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アンコール遺跡の危機 [歴史]

カンボジアにある世界遺産・アンコール遺跡群を代表する仏教寺院バイヨンの中央塔が倒壊する恐れのあることが遺跡救済チームの調査で分かった。このチームは今年から5年間の予定で具体的な保存修復計画を策定することにしているという。(のんびりしていて大丈夫なの?)

バイヨンは、砂岩などの切石を積み上げて築いた石造建築物であり、二重の回廊がめぐっている。高さ約45mの中央塔の四面には巨大な観音菩薩の尊顔彫刻が施されている。(既に、頭頂部の石材の一部が崩落している。)石材傾斜の経年変動量に問題はなかったという、豪雨や強風などの異常気象で大幅な傾斜変動が生じることが明らかになった。で、塔を支える柱には亀裂の入っている石材もあり、異常気象が続けば倒壊の危険がある、という。

「倒壊の危機」で頭に浮かぶのは、イタリアにあるピサの斜塔である。そちらは倒壊防止のための大がかりな工事が行われたことも知られているが、バイヨンとは事情が異なっている。バイヨンは傾斜ではなく構造物自体に問題があるため、ピサの地盤工事のような対策は役立たない。

このほどまとめた「バイヨン寺院全域の保存修復のためのマスタープラン」の中では、石材の亀裂への接着剤の注入、塔のまわりをロープで固定する、などの対策が必要と強調しているが、くずぐずしている時ではない。まして、経時変化による倒壊の危機ではないだけに、いつ起こっても不思議ではない。ゴチャゴチャと論議をするのなら、そんなのは後回しにして、直ちに修復工事に着工すべきである。(そうしないのならば、一旦解体して、問題となっている亀裂の入っている石材を交換するしかない。)



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