SSブログ

香り配信サービス [科学/技術]

NTTコミュニケーションズがインターネットで香りを伝達する「香り配信サービス」を実用化した、と発表した。これまでテレビやネットでは「におい」を送信することはできなかったが、この技術を使えば料理番組や花などの画像の「におい」を伝えることができるようになるという。

では、どうやって実現するのか、ということになるが、「かおり」をデータ化してネットを通じてパソコンに接続された別売の「香り発生装置」に送り、「香り発生装置」の内部に入っている液体香料を受信データに基いて調合して香りを発散させるという。

以前、映画で「におい」を伝える方法として、シートに何種類かの香料を印刷し、映画のシーンに合わせてそれを鼻に近づけてにおいを伝える、というものがあった(映画「ポリエステル」)が、これは原始的すぎて伝えるという代物ではなかった。(そのため、この作品以外には聞かない。)

「ほぼ無限の香りが出せる」とNTTコミュニケーションズは言うが、そうなるとちょっと気がかりなこともある。「悪臭」と言われるにおいも出せるということになる。そうなると苦情が増える可能性がある。また、料理番組で「ドリアン」などの強烈なにおいや、焦げたにおいは配信するのだろうか。前者は「悪臭」という苦情が、後者は「火事発生」という誤報が増える可能性がある。

また、液体香料を調合するということから、何種類かの液体香料が必要だと思われるが、それをこぼしたりして変に調合されて悪臭を発生させることはないのか、そもそも液体香料自体の「におい」は漏れないのか、懸念される事柄はたくさんある。

更に、「いい香り」と言われる「におい」にしても個人差があり、大半の人は「いいにおい」と思っても一部にはそれを「悪臭」と感じるようなにおいがある。全ての人が「いい香り」と感じるにおいとなると果たして何種類あることか...

発想は面白いが、送信する「におい」に関してはある程度の制限(自主規制)を設けないと、トラブル続出のとんでもない物になってしまう。技術開発レベルに留めておいた方が無難な感じがするのだが...



共通テーマ:パソコン・インターネット

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。