあっていた氏家孝作と駈け落ちをしてしまった。新社長就任パーテーで黒田に会った平均は、余興と宴会のとりもちの巧さから、渉外部長に返り咲いた。そんな中、黒田が大島の娘・洋子との結婚話を切り出し、大島は氏家孝作という相手がいることが分かる。そんな中、平均は、太平洋酒の商売仇の北海物産からホップを買いつけるという次の仕事に取り組んでいた。で、北海物産の石狩社長を桃色フィルムとお座敷ヌードで攻略して買い付けが成功したと思われたが、そのやり方と、公金横流し、御乱行がバレてクビになってしまった。しかし、平均は、洋子の縁談のことで大島と黒田が頭を痛めていると知ると、洋子の居場所をタネにして、氏家社長の復職を迫った。で、その作戦が成功し、氏家家と大島家の結婚が決まり、平均は北海物産の新社長の座を手に入れたのだった。

時代を感じる物語と展開であるが、何でも右肩上がりで成長していた良き時代の作品であって、笑って楽しめる作品である。(現代だったら、途中で間違いなくクビになり、逮捕されていて…ということに成るのも確実でしょうし...)細かいことは考えずに、笑って楽しみましょう。

 

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「無責任」(その1) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローシリーズの第60弾として取り上げる作品は、'60'sのコメディ・シリーズから「無責任」シリーズを取り上げます。このシリーズは、クレイジーキャッツの植木等の単独主演シリーズとして、東宝が製作したシリーズである。そして、本シリーズによって植木等をスターダムに押し上げ、一大ブームを巻き起こすことになった。また、植木等はクレイジーキャッツと共に後に「クレイジー」シリーズや「日本一の男」シリーズを生み出し、'60'sを代表するシリーズを生むことに繋がっている。

尚、「無責任」シリーズ作品としては全4作ということで幕を下ろしているものの、「クレイジー」シリースーは14作、「日本一の男」シリーズは10作が製作されている。

いずれの作品もが荒唐無稽な展開でたっぷりと笑わせてくれるコメディ作品である。

初回となる今回は、シリーズ作品のおさらいということで、映画化された順番にタイトルを記しておきます。

シリーズ第1作「ニッポン無責任時代」(1962年)、シリーズ第2作「ニッポン無責任野郎」(1962年)、シリーズ第3作「無責任遊侠伝」(1964年)、シリーズ第4作「花のお江戸の無責任」(1964年)。

次回からは、シリーズ順に、それぞれの作品についてを記していくことにします。

 

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「爆発!暴走」(その5) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーロー・シリーズの第59弾として記してきた「爆発!暴走」シリーズも今回で最後となりました。で、1976年9月に劇場公開されたシリーズ最終作についてです。

シリーズ第4作爆発!750CC族」(1976年)
作品データを記しておくと、1975年の東映東京の作品で、時間は85分、監督は小平裕、脚本は小野竜之助、撮影は出先哲也、美術は中村修一郎、音楽は八木正生である。そして出演は、岩城滉一、西田健、ジャネット八田、北川たか子、星野じゅん、森幹太、貝ノ瀬一夫、大蔵晶、成瀬静江、野口元夫、青木卓司、斎藤久也、ゴム高津、清水健太郎、宍戸久一郎、きくち英一、宮崎光男、中田博久、橋本直美、小林稔侍、福岡正剛、山田光一、山本聡、畑中猛重、伊藤豪、星純夫、よぎ英一、渡辺義文、赤石豊和、古沢一郎、名取襄、城春樹、たちである。

警察の暴走族に対する取り締まりは日々強化されていて、「暴走族完全封じ込め作戦」が押し進められている。そのため、暴走族と機動隊との追跡は激しくなり、多数の暴走族が逮捕されていく。そんなこともあって、クライムカイザーのリーダー・日暮光次も逮捕された一人であったが、彼はグループを解散することで釈放された。が、それは偽装解散だった。そして日暮は、メンバーの六郎、ヒデキたちと共に、密かに再出発するためにポンコツ車の改造を行い、完成したツッパリ号で走りに出た。が、彼らに、乗用車の暴走集団・ビッグフィクサーに絡まれて、車を破損されられた。で、2つのチームが乱闘になる。しかし、パトカーが現れたことで、決着が付かないまま、2つのグループは散り散りになった。車を壊された日暮は、ビッグフィクサーが金持ちのスネかじり連中だっただけに、余計に腹の虫が治まらず、復讐しようとする。しかし、仲間の六郎が、ビッグフィクサーに捕まって、カーリンチ・地獄落しに遭って重症を負った。病院に急行すると、医者からは手術代の50万円を請求され、途方に暮れてしまう。そんな所に、日暮が以前から好意を寄せていた堀川桃子が貯金通帳を出して資金援助を申し出た。しかし、日暮はそれを断り、ビッグフィクサーのリーダー・西原を執拗に追う。西原はそれを察知すると身を隠す。日暮は西原の仲間で、原宿に高級洋品店を持つ落合マキに接触し、西原との勝負の段取りをして貰った。勝負はギロチンと呼ばれるもので、死を賭けたものでもあった。で、日暮が勝って100万円の小切手を巻き上げた。しかし、それは不渡りだったことで、日暮は西原の父に掛け合って金を要求する。が、警察に通報されて、恐喝として逮捕されてしまう。やがて釈放された日暮は、六郎の手術代は落合マキが払ったことをしり、再びマキに会う。西原を庇うマキは更に金を払い、謝罪までする。が、彼女が西原の父の妾と知ると、犯したのだった。数日後、ビッグフィクサーは仕返しとして、桃子が強姦され、ヒデキはリンチを受けた。それを知ってベッドから抜け出した六郎は死亡し、日暮の怒りは頂点に達した。で、西原を捕らえ、父に5000万円を要求した。日暮は金を受け取ったが、予想した通り、警察に包囲されていた。ということで、用意していた750ccで逃走を開始した。人混みの中を走り、デパートの店内、地下街、大通りなどを突破していく日暮。が、警察も執拗に追跡をしてくる。更に大追っかけが行われていることを知った暴走族たちが自発的に集まり、暴走族の垣根を超えて、何かと警察の追跡の邪魔をして日暮を助ける。機動隊も投入されるが、暴走族は手が付けられなくなっていて、日暮は巧みな運転技術を発揮して逃走していくのだった...

この手の作品ということでは、お決まりのパターンで物語が進んで行く。あくどい奴に対して真っ直ぐな怒りをぶつけても、権力を利用されて、というパターンもお馴染みの展開と言うことが出来る。が、それに逆らって溜飲を下げることが出来るだけに、娯楽作品と言うことでは宜しいかと...(現実的には全く以て...ということですが...)

本シリーズの時代背景には、「暴走族」が大きな社会問題となっていったこともあるが、アンチ・ヒーローとしてのこういうシリーズは、やはり'60'sから'70'sならではという所である。(少なくとも現在では、こういう設定の物語は何かとクレームが付いてしまって、製作も難しいでしょうし...)本シリーズは'70's中盤らしい作品ということで、'70'sの雰囲気を楽しむと言うことで宜しいかと...

 

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